ムーミンシリーズの八冊目、そして最終巻です。たぶんトーベ氏的にははっきりこれで最後っていう感じで書かれてますね。
原題は11月の終わり、です。
七巻のパパと海のアナザーストーリーみたいな小説になっていまして、ムーミンたちが島へと移住してしまったあとのムーミン谷で、ムーミンたちへ会いにくる人がムーミンたちがいない、というのに気づくという。ゴドー・・みたいな、メインのストーリーではなくそれ以外の人々、が描かれるという現代小説風の作品になっています。
ある種すごく攻撃的だった海と比べて、ゆったりとして、何も起こらない、ってことがずっと続いていくっていう、本来小説などで描かれるもののそれ以外、ってのを前面にだしています。
これでムーミンシリーズはついに読破しましたね。個人的にやっぱしパパと海、が最高傑作でしたね。パパと海ではないけど、ムーミンパパの大好きなセリフがあります
「冒険者には墓はいらないさ」
っていうセリフ、ワタシも旅立つ時にはこのセリフを誰かに残していこうと思ってますw
あとムーミンってのは食べ物の描写がすごく多いですよね、生きてくってことをちゃんととらえたいからなんだと思いますけど、ラムトディ、ブランデー、リンゴ酒などお酒も相当出てくるし、暇さえあればコーヒーを飲んでる。北欧ではコーヒーなんて取れないはずだけど無限のようにコーヒーを切らしませんね彼らは。どこから食べ物がやってくるかは一切なぞ。
何かのドキュメンタリーでスナフキンはある年代の子供たちが一度はあこがれる存在だ、って言ってました。確かにそうでスナフキンのように生きてみたいって夢見る時期がどっかにありますね。中二病ってやつなのかもしんないw テントで暮らして、セカイを歩いて放浪してみたいっていうやつ。だいたいの人はその野望をかなえないで死んでいきますし、実際にバックパッカーとしてそれをやっちゃう人もいる。
けどなんだから知らないけれどバックパッカーの人ってどうもクズのニオイがするっていうのか、なんでか知らないけど世界中を歩き回っても人間ってちっともよくならないんだな、ってワタシは感じます。ほんとにこれは直感だけの直感話。あと高い自転車を乗り回してるやつもどうもクズのニオイがして仕方ない。レーシングタイプみたいなのも、クズが多い。ほんとにどのへんが?とか言われると困るんですけど、ワタシはクズを見分ける直感力はすごいあって、久米宏とかクズなんだろうな、ってすぐわかりますし、こいつクズじゃん、ってのもほらやっぱりね、ってすぐに見分けられる。
旅に出るのはやめろとは言いませんけど、旅に出たら見識が広がって人間として成長するってのは絶対嘘だと思いますね。世界観変わった、とか。そんな簡単に変わるものか。変わるってのはもっとしんどくて辛いことです。