2016年1月26日火曜日

2006 ヴァルキリープロファイル2 シルメリア

 一部クソゲー、と有名なゲームです。まず言っておきますけどクソゲーではありません。ただ良ゲーではありません、クソゲーではなくてダメゲー、ですね。


まず重要な情報をいくつか。
 ・お店のお得意様用の商品、???や灰色のもの。は一定料金カネを使うと名前がわかり、名前がわかると必要な素材がわかります。その素材を売ることにより、
一個だけ店頭に並びます。素材を必要数売って、必要数買うようにします。素材持ってるのに買えない!?って時にはまず素材を売るのです。これすごいわかりずらい。

 ・敵はカラダの部分ごとに当たり判定があり、部分を破壊するとアイテムになります。目指す部分に攻撃を当てるのが難しいのですけど、戦闘中に円が出て、矢印が出ますね。矢印を正面、横、後ろ、で敵に合わせて、同じ攻撃を連発するとどの攻撃でどの部分かわかります。それにしたって面倒だ・・ポイズンチェックは超必須
ですがスケルトンからドクロの器を集めるのはなかなか骨。スケルトンだからね・・・。アリーシャの切り上げを正面から当てるのをおすすめ。 

・地図を買うことでいちいちマップに入らなくても大陸を移動できる。

・必ずといっていいほど必要な装備、スキルがあります。
 ポイズンチェック(これが死ぬほど必要だ)
タフネス(終盤これがないとほぼワンキル)
ファーストエイド 次点のスキル
 命精の封印石  ファーストエイドと組み合わせればほぼ無敵

ただファーストエイド、命精コンボは強力すぎるのでバランスブレイカーかも・・・。タフネスだけはないとムリ。普通にプレイしてると緑の炎のアクセがてにはいりませんが攻略サイトで見て獲得してください。ポイズンチェックも攻略サイト必須。タフネスが無いとマジで苦戦する。最悪1人、主人公だけ鍛えてもダイジョブゲーです。エインフェリアを全員転送して。状態異常無効の封印石が相性抜群。

 ラスボスはほぼイベントバトルなので難易度はありません。ここもタフネス、ファーストエイド、あとはパワーバングルを何個もつけてタコ殴りするだけ。
 
 確かに演出が長々あって、ラスボスと戦闘になり、負けてまた同じイベントを見るってのは興ざめなんですが、かといってラスボスがイベントバトルで今までやってきたこと関係無しってのは不完全燃焼・・・って感じですね。その分裏面であるセラフィックゲートが充実してるわけですけど。



  攻略情報は以上、言いたいことは山程あるんですが一個づつ・・・
・まずゲームはフル3D化されてしまいました。

 好みの問題なんですけどフル3Dってどのゲームもまったく同じ絵面になってしまいますね。フル3Dでは基本的に誰が作っても同じになってしまいます。だってまず樽を作るとして3Dで樽のモデリングをして、そこに木のテクスチャ、鉄、そして汚しっていうのが、グランジ的にサビとかを入れたりします。これは誰が作っても殆ど全く同じです、そりゃそうで木は木だし、鉄は鉄、です、現実の写真を貼りこんでいるので、ほぼ同じ。写真は誰がとっても同じなのと同様に。フォトリアル=綺麗、ですが、個性0、というデメリットがあります。
 イラストだと同じ樽でも陰影のつけかた、線のクセ、色の選び方、千差万別でして絵面は決して一定にはなりません、ヒトそれぞれ。
 キャラクターも同様に、モデリングしたら、ニンゲン、の形、ってのはだいたい決まってるし、3Dモデリングなので、ちゃんとフォルム、を持ってないのいけないので極端なデフォルメとかは出来ません。結果的にはだいたいどのゲームでも全く同じです。FFだろうが、スターオーシャンだろうが、HALOだろうが、だいたいニンゲンのキャラは同じ。ニンゲンの形をしてる。あとはモデリングが上手いか下手かくらいの違いしかないんですけど、プロですからそんな下手っぴはいませんので、それにデフォルトのヒューマンモデル、ってのを用意していて、それにアレンジを加えているので、失敗のしようもないっちゃない。あるいはもっと簡単に、標準モデルにパラメータをつけてモーフィングのようにパーツを入れ替えしてキャラを作ってるかもしれません、絵面はシェーダーの違いで決まったりします。

 それでも3Dのメリットは複雑な服装をしていても、アニメーションが容易だし、いちいち何度も描いてアニメートする必要がない。誰がやっても同じ、ってのはメリットでもあって、才能あるイラストレーター、アニメーターに大金つぎ込む必要もない、そこらへんの専門学校生でもQは大差無い。結論としてとにかく安上がりなんですね。ゲームはハイスペック化していて、どんどん複雑化してるって言われてますけど、じつのとこドット絵みたいな職人技のやり方よりもフル3Dはとても安上がりで簡単です。制作のプロセスとしてはすごく簡単になっている。
 映画とかでもそうで実際にロケで車を爆破して、なんてやったら膨大なカネがかかりますけど、CG合成ならすごく安上がりなんですね。カネ以前にまず許可が取れないってのもあるし。実際ロケなんて肖像権やら商標やらうんぬんかんぬん言われてもはや不可能になりつつあるし。好きでCGたっぷりにしてんじゃなくて、予算と規則でCGゴリ押しになってる場合も多い。
 
 ともかく簡単で綺麗な仕上がり、それを採用しないわけないですよね。合理的で簡単で優れた方法、その欠点は、全員が同じ方法を選んでしまうということ。それは表現、じゃなくて作業になってしまうのですね。
 表現っていうのは非効率で面倒くさくて、馬鹿げたものです。


 さぁながながとフル3Dの悪口を書いてきましたがw VP2もその例にもれず、イラストじゃなくて3dモデルですので、VPっぽさってのが全然無いんですよね。キャラの違いが服の違いでしか無い。特に女キャラは全員美人ですので基本見分けが殆どつかない。少女の主人公はさすがに見分けがつくけど。キャラの立ちも悪いです、主要キャラがいるんですが、普通にプレイしてたらほぼそいつらしか使わないですね。(シルメリア、アリューゼ、ヴァレス、ルーファス)あとヴァレス氏のモデリングがもさくてイヤ。脇役エインフェリアが全然個性がなくなっちゃいました。



ネタバレですが、ヴァレスは裏切り、他の人たちは抜けたり入ったりです。実はこのゲーム4人パーティちゃんと育てる必要はあんまないです。回復可能な剣士の主人公をゴリゴリに育てて、あとはアリューゼの衰弱攻撃が便利、くらい。けど主人公がゴリゴリのマッチョになってるならそれもまた必要なし。
 あとこのゲーム毒がひどい。数々のゲームをやり、数々の毒を食らってきましたが、この毒はものすごい、ポケモンのどくどくレベルです。ものすげー食らう。全体回復が無いし、魔法も連発出来ないので相当状態異常はいたいんです。序盤、中盤がかなり敵が強いっつーのか、攻撃力がえげつないやつが多くて詰まりやすいです。後半の初め、ともかくタフネスさえ習得すればあとは楽ちんゲーに変貌します。HPが二倍、といううそぉん、ってくらい強力なスキルです。二倍て。

 良い意味でも悪い意味でも、VP1らしい独特のシステム、道具のマテリアライズとか、アーティファクトとか、がなくなり、普通のRPG風になりました。マテリアライズポイント、とかも無くなり、基本カネで買うことに。

 そう、カネの単位が OTH、なんですけど、数々のゲームでオカネの単位がありますけどこれはその中でも最悪の部類です。なんでかというと100OTH 、って書かれると1000なのか100なのかわからないですよね、これゼロじゃなくてO オーじゃんか、って思う。なんでそれに気づかないのか・・トライエースさん、嫌がらせですか・・・。
 やっぱしオカネの単位はギル、が秀逸だと思いますね。ギル、ってものすごいオカネって感じがする。これは考えたヒトは天才ですね。ギルて、カネという日本語よりも優れてますね、ギル。
 
戦闘システム、これがすべての肝、肝心要の要石なんですが、独特です。VP1があれほど高評価だったんだから同じでいいじゃん、とも思えますけど、どんだけ称賛されても同じことはやらない、斬新なシステムを作り上げる、そのトライエース先生のパイオニア精神を褒め称えるべきなのか、ごちゃごちゃしててわかりずらい、複雑にすりゃあいいってわけじゃないぞメーカーさん、あんたら進むべき方向を見失ってるよ、って言うべきなのか。真っ二つですね。特に主人公1人旅で攻略するとほぼこのシステムは機能しない、後半は力戦でゴリ押しなるので・・・。戦略とかかんけーない。
 う~~~・・・、ワタシ的には・・やっぱVP1のシステムで良かったんちゃう?って思いますね、ザコ戦でいちいち移動して囮を使って、なんてやってらんねーもん・・・


 シナリオが超展開でなんじゃこりゃ!って散々叩かれてますが、たしかにVP1の過去の物語という触れ込みでありながら、まったくストーリー的につながらず、パラレルワールド仕様になっています。ラスボスがイベントバトルってのも。ついでにネタバレですがラスボス戦ではこっちの主人公は変身して、なんとステータス固定 装備指定
魔法は使えなくなり 引き継ぎはスキルのみ という、じゃあ今までのはなんだったの・・・ってなる。ステータス固定ですので、頑張ればちゃんと勝てるように出来てます、そりゃそうだ。RPGとしてラスボスに向けて頑張ってきたのにこれって・・ひどい。

 いやもっとネタバレで徹底的に書いてしまいますが、最初のほうはアーリィがシルメリアにだんだん姉妹の感情を抱いて軟化していくって調子だったのに、急に途中からルーファスとアリーシャの恋愛物語になります、えっ!?なんで!?って感じ。祖国を救うのです!とか息巻いてたはずなのに、あなたとどこまでも一緒にいたいの!みたいなことになる、それもフリが殆ど無しで。いきなりデレモードに突入。ついでにいうとラスボスのレザードもレナスに惚れたからオーディンの力を乗っ取りセカイを滅ぼしてレナスを自分のものにしようとするという、変態さんがセカイを滅ぼしてしまいましたというオチです。神と人間との対立、っていうヴァルキリーの主軸はどこへやら・・。イケメンイケジョのカップルとモテないオタク魔術師との戦いになるという。
 それとこれはヴァルプロだけじゃないんですけど、いきなりめっちゃ強いやつが現れるがなぜか主人公たちは命からがら助かって再度諦めずに戦いを挑む、っていうシナリオ。これってもういいだろ、って感じですよね。敵がしっかり全員に止めを刺す几帳面なやつだったらどうするんだっての。このゲームは6回くらいそれがある気がする・・・、まぁいい!命だけは助けてやろぅ!!みたいなこと。いやいや、いい加減学習しなよ、ゲームとかやったことないの?って感じ。

 それとあと街とダンジョンの数が少なすぎる気がする、街が6つ、ダンジョンは・・10?くらいしかありません、30時間で本編はクリア出来ます。ん~~・・大幅に不足ってわけでもないけど、ワールドマップちっちゃ!って思いますね。確かに綺麗にモデリングされてますけど・・。
 
 すべての悪い原因はこのゲームがヴァルキリープロファイルの続編だ、ってことだと思います。そうでなくて、これがまったく新しい新しいシリーズのゲームだ、こういうゲームなんだ、って発売されたら、叩かれることもクソゲー呼ばわりされることもなかったと思うし、評価もガラッと変わったんでしょうけど(まぁ知名度不足でそれほど売れなかったかもだけど)初代が名作すぎただけに、がっかり・・、ってことになっちゃいましたね。決して決して手抜きゲームでもつまんないこともない、モデリングも丁寧ですしね。そういうことって多々ありますね、FF12とかだって、あぁいうゲームだ、ってことなら、クソゲー呼ばわりされることもなかったけど、FFシリーズとして考えると出来が悪い、OASISのアルバムだってそこらへんのロックアルバムと比べたらめちゃ出来がいいのに、OASISオワタ、みたいなこと言われる。