2016年8月24日水曜日

1984 名探偵ホームズ  EP3   小さなマーサの大事件!?

 名探偵ホームズというと探偵小説ですが、それをアニメ化するとなぜか人間が犬になっているという不思議ですね。なんで犬なん?っていう説明は一切しないのは宮﨑駿のお約束。ただ単に人間を書くのがめんどうだったか、犬を描きたい気分だったんでしょう。


 このアニメ単体だけを見ると、あぁ昔のアニメこんなんだっただぁ、って思うんでしょうけど他の同時代のアニメと比べると全然違います、ガンダムショックが1979、80くらいにあって、そっからロボットアニメ全盛期が起きます。もっと同時代のアニメは宇宙!とかロボット!っていう調子なのに、ホームズ、という。宮﨑駿ってのは反動的な作風なんですよね。時代的にレトロなんじゃなくて、このヒトだけが、昔の物語を描くヒトなんです。この反動的であるってことが駿アニメが大衆受けする大きな理由だと思いますね。保守的。レトロ、ノスタルジック、言い方はいくらでもありますけども。


 世紀末から、大戦までのロンドンが舞台のホームズ。つまるところスチームパンク、です。蒸気の時代。(実は駿氏探偵ものが好きなんですね、少年探偵団とかが愛読書らしいんで)

 この蒸気の時代から、レシプロ戦闘機までの時代、が宮﨑駿の作風なんです。第二次大戦末期のジェットエンジン以降、を舞台にすることは滅多にない。(ナウシカみたいに超未来で文明が滅んでるのがありますけども)1880~1944年くらいの感じ。ワタシもこの時代がやっぱり大好きですね。
 SFチックなものってうそつけって感じしかしない。よくいうことですがガンダムは立ちません。重心が上にありすぎるんです、歩こうとしたら、ボテーンってなる。それにレーザー銃なんか撃ったら反動で腕がぶっ飛びます、だいたい反作用ってものを考えてません。物理的にはあぁいうのは無理なんです。どんだけ技術的能書きを垂れても、どれだけ技術が進歩しても人型巨大ロボットってのは現実味がまったくない。人型である理由がそもそもまったくないですし。



 ホームズシリーズ宮﨑駿がコンテを切ってるのはわずかですが、やっぱり図抜けてますよね。とにもかくにも作画枚数が尋常じゃない。週間アニメではありえない数、ともかく枚数、が全然違う。こんなに動くの!?ってくらい。若さで押し切ってるのかわかりませんが、スターリニズムを発揮しておりますw 作画監督近藤喜文、背景山本二三、とスタッフは後のジブリと同じです。普通のアニメ3本分くらいの労働力を注入しますねー、なんでこんなことが出来るのか全然わかりません、だからすぐ降ろされるのでしょうけどw 
 それと割と斜めからの見下ろし構図が多いってことにも気づきますね。背景泣かせw こういう絵をかくのはクソめんどい。また、背景アニメーションの多さ、つまり背景が動くシーンが多いってことです、機械が爆発したり、トビラや窓が開いたり。キャラだけが目立つキャラアニメでは背景は言っさい動かないです、ギャルゲアニメっていったらいいのか。キレイに書いてはあるけども、書割りみたいに存在していて、教室の黒板になんか書いたり、イスにすわったりしない。これは文字コンテが先にある場合の弊害でして、脚本を消化するために、画が見えてないのです。