2016年12月28日水曜日

-375 プラトン 国家 ポリテイア

私たちは古典ということで、古代ギリシャの世界を文明の始まりのあたりだと勘違いしているのだけれど
ソクラテス、プラトンの時代というのは、彼らの文明の終わり、あたりの時代のもので、ー500年頃に偉大な思想家が現れたと
いって仏陀、孔子、ソクラテスなどと並列的に紹介されるのはまったくお門違い。
 古代ギリシャでは孔子や仏陀のような、死後の世界や正義や処世訓を語る人々は、何百年も前にすでいて、オルペウス教、教訓詩
などを書いていた。ソクラテスはそれらの一方的な立法、をするような宗教家、立法化、偉人などを通過したあとで、文明の終わりに立って
文明がどのような道をとるべきだったかの正義を考えた。
 ソクラテスは死刑に処されてプラトンは国家について真剣に考えた。実際最愛の師を殺されたというのはかなり大きな話である。
最愛の妻などといっても、妻なんて愛らしいだけで内容はほとんど無い、というのがだいたいで恋愛というのは結局くだらないものだけれど
ソクラテスを失うのは可愛らしい女を一人失うのとは損失が全然違う。


 ・ギュゲスの指輪の話にあるように、古代ギリシャのどこかで何か他の文明との接触があったのかどうかは信ぴょう性があると思われる。
明らかに古代ギリシャだけが図抜けて高度な世界観を持っていた。原子論、数学、幾何学、音楽、演劇、文学、芸術。ちょっと完成度が
高すぎる。ずるをしてるとしか思えない。
 実際ヨーロッパ以外で、プラトンと同等の知脳を持つ人間が現れるには、20世紀を待たねばならない。およそ2500年後になって
ようやく・・・
 

・プラトンは、素質の無いもの、障害者などを死は、恐れるものではないのだから排除せよと言う、理想の国家を作るためにそれは仕方ない。
けれど死を恐れないのならば、生き続ける理由が無い。哲学者にもそれは言える、なんで理想の国家を作られければいけないのかの理由がない。
結局プラトンの通りの人間を探さないとなれば、ほとんどの人間を殺さないといけない。もしくは世界に一人しか存在できそうもない。

・教育カリキュラム
18まで、戦争の見学、文芸、音楽、体育、自然科学(の自由な学習)
18-20 戦争技術
20-30 兵員 自然科学
30-35 選抜者は哲学
35-50 公務
50 さらに選抜者は善の哲学、と順番制での支配者

・国家形態 正義の順に
哲学王支配(天才独裁、優秀者独裁) ※プラトニクス      哲学を最優先する
名誉支配、指導者支配 ティーモクラティア          名誉を優先する  
寡頭制、貴族制、資本家支配 アリストクラティア、オリガルキア  金を最優先する(が故に1つの国家ではなく二つの国家となる、金持ちのグループの国と貧しい人々の国である)
民主主義(寡頭制への敵対として生じる) デモクラティア
僭主独裁 軍事独裁 ティラノス


※ヒトラーは民主主義は、一人ひとりの主権者が個人で考えているのではなく、ただ無思想な大衆を一部の権力者が洗脳する形態だと見ぬいた、そしてマスコミがそれを可能にした。
群集は、無思想、無知、無力、無能力である。

オリガルキア(少数を支配するもの)、は戦争を遂行出来ないのではないか?というのは大衆に武器を渡せば自分たちの身が危ういからである。
またこの支配になって初めて、自分の持ち物をすべて売り払う事、他人がすべてそれを手に入れることが許されて、国家に何の役にも立たない人間が現れる
貧民、困窮者と彼らは言われ、犯罪者、乞食、悪人などの源泉となる。

・民主政は、金持ちによる金儲けにならない欲望の解放である。民主政では傲慢を育ちの良さ、無統制を自由、浪費を度量の大きさ、無知を勇敢ともてはやして、ふらふらと
快楽に身を任せ、色んな事を手当たり次第に行うけれど、ただひとつ、真理、には耳を傾けない。

貴族制は富を善とし、民主政は自由を、善とする。民主政からは独裁が生じる、それは過度の自由が行きすぎて、誰しもあらゆる抑圧を受け入れられなくなり、無政府状態に
陥る、過度な自由は必然的に過度の隷属状態へとならざるをえない。
 民主主義の無制限な自由は、同胞の命さえ顧みないヒトが現れる、謀略で法廷で始末したり、暗殺などをしだす。その犯人は自分も殺されるか、独裁者になるほかない。
暴力に手を出すと狼にならざるをえない→自由競争は全員が狼にならざるをえない・・
 独裁者は、金持ちに対する民衆の指導者として現れ民衆、群衆の戦車の上に立つ。

※ ヒトラーのパターンと同じ、民主主義はいつも最期はそうなる、パターンなのでヒトラーが特殊な独裁者ではない。

民衆は、金持ちへの隷属(煙)を避けるために、独裁者を生み出し、奴隷(独裁者たち)へ隷属する(火)へ飛び込むのだ。
・独裁者は常に戦乱を起こす、戦乱を起こし続けなければ自分が殺されるからである。
・エロースは昔から独裁君主と呼ばれている。

・独裁者は常に裏切りに怯えて孤立するので、自分の奴隷に媚びたり自由を与えたりする、奴隷に属する奴隷の奴隷なのであって、最も不幸な者である。

v10 創作は、悪である。※ たぶん芸術は、悪の一番洗練されたもの、最高の悪こそが芸術である。


※プラトンの正義は、魂の不死という公理をすべての前提としている、すべてはそこから演繹される