2017年6月30日金曜日

JUMP Paint - Medibang paint

 JUMP公式になった、無料のペイントソフト。

 無料というのが何よりのポイント。


SAIのようなペン補正がついていて、和文フォントもデフォで結構はいっているので、白黒マンガを描くだけならこれで十分という感じです



が! ともかくわかりやすくしようということなんでしょうけど、ツールのカスタマイズが全然出来ない、というかやり方がわからないので、塗りソフトとしてははっきり言って使い物になりません。線画、白黒、ベタ塗りくらいまでならこなせるっていう感じですかね。
 レイヤーをたくさん使ってギャルゲー塗りとかをするにはかなりムリがあるような・・?公式では可能だって書いてありますけど。




 なにより無料なんで、ラフでスケッチとかやるペン補正のついてるソフトという感じですね。メモリを消費しないっていうのもうたっているみたいなんで(タブレットでも使えるんだとか)、それも良いところですね。


 なんでかわからないけどマウスのホイールのズームがSAIとかと逆回転になっていて非常につかいずれぇ、でもHotKeyの編集とかもなんかざっくりしていて見つかりませぬ。


 でもこれからの成長に期待って感じですね。レイヤーのオプションも一通りありますし、 Photoshopのブラシメイクみたいなのが追加されたら実戦投入可能って感じなんですが。
 でもとにかく今までアナログで描いてた人が使いやすいってのを志向してるみたいなんで、あんまし複雑??なブラシカスタムは追加されないのかも。



 天下のジヤンプ様がバックについたことで、一気にこのツールが一般化するってことになるかも、そしたらいろんな改造手法とかも追加されていくのかもしれませんね。

 しかしほんとにタダってのはすごいですねー、GIMPとかも無料なんですが、まったく日本向けローカライズされてませんし、そもそもWINに対応してなかったりするのですよね。やたらすぐ落ちるっていうイメージがある。

 ともかくフリーソフトとしてはデフォルトソフトになるでしょう。どうやら急激にユーザが増えて新規登録がパンクしてるみたいですし。

2017年6月29日木曜日

2013 弁護人

いわゆる法廷ドラマ映画となっていますが、というよりは、なんでしょうねー、軍事政権下での生活、みたいな映画でして、この弁護人、がのちの韓国大統領ノ・ムヒョンなんで、ノムヒョンの伝記映画とも言えます。
 たぶん韓国の人にしたらノ・ムヒョンの自伝話みたいなのは田中角栄物語的にみんな知ってて当然って話しなんでしょう。





 内容は、うそぉーん、1980年の韓国ってこんな感じ!?1942年のベルリンじゃあるまいし、って感じの映画です。


 学生が共産主義シンパとしての疑いをかけられて冤罪を着せられて、拷問を受けたことを発見した弁護士が、軍事政権下の国家でその弁護をするっていう内容です。


 ほんと、日本にいると韓国とか中国の情報って入ってこないっていうか、ものすごいその情報を出してるやつによってバイアスがかかってまして、どれもこれも信頼出来ないのです。当事者間の情報は信用出来ないってやつなんですよね。だから韓国の情報を知りたかったら欧米のメディアを通じて調べるほかないっていう感じでして、近い国であればあるほど、よくわかんないのですな。


 韓国って1980年代はものすごーく遅れてたんだなぁ、ってのを感じますね。 ものすごい時代錯誤っちゅーのか、つい最近までこんな感じだったんだ・・・。っていう。
 悪役は全部北、っていうのがパターンなので、内部の軍事政権を批判した映画ってのは初めてみました、ほぉーんっていう感じです。かなりほんとレヴューに困る映画ですねぇこれは・・・。いい映画だとも思うんですが、ノムヒョンを美化するための映画とも言えてちょっと胡散臭い感じもするし、今の政権の正当化をしてるようにも見えるし、ほんとに内実を知らないワタシからすると、う~~む・・って感じです。

wacom Intuos 替芯問題   綿棒

デジタルで絵を描くのにペンタブはほぼ必須でして、色々選択肢があるようで実は一択、WacomのIntuos、今はProっていうのになっているのか? それしか選択肢は実はないです。
 他の会社のもあるんですが、基本ソフトがWacomのペンタブにしか対応してないので他のペンタブを選ぶことが出来ないんですね。いわゆるトラスト、カルテル、っちゅーわけ。


 Wacomのペンタブにも種類があって、廉価版みたいなのもあるんですけど、結局一番高いのを選ぶことになってしまうと思います(液晶のやつではありません、板の奴です。液晶は実は書きづらいです、そして信じられない値段ですし)。廉価版は別にダメでもなんでもないんですけど、デジ絵、には道具は一つしかないんです、アナログの絵みたいにたくさん筆や絵の具があるわけじゃない。デジ絵に必要な道具は一つだけ、長く使っていると自分の技術の無さを道具のせいにしたくなりますw そういう逃げ場をなくすためにも結局Intuosを買うのがいいんじゃないかと。

 そして板タブってやつは壊れません、ワタシはIntuos5をもう3年くらい使ってますが、まだまだ大丈夫。基本的にただの板ですんで、めちゃくちゃしない限りは壊れるものではない。こんなただの磁気を感知するだけの板が2万もするのは暴挙なんですけど、まぁ独占の弊害なんで消費者は泣き寝入りするほかないです。


 ですが!いつまでも泣き寝入りしていると思ってたら大間違いだぞっていう話です。

 板タブは壊れないといいましたが、ペンの芯はすぐ減ります、ワタシ筆圧強いのかわかりませんけど、こするみたいな描き方をする人は特にすぐ芯が減ります。

 このプラモデルを繋いでる棒みたいなプラスチックの芯、五本入りで800円ほど・・・・


 ウソだろ・・・・


 金箔でも張ってるのかっていう値段です。ほんとにただのプラスチックの棒ですこんなの。それが一本200円もするの??


 インクをプラスチックに詰めただけのプリンタインクが1000円するのも噴飯ものですが、プラチナでも顔料に使ってんのかって感じ。これも酷い悪徳商法です。オレオレ詐欺とかを取り締まる前に大企業のこういうやり口をまずとっちめるべきですよね。携帯の値段も。



 まぁそんな文句を言ってても仕方ない。とにかくここまでは泣き寝入りをしてましたが今度は反撃に出ることにしましょう。




 前置きが長くなりましたが、WACOMのペンは細軸綿棒、ベビー用綿棒、っていうので代用することができます、無印良品のが有名ですが100均のベビー綿棒っていうのと同じです、細さを確認しましょう。DAISOのはダメです、SERIAにありました。 まぁ無印が一番ベタで確実でしょう。


https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=36404947


作り方はこちらの方が説明してくれております、謝謝!。


他のモノ、ステンレス芯とか爪楊枝とかコピックスーパーファインとかも使えるらしいんですけどコピックスーパーファインを扱ってる店なんて世界堂くらいしか無いとおもうので新宿に住んででもいない限り選択肢除外。
 身近で手に入る綿棒が簡単と思われます。爪楊枝は加工が結構必要なようです。
ステンレス芯は専用のお店で通販で売ってます、ステンレスなので摩耗しないらしいのですが、板がやられる、重さが先端に来る、など独特の描き筋らしいですね。こぉいうのってそれに慣れ親しんでからまた買おうと思ってたら店が潰れてるってことになりがちなのでそれが怖いですね。


 綿棒は太さが同じで何も加工しなくてもすっぽり入ります、長さはもともとの公式の芯より気持ち長くするのがいいと思います、あと先端の綿毛を刈り取っていいと思います、ペンの先みたいに丸くなってないんですが、これはデッサン鉛筆を加工するときみたいに描いていって形を整えるのがいいと思います。あとは自分のお好みでカスタムしましょう。毛を残すとサリサリした感じになるw 


 かき心地は正直よくはわかりません、どれもただのプラスチックの棒じゃんって思うし、描いてるうちに慣れると思います。


 一本2円以下、公式の200円の100分の1です。特に仕事で使うとかとにかくめっちゃペンタブ使うって人には絶対オススメ。 練習中でガリガリ描きたいって人にも。プロでうなるほど金を持ってるって人にはまったく無縁の話題でした。

 でも絵描きにそんな富豪なんてあんまいないし、売れっ子の漫画家くらいなものだと思うのです。そしてワタシの勝手な信念ですけどクリエイターに金と女、イエスマンだけは絶対に与えてはならないと思います。ロクなことにならない。 金持ちになってさらに作品がよくなったなんてやつ聞いたことないですもの。結婚は99。9%ものづくりの意欲を奪います。周りにイエスマンをはべらせるのは下品で見てられない。
 クリエイターの器ってのは借金の額だって言い切ってもいいです。クリエイターのコドモは作品だし、おべんちゃらを言うやつを側に置きだしたら人間的におしまいです。



 ちょっと話は代わりますが、JUMPが50週年記念だってことで、なんと無料でオリジナルのマンガ用ペイントソフトを開発したらしいです。しかもフォント使い放題!!!まぢか!!まだ使ってないんですが、フォントだけでも使う価値があると思います。まぢか!? JUMP恐るべし。 モリサワフォントが使えるのでしょうか??


 近々レヴューを描こうと思います。

2017年6月27日火曜日

1962 沈んだ世界 J・G・バラード

 バラードを知ってる人はどれほどいるでしょうか?60年台っていうのはあらゆる実験の時代でして、音楽的にも、社会的にも、いろんな実験が行われました。
 60年台というのはベビーブーマーの青春でして、とにかく若者の数が多かった時代なのですね、戦後、という世界の青春だったってわけです。青春、の良い部分と悪い部分がすごーいある。言ってみれば世界が全部中二病に侵されてるみたいな、とっても魅力的な時代です。

 今では世界は老いてしまったのでこの時代がほんとに羨ましくて仕方なくなる時があります、自分の青春時代に戻りたいっていう願いと同じように。


 文化の潮流っていうのはまずは一握りのインテリが開拓者となり、そして大衆も惹きつけるスーパスターがそれを発展させて一般化させるもんです。SF小説ってのは結構インテリの開拓者的な分野ですよね。

 文学ってのはものすごく安上がりなんですわね、演劇をやるには小屋もいるし仲間もいる、音楽をやるには楽器がいる。文学は紙と鉛筆、そして出版社へのコネ、これが一番大事なんですけど、それがあれば初められます。


 ワタシの思うオタク、ってのはSFを読んでる奴なんですね、機械とか科学に詳しい。90年台以降のヲタク、とは全然違う、金持ちでインテリ、教養がある、けれどオカネ儲けと女遊びに興味を持たないのがオタク、です、ハードオタクですね。


バラードはSFのニューウェーブ、という純文学的なノリ、のほうを開拓した作家です、文学的SFっていうのですか。エンタメ小説みたいに、エロい女、魅力的な武器、帝国、銀河大戦争!みたいなことじゃなくて、深層心理、不可解な行動、心理的相互作用、そんな感じです。レムとかディックもこっちに入るんじゃないでしょうか。




 ハッキリ言って、面白い!ワクワクする!っていう感じの物語ではないです、SFとか探偵小説っていうのは、自然主義、リアリズム的な文学が頭打ちになって生まれたジャンルだと思います。俺たちはドストエフスキーにはなれないし超えられないぞ、じゃあ別の何かを考えるしかない、ってことで生まれたものです。ファンタジーってのはさらに後になって出てきたもので、SFや探偵小説がこむつかしくなったり、ネタ切れになった戦後に生まれたもんです。


 そのこむつかしいSFっていうのの代表的な存在がバラードなんですわね。そうはいってもワタシSFはそんな詳しくないんです。しかもこの作品はバラードは32才くらい、長編は二作目の初期の作品なんで、かなり荒削りが目立ちますね。焦って書きすぎてるっていう気がする。プロットも練りきれてない、けど新しいことをやってやろうっていう狙いとかはすごい伝わります。
  
 ん~~~、悪くは無い。ですが面白くは無いです。

2017年6月24日土曜日

松本人志 Presents ドキュメンタル

 Amazon プライム?で見られる松本人志のお笑い番組でして、ルールは参加料100万、フリースタイルで、全員を笑わせると、参加料の100万円を総取り出来るといういたってシンプル、なお笑いマゾの為の番組ですw


 ガチの笑ってはいけないみたいな感じ。


 でも正直、ほんとーーーーーーーに笑わないでおこう、って思ったら笑わないことって可能だとワタシは思います、自分がキライな奴が何を言っても面白くないし。
 それでも笑うのは、面白いことをしたっていう賞賛みたいなものになってきちゃいます、相手のことを認められるかどうか。空気の読めない、おれはまじで笑わない、っていうやつは、ハッキリいって一番笑いを理解してない奴です。



 そういうわけで、まじで笑わない奴が出てきてしまうことによってどっちらけの終わり方をしてしまうのですが、まぁさもありなんって感じですね。まさしくそれも含めてドキュメンタリーだったのかもしれないですけど。


 一番でも面白いのは参加料100万を殆どの芸人は持ってないってことでした、もしかしたらそれも演出なのかもしれないけど、演出にしたってそれはいい演出だと思います。誰かから借りたり、会社から借りたり。おれは宵越しのカネは持たない主義、みたいな人もいたりして、あぁ~、やっぱ芸人って壊れてるよなぁ、でも壊れてるから面白いんだろうなぁって思います。


 よく賞金1000万みたいな番組は数あれど、参加料を自腹しないといけない、このルールを考えた作家、あるいは松本人志はやっぱ天才のひらめきですわね。


 でも笑ったら負け、じゃなくて、一番おもしろかった奴を自分たちで投票して勝ちを決めるという自己投票システムのほうがいいとワタシは思いましたね、それも秘密投票じゃなくて公開投票。そうするとその人の笑いのセンス自体が問われることになるし、オレが一番おもしろかったって言うのは、ほんとにそうだった場合以外は芸人として命取りになるし。
 それであとでみんなで飲みに行ってぱぁっと遊べばいいんじゃないですかね。まじでカネ儲けをしてどうするって話しで。


それと10人は多すぎ、やっぱマジックナンバーである5、か7にしたほうがいいです、1000万っていうキリのいい数字が良かったんでしょうけど、10人は目が散る。


 まぁそういうわけでお笑いマゾの方はご覧になって下さい、松本人志も行ってましたけども、まったくもって女子供向けでもテレビ的なかる~い番組が好きな人にも向いてない番組です。でも、これはこれでいいんだと思います。つまんねー、っていう人が大勢いるんでしょうけども、テレビじゃないんだし、お前ら向けに作ってねぇしってことなんですしね。

2010 alice in wonder land ティム・バートン

 ディズニー映画・・?のアリスですね。


 なんだかんでいってディズニー映画ってずっとヒットを出し続けてますよね、Frozenもそうですし。セカイで唯一のコンスタントに毎年、きちんと仕事をしてる会社だと思います。だいたい5年に一度とかどんどん製作期間が長くなるものですけどディズニーって毎年映画作ってますよね。ほんとに偉いし、すごいことです。


ディズニー映画好きってのは減っていってないってこともすごいことです、だいたい長くやってれば、どんどんファンは減ってくものですけど、ずっとファンの層を守り続けてるってのはすごいことです。ワタシには絶対真似できませんな。


 ディズニーアニメーションのほうをディズニー映画という人もいるんでややこしいですけどね。


 この映画はほぼ完全にロード・オブ・ザ・リングとハリーポッターを子供向けにしたって感じの作りでキャストもかなりかぶってますし、CGの感じとかもまったくそうです。


 なんで今になってこの映画を見たのかは非常に謎です、ワタシにとっても。ただ昔バイトの昼休みに途中まで見て、終わりまで見てなかったので見たのですね。あとアリスのイメージってのを探してたのもあります。アリスって、みんなライトブルーのイメージでしょうか?ワタシは赤っていうイメージなんですけどね。ディズニーのアリスはライトブルーなんですよね。


 主人公のアリスは少女ではなくて、オトナになってワンダーランドに戻ってくるって感じなんで、まぁそれはいいとして、絶対にキャスティングミスだと思いますね、アリスってこんなんじゃない!!ってたぶん殆どの人が思ったと思います、こんなケツアゴの女なんかじゃねい!って。
 アリスというとロリコンの王女みたいなとこがあって、少女なことに意味があるんですしね。ロリ、萌えの先駆者でもあり、これは違うなーーとみんな思ったのではないでしょうか。


 個人的にはやっぱシュヴァンクマイエルのアリスが最高でしたねー。

1999 To heart

 いわゆるギャルゲー原作のアニメなんですが、ワタシが思うに、この作品の絵面、ってのはその後の。いわゆる萌え絵系の描き方ってのをかなり左右してると思います。このスタイル、ってのの延長線上にだいたいのスタンダードの絵面、が決まってますね。

 ケイエスエスなんてアニメ会社聞いたこともないけど、やたら作画がよく出来てる。元はゲームなのでアクアプラスのデザイン力を褒めるべきなのかも。同時代のと比べるとこのアニメはえらい時代を先取りしてるというか、すごい役割を演じています。割りとリアルちっくな絵面が流行りだった90年台半ばから、萌系とちょいリアルをうまぁくブレンドした絵面だと思います。
 内容はごく普通のギャルゲー以外の何者でもない。

 美少女ゲーム、ギャルゲー、恋愛ゲーム、エロゲー、学園アドベンチャーゲームとありますけども、エロゲーはいいとして他は何が違うのかよくわかりません。ただ今の美少女アニメよりもかなり青臭いというのか、清純派ですね。
 おきまりの爆乳キャラみたいなのもいないし、キャラ設定もギリギリぶっ飛んでない・・そうでもないか・・メイドロボとかいますし、ともかく設定がわりとおとなしめって気がします。ただ、大きなコドモの方々に媚びてる感じはあんまなくて学園恋愛ドラマって感じですね。美少女アニメというとむしろエロ寄りって感じがするし、ギャルというとコギャルっぽい原宿系な感じがする。


 ちょっと調べたところこのケイエスエスっていう会社はエロアニメも作ってる美少女アニメの会社だった、らしい、なんと今では蒸発w 存在してるのかどうかもわからないということにw ものづくり集団ぽくていいですね。

 塗りはいわゆる二段影なんですが、90年台っぽいですなぁ。今ほんと見なくなりましたねー二段影のアニメって。重たい感じがするし、手間もかかるからなんでしょう。だいたいこの手のアニメって結構作画が崩壊するものですけど相当クオリティ高いです。実はちょっといい話もある。

2017年6月18日日曜日

1929 響きと怒り ウィリアム・フォークナー

 わけのわからない小説というのは数多くありますが、これもなかなかの強者です。けど時代がそうさせたというのが正しいという感じでしょう。

 ようは実験小説でして、語り手、が白痴であって、何を言ってるのかまったくわけがわからないようにしてあり、さらに、いわゆる時系列的展開、というのもぶっ壊していて、いきなり過去になったり、思い出したことを書いたり、ただの印象やら、を書きなぐったと思えば、謎の人物が登場して意味不明のことをいったり、お決まりのキリスト教のイメージがあり、セックスと近親相姦があり、黒人などの問題もあり。おまえらそれ以外しゃべることないのか?っていう感じで、イエスについての語りで終わります。状況説明とか、こいつは誰?誰がしゃべってるの?っていう説明が皆無で、たくさんの人間が殴り書きをしてるのを読んでるという感じ。

 どのくらいわけがわかんないかというとワタシは間違って下巻の、しかも真ん中から読み始めてしまったのですが、違和感は無くて、どっから読んでも同じです。


 ワタシは世界文学、ってやつをだいたいは読んでいますけども、フォークナーはなんか手が出ないでいました。なんか・・、嫌な感じを受けるから、ワタシはヘミングウェイも好きじゃないんですよね。アメリカ人と相性が悪いのかもしれません。


 ともかく、わけのわからない小説なんですが、これがどうしてそうなったか?ってのはわかります。特にこの1930年頃のセカイってやつは、ものすごい時代でして、なんでしょう、ブレーキが無いんです。極限まで突き詰める、もはやどうでもいい!っていう捨て鉢ともいえるほどの、情熱?ほとばしるパッション?リビドー?エネルギーだけが暴走してるような感じ。そしてだいたいは全部間違った方向というか、存在することが出来ないような場所へ向けてセカイ全体が自殺しようとしてるみたいな感じ。
 これはやっぱり第一次大戦、そして第二次大戦の気配。っていうのを感じてるんでしょう、それしか考えられない。なんかどっかでどうせもうすぐすべて死んでしまうさ、っていう、諦めと変な陽気さみたいな感じがあるのですよね。そして、戒律、というか教義、みたいな感じで、それでも一生懸命生きないといけないっていうのを、徹底的に刷り込まれている社会の圧力みたいなのがあるんです。

 それともう一つ、これは20世紀の作家の宿命なんですけど、オレはドストエフスキーにはなれない、っていうことに気づいてしまってるってことでしょうね。ドストエフスキーみたいな小説を書くことなんか出来ない。あぁいうふうな作品を描けたらどんなに幸せだっただろうって感じで。でもあんなのを超えることなんて出来ない。だから苦肉の作として、それまで、のやり方をぶっ壊すっていう方法しか無いんです、前衛っていうのは、進んで前衛になるんじゃなくて、王道、が閉ざされてる場合の逃避行なんですわね。そして逃げたところに新たな王国があるってことはない。前衛は野垂れ死にする運命にある。まさしく前衛の役割として最初に死ぬ。


ハッキリ言ってこの小説はまったくおもしろく無いんですけど、面白くない理由があって、むしろあえて面白くないものにしてるんですね。徹底的に面白くないものにしてる、確かにそれは斬新ですけど、この道はどこにも続いてないってことをすごい感じる斬新さです。

 レヴューとかを見るとフォークナーは20世紀最高の作家で、これは傑作中の傑作である、みたいなことを書かれています。これはユリシーズとかフィネガンズがそういうことを書かれるのと同じ理由です。それもまた、レヴューとか批評を書いてる人間自身も、オレたちはドストエフスキーではないし、ドストエフスキーのような同時代人にめぐりあうこともない、ということに気づいてるからだと思います。

2017年6月13日火曜日

2005 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

 たぶん聞いたことはあると思うのですが、一時期かなり流行した推理小説です。ミレニアム、ドラゴン・タトゥー、というとなかファンタジーっぽい感じのエンタメ小説のように聞こえますけど、実際は、大企業の汚職、ナチス信者が多数いる大家族、聖書を引用する殺人鬼、そして女性への暴力、レイプ、猟奇殺人、ユダヤ人への差別っていうのがテーマのえぐめの犯罪小説です。スリラーですかね?

 特に女へのDVとか暴力ってのがテーマでして、ワタシこの本な~んか嫌な感触がする・・って思って途中でなげてしまったんですけど、推理小説途中で投げ出すってのはどうもワタシのプライドが許さないので決意して読みました。(ワタシは月長石を読みこなしましたからね、っちゅーかプルーストまで読んでるし)。
 ただ予想以上にしんどかったです。というのは、やっぱり!って感じなんですけど相当なエログロ猟奇な内容なんで。なんでこれがこんなに流行るの?っていうくらいR-21的な内容です、それも相当なキワモノ。どうしてこの推理小説がこんなに売れたのかよくわかりません・・・、エログロの時代、ってのがまたぶり返してるんですかね?平和が長く続きすぎると社会が堕落してエログロに向かうようです、そして・・・、相当ショッキングな内容なんで読む人は注意すべし。
 
 でも逆かもしれませんね、エログロ猟奇、EGM、だからなんで売れるのかわからないのではなく、EGMだからこそ人気が出るのかも。オレ、EGMなモノが好きなんだよね、って公言しないですものね、でもほんとは好きでそれを求めてるってことかも。実際、名作とか大人気作ってものにはEGMってものが多い気がする、エヴァもそうだし、ハムレットもそう。とにかくヨーロッパ人ってセックスの話題が好きだよなぁって思いますね。
 ワタシはこういうのがわかってしまうんですが、この作家の人・・・、アレです。こいつ、アレ!じゃん!ってすぐにわかった。


 この作家の人、この小説がデビュー作であり、しかもその出版が決まってから心筋梗塞で死ぬ。っていう、まさにオマエが推理小説じゃんか、という死に方をしました。作家としては一番かっこいい死に方です。でも三部作となっており、さらに四部も発表されました。これはよくわからないです。死後出版ってわけなんですがなんかきな臭い・・・。ワタシは第二部はたぶん読まないですね・・。







 話は変わって、ワタシは本とか作品とかってのは呼ばれるものだと思ってます、どうかイカレポンチだと思わないで欲しいんですけど、作品ってのは運命的出会いをするもので、その時、に読まされる理由があると思います、本にかぎらず。で、ワタシはなんでこの小説、をあんまりいい感じがしないのに読むことになったかっていうのがわかりました。それはワタシにしかわからないことなんですけど、あぁなるほどねっていう感じです。
 ワタシは、芸術、に関してだけは運命論者なんですなぁ、偶然っていうのを決め手にします。例えば、この人物をどうしたらいいだろう、っていう時に、たまたま、見かけた物、たまたま置いてあった雑誌にある色とかコトバをヒントにします。というかそういう判断をしていかないと結局何も作れなくなるからなんですね。でそれを決めたあとで、それをどうやったらもっとよく出来るかを考える、何か制約をつけるとアイデアが出たりするというわけ。制約こそ創造の母なり。
 自分を縛ることで、フリースタイルでは出なかった発想が出て来る、俳句とか詩、ってのに制約があるのはそういうわけなんだと思います、制約があることによって、普通では思いつかない組み合わせとかコトバが生まれる。作家ってのはマゾじゃないと出来ない商売なんですなぁ。

2007  らき☆すた

 いわゆる日常系アニメ、のヒット作なり。 京都アニメーション制作


 涼宮ハルヒシリーズが、深夜アニメでEVA以来のヒットを記録して、ちょっと京アニブレイクが到来してそのチームが次に作ったのがこのらき☆すたなのだ、というのをワタシは耳にしたことがあります。事実は知らん。


 女子高生がだらだらするのをカワイク描く、っていうあずまんが大王、からの日常系アニメをさらにテンション高めにして、セルフパロディを多めにしているのが特徴。


 芸術ってのはセルフパロディをするようになったら終わりだと言います、歌舞伎が歌舞伎のネタで笑いを取り始めたら終わりです。浮世絵が浮世絵のことを絵にしだしたらおしまい。バンドが昔の曲をセルフカバーするようになったら終わりっていう言い方が一番しっくり来ますでしょうかw


 それってつまりは一見さんお断りってことでして、新たな、視聴者にとっては意味がわからないってことになる、そういうことを繰り返せば当然、新しい視聴者、はどんどん減っていくわけで、どんどん少なくなるってのは自明の理。


 といって、批判がしたいわけじゃなくて、そうせざるをえないってことなんですよね。だってアニメ以外、に話題にすべきものがないんですもの。たとえば、松田優作みたいなかっこをさせて、松田優作じゃあるまいし!!ってことが出来ました、昔のアニメやマンガは。でも今、松田優作みたいに、ハッキリ元ネタとして成立してるアイコン、とか記号ってものがないんで、視聴者がクスってなってもらえる素材を探すと、結局ガンダムだったり、ジブリだったり、EVA、ワンピース、ナルト、FF、DQあたり、をネタにするしか無いんですよね。 でもハッキリパロにすると権利的にあやうい、というわけでで自分自身をパロディにする、セルフパロディっていうのに落ち着くというわけ。



 アニメは文化祭で終わってますけども、女子高生が学年をあがって卒業してく・・っていう大体の骨格もあずまんがそのままです。


 これもまたしても、素材、の枯渇でして、誰しもが共感できたり、同じ気持ちを共有できるっていうのが女子高生、っていう場、しかないんですよね。女子高生ってやつは人生の楽しいことをすべてをその3年間に味わい尽くさないといけない、ある意味舞台、でして、それよりオトナは次なる舞台に立つべきガキを育てる、それよりコドモはその舞台に立つまでの練習っていうくらい。
 女子高生、のみが、本番、っていう感じになってきてます。そんくらい死ぬほど女子高生モノが作られており、それ以外、の物語の作り方を忘れてしまいました。
 というより、それ以外の生き方、を知らないのです、それ以外の楽しいこと、の描き方がわからない。これは実は深刻な話しで、どうやってこの人らは楽しそうだな、こういうふうなんていいなぁって思わせる方法論がわかんないんです。
 
 誰か教えてくれw



 
 

2017年6月12日月曜日

2010 ガイナックス電波  ラジオ

松岡由貴とサエキトモが途中から復活したラジオでした。最終回までだいたい聴くことができました。某笑顔の動画サイトで。


 元はアベノ橋魔法☆商店街ラジオっていうのがあって、それの続編です。ラジオで続編っていうのが珍しい話でして、でもこれには理由があって。アベノラジオは最後のほうで、サエキが心臓病になってしまって長期療養となり、そのままラジオも終わるという、鬱な終わり方をしたのでした。


 で、5年?後になって、病気も回復しましたが実質芸能活動を引退していたサエキを松岡がもういっかいラジオやろうよ!!って呼び戻して再開したというのがこのガイナックス電波だったのです。



 ガイナックスってのは関西のアニメ会社だったんですね、それすらも知りませんでしたが、このラジオはほんと大阪色が強くてみんな大阪出身なのですね。

 かくいうワタシも大阪出身で、現在東京。


大阪人の、なれなれしくて、なんか言葉遣いが喧嘩腰っていうのか、ツッコミが厳しかったりする感じが、鬱陶しい、って感じるのもワタシはすごいわかる、うわぁ大阪の悪いところ出てる・・って思う。けど東京人の何のオチも無い話し、スカしたトークに、なんやねんその話!!って思う関西人の気持ちもワタシはすげぇわかる。


 その感じ、がすごい出てる番組なんですね、ワタシはやっぱ大阪人はサービス精神があるよなぁ、常にどうやったら面白くなるかな、っていうのを考えてしゃべるし。大阪人すべてとは言わないですけど、関西人は、なんかしゃべることになるってことになったら、な~~んでもいいから一つ2つくらいはネタを仕込んでいくものです、けど東京人ってマジで何も考えてないやつがいますよね、ほんとそれって信じられない。


 松岡由貴が引退してたサエキを連れ戻したっていうのも、これは大阪人の良いところが出てるな~っていうところですね。東京人はドライで、縁が切れたらそれでおしまい。腐るほど人間おるしってわけで。デリカシーが無いけど情に熱い大阪人、相手の領域に踏み込まないけどその分見捨てるのも早い東京人、良し悪しですね。どっちも経験してるワタシはわかります。


 個人的にワタシは・・・、東京スタイルが楽でいいなと思ったりします、だから今東京に住んでるんだろうし。でもやっぱ大阪人のしゃべりのほうが面白いです。



 ともかくその大阪のカンジっていうのがすごくノスタルジックに味わえる稀有なラジオでした。ただのエロラジオとも言えるんですけどw いつかまた復活してくれるといいですな。

 なんでラジオの最終回ってこんな空虚な気持ちになるんでしょうねー。テレビでそんな思いしたことなんて一度も無いもの。やっぱワタシはラジオ族のニンゲンなんですな。

2017年6月10日土曜日

石恵塗りについて

 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=63310485


石恵、同人サークル 偽MIDI泥の会、っていう絵師がいまして、もっと前から活動してたんですけど2000年台の半ばくらいから急激に、爆裂に絵が上手になって、一つの流派を起こしましたw(歴史書風文体)



 エロ絵師なんですが、商業とくらべても頭抜けて絵が上手で、絵は同人作家のほうが上手いっていう逆転現象を生み出しています、これは現在でもそうですね、といいつつ、プロでも同人でもやるっていう人が増えすぎて、コミケには企業ブースが立ち並び、っちゅーわけで、同人とプロという違いはほぼ無くなっていて、同人と商業、という販売してる店が違うってだけで作家は同じだったりします。流通経路の違いだけですね。あと内容が違う。

 ともかくすごいインパクトを与えた絵師であるわけで、実際絵を見るとすごいよくわかります、ハレーションを起こしてるみたいな強いハイライト、いわゆるフォトショ薄塗りの開祖です。


 というわけでワタシもそれを学習してみたんですけど、やっぱしすぐに出来るものでもない。ただ、やり方、ってのはだいたいわかりました。
 フォトショで塗るっていうのがポイントで最近の人はSAIで塗りまでやる人が増えたと思いますが、フォトショオンリー塗りってのはSAIが出て来る前までの手法なんですね。
 海外の絵師、ってのは圧倒的にフォトショ塗りが多いです。SAIもクリスタも日本のソフトですし、やっぱしPSに勝るものは無しってことなんでしょうか。

 PSの最大の弱点は線画が書けないってことで、昔は線画はアナログで書いてスキャンして、PSでゴミをとりつつ、チマチマトレースして線画を書いていましたね。IK塗りもアナログ線が残ってます。これはある意味デジタルだと一番コピーできないところ。

 SAIの登場により、スキャナは物置台になり、すべてデジタルで作業、というかSAIだけで作業完了、出来るようになりました。
 PSにはもう一つ弱点というかSAIにはボカシツールというのがあり、まさにアナログで絵を書いてるのと同じように絵の具をボカシて混ぜることが出来るんですが、PSにはそれはありません(ペイントブラシってのがCS4かな?で追加されてるんですけどなんか非常にもさもさしてて使いづらい)。
 そういうわけで海外絵師にはPAINTER使い、もかなりいます。PSにはない混ぜ合わせ、に特化したペイントツールって感じで、これもアナログの再現、に重点が置かれてます。
 未だにでも海外絵師は、鉛筆画をデジカメでスキャンしてそれをPSでトレースしてたりします。

 なんにせよPSはやっぱし写真合成ツールなんで、アナログの絵を書いてるみたいに書くっていうのは出来ません、よってそれを再現するためにPS独特の技ってのが開発されたんですね。

それがいわゆる、削り塗り、薄塗り。ってやつです。

具体的には、ストロークが残らないように、ブラシのハードネスを0にして、さらにOpacityも低めに設定して、何度もストロークを繰り返すことによって、なんとなくストロークが混ざったような感じになり、キレイなグラデーションが描けるっていう寸法です。
 そう見える、というだけで本当にPSだけで通用する独特のやり方です、アナログの絵の描き方、みたいなのには絶対に載ってない塗り方。アナログでそんなこと出来ないし。アナログ上がりの人にすると、一番苦手な塗り方。要するにはPSのプログラム独特の色の落ち方を利用した、錯覚、なんです。たぶんこういう使い方をする用には作ってないし。
 この独特の技法を極めることによって、石恵塗り、が完成します。ただこの技法の問題はやたら時間がかかるってことです。良い点は、なんども薄塗りを重ねていくので、失敗、しにくいってことです、なんかネットの情報だと、この塗り方は特別な才能がいるって描いてありますけど、特別な才能というよりは、特別な知識と経験が必要です。フォトショ塗り用のスキルが。SAIとかですとアナログで培ったスキルでスイスイ描けますがPSはそうはいかない。海外のイラストレーターで爆うまの人もだいたいフォトショ塗りです(個人的にRupid という海外のイラストレーターは死ぬほど上手いです)極めれば一番表現力が高いのかも。



 たぶん、ですけど、本家はレイヤー一枚で塗ってます、上にレイヤーをMULとかORで重ねてそれをMERGEしてまたもう一枚つくって、っていうふうにやる人もいますけど、そうじゃなくて、一枚だけでそれをSmudge、で伸ばしたり、ハード0ブラシでならしたりしてると思います。たまにハードなブラシで強い境界線を引いたりして塗ってると思います。

 PSのSmudgeツール、色伸ばしツールなんですが、これも使えないツールとして有名なんですが(アナログ塗りをしている人に言わせるとなんじゃこりゃっていう混ざり方をします)、使えないように見えて、他のソフトには無い、独特の混ざり方、をしますので、上手く使うと、ねっとりとした質感を出せます。


 これもネット情報なんですが、この塗り方はキレイすぎてエロさが無い。おかずにならない!という批評がありました。ネットの奴らってのはほんと自分勝手なことばっかり言いやがる、と思いますが、たしかに一面の真理をついてるかもw 
 薄塗りはなんか知らないけどエロチックにならない、キレイになりすぎてしまって、なんかキレイだとは思うけど、引き込まれない、キレイ故に飽きる。これは大いなる謎でして、アニメ塗りのざっくりした境界線が一番エロチックになる、とワタシも思います。なぜかは一切不明。
(あと石恵氏の目の描き方が悪いとワタシは思う、目のデザインはなんでこういう感じなのでしょう、あんまり好きくない。そして髪の描き方ですね、イラストの髪の描き方ってのは未解決のテーマです、これっていう正解が出てない気がする、石K氏の描き方はヅラっぽいっつーのか、髪が固い感じがする)

 ただこれは言えると思うんですけど、昔のマンガとかそういうものにあった、毒々しさっていうのか、なんか悪い感じ、反体制的な感じ?っていうのか、そういうものが無くなってきてますよね、マンガだけじゃなくて、テレビもAVもあらゆるところで、危険、な匂い、っていうのを感じない。昔はダウンタウンとかも、もっと危ない感じ、ってのがあった。テレビ版のEVAとかにも。
 バキっとした境界線のアニメ塗りってのは、その危ない感じ、が少し出せるんですよね。
 これがどうしてエロチックな感じがするのか、誰か研究して下さいw
これは日本人だけの感覚なのかなぁ?

 でも同人作品、個人撮影とかを求めるのは、この危ない感じ、ってのを求めてるんだと思うんですよね。今ちまたで同人AV、なるものがちょっとしたブームになってるようです。商業AVはキレイすぎてつまんない、また強制出演させられたとか問題になって警察の手が入るようになり、ちゃんと同意をしてます、年齢確認してます、ってのを再三確認せよってことになってしまったから、ダークな部分は闇に潜っていくっていういつものパターンになったのですね。
(映画の始まりのこれはフィクションです~~~、っていう始まりから、その後にこれは本当にあった出来事です、っていうナレーションで始まるみたいな、ぶち壊しです)
 
普通にセクシーアイドル、とかなんとか言ってテレビに出てますものねー、昔は元AV女優!みたいなことだけで叩かれまくったのに。ヌードをしてる人がNHKに出ることも無かった。それが逆に、商業に取り込まれた感じでがっかり感満載なのではないかね。

目で見る仏像事典  東京美術

 さてネタ探しというか下調べで仏像などを調べてみました。

 ワタシ日本史専攻じゃなかったので仏教とか日本史ってあんまし詳しくないのですよね。特に仏教史ってやつはまったく門外漢なのですごくよくわかった。

 日本ってやつを歩いてるとこれは一体なんじゃい、ってものがたくさんありますよね、代表的な例が地蔵。

 地蔵って一体なんなのかってことをワタシは初めて知りました。

 なんで仏教っていうのは釈迦が作ったものなのに、釈迦以外にもなんかごちゃごちゃたくさんの神々がいるの??っていう基本的な疑問もわかりました。


 密教ってのがちょっとオカルト気質で、そのオカルト派が現代まで続いてるんだなぁってのもわかりました。まぁでもオカルト派閥ってのは絶対にどこの宗教にも存在するんですよね、それが好きなヤツってのがいるんですよね。やたら教義を複雑にしてみたり、これは秘密の・・とかこれは奥義であり・・、みたいに秘密主義を取りたがるもの。

 オスカー・ワイルドが言ってましたが、危険でない思想など、およそ思想と呼ぶに値しない。というのと同じように、カルトでない宗教なんて、宗教として価値がないってことなんでしょう。どっぷりハマりこんでなくても、なんか理由付けとか、設定とかで、作家っていうものは、こういうオカルトチックな素材を流用してますしね。何百年も生き延びてるコトバとか名前ってのは、それだけでなんか独特の力を持ち出すものですし。


 以下リサーチ情報。


   如来
如来とは 如=真実。 真実から来た者、という意味。真実より生まれし者。最高ランク。

仏(ブツ)=悟りを開いた者(基本的に釈迦のこと)

菩薩 悟りを得て如来になろうと修行している者で、如来の弟子であり、将来如来になることが約束されている者。弟子の最上級。

薬師如来(バイシャジャ・グル=Medicine Master)

 阿弥陀のアミは無限、の意味。

弥勒(マイトレーヤ)、は遠いミライに出現することが予言されている如来。
 マイトレイヤは慈悲、の意味。(釈迦に救ってもらえなかった人を救いに来るから)

盧遮那仏(如来)=大日如来  太陽神から連想で生まれた如来、巨大なのが特徴。奈良の大仏もこのルシャナ仏。
 ヴァイロシャナ=All SHINE、全てを照らす者。密教ではすべての仏はこの大日如来の変化にほかならずあらゆる者の中心、唯一神的扱いであり、曼荼羅の真ん中に座っている。


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 菩薩

文殊、普賢菩薩。 釈迦の右腕と左腕、文殊は知恵、普賢は行動をつかさどるらしい。文殊は獅子に、普賢は白象に乗る。


地蔵菩薩=クシチガルブハ  釈迦が死んでから弥勒出現まで、56億7千万年は如来がいない世界であり、地獄ー餓鬼ー畜生ー修羅ー人間ー天上の六道を輪廻して苦しむことになっている。
 それを救うために、地蔵菩薩は僧形の姿をして人間を救ってくれる。
*修羅道=妄執によって苦しむ争いの世界

 地蔵信仰が進んだのは、地蔵が地獄まで人間を救いに来てくれるという、貧しい者の味方であった為。経典やらを知識を持たない一般民衆には阿弥陀が浄土に連れてってくれる気がしなかったのかも。
 ・地蔵に赤い前掛けがされているのは、育たずに死んだ赤子の救済を願掛けしている。


 ・龍樹=ナーガルジュナ  3Cごろに実在したといわれる僧で密教の開祖と言われる。

・観音菩薩=アヴァロキテシュバラ  観音とは、その名を念じるだけで、その音で衆生を救済してくれるというところから。
 観音は、インドの神からの影響を受けて作られた菩薩といわれていて、その為、千手千眼、12頭、など、とにかく手や頭が増えるというインド神話のソレを受け継いでいる。ハヤグーヴァ(馬頭観音)のように、怒った顔が3つのやつになったり、はたまた女になったりと、変幻自在。

・三十三  インド神話から三十三は神秘的な完全数的扱いで、三十三観音のようにその数字をあてられることが多い。


・清水寺の観音  願掛けをして清水寺から飛び降りるとその願いが叶っていれば無傷で生還し、死んだとしても成仏が出来るという伝説により、自殺スポットとして有名になった。清水の舞台から飛び降りるとは投身自殺するってこと。


・現世利益と浄土  現世利益は病気にならないとか長生きできる、みたいなこのRWでの利益、浄土信仰とは死後の世界で輪廻を解脱出来たり、良いところに連れてってもらえるという死後のセカイの利益。

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・密教とは?
仏教の一派でいわゆるオカルト派。呪術や魔術的な方向に進化、古代インド宗教を受け継いでいる。どこの宗教にもこういう一派がおる。
 真言、陀羅尼、などの魔法を唱えて火をくべたりする。
真言=mantra
 また魔法を唱える時に印を結ぶ、仏と同じ印を結ぶことで仏と一体化が出来る。
印=ムドラー
  ・密教のマンダラ(元は丸、球という意味)、は胎蔵界(母胎のような安らかなセカイ)と金剛界(ダイヤモンドのように完璧な世界)の2つで出来ていて、二枚のマンダラで一組にすることもある。それぞれに別の世界で別の神がおる。




・明王  大日如来の明呪(マントラ)の力を具現化した、対攻撃用のヤツ。孔雀明王を除いて憤怒相である。

 不動明王=アチャラナータ  明王の代表的存在であり、大日如来自身の変化の姿であるともいわれている。
 武器は倶利伽羅剣といい、倶利伽羅龍という龍がまきついているから倶利伽羅剣という。他に羂索=投げ縄、も持っている。
 

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 天 DEVA  だいたいはバラモン教などの異教の神々が仏教に取り込まれたもの。如来や菩薩の手下。

・梵天=ブラフマー  バラモン教の最高神 梵とは全て、の意味。
・帝釈天=インドラ  インドラの武器がヴァジュラ(金剛杵)

金剛力士=仁王  釈迦の守護神であるが、しだいに仏教全体の守護神となった。阿吽、の2体が作られることが多い。

・四天王、の中で一番強いとされるのが多聞天=毘沙門天、としてピックアップされて信仰もされる。

・12神将は薬師如来を守る12の夜叉のこと、それぞれに武器を持っているが一定しない。

・十羅刹女  普賢菩薩の手下の、元鬼の女たち。法華経は女人往生を解くから女が手下。

・二十八部衆  観音の眷属であり手下。代表的な天部、善神などがだいたいは所属している。オールスターの全メンバーといったところ、風神雷神を加えて三十にすることもある。

12天  天部の代表(オールスターのレギュラー?)
・帝釈天=インドラ
・火天=アグニ
・焔魔天=ヤーマ=閻魔王  ヤーマとは平等、という意味
・羅刹天=ラクシャーサ
・水天=ヴァルナ
・風天=ヴァーユ
・毘沙門天=ヴァイスラヴァーナ
・伊舎那天=大自在天=シヴァー神
・梵天=ブラフマン
・地天=プルシヴァイ
・日天=スーリヤ
・月天=カンドラ

八部衆  天を守る種族別。ガルーダなどの鳥人間、ナーガなどの龍、マゴラカなどのウワバミなど、人外もおる。

・大黒天=マハーカーラ    元はシヴァー神の変化だったのだが、だんだんと太っていき、富裕の神大黒となった

・鬼子母神=ハリティー  コドモを育てる神、たくさんのコドモを連れている

・聖天=歓喜天=ナンディケスヴァラ  セックスのカミサマ。象の顔を持っていて、抱き合った姿や、顔が2つあるように描かれる。エロ神様

・韋駄天=スカンダ  俊足随一の神

・荼枳尼天=ダーキニー   死者を食らう鬼であった神。どういうわけか狐の精とされて、稲荷神社の神となった。


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 仏教の宇宙観

無色界ー色界ー欲界、の三段階に分かれていて、人間がいるのは欲界。欲界はさらに六道に分かれている。
 道=ガティ
色、とはつまり物質、のことであり、無色とは物質を超越した世界。
 その世界の中心に、須弥山=スメル、と言われる山がある。


・明神 仏教からみた日本の神々のこと。
 


 


2017年6月9日金曜日

1999 SHIRI シュリ

 韓国のアクション映画なんですが、すげーわかりやすくいうとダイハードの韓国版です。
でも相手はテロリストではなく、北朝鮮の工作員であり、しかもその女性スパイが送り込まれているっていうところが違います。


 1999年のカメラってこんなにひどかったっけ??って思うくらいなんか画質っていうか、発色が悪いです、もっと1980年とかの映画を見てるみたい、遅れてたんですね韓国は・・・。

 ともかくリアルに銃撃戦を描きたい、というより、ガンマニアが作ってるなっていう感じで、俳優よりもガンがかっこよく映るような絵の作り方をしてますね。


 俳優がまた、かっこよくないし、カワイクもないです、1999年ってこんな感じか!?って思う、遅れてたんですなぁ・・・。こんなに古臭い感じ??っていう。



 ただその古臭い感じっていうのか、ある種ダサくて、いもっぽい感じ、が逆にちょっとノスタルジックで、いい感じを出してもいます。
 韓国映画でありがちな、最初のほうはベタベタで、ダイジョブかよこの映画・・・って感じで作っておいて、最後のほうに一気に金をかけて、全体としてなんか良かったっていう印象を持たせるように工夫されてると思います。
 ガードを下げさせるっていうやり方ですね。最初からバァーーーーーン!!って金をかけてあとは尻つぼみっていうハリウッド映画は多いですが、韓国映画はそのへんは計算していて、最初はダサく、最後にとにかくかっこよくっていうのが上手くできています。


 最後のほうでサッカーの試合があるんですけど、実際の映像とエキストラを使っての撮影を混ぜてつかってるんだと思うんですけどこれがかなり上手くいってると思います。金かかってる。


 脚本も、最初のほうがどうかと思いますが、結構フリの回収もしっかりしていて、良かった頃のハリウッドアクション映画をよく研究してるなぁって感じです。


 何も考えないで見れる映画だし、とにかくマシンガンをかっこよく撃つので、それが見たい人にはオススメ出来ます。 美少女のおっぱいが見たい、イケメンが見たいっていうだけの最近のオーディエンスには一切オススメできませぬ。

2017年6月6日火曜日

Cornelius こと 小山田圭吾

  Corneliusを知ってる人がどれくらいいるんでしょうかね? なんかこのリミックスいいなぁ、誰?って思ったらだいたいCorneliusっていう人で、ふ~ん、やるじゃん、何者?ってずーっと思ってはいたんですけど詳しく調べたことは無かったワタシ。



 こぉいう音先行でアーティストに出会うっていうことはほんと滅多にないですね、この音楽、いい音、だなぁっていう感じで。

 ワタシはCorをなんかロンドンとかのプロデューサーだと思ってたんですが、実際はおおいに異なる、Corneliusっていうのは、小山田圭吾という日本人のソロプロジェクトの名前なんですね。


 小山田圭吾っちゅ~人は、こっからはほぼWIKI情報なのですが、フリッパーズ・ギター、なるDUO、で小沢健二っていう人と一緒にデビューした、いわゆる渋谷系、なるジャンルのアーティスト、でした。
   

   でした!。


 今は全然違います。渋谷系なんていうと女の子受けしそうなオシャレな音楽なんだろうなという感じですが、実際その通りで、二枚目まではそういうPOPな感じの曲を作る人々でした。

 が、三枚目「ヘッド博士の世界塔」なるアルバムから急変、 何か気が狂ったように女の子受けしなさそうな、洒脱な音楽を作り始めます、そして解散。たぶん小山田圭吾氏が個性を爆発させた挙句空中分解ってわけですね。女性問題、とか噂されてますけどそれもあったにせよ、こんな種類の音楽は日本で受け入れられるハズがない。

 当時のMadchenster Movement に影響されたと説明されてありますが、それはすごいわかる。あの頃のUKはダンスロックっていうか60sプログレリバイバルみたいな感じがあったのですよね、それをもっとわかりやすくPOPにしたのがOASISっちゅーかんじです、ヘッド博士は、まだOASISが出現するまえのStone rosesの時代の音をしてます、それにしたって、洒脱、というのがピッタリの、何コノ日本人らしくないオシャレな音楽!?って感じ。




 で、そっからソロのCorneliusが始まるのですが、そのデビュ―アルバムはなんとまた元の、女の子受けしそうなオシャレ音楽に逆戻り。一応売れなきゃダメなやつはちゃんと作るっていうことが出来る、すごいバランスの取れた人なんですね。

 しかしその次にはまた、 WHAT??っていうくらい、むしろ前衛的ともいえる音楽を作り出します。
 69/96というまさにそのままのタイトルで、サイケリバイバルっていうのを意識された音楽となっています。このタイトル、実はワタシが昔描いてた小説のタイトルでもあり、かぶってしまいました。どうでもいいことですが。

 というか、この人はアーティストというよりはプロデューサー気質ですわ。ENOとかそういう感じで、おれの個性を主張したい、メッセージを伝えたい、有名になりたいみたいなんよりも、いい音楽、というか音、を作りたいっていう感覚を持ってる。音、に対するセンスが高い、非常にめずらしーーー、特に日本人ではほんとーーーに珍しいタイプのミュージシャン。
 そして恐ろしく女の子向けじゃない、ミュージシャン向けともいえる、玄人向け音楽です。


 日本人の音楽って、ワタシなりの意見ですと、音楽自体はものすごいダサい、ダサいっていうのか、欧米でさんざんこすられた音楽を輸入してパクってるだけです。そのダサさみたいなのが日本の音楽らしさというか、趣味の悪さ、みたいな自分なりの消化方法が個性なんだと思います。音楽、の作り方っていうので目新しいことを作るのはいっつもUKと決まっています。


 でもそれは当たり前の話しで、新しいもの、っていうのはそれを受け取るオーディエンスもいないし、それを流す媒体も無いし、それを理解出来る人もいません。新しい音楽を求めてるというけどそれは大嘘で、新しいものなんて誰も求めてません、だって何を求めたらいいかわからないじゃないですか。
 人々が求めてるのは「新しい感じのする、古い音楽の再構築」です。新しいものっていうのは、なんか生まれちゃうもので狙ってつくるようなもんでもない。第一それって成立してないってことでもあります。


 成立、してるものを輸入して使う、これが無駄がないし、金になるし、お客さんを新たに生み出す必要もない、便利で良い。これが日本の音楽の発想だと思います。

 
で、一部の、富裕層というかオカネに困ってない人が、実験音楽、っていうのをやっています。これが次の「新しい」になるかもしれない音楽、ただすごいオーディエンスは限られているし、エリートのサークルみたいな感じで、部外者お断り感が半端ない。ともかく資金に余裕がなきゃ出来ません、こんなこと。そしてこの手の音楽の欠点というか特色は「メッセージ」が何も無いってことですね。おれはオカネに余裕があって、毎日快適に暮らしてるよ、生活の心配が無いから音楽を作ってるんだ、みたいなことを発信してもしょうがないわけで。


 でもほとんどのオーディエンスっていうのは、その気持ちわかる!とか励まして欲しい!とか元気が欲しい!この人かっこいい!かわいい!!っていうのが目的で音楽聞いてるんで、この富裕層達の音楽には見向きもしませんね。


 小山田氏の音楽はあっちの、富裕層の音楽です。日本人であっち側にいる人ってほんとーーーに希少でして、やっぱり日本には居場所無いのか活動はだんだん海外にシフトしていきますね。


 なんかすごい批判的に聞こえるかもしれませんが、Cornelius 才能人なのは間違いないですこの人。ほんとに日本人らしさが皆無っていうのか、ダサいところが全然ない、オシャレだし、実験的だし、世界規模で見ても、斬新だし、個性的。気取ったところとか、いやらしさみたいなのが全然ない。何者じゃこいつは!?って感じ。こぉいうタイプの人間が日本にいたんだ、っていうすごい新鮮な感じ。中国の仙人みたいな印象を受けますね。周りに1人もいなかったなぁこのタイプ・・・。







 

2017年6月4日日曜日

1601 ハムレット Hamlet シェイクスピア

1-3  金は貸しても借りてもいけない
金を貸せば、金と友の両方を失うだろう

 シェイクスピアの代名詞とも言える作品ですね。もはや説明不要ですが、あの名台詞は知ってるものの、どういう話か知ってるヒトは割りと少ない。

 いわゆる後期シェイクスピアの幕開けとも言える作品で、冷え冷えとしていて、陰鬱な香りがする、デンマークという舞台もそれを飾るにふさわしいという感じ。最初の幕で先王の亡霊が出現するのも暗澹とした調子が現れてるし、まさに後期シェイクスピアっぽい、始まり方です。


 先王ハムレット、とその息子ハムレット、と名前が同じなんですが、母親のガートルードが、死んだ先王ハムレットの兄弟、のクローディアスと結婚したところから舞台は始まります。

「兄弟と再婚するなんて近親相姦だ!」
 とハムレットがキレるのもうなづけます。ハムレットは何才くらいの設定なんですかね?ハイティーンだったら、意味がわからん、と思うだろうし、20代だったらこの好色ババァ!!って思いますね。きっとここは後者とるべき、それでオフィーリアの運命が決まってくるわけですし。

 ワタシがShを好きなのはそういうとこで、Shはリアリストですから、悪女の母ってものが登場する。NHK的価値観を持った人間ってのがいて、母親はすべからく子を愛するみたいなことをまじで言ってたりする。それはそういうやつも確かにいるでしょう、だけどその逆もいる。そこに人間の面白さがあるのに。Shは両方、をリアルに描ける。作家ってのは善人ではいけないと思います、アンタゴニストにリアリティが無い、かといって悪人でも困る、ヒーローのセリフに真実味がないし、一般受けもしない。2つ、それよりももっと多くの人格、を持った人が理想です。

////
Sh研究者には嬉しいセリフとして、ハムレットはメタ演劇的な遊びがあって、つまり演劇の中で演劇ってのはこうだよな、っていうことを言ったり、それをギャグにしたりする。役者じゃあるまいし〇〇だろ、と役者が言う。マンガみたいな展開だな、ってマンガで言うあれです。

 我々の時代にはトラジェディ、コメディ、ヒストリー、パストラル、パストラルコミカル、ヒストリカルパストラル、トラジカルヒストリカル、悲喜劇歴史牧歌劇、一幕物、自由詩などがあります・・。
 と語ってくれます。本人が言ってるからその通りなんで、当時のジャンルってのはこんなにあったんですね。もちろんこれはギャグで、悲喜劇歴史牧歌劇、ってのはごちゃまぜってことです、けどShはそのすべてを殆ど自分でも書いてるのですね。

 さて有名な3-1、ハムレットの独白をどうぞ。

To be, or not to be? That is the question—
Whether ’tis nobler in the mind to suffer
The slings and arrows of outrageous fortune,
Or to take arms against a sea of troubles,
And, by opposing, end them? To die, to sleep—
No more—and by a sleep to say we end
The heartache and the thousand natural shocks
That flesh is heir to—’tis a consummation
Devoutly to be wished! To die, to sleep.
To sleep, perchance to dream—ay, there’s the rub,
For in that sleep of death what dreams may come
When we have shuffled off this mortal coil,
Must give us pause. There’s the respect
That makes calamity of so long life.
For who would bear the whips and scorns of time,
Th' oppressor’s wrong, the proud man’s contumely,
The pangs of despised love, the law’s delay,
The insolence of office, and the spurns
That patient merit of th' unworthy takes,
When he himself might his quietus make
With a bare bodkin? Who would fardels bear,
To grunt and sweat under a weary life,
But that the dread of something after death,
The undiscovered country from whose bourn
No traveler returns, puzzles the will
And makes us rather bear those ills we have
Than fly to others that we know not of?
Thus conscience does make cowards of us all,
And thus the native hue of resolution
Is sicklied o'er with the pale cast of thought,
And enterprises of great pith and moment
With this regard their currents turn awry,
And lose the name of action.—Soft you now,
The fair Ophelia!—Nymph, in thy orisons
Be all my sins remembered.

 そしてこれはそのセリフの現代英語訳。こういうものがあるとおり、ネイティブにもShの原文だと意味がわからんってことです。
The question is: is it better to be alive or dead? Is it nobler to put up with all the nasty things that luck throws your way, or to fight against all those troubles by simply putting an end to them once and for all? Dying, sleeping—that’s all dying is—a sleep that ends all the heartache and shocks that life on earth gives us—that’s an achievement to wish for. To die, to sleep—to sleep, maybe to dream. Ah, but there’s the catch: in death’s sleep who knows what kind of dreams might come, after we’ve put the noise and commotion of life behind us. That’s certainly something to worry about. That’s the consideration that makes us stretch out our sufferings so long.
After all, who would put up with all life’s humiliations—the abuse from superiors, the insults of arrogant men, the pangs of unrequited love, the inefficiency of the legal system, the rudeness of people in office, and the mistreatment good people have to take from bad—when you could simply take out your knife and call it quits? Who would choose to grunt and sweat through an exhausting life, unless they were afraid of something dreadful after death, the undiscovered country from which no visitor returns, which we wonder about without getting any answers from and which makes us stick to the evils we know rather than rush off to seek the ones we don’t? Fear of death makes us all cowards, and our natural boldness becomes weak with too much thinking. Actions that should be carried out at once get misdirected, and stop being actions at all. But shh, here comes the beautiful Ophelia. Pretty lady, please remember me when you pray.

 生か死か、それが問題だ。眠ることも死ぬことも大差は無いだろう、なぜ人は生きるコトの苦しみをいつまでも耐え忍び、剣を抜いて一気に決着をつけてしまわないのか?ということをハムレットは考えるという下り。
 ハムレットは父の亡霊によって、暗殺の事実を知り、復讐を頼まれるわけですが、復讐しても、亡霊の証言などはあるわけもなく、復讐を達成すれば、自分が簒奪者とならなければいけない。



 ハムレットという演劇は、今の世間の一般常識というか、一般的正解、とは違うことを言っています。

 ハムレットっていうキャラクターはシェイクスピアの演劇の中でも随一のキレ者というか、ペシミストというか、それでいて、ユーモアの冴えも素晴らしく、演技も出来るという、一番のイケメンキャラです。
 頭はキレるが残虐非道とか、剣の腕がヘタレとかがない、欠点の無いひたすらかっこいい人物。彼は生きてるということはただの苦痛だ、すぐに死ぬのがいい、このセカイは牢獄だ。みたいなネガティブ発言を毒舌とユーモアを交えて吐きます。
 そして最後はシェイクスピアの典型的な全滅エンド。主要人物が一人残らず死んでしまう。

 現代の作品ってやつは最後はキレイゴトで終わらそうとしますし、ハムレット的な人物は最後には打倒されたり、改心して、生きてくことにしよう、みたいな終わり方をします。現代といっても夏目漱石の小説ですらそうです、最後にはちょっとだけ晴れやかなエンディングがある。それを読んで読者も生きていこう、みたいな。シェイクスピアにはまったくそれがない、あくまで作品が美しくというか、作品の完成度が全て、というやり方ですね。
 現代というか現在、は特にそういう反社会的なことをなんの解決もしないで終わらすっていう作品至上主義、みたいな作品は生まれにくいですよね、というか禁止されてるのかもしれない。反社会的作品はダメです、って出版社が決めてたりするし。


 ワタシの意見としては、キレイゴトで終わらせたいならそれを信じさせられる自信がなきゃだめだってことですね。だいたいは、え~??なんかとってつけたようなキレイゴトエンディングだな・・って感じです。そのキレイゴトを信じさせることが出来たら作者の勝ちってとこですかね。夏目漱石の「それから」の終わり方がワタシはかなり好きです。どういうことかは読んでみてくださいな。


 ハムレットでワタシは一つ謎があって、なんでオフィーリアは死んだか、ですよね。
 オフィーリアはハムレットに父親を殺されて気が狂って入水自殺してしまうわけですが、父親が殺されたからって気が違ってしまうか??っていう謎が残ります、しかも父親のポローニアスはハムレットの言うとおり、偉そうなことをしゃべりまくる頭の鈍い下種野郎にすぎないのです。
 それほどオフィーリアが純粋だったのか、オフィーリアは本心はハムレットに恋をしていたのか、それともこの悲劇をすべて見通して狂ってしまったのか?
 ともかくオフィーリアの狂気の原因は、シェイクスピアらしくない、いきなりの発狂なんですよね。何か元ネタ、があるのか、オフィーリアのモデル、が存在していて、その影をシェイクスピアは見ていたから、ワタシはたぶんこれだと思いますね。オフィーリアには、実際の当てはまる人物がいたんだと思います。
 
 

2017年6月2日金曜日

2008 ペルソナ4

  オレの中のさびしんボーイが暴れだすぜ!

  /////////
   プレイの為のアドバイス

・今作は仲間に命令させろ、が可能なので戦闘が格段に楽になりました。なんでそこでそれかよぉ!!ってことがない。ザコ相手に精神統一すなぁ!ってならないw それによってゲームの難易度もかなり下がったと思います。また防御をすれば弱点属性でもコケなくなり、弱点の無い仲間だけしか使わないってこともなくなりました。

  ネタバレですが結局どのキャラが強いん?ってのが気になる人もいるでしょう。オススメパーティ公開。
 陽ちゃんこと陽介、マハスクカがとっても今作重要なので絶対的エース、主人公の親友はオマエしかいない!素早さもやたら早い、疾風属性弱点の敵も多い、回復も微妙に役立つ、物理攻撃も魔法攻撃も良い、SPも実はかなり高い、守備もなかなか、死角無し。さて、いきなり二番手が混戦です。
 回復重視なら、メシアライザーまで習得する雪子。ボス戦重視なら積みステ魔法が多いクマ。両方いれば万全の構え。ただ雪子は火力は無に等しく、火が弱点のシャドウがやたら少ない。クマは耐久力に不安が残り、すごい困るのですが、コミュ解放がなんとラスボス攻略直前なうえに弱点は残る、これが最大の欠点。
 千恵ほとんどゲームの90%くらいは暴れまくりくらいしか有用なスキルがありません。しかし最後にチャージとゴッドハンドを覚えるとボスキラーとして活躍、アグネスヤトラ?までいくと鬼神化。さらに追撃のバァーン!!っていうのがものすごい強い。
直斗は魔法が即死魔法ばっかなのでボス戦では役立たず。莞爾は全体攻撃がないので非常にイマイチ。火力も最後は千恵に負ける。

 というわけでオススメは陽ちゃん、雪子、千恵、の結局同級生チーム。どうせザコの掃除は主人公がやるのでボスの為の布陣をしくのが良いと思います。主人公の役目はカジャ系魔法を連発というしょぼい立ち回りになりますが・・・
 (今作はイベントじゃなくてコミュ解放でペルソナが進化します、最悪でもパーティとりせち~のコミュだけは解放すべし)

・ペルソナ全書から登録したペルソナを買って召還出来るようになりました。オルフェウスが二度と手に入らないってことはなくなり、コミュに適したペルソナを用意するのが簡単に、けどカネが高い!!

・戦闘の後のカードルーレットが格段に早くなって目押しが相当難しくなりました。望んだペルソナを手に入れるのはかなりむずい。というより運。

・システムは基本ペルソナ3を踏襲してます。このゲームフラグの量が無数にあって、しかも時間限定イベントが多いので攻略情報なしではコミュMAXは絶対不可能です。P3でもそうでしたが漫然とやってると最初のテストを突破できません、後半は時間が余ったりするんですけどすでに期限が切れてたりします。フラグのたて方もかなりわかりにくい。
 けど全体的にはP3よりもステータスが上がりやすくなり、コミュ解放は簡単になったみたいです。けどそれもフラグのたて方を知ってればの話で、普通にやって全開放は100でムリ。毎日街のすべての人間に話すなんて現実的じゃないし。
 あと疲労、がなくなったのでいちいち疲労が溜まったらリセット、ってことをしなくてよくなりました。ダンジョンに入ったら基本潜り放題です。しかも途中で戻ってもまたその階数からリスタート可能。すげーユーザーフレンドリー。P3、女の子ゲーマーにはちょっとキビシすぎたみたいですね。

 
エリザベスの後継であるマーガレットのキャラはかなり薄いです。あのイゴールのジジィは女をとっかえひっかえ・・・

 コミュ解放を狙うには山は序盤に来ます。雪子城一日クリアはいきなりかなりのギリギリギリ!!っていう薄氷の勝利になると思います。サウナもかなりきつい。キツネが割安になればあとは全部楽勝。
・どのコミュが大事といって、キツネが今回の超キーファクター。キツネが早期に解放出来るかで、コミュ解放への道が決まるといってもいいです。ただし、キツネのコミュはやたら難しいのが多い。特に困るのは釣りイベント、ヌシ釣りを突破するのは驚くべき時間の浪費w。リセット連発なのでゲーム内の時間は経過しませんがリアルタイムはかなり使うハメになる。けどキツネコミュ解放によって神社で祈りが出来るか出来ないかはすごく重要ですし、ダンジョンでのSP回復もめちゃくちゃ大事。頑張ってヌシ釣るしかないです。このゲーム最大のヤマと言ってもよい。
 釣りのやり方は攻略サイトなど見てください。水面のポツン、ポツン・・という感覚を見て、食いつかれる前に竿をあげると餌を消費せずにまた釣りが出来ます。この奥義を会得しない限りヌシを得ることは無いものなり。
 ヌシは雨の日に、ポツン・・、の感覚が異様に長いやつなのですが、ヒットさせるタイミングがシビアですので、ほんとにリセット地獄を覚悟して下さい。
 
 ラスボスは弱いです、正直。いやらしい攻撃が殆どない、色即是空みたいな凶悪な技は飛んでこない。ただ全体攻撃を連発するくらいなもんですのでそれを耐えきるHPがあればあとはちょびちょび削るだけ。チャクラリングで回復役のSP消費さえ抑えれば負けるハズがない。

 裏ボス、裏ダンジョンがある、と説明されていて、たしかに知らないとまずわからないんですけど、ストーリーとゲームの作り的には、隠しボスではありません。ちゃんとゲームの一番最初にネタフリがしてあって、よくよく考えるとあれはなんやってん?ってのがわかるようになってるので、ワタシは普通は裏ダンジョンってのはやらないんですけど今回はちゃんと攻略しました。普通のラスボスは弱すぎるのでこっちが本番って感じです。ちゃんと、あっ!ラスボスの攻撃だ!っていう世界の終焉?なるバステオールのえげつない攻撃をしてきます。勝てるかどうかは運w 地味にガルガリンアイズが一番鬱陶しい。ランダマイザがあるかどうかがやっぱり肝だと思います。トランペッター、どうせ女帝コミュ解放に使うので作っておきましょう。 
 アニメやイベントまできっちりあるので、イXXXをきちんと倒したほうが良いと思います。

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 さて重要なプロットなんですが、ペルソナは3から半分、4ではむしろ半分以上は会話を主体としたアドベンチャーゲーム、さらに4は殺人事件の捜査がかなりの割合をしめてますのでアドベンチャー要素が7割くらいです。
 気づいたんですけどペルソナは2つのゲームなんですよね、ダンジョン攻略ゲームとアドベンチャーゲームが交互に繋がっている。だから飽きずにどんどん出来るわけです。不思議なダンジョン系はいきなり飽きがくるし、アドベンチャーゲームは文章を読むのに疲れてくる。それを補完してるというわけ。
 新しいものなんてもはやない、ってのがメディア業界では定説になってますが、
それは何が新しいかっていう定義の問題でして、人間がやっているもの、という集合にしてしまえば、すべて人間がやってることだ、全部同じだ、っていう論理も可能だし、集合の条件を変えればすべてがまったく別の集合だともいえます。
 でも2つの何か、をミックスさせて、ケミストリーを生み出すっていうやり方はこれから増えるんだろうなっていう気がします。シューティングシュミレーションゲームとか、アクティブタイムバトル恋愛ゲームとかそういう感じ。組み合わせることでケミストリーを生み出す。少年バトルホラー漫画、とか。いろんなのが出来ますね。オンライン対戦ファッション、とか。


 全体としては飛ばしてんなー!さすがアトラス!って感じですw 仲間がゲイ疑惑のある不良少年、露出趣味のある元アイドル、ダンジョンはハッテン場のサウナ、ストリップ小屋、などなど、すれすれのネタを中盤にがんがん放り込んできます。
 3が大ヒットしてしまったことで、4にかかる重圧が半端ない状態で、守りにはいらなかったのはやっぱりすごいですね。大ヒット作の次ってのはほんとやりずらいものです。期待は高いし、どうせ何をしたところで前作と比べて・・・、みたいなことを言われるし、同じことの繰り返しだとマンネリだと言われるし、新しいことをしたらしたでぶち壊しだ!!って言われます。つまりは絶対に何をやっても文句を言いたい奴らを相手にしないといけないわけです。
 大ヒットの次、で失敗して消滅してしまうバンドってたくさんいますものね~。そういう時は、完全に裏切るっていうのが1つの方法論です。まったく期待と逆、全然真逆をぶち込んでみる。
 ということを考えるとFFってすごかったですよね1~7までは、(6は個人的にはいかがなものかと思ったんですけど、何故か海外では6が評価が高いのです)次々に凶悪なファンの期待をどんどん塗り替えていきましたものね。そぉいう風に折れちゃいそうな期待のプレッシャーを乗り越えてさらに期待を上回るものが出来るってのがほんとキセキです。
 
 なんだかんだいいつつw ワタシはやっぱ3派かなぁ、4はキャラがちょっと弱いという気がします。普通すぎるっていうのか、割りと一本気っていうのか。というかワタシはなぜか3の美鶴と風花、エリザベスに結構ハマってしまいました。特に美鶴ですね、あぁいうクールなお嬢様キャラってのはワタシはそれまでまったく反応したことは無かったんですけど、初めて、なんかいいキャラに仕上がってるなぁ、と思いましたね。風花はノトマミストにはお気にーのキャラ。4はキャラの立ちがちょっと悪かったですね、デザインが悪いとかではないんですが、なんかもっと裏切りが欲しかったのかも・・・ん~。といってどうすれば良くなったかと言われると難しい、オトナ、のキャラを放り込んでみるのが良かったのかも。全員高校生ではやっぱネタにも制限があるし。ラスボスのほうがほんとのことを言ってる気がしてならない。
  コミュニティも、ちょっと詰めきれてないかもっていうのがありましたね。3は、こいつ嫌なやつかも、っていう相手を知っていくと、実はこうこうだ、っていうのがわかっていく、というのがありました。これはよく出来てるなぁと思いました、タカタ社長とかねw
 4は嫌な奴ってのが少ない気がする。



 
3が死、という重っwっていうテーマだったのと較べて、4は推理小説仕立てになってるので、まぁそこもありますね、スケール感が少しちっちゃくなった気がする。3が重すぎたってこともあり。まぁ話がでかければいいかというとそうでもないんですけど、銀河の平和を救うとかいうと、はぁ?・・ってなるし。




 ちなみにワタシは一周目でコミュMAX達成出来ました、12月まではみだしてしまいましたけど・・。街に霧が出だすと鬱陶しいのでやっぱり11月までに達成が理想ですね。ただコミュMAXにしなくても裏ボスは関係ないらしいです。



一応P3の二年後が舞台になっていて、3のネタもかなり満載してます。
  ピンクのワニの絵本は発売されたんだなぁ・・。あと喫茶流星群・・。