2017年6月6日火曜日

Cornelius こと 小山田圭吾

  Corneliusを知ってる人がどれくらいいるんでしょうかね? なんかこのリミックスいいなぁ、誰?って思ったらだいたいCorneliusっていう人で、ふ~ん、やるじゃん、何者?ってずーっと思ってはいたんですけど詳しく調べたことは無かったワタシ。



 こぉいう音先行でアーティストに出会うっていうことはほんと滅多にないですね、この音楽、いい音、だなぁっていう感じで。

 ワタシはCorをなんかロンドンとかのプロデューサーだと思ってたんですが、実際はおおいに異なる、Corneliusっていうのは、小山田圭吾という日本人のソロプロジェクトの名前なんですね。


 小山田圭吾っちゅ~人は、こっからはほぼWIKI情報なのですが、フリッパーズ・ギター、なるDUO、で小沢健二っていう人と一緒にデビューした、いわゆる渋谷系、なるジャンルのアーティスト、でした。
   

   でした!。


 今は全然違います。渋谷系なんていうと女の子受けしそうなオシャレな音楽なんだろうなという感じですが、実際その通りで、二枚目まではそういうPOPな感じの曲を作る人々でした。

 が、三枚目「ヘッド博士の世界塔」なるアルバムから急変、 何か気が狂ったように女の子受けしなさそうな、洒脱な音楽を作り始めます、そして解散。たぶん小山田圭吾氏が個性を爆発させた挙句空中分解ってわけですね。女性問題、とか噂されてますけどそれもあったにせよ、こんな種類の音楽は日本で受け入れられるハズがない。

 当時のMadchenster Movement に影響されたと説明されてありますが、それはすごいわかる。あの頃のUKはダンスロックっていうか60sプログレリバイバルみたいな感じがあったのですよね、それをもっとわかりやすくPOPにしたのがOASISっちゅーかんじです、ヘッド博士は、まだOASISが出現するまえのStone rosesの時代の音をしてます、それにしたって、洒脱、というのがピッタリの、何コノ日本人らしくないオシャレな音楽!?って感じ。




 で、そっからソロのCorneliusが始まるのですが、そのデビュ―アルバムはなんとまた元の、女の子受けしそうなオシャレ音楽に逆戻り。一応売れなきゃダメなやつはちゃんと作るっていうことが出来る、すごいバランスの取れた人なんですね。

 しかしその次にはまた、 WHAT??っていうくらい、むしろ前衛的ともいえる音楽を作り出します。
 69/96というまさにそのままのタイトルで、サイケリバイバルっていうのを意識された音楽となっています。このタイトル、実はワタシが昔描いてた小説のタイトルでもあり、かぶってしまいました。どうでもいいことですが。

 というか、この人はアーティストというよりはプロデューサー気質ですわ。ENOとかそういう感じで、おれの個性を主張したい、メッセージを伝えたい、有名になりたいみたいなんよりも、いい音楽、というか音、を作りたいっていう感覚を持ってる。音、に対するセンスが高い、非常にめずらしーーー、特に日本人ではほんとーーーに珍しいタイプのミュージシャン。
 そして恐ろしく女の子向けじゃない、ミュージシャン向けともいえる、玄人向け音楽です。


 日本人の音楽って、ワタシなりの意見ですと、音楽自体はものすごいダサい、ダサいっていうのか、欧米でさんざんこすられた音楽を輸入してパクってるだけです。そのダサさみたいなのが日本の音楽らしさというか、趣味の悪さ、みたいな自分なりの消化方法が個性なんだと思います。音楽、の作り方っていうので目新しいことを作るのはいっつもUKと決まっています。


 でもそれは当たり前の話しで、新しいもの、っていうのはそれを受け取るオーディエンスもいないし、それを流す媒体も無いし、それを理解出来る人もいません。新しい音楽を求めてるというけどそれは大嘘で、新しいものなんて誰も求めてません、だって何を求めたらいいかわからないじゃないですか。
 人々が求めてるのは「新しい感じのする、古い音楽の再構築」です。新しいものっていうのは、なんか生まれちゃうもので狙ってつくるようなもんでもない。第一それって成立してないってことでもあります。


 成立、してるものを輸入して使う、これが無駄がないし、金になるし、お客さんを新たに生み出す必要もない、便利で良い。これが日本の音楽の発想だと思います。

 
で、一部の、富裕層というかオカネに困ってない人が、実験音楽、っていうのをやっています。これが次の「新しい」になるかもしれない音楽、ただすごいオーディエンスは限られているし、エリートのサークルみたいな感じで、部外者お断り感が半端ない。ともかく資金に余裕がなきゃ出来ません、こんなこと。そしてこの手の音楽の欠点というか特色は「メッセージ」が何も無いってことですね。おれはオカネに余裕があって、毎日快適に暮らしてるよ、生活の心配が無いから音楽を作ってるんだ、みたいなことを発信してもしょうがないわけで。


 でもほとんどのオーディエンスっていうのは、その気持ちわかる!とか励まして欲しい!とか元気が欲しい!この人かっこいい!かわいい!!っていうのが目的で音楽聞いてるんで、この富裕層達の音楽には見向きもしませんね。


 小山田氏の音楽はあっちの、富裕層の音楽です。日本人であっち側にいる人ってほんとーーーに希少でして、やっぱり日本には居場所無いのか活動はだんだん海外にシフトしていきますね。


 なんかすごい批判的に聞こえるかもしれませんが、Cornelius 才能人なのは間違いないですこの人。ほんとに日本人らしさが皆無っていうのか、ダサいところが全然ない、オシャレだし、実験的だし、世界規模で見ても、斬新だし、個性的。気取ったところとか、いやらしさみたいなのが全然ない。何者じゃこいつは!?って感じ。こぉいうタイプの人間が日本にいたんだ、っていうすごい新鮮な感じ。中国の仙人みたいな印象を受けますね。周りに1人もいなかったなぁこのタイプ・・・。