2017年6月13日火曜日

2005 ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女

 たぶん聞いたことはあると思うのですが、一時期かなり流行した推理小説です。ミレニアム、ドラゴン・タトゥー、というとなかファンタジーっぽい感じのエンタメ小説のように聞こえますけど、実際は、大企業の汚職、ナチス信者が多数いる大家族、聖書を引用する殺人鬼、そして女性への暴力、レイプ、猟奇殺人、ユダヤ人への差別っていうのがテーマのえぐめの犯罪小説です。スリラーですかね?

 特に女へのDVとか暴力ってのがテーマでして、ワタシこの本な~んか嫌な感触がする・・って思って途中でなげてしまったんですけど、推理小説途中で投げ出すってのはどうもワタシのプライドが許さないので決意して読みました。(ワタシは月長石を読みこなしましたからね、っちゅーかプルーストまで読んでるし)。
 ただ予想以上にしんどかったです。というのは、やっぱり!って感じなんですけど相当なエログロ猟奇な内容なんで。なんでこれがこんなに流行るの?っていうくらいR-21的な内容です、それも相当なキワモノ。どうしてこの推理小説がこんなに売れたのかよくわかりません・・・、エログロの時代、ってのがまたぶり返してるんですかね?平和が長く続きすぎると社会が堕落してエログロに向かうようです、そして・・・、相当ショッキングな内容なんで読む人は注意すべし。
 
 でも逆かもしれませんね、エログロ猟奇、EGM、だからなんで売れるのかわからないのではなく、EGMだからこそ人気が出るのかも。オレ、EGMなモノが好きなんだよね、って公言しないですものね、でもほんとは好きでそれを求めてるってことかも。実際、名作とか大人気作ってものにはEGMってものが多い気がする、エヴァもそうだし、ハムレットもそう。とにかくヨーロッパ人ってセックスの話題が好きだよなぁって思いますね。
 ワタシはこういうのがわかってしまうんですが、この作家の人・・・、アレです。こいつ、アレ!じゃん!ってすぐにわかった。


 この作家の人、この小説がデビュー作であり、しかもその出版が決まってから心筋梗塞で死ぬ。っていう、まさにオマエが推理小説じゃんか、という死に方をしました。作家としては一番かっこいい死に方です。でも三部作となっており、さらに四部も発表されました。これはよくわからないです。死後出版ってわけなんですがなんかきな臭い・・・。ワタシは第二部はたぶん読まないですね・・。







 話は変わって、ワタシは本とか作品とかってのは呼ばれるものだと思ってます、どうかイカレポンチだと思わないで欲しいんですけど、作品ってのは運命的出会いをするもので、その時、に読まされる理由があると思います、本にかぎらず。で、ワタシはなんでこの小説、をあんまりいい感じがしないのに読むことになったかっていうのがわかりました。それはワタシにしかわからないことなんですけど、あぁなるほどねっていう感じです。
 ワタシは、芸術、に関してだけは運命論者なんですなぁ、偶然っていうのを決め手にします。例えば、この人物をどうしたらいいだろう、っていう時に、たまたま、見かけた物、たまたま置いてあった雑誌にある色とかコトバをヒントにします。というかそういう判断をしていかないと結局何も作れなくなるからなんですね。でそれを決めたあとで、それをどうやったらもっとよく出来るかを考える、何か制約をつけるとアイデアが出たりするというわけ。制約こそ創造の母なり。
 自分を縛ることで、フリースタイルでは出なかった発想が出て来る、俳句とか詩、ってのに制約があるのはそういうわけなんだと思います、制約があることによって、普通では思いつかない組み合わせとかコトバが生まれる。作家ってのはマゾじゃないと出来ない商売なんですなぁ。