2018年12月23日日曜日

1972 ブッダ 手塚治虫

あるきっかけでこのマンガを読むことになりました。まぁ隠す必要もないのですが、杏花氏のラジオがきっかけです。
 ワタシは手塚治虫が嫌いなので手をつけていなかったのですが縁、が出来たから読むことにしました。ワタシはこういうめぐり合わせみたいなのを大切にしておって、それまで興味があってもなんかきっかけがあるまで寝かせておくことにしてます。ブッダに関しては一切読むつもりはなかったけれど・・・。

 1972年って思ったよりも最近のマンガなのだなぁと思いました、もっともっと古いマンガだと思ってた。っていうか手塚治虫って結構最近の人なのだなぁと知りました、ワタシのイメージでは1960年代には死んでるイメージ。
 

ブッダの生涯?をおってるようで、めちゃくちゃオリジナルなシナリオで、一体どういうこっちゃ?脈絡が無いのでは?っていうくらいはちゃめちゃな展開をします。
 といっても、ワタシはブッダの本当?一般に流布している生涯っていうのを知らないので元ネタを知らないから、どこがオリジナルなのかわかりませんでした。仏教ってのはキリスト教と違って、これがバイブルってものがなく、いろんな本が雑多に存在するので何がオリジナルなのかもわからないのですけどね。
 それにしても、話の展開がミライに言ったり過去に戻ったりと、バラバラなので、どういう展開??ってのが多いですね。

 しかし、これは名作であることは認めざるをえません。どういうこっちゃ、ということもあるし、やっぱりこういう描写が嫌いだ!手塚治虫ってやっぱりワタシのクズセンサーが反応する、ってとこもたくさんあるんですけども、すごく挑戦的でチャレンジ精神に溢れてることを評価せずにはおれませんね。特にメインキャラがどんどんあっさり死ぬところが良いですね。死ぬんかい!!っていうくらい死にます。あんだけいろいろフリをしておいて、死ぬという。フリをちゃんと回収する、ってのが掟みたいになってしまってる現代マンガと違って斬新な感じがします。

 でも一体全体どういう出版社がこんなマンガを連載させていたのだろう??どう考えても子供がこのブッダなんてマンガに興味を持って応援するなんてことはありえない、しかもかなりの長期連載です、どういう媒体??って思って調べたらはっとしました。なんと潮出版社なる、創価学会系の出版社だとのこと。
 
 はっ・・・、すべての点と線がつながった・・・。
 
 よってこれ以上何も言うまい。すべて理解。そういうことか・・・。

 最近なんとアニメ映画にもなっております。いやいやどこがカネ出してんねん!ってこれも思ったのですが、すべて理解。なるほどなぁ。そういうバックがあったのな・・・。


 宮崎駿はやっぱ手塚治虫のフォロワーなんだなぁとも思いました、かなりカットの作り方、がかぶっています。手塚が死んだときに駿氏だけがあいつのせいでアニメは制作費が少なくなったんだ!と1人酷評していたのは有名な話ですが、やっぱり仮想的というか、超えるべきライバルとして特別な存在だったのでしょうね。
 あとベルセルクの作者も手塚ファンなんだろうな、と。ある世代より上のマンガ家にはやっぱ手塚治虫は絶対的存在なんだなーって感じですね。ワタシはやっぱり手塚治虫は好きじゃないです。水木しげるのほうがよっぽど好き。
 けれどクズでも才能はあるってことはあります。むしろ才能がある人間は人格者だというほうが珍しいし、間違いなんだと思います。どっかぶっ壊れてる人間のほうが断然面白い。
 ブッダは火の鳥、がCOMの廃刊で連載先を探してたときに、潮出版からの依頼で火の鳥の子供向け版、として書かれたものだと書いてありました。そういうわけなんで火の鳥もやっぱり一応目を通しておこうかな・・・。