最後に大どんでん返しがあることを誰にも言わないでね!ってキャプションが最後に出るという古典的な脚本ベースの法廷ドラマ映画です。
法廷ドラマってやつは、ほんと人気があって、法廷ドラマっつーか、犯罪物っていうのですか。結局殺人があって、それを解決するウチで次々真実が・・・っていう古典的なものが一番人気があるのですよね~。だいたいのエンタメ映画でものすごいCGとかでもないのに人気ってのは犯罪物です。踊る大捜査線にしろ相棒にしろ、Iは見てないんですけどねw 結局は犯罪、クリミナル物です。
特に法廷ドラマってのは恋愛物と同じようにある程度ベタ、があって書きやすいのですよね。フリが効いてるってわけ。有能な弁護士、イヤったらしい検察官、とぼけてるけど実は優秀な判事・・・みたいなこって。12人の怒れる・・・もそう。殺人事件の裁判ってのはもはや古典落語みたいに、あるていど型、が存在してるのです。
ともかくこれはエンタメ映画なんですけど、何より一番の大どんでん返しはヒロインのマレーネ・ディートリッヒがこの時55才だってことですわね、嘘だろ・・!?そうとわかってたら確かに化粧超厚いし、ライティングでカバーしまくってるってのもわかるけど、それでも40代だと思います。55!?55!?でせいぜい30代後半の女性を演じてるその演技力が一番のトリックです。回想シーンでは20代を演じなきゃいけないのですけどそれも違和感を感じさせません。しゅげーw ババァが若作りしてるっていうよりも、うわぁオーラがあるなぁ!って素直に思う。
マレーネ・ディートリッヒファンってのはいますよね、グレタ・ガルボファンとかと同じように、Iはいまいちなんかこの白黒時代の美人女優シリーズには詳しくないのですけど・・・。
それにしてもなんで昔の俳優ってのは演技が臭くないんですかね~、これはほんと映画の最大のテーマだと思う。すげー自然に入っていける。今の映画、今といっても70年台以降の俳優の演技ってどっか・・・真実味が無いっつーか、オカネの為にやってまぁーす!!って感じ、仕事っす。ってニオイがしてしょうがないのですよね。どっか、こういう、「作品」、を演じました、よく出来てるでしょ?っていう感じがする。それより以前の作品は、これは「作品」、っていう感じがしなくてドキュメント風に見れる、これはまじで一体なんでなんだろう。
やっぱ戦争を経験してるかどうかとしか考えれないのです。戦争経験者はどっか・・・違う。目つき顔つき、人生観みたいなものが全然違う、戦争ってのはほんとにヒトを成長させる、ニンゲンを成長させる唯一無二の経験なんでしょうね。マレーネ・ディートリッヒにしたって、やっぱくぐってきた経験が違いすぎますわね、最近のちやほや育てられて映画学校に入って・・・・みたいな連中とは。そんな学校と家を往復してるだけの乏しい経験しかないニンゲンに出来る演技なんて限られてますもん・・・
ナチス支配のドイツから抜けだして、っていう実体験を活かした演技なので特にすげー!演技力たけーって素直に思ってしまいました。こぉいう存在感を持った俳優が昔はいるよなぁ・・・・。
ようはこれはほんとマレーヌの演技力だけを見る映画だと思います、マレーヌが出てくるまで、30分くらいまですげーちんたらしててテンポが悪い・・、けど後半は魅せてくれます。
邦題は情婦っていうんですけど、まったく意味がわからん。原題は裁判の証人、っていうそのままのタイトル、情婦っていうとなんかエロちっくな映画だと思いますけどまったく見当違い。どういうつもりなんだろこのタイトル?
確かに裁判の証人っていうタイトルはまずいので・・・まぁ 「疑惑の証人」くらいのタイトルでいいんじゃないすか?
ともかく良い映画でした、ひっっっっっさびさに良い映画を見たって感じ。