2016年3月6日日曜日

1940 Pinocchio  ピノキオ

 ディズニー長編の第二作なんですが、一作目のスノーホワイトとくらべて知名度が低い気がします。まずピノキオというお話自体が知名度が低いですものね。

 なんでウォルトは第二作としてピノキオを選んだのかまったくの謎です。もっとなんかわかりやすいというか、一般向けっぽいのにすればよかったですのに、マイナーなイタリアのお話であるピノキオをチョイスしました。

 お話としては、ワタシが思うにちっとも面白くないです。人形であるピノキオがいきなり妖精に命を吹きこまれて、良い子にしてたら人間にしてあげるよ、と言われます、ゴタゴタがありつつ、最終的にはくじらに飲み込まれたおじいさんを助けだして、人間になれる。というお話なんですけど、一体何が言いたいのかちっともわかりませんものね。

 良い子にしてたらいいことがありますよ、くらいのことしか言ってません。



 だいたいこの人間になりたい!!っていう目的がよくわかんないですよね、妖怪人間ベムにしろなんで人間になりたいのかっていう説明はほぼナッシング。別に人形でいいじゃん、って思うのですけど・・。


と内容的にはかなり薄いのですけど、見せ場はとにかくクライマックスのクジラとのシーンでクジラは史上初めてじゃないですかね、セル画じゃなくてフルアニメーション、アニメ塗りじゃなくて絵画塗りのキャラをアニメートさせるという恐ろしく大変な作業をしてます。スノーホワイトでやられなかった、水中シーンがたぶん初めて、ちゃんとアニメーションになった映像だと思います。基本的に水中の描き方ってのはみんなこのピノキオを踏襲してますものね。ほんとの写実的な水中は真っ暗で何も見えないけどファンタジー的処理です。崖ポニョだって技術的にはこれとまったく同じです。




 なんの説明も無いけど普通の人間の街に狐がいてピノキオを騙すんですが、なんでキツネがしゃべってんだ、っていう説明は一切無し。ピノキオなんていう人形が動き出すんだからなんでもありじゃ、って言えばしまいなんですけど、他の部分は別に超現実的なものは一切出てこないので、なんでキツネが普通に人間としゃべってんのかわかりません。ペットの猫のフィガロは一切しゃべれないのに・・・。そういう説明無しでいきなりぶっこむってのは紅の豚とかでもそうなので、やっぱジブリはディズニーに相当借りがあるんだよなぁ・・って思いますね。


 内容はともあれアニメーションの技術はこのころはまだピカ一ですのでアニメ好きにはいい作品ですけど、それ以外にはふむ・・・。って感じですね。1940年っていうもうヨーロッパは戦争一色の時代なのを一切感じさせないところも注目点。 
 あと背景の色使いが妙に綺麗です、使ってる紙とか絵の具がいいのかもしれません、あと撮影の技術ですか。1940年でこの発色!?バケモノか・・って感じ。