体操マンガとしてはほぼ唯一のメジャーなマンガなんじゃないですかね。1994
年というとジャンプ黄金時代であり、マンガの一番勢いがあった時代です、一番勢いがあったというか、エッジを利かしまくってたマンガが、メインストリームに出てきてサブカルからメインカルチャーに変わった時期ですね。つまるとこ、スラムダンク、ドラゴンボール、セーラームーン、とかそのへんの時代です。
スポーツをはやらせるにはマンガを当てればいい、みたいな方程式があって、柔道のヤワラちゃん、にならって、マイナースポーツであるバスケにスラダンが大爆発的なヒットを取って、それに後追いのカタチでサンデーが体操、に手を出したというわけ。テニスの王子様はもうちょい後です。
じつはわたしバスケも体操も好きなんです、まぁMLBも見ますけど。NBA、MLB、アメフト、体操、テニス・・って感じですかね。どうもサッカーってワタシには性に合わない。サッカーってプレイするぶんには面白いけど、試合を見ててもまったく面白くないと思う・・・、アメフトはプレイというよりも見せるためのショースポーツって感じですから。野球とテニスは、集中力0で脳は起きてるけどココロが死んでる時にダラダラ見るのに最高です、じっくり集中して見るもんじゃない。
そんな話はどうでもよくて、これを見るきっかけは、体操の内村航平はこのマンガにあこがれて体操に打ち込んだんですってね、まんまと小学館にハメられてるって言うのか、ほんとに現れたっていうのか。錦織Kもテニプリを読んでるみたいですし、やっぱマンガってほんと効果あるんですなー。アメフトのマンガってありましたけどなんか絵面がぬるいので手を出しませんでした。けど日本でアメフトが流行るわけねーです、アメ、って名前がついてるんだし。アメリカンベースボールっていう名前だったら日本で野球流行らなかったでしょうし。
ワタシ内村航平がすげー好きなんです。ほんとに数少ない心の底から尊敬出来るヒト。かっちょ良すぎる。他は宮﨑駿、藤原基央ってとこですかね。生きてる人間では。井上雄彦はあんま好きじゃなくなりました、ダメになってしまった気がする、松本人志もやる気ないですし、まぁ駿氏も引退したし、現役で頑張ってるヒトって内村航平とMOTOO、くらいですね、あと武田弘光も好きですw あと吉田明彦、野村哲也・・やっぱ結構いましたw
このマンガアニメもやってたんですよね、ほんとにチラっとだけアニメを見たのを覚えています、なんか庭先で鉄棒やってた。なんかぬりーマンガだと思ってました。
なんでしょうかサンデーって独特のタッチがありますよね、子供っぽいっつーのかダセーっていうのか、ん~~? ワタシ個人はかわいい系の絵って好きじゃいんです、ファンタジーっぽい感じか、劇画系が好き。だからサンデーって殆ど読んだことない。けど一部サンデーファンっていうのがいて、ほんと独特の人々ですね、サンデー支持者は。からくりサーカスこそ最高のマンガ、うしとらも・・っていう人がたまにいる、YAIBAとコナンが好きな人もいますし、アームズとかスプリガンですか、いましたねーそっち系を集めてる人々。ワタシはまんがの単行本は買わない、同じものを読み返さない、一期一会、っていう派なので唯一持ってたマンガはモンモンモンです。
バカでネアカ体育会系のジャンプ、ややエロヤンキー路線のマガジン、変わり者のためのサンデーって感じですか。すげー覚えてる思い出があって、ワタシが風邪ってズル休みしてたら、ババァが暇つぶしに雑誌を買って来てそれがサンデーだったんですね。いや週刊連載マンガ雑誌を一個だけ買ってくるかよバカが、ってキレた思い出があります。
さて本題に入るとこのマンガ原作を森末慎二が書いてるんですね、あのモリスエ、の森末慎二です。だから体操に関する描写はほんとリアリティがあるし、宿舎がこんな感じ、大会はこんな感じっていうのは、これほどリアルなマンガはないですね、古いのかもしんないけど、実際に体感した人の話なんだからこれ以上のリアリティは無い。何がリアルっていうに、なんとなくドライな感じですね、想像とか取材で描いてるマンガだと、なんかねとっとして嘘くさい感じ。このマンガだと失敗しようがミスろうが、どんどん次の大会がやってきて、もうやるしかねぇだろうが、ッて感じでポンポン進んでいく。
ただ物語の構成としては、まぁヘボ作家ですねw 四流作家です、ひでぇ。展開も何もあったもんじゃない、それに全員が実はいいやつであった、とか頑張れば夢は叶う、みたいな定型文みたいなキレイゴトを言うし、体操で成功するだけで女にはモテたり、ケンカやイジメが解決されたりと、なんでもあり、ベネッセのマンガかよw 学生じゃなくなったからあの学研のちゃちなマンガが送られてこなくなってちょっとさみしいです・・、超くだらないけど、あれってでもなんか時代の空気を教えてくれるんですよね。
ともかくなぜかがんばると女にモテる、っていうのの繰り返しです、アホなんですかねw しかも女は全員顔同じです。 美人の引き出しが一個しかない画家ってのはよくいます、一番有名なのは貞本義行ですか。でも美人を描こうとすると結局自分の性癖が出てしまうもんで、そりゃどうしようもないもんです。女の作家が男を描いてもそうですもんね、結局自分の性癖丸出しになっちゃうし、それを避けるとなんとなく薄いリアリティの無い顔になってしまう。
主人公の実家が千葉県市川市なんですけど、ワタシのクソ地元でして、ドキっとしちゃいました。
マンガは最後のほうはほぼイメージの向こう側状態で、いや無理無理ムリ・・っていう技のオンパレードです、特に四回宙返りは・・・。しかも最後は主人公の藤巻が鉄棒で満点を出して、大逆転、日本は団体の金で優勝というオチで、ネタバレさせんなと言われるかもしんないけど、漫画の最初からすでにオチばらしで、オリンピックで金メダルを取るまでを描くって宣言してるのです。まぁそこも素人作家のなせるわざで、普通の作家だったら、そんな奇跡みたいな技で満点大逆転!!みたいなこっ恥ずかしいオチなんてちょと恥ずかしくて出来ないですよね、これもベタですけど最後のおりわざで飛んだ・・・・、時間が止まる、みんなの表情、あとは想像におまかせ・・・みたいなちょっとオシャレな終わり方をワタシだったら選びますね。
こぼればなしですが、映画の風の谷のナウシカで最後にナウシカが王蟲にぶっ飛ばされるが蘇ってランララン、でめでたしめでたし、で終わるじゃないですか。
最初の宮﨑駿案だと、ナウシカが王蟲のツッコんでくるところへ1人で立つ、それが石碑みたいな絵に変わる、少女は伝説となった・・、で終わり、の予定だったのを鈴木Pとかの案で蘇り、っていうふうにしたんですね。
これどっちがいいか?ってのはほんと尽きせぬ論争でして、たぶん映画、としての売れ行きとか一般受けではさすが鈴木P、プロデューサーとしての正解は蘇りのハッピーエンドだと思います、やっぱでもクリエーターとしては最初の、ナウシカが1人で立つ、低い水平線のアオリで広がる王蟲の群れ・・・っていう、絵がかっこよく決まる、物語じゃなくて絵、の決まり方でこっちだとワタシは思いますね。もちろん、子供とかものわかりの悪い連中は、えっ!?オワリ!?突然すぎない?って思うのでしょうけど。
なによりそのほうが、ナウシカの孤独さ、ってのが際立ちますね。やるせない気持ちになるけど、ぐっと胸に迫る。