今更w
1971年、っていうと実は映画のかなりのターニングポイントで、スピルバーグ、ルーカス、がデビューしたのもだいたいこの辺で、こっからいわゆるみんなが思う、ハリウッド映画。バキバキドカン。ともかくカネがかかっている、派手でド迫力、その実陳腐、内容無し。子供だまし。っていうスタイルが確立されていくのですね。
ダーティ・ハリーもこの路線、バキバキドカン路線だけど、ハードボイルド感がこの後の、ダイハードとかスピード、みたいなのと異なってますね。ちょっと物悲しい感じ。後々死ぬほどパクられることになる名シーンもたくさんあります。
マグナムはハンドガンの中では最強だ・・・、この中にはまだ6発中弾が残ってるかな・・、運試ししてみるか?
っていうおなじみのやつ。welcome to homicide 殺人事件にようこそ。とか、鉄橋の上に立ってるハリーのシーンなどなど。
全体的に夜のシーンが多くて当時のフィルムって夜だと殆ど何も映らないので、真っ暗のシーンがすごい多いです。全体的にダークなシーンばっかり。
ハードボイルド映画ってだいたい、すぐに美女がホイホイやってきて意味のないベッドシーンがあるものです、サービスカットっていうのか、本筋とは何の関係もないけど美女とセックスするというシーン。お約束のように映画が始まって30分くらいにある。ダーティハリーにはそれがありません。
イーストウッドはひたすらクールでかっこいい。ほんとイーストウッドは息が長いですよね、長すぎだろって感じ。
でもハリウッドというか欧米と日本ってやっぱ感覚が違ってて、日本はともかくイケメンはつるつるの肌の20代そこそこのイケメンがもてはやされるもんですが、欧米ではだいたい30~40の成熟した男がヒーローの役をする。日本人はロリコンというけど、男が変態なだけじゃなくて、女もガキが好きなのですね。日本だけじゃなくてアジアは基本的にそうかも。ガキであればガキであるほどよい。
日本で俳優をやるのはムリだってことですよね、だいたい若いやつをとっかえひっかえどんどん次の若いヤツっていうふうな調子ですから。ほんとに俳優をやりたいなら、絶対アジアはダメです。ヨーロッパかアメリカのほうがマシ。すぐにこんな島国から脱出しないと。
なんにせよ、ダーティ・ハリーはエンタメ路線のハリウッド映画と、ノワール映画みたいな古いハリウッドとの真ん中にある作品ですね。決定的に2つを分けたのはイージー・ライダーですけど、イージー・ライダーはどっちにも属さない、ともかく映画は変わるんだなっていうのをバキーっと宣言した感じだったのですね。
なんだかんだいいつつ、この70年あたりってのはハリウッドの戦後黄金時代でキューブリックが活躍し、ジャック・ニコルソン、イーストウッド、みたいなスーパスターが次々現れた時代だったわけです。テレビではモンティ・パイソンがやってて・・・みたいな。別に映画にかぎらずあらゆる戦後文化の黄金時代なんですが・・・。