2019年10月17日木曜日

2005 失踪日記 吾妻ひでお

 ちょいとある界隈では有名なマンガ。

 マンガ連載に疲れた作者が失踪してホームレス生活をした体験記、アル中になって病棟に入れられたことなどが書かれています。


 重い話ですが、タッチは軽く書かれています・・、が弱っている人にはズシーンと来るものがあるかも。つげ義春よりはましですけどね。


 全編ホームレス話ってわけじゃなくて、いろんな章がありますけどやっぱしホームレス編が一番おもしろい、労働編などは正直つまんない。

 ホームレス編、どうやって食料を確保するとか、毛布などをどうやってゲットするかなど、やっぱ体験記ってのは強いですよね、想像で書くのとはやっぱし全然違う。

「家ってのは屋根があるだけでありがたいものだったんだな」

っていうセリフにはやっぱし体験したものにしかわからない重みがありました。

 ホームレスといっても、家はあるけど、帰りたくない、のであって、作者は結婚もしてるらしく、正確にはホームアル、タイトルにもある通り、失踪、です。蒸発ともいう。


 ホームレス、浮浪者、路上生活者、ブルーシーター、なんか出版社によっても規制されますよね、NHKではなんと言ってるのか?言葉狩りする暇があるんだったら、無料住宅でも作って収容すればえぇやん、言葉だけ狩って処理するなよって思いますけど。


 聞いた話では、ホームレスの殆どが知能障害者らしいです、面倒を見ていた親が死んで、一人残されて、ホームレスになるというわけ。確かに、普通生活保護受給者か、犯罪者になりますよね。
 ただ最近あまり見なくなった気がする、ワタシが東京にあんまし行かなくなったからからかも。駅でぶっ倒れてる人は良く見るけど。



 ワタシも一度上野恩賜公園で野宿したことがあります。けどホームレスばかりじゃなくて帰るのが面倒な人とか、飲んでる人とか、何をしてるのかわからん人などが結構いっぱいいて、にぎやかであんまり眠れなかったです。仲間が多すぎてあんまし悲壮感がなかった。
 あと一人ひとりに話しかけていく集団、慈善事業なのか詐欺集団なのかわからん連中、そして宗教の勧誘、など、普段の生活ではわからない地下の社会があるんだなーってのが勉強出来ました。