2014年9月26日金曜日

1946 comet in moomin land ムーミン谷の彗星  ☆9

 ムーミンシリーズの基本的には第一作なのです、洪水、はムーミンの原形ですけどちょっとだけ世界観が違うみたいです、まだ読んでないのでわかりませんけど。

 これはすげーよく出来てますね。というややっぱし出版年を見て下さい、FLOODとCOMETは戦時中に書かれたものです、洪水も彗星の衝突も、童話としてボカしてはいますけど、大きなカタストロフには違いありません。戦争という大きなカタストロフの中で、描いたものだから、嘘っぱちのファンタジーでもリアリティがあるというわけです、だって現実がファンタジーよりもなんでもありの狂った世界なのですから。
 ファンタジーこそリアリティが大事なのですよね、むしろリアルな小説こそ、ファンタジックな世界づくりが必要になる。
 ファンタジーにリアリティを持たせるのは結構でも難しくて、それはやっぱ作ろうとして作れるものでもないのですよね、突然ぽんと頭に落ちてくるって感じです、特にファンタジーってのは絶対そうだと思う。
 

 筋立てとしては大きな彗星が地球に近づいていて、それを天文台へと見に行くという冒険で、その途中でスナフキン、スノーク、スノークのお嬢さんっていうこれからのレギュラーメンバーとなる仲間たちと出会うっていうお話ですけど、やっぱりそこに使われてるイメージ、彗星の熱で海が干上がり、森が消え、っていうのはなんだろー、残り時間が少ない、世界という、現実とのリアリティを持っていてすごーい良いですね、これは売れるわ。

 まだ全然シリーズを読みきってないのですけど、これが最高傑作なのかもしれません・・・。ほんと1945、46ってのは数えきれないほど名作揃いです・・・。