でもこの本は全然シリーズの最初ではないのですよね、どういう理由か、ムーミンシリーズは日本語のヤツはクロノロジカルではないのです。
クロノでは
The Moomins and the Great Flood (Originally: Småtrollen och den stora översvämningen) – 1945.
Comet in Moominland, Some editions: The Happy Moomins – (Originally: Kometjakten/Kometen kommer) – 1946.
Finn Family Moomintroll (Originally: Trollkarlens hatt) – 1948.
The Exploits of Moominpappa, Some editions: Moominpappa's Memoirs (Originally: Muminpappans bravader/Muminpappans memoarer) – 1950.
Moominsummer Madness (Originally: Farlig midsommar) – 1954.
Moominland Midwinter (Originally: Trollvinter) – 1957.
Tales from Moominvalley (Originally: Det osynliga barnet) – 1962 (Short stories).
Moominpappa at Sea (Originally: Pappan och havet) – 1965.
Moominvalley in November (Originally: Sent i november) – 1970 (In which the Moomin family is absent).
こういう順番です。つまりメモワールは四番目。楽しいムーミン家族=フィンファミリームーミントロールは三巻目です。
なんでそういうことになってるのかというと、たぶんフィンからが英語版でメジャータイトル、フラッドとコメットはインディーズ的な扱いだからなんでしょうね。
それとBBCのドキュメンタリーによると、フラッド、とコメットは、もちろんこれはナチスとソ連っていう第二次大戦の影響下で生まれたものなので、ちょっとガキ向けじゃないかなっていう配慮なのでしょう。
でもムーミンは戦時下で生まれたってことはすげー大事なことです。そういう苦境の時に仕事をするのがアーティストってものですからね。
ムーミンが世界的に有名になったのは、イギリスの新聞で四コママンガ(とはちょっと違うコミック・ストリップ)を書いてからです、それで世界市場に広がったってわけですね。
マンガは7年だけ連載をして、後は甥のラルスにまかせまして、普通の絵画と大人向けの小説に切り替えることになります。
これも日本のメディアでは一切なしなしになってることですが、BBCのドキュメンタリーによると、トーベはレズビーでして、フェミニズム的な理由で結婚しなかったってのも理由の1つだけどレズビーだから結婚したくなかったってわけですね。
なるほどなー!という気がしましたね。ムーミンのあの世界観の感触ってのは、どういうところから来るんだろうと思ったら、レズビーだったんですね。なるほどー。
ずっとパートナーの女の人も一緒に暮らしてて結構みんな知ってるってわけです。レズビーの作家っていうのは珍しいから、やっぱ良いですね。
Iはフロイト主義者かと言われても、やっぱしその人の性的指向ってのがアーティストにとってどれだけおっきいかと思いますね、あと美人やイケメンだったかどうかってこと。何もしなくても愛されるってこと、つまりカワイイってことは、ほんとに人格形成に計り知れない影響を与えますね。
レズビアン文学ってものがあるとしたらムーミンはその旗手ってわけですねー。もちろんサッカレーもあるけれど。
日本はまだまだレズビーには厳しいですよね。なぜかは知らぬ。