2017年4月22日土曜日

1989  機動警察 パトレイバー 1

 パトレイバーは2が有名なんですよね、悪名高いというかw
2は押井守節全開というか、押井監督というスタイルを初めて打ち出したという感じ。1のほうはまだ押井の独裁という感じではなくてロボットアニメと警察、ならではの刑事ドラマ風のやつで、押井守的な衒学的なイリュージョンというか、ポストモダン的無駄話みたいなのw、はそれほどありません。その分バランスが取れていて映画としてよく出来ていると思います。

 けどOSに仕組まれた暴走プログラムという設定は、当時はまだ1989年なんて一般にパソコンが普及してない時代ですから、一体なんの話をしてんだ??って話だったでしょうね、一部のマニアにしかわからん。
 
当時のヲタク、と今のヲタクってのは全然違ってて、昔のヲタクってのは人が知らないことを知ったり覚えたりするのを自慢して無知なトウシロを見下すのが趣味みたいな奴らでした。鼻持ちならないヤロウどもですw(そして実際にその知識を発揮するためのインフラとか予算を持たない人間です) でもやつらはそれなりに言うだけあって頭も良い場合が多かった。でもエヴァ以降、ヲタク文化が表に出てしまって、ヲタクはなんかむしろネアカっぽい、ネアカというかなんか、妙なエネルギーに溢れてる、気持ち悪い奴らで、知識、とか知能、みたいなのはガクーーンと下がった気がします、勉強しない、アイドルだののグッズを買い漁ったりするだけで、四元数の学術書などを読んだり、そういうタイプの、ヲタク、ってのは消滅したのか地下に潜ったのか、いなくなった気がします。ヲタクは昔はカモにされるのを嫌ってました。今ではヲタク向け、っていう企業のいい顧客でして、進んでパブロフをやってます。
 確かに昔のヲタクは鼻持ちならなかったけども、今となっては割とストイックだった彼らが懐かしい。この映画にはその当時のヲタク感が充満してますね。あ~、こぉいう感じだった!っていうの。

 この作品のプロット、もインテリというか、文学マニアっぽい作りなんですね、今のアニメというのはプロットなんてすごく簡単というか感情的でして、結局は主人公がうわぁああああっっ!!!って本気を出せばどんなことでもなんとかなるものです、なんとかなったことに裏付けとかはない。
 ロボットなんだから感情とか関係ないんじゃない?ってことは誰も気にしない。この作品は違ってて、なんでロボットが止まるのか、という理由付けがある。おっぱいとアイドル声優で客を呼ぼうというあざとい演出もない。このころはまだ純粋だったよなぁ、面白い作品を作れば客が来てくれるってまじで思ってるフシがある。いい映画だからって売れるわけじゃない、それは今、とかじゃなくてずっとまえからそうです。黒澤明なんて日本映画の代表、みたいなことになってるけど、興行不信で干されて映画がとれなくなったりしてますからね。









 作画もあぁ懐かしいこの感じ!っていうヤツです。背景は絵筆のストロークが残っていて、こってりしてます、今のアニメ背景ってやつは基本、アナログ的な手で描いた後みたいなのは残さないってのが基本ですので、ベタっとした塗り方が懐かしいです。
 そしてキャラの作画はダサすぎるの一言ですね、今では信じらんない。変な顔だ・・・。でもキャラは難しくしない、影とか線を少なくってのは当たり前でしたものね、のっぺりした顔になる、今のアニメはほんとキャラを描き込みすぎ。しかし今ではモブキャラでももうちょっとしっかり描くよっていうデザインです。
 そしてギャグもなんか古~~~い。


 あとこれは大事なんですが、メカデザインは出渕裕が担当してます、ほんとアニメのメカデザってやつは出渕以前以後では全然違うってくらい革命が起きてて、出渕メカは内部機構が存在するんですよね、まぁうそディテールにしろw なんかいろいろなギミックがあるように(見える)。出渕以降のこの時代にこういうなんか内部機構が凝った作りになってるメカってのが出てきたという気がします。(メタルクーラみたいなの)
 
 でもワタシあんましロボットアニメってのが好きじゃないんですよねw根本的な話しですけどw

 どうしても、そんな動き方するわけなくね・・って思ってしまって入っていけない。ドラゴンがぐわーんとかならわぁ!ドラゴンだぁ!って見れるんですけどw ロボットだと、ん~~・・・、このロボット重さが無い、慣性を無視してる、とか思ってしまう。ドラゴンは翼の浮力じゃなくて魔法力で飛んでるのでね。
 男の子はみんな巨大ロボットに憧れるというんですけど、ワタシは全然ぐっと来ないですねぇ、ワタシは人間同士が戦うものが好きです。ゾンビとか怪物とかマシーン相手だと燃えないんですよなぁ・・・。サイズ的に大きい!というのにもあんましです。原爆の燃料なんて小さなものですけどエネルギー的には十分でして、威力とサイズってのはそこまで相関しないんですよね。

 それと敵がバケモノとかだと絶対に悪でしかないから、戦うってことに迷いがなさすぎて嫌なんですよね~。ドラマになりませんし。