2017年4月25日火曜日

劇場版 ペルソナ3  1,2,3,4  

 なんと1,2,3、4の四本あるんですね、劇場版で。

 ゲームのアニメ化で劇場アニメ四本作るって他にないんじゃないですか?もちろんテレビアニメクオリティで何クールもやるってことはありますけども。劇場アニメは劇場に耐えられるくらいの作画をしないといけないのですごいカネ、がかかります。カネ持ってるんだなぁアトラス、すごいって感じ。上映はしかも単館というか全国ロードショーではない、ペイ出来るの??って心配になっちゃいますね。スクウェアが映画で失敗して破滅したのを知ってるヒトには心配が募りますw


 まぁいらぬ心配なんでしょうけど。

ともかくゲームをやらない人にもP3のシナリオを体験してほしいってことだと思います。
 ゲームとしてはP3は相当な名作です、ワタシの好きなゲームトップ10にも食い込むくらいです。


 アニメはかなり作画がキレイです。まぁ3DCGはアトラスのCGチームが出来るし、本気を出せば3DCGムービーだって作れるわけで、動画さえアニメ会社に頼めば、イラストレータだってデザイナーだってATLUSにはいるわけで、ぶっちゃけた話、3DCGってやつはちゃんとマニュアルを呼んで、ちゃんと図面を渡せば、誰にだってキレイにきちんと出来ます、個人の才能とかは必要ない。フォトリアル的なものを作るのなら特にそうです、ちゃんと手順を踏めば、才能が無くたって大丈夫。
 うまいこと手書きと3DCGを組み合わせていてかなりキレイに仕上がっています。もはやゲーム会社とアニメ会社に区別は無いも同然ですね。いずれはアニメ会社ってのはゲーム会社の下請け1部門になるのかも。

 なんでかわかりませんが制作は途中で会社が変わってます、2,3,4は1よりも3DCGが多めになってて、ちょっと手を抜いた・・?って思えます。それはでも
ワタシみたいに3DCGをちょっとかじったことがあるヒトにはわかるだけかもしれませんね。一般のオーディエンスには気にならないのかも。
 でも特に最後のDEATH、を作画じゃなくてモデリングでやったのはちょっとどうかと思うなぁ・・・まぁ作画するのはしんどいデザインなんですけどね。それにしたってラスボスなんだから気合でやって欲しかったですぅ・・・

 
 作画は最近流行りのグラデ塗、一段、二段影にプラスして、さらにグラデーションをかけて、色調が変わるようになっています。一手間余分にかかるわけですが、でもちょっと多用しすぎって感じがしないでもない。カラフルすぎてちょっと見づらいという気がします。まぁキレイです、上手いです。特に作画崩れしてるとこは殆どない。最近はアニメーターの質が下がってるみたいなことを言いますけども、全然そんなことないです。



 シナリオはゲームの強制イベントをほぼ忠実に拾ってるという感じ・・・。これはでもゲームの良さがあんまし出てないかも・・、ゲームのシナリオってやつは世界そのものを描くっていう感じで円的なものですがアニメってやつはストーリーを線的に見せてくものです、ゲームはいくつものシナリオが同時進行で動いていくけどアニメにはそれはなかなか無理。P3は街のいろんな人たちとコミュニティを築いていく、というゲームなので、アニメには向かなかったかもかも・・・、強制イベントだけ拾っていくと普通のジュベナイル学園モノみたいな感じでペルソナの良さが出てません。もっと普通のトモダチ、とか絆、が大切だよね~~っていう一般論を言うだけじゃない深さがゲームのほうにはあるんですけども。あとブラックなギャグとか下ネタもあるんですけども、そういうアトラス臭がするとこはカットされちまいました。マーラ様召喚なんてするわけねーよなw


 ゲームでは主人公のキャラ付けはされてませんが、映画では主人公のキャラがカヲル君でファルロスもカヲル君ですので、主人公とラスボスというひどいダブルキャストです。狙ってそうなんかもしれませんが・・。主人公は死ぬのが怖くない感情喪失綾波レイタイプのキャラ付けをされてます。これは・・・まぁまぁ良しw。ただ結城理(ゆうき まこと)って名前は・・ダサ・・勇気と真・・・・愛と誠じゃあるまいし・・・。


 他のキャラはかなりキャラデザはいい感じなんですけど主人公のデザインがちょっとイマイチじゃないですか?これはゲームやってた時から思ってました。ん~~・・・ちょっと違う。なんか鬼太郎みたいですもん。あとファルロスもちょっと違う・・。リョウジは更に違う。リョウジはもっとクールなデザインにして欲しかったなぁ。


 まぁこぉいうことは言うなよってことなんかもしれませんけど、やっぱしまだまだEVAの影響力ってのは甚大でして、EVAっていう壁を超えられないってのが日本アニメの状態です(って庵野監督自身が言ってました、だからEVAをリメイクを作るっていう意味はよくわかんないですけど)。特に今のアニメーターってのはEVAを見てアニメーターになろうと思ったっていうヒトが多いでしょうから、深刻に影響くらってんなぁという気がします。この構図見覚えある・・・このカット見覚えある・・って思っちゃいますね。

 
 至極簡単に言うと、なんかわけのわからん理由によって世界が滅びそうになるけど、絆とか友情で頑張ってそれを防ぐ。っていうこの形、でEVAを超える作品を作るってのはもうムリなんじゃないかなって思ったりもしますね。1つの答えがもう出てるって気がする。
 もう死ぬほどヤり尽くされてますもの、この型。水戸黄門みたいに最初から最後までストーリーがわかってしまうんですよね、途中で誰か死ぬだろうな、それで一回落ち込んで、でもまた励まされて頑張って、最後には奇跡を起こす。全部同じっちゃ同じなんですなぁ・・・。最終的には家族の愛だよね~みたいなことも、あぁ・・・またそれか・・・って感じ。

 宮﨑駿が言ってました、物語をかいてるとすぐに腐敗臭がしてくる、この腐敗臭ってのがこの、全部だいたい同じ型、の物語の構造になってしまうってことなんですね、散々使い古されて、殺されては蘇って、腐敗しまくってる。宮﨑駿はそれを打破するために、作品を作った結果、千と千尋以降のアレです、なんだか意味がわからん、ストーリーがむちゃくちゃっていう評価を受けることになり、最終的にはさらに一昔前のベタ、病気で最愛のヒトをなくすっていう一番のメロドラマを作りました。でもまた復活するとか言ってますけどねw あのじーさんの引退宣言はほんと・・・w 

 オーディエンスってやつは、それでも水戸黄門が続いてるのを見てわかるように、その腐敗臭がしていて、もうそれ食べれないよ~・・・って作りてが思ってるものをガツガツ食らうし、やっぱし安心して見れるそういうのが好きなんです。最後に胸糞悪いバッドエンドだったり超展開をすると酷評の嵐。

 ワタシですらそうです、ベタベタなヤツがやっぱ良かったりするなぁ・・昔のテレビドラマは面白かったりするなぁ、このペルソナだって、それでもやっぱいぃなぁと思っちゃいますw じゃあいいじゃねぇかって話でもあるんですけど・・難しい問題ですね・・・。
 全部だいたい同じだからこそ、共感できて感動できる、まったく新しいものを作りたいってのは1人だけ新しい言語でしゃべるみたいな無謀なことだともいえます。

 もうアニメってのを一回作るのを辞めたらいいんじゃない?って思う、まぁそんなのワタシが思ったところで、って話ですけど。10年くらい、休んでみたら、ふっと何か新しい感覚、っていうのが出てくるような気もするし、アニメ、っていうものじゃなくて、もっと、ほんとに、ほんとの意味で絆を生み出せるような新しいメディアというのが生まれるかも、しれ・・ま・・・せ・・・