2024年1月25日木曜日

1988 スナッチャー 小島秀夫

  メタルギアシリーズの小島秀夫氏の作ったアドベンチャーゲーム。

古いですねー。こんな昔から仕事してるのですなぁ。


 小島監督、というくらい他のゲーム作ってる人とは別の仕事をしてます、ゲームのプロデューサーなんて基本的に名前なんて出ません、一人で出来ることなんてたかが知れてるし、かなりの規模のチームでやってるんだろうから、監督っていうよりはまとめ係って感じです、小島氏はほぼゲームというよりはシナリオライターですよね。

 確かにそんじょそこらの作家なんかよりもよっぽどきちんとした作品を作っています。ゲームじゃなくて普通に脚本家としてもやっていけると思う。

 ただ脚本家ってのが、どういうふうに出世していくか、という道筋、みたいなものが無くて、だいたいはただのコネみたいなので決まるわけですが、だから映画の脚本ってのはつまんなくて、原作ありき、そしてもっと堕落していって、マンガの映画化、二次創作しか作れないということになってしまいました。(あと古い映画のリメイクやリブート)

 良い脚本家を発掘、育成するっていうことを一切してこなかったのですわ。いくら才能あっても脚本家になれないというわけ。


 さてこのゲームは未来の神戸?でスナッチャーという人の皮をかぶって人間になりすますアンドロイド?みたいなやつを倒すという感じの話。ブレードランナーに影響を受けたとありますが、ほぼそのままといえます。レプリカントですね。


 シナリオは結構めちゃなところもあるんですが、それはゲームとして成立するためだったり、物語の整合性よりも映画的盛り上がりを優先してそうなってるってことでして、全体としてこの手のゲームでも相当しっかりしている、と言えます。良作判定ポン!


 ただメタルギア、っていうロボットも出てきますし、小島テイストはものこのころには確立されていたようです。SFチックな世界観で、固有名詞がやたら多くて、本物っぽい、専門用語を多用し、それでもシリアスばっかりにならないようにコミカルな部分も多めに入れていくって感じですね。ドラゴンボール風って感じですか。あと声優に名が売れた大御所ばっかり使うってことですかね、新人やアイドル声優を使わない。


 ただグロ描写が異様にきついので、苦手な人はかなり嫌な気分になりますね、よくこんなのが審査通ったなってぐらいグロい。またドット絵のグロってのは、奇妙なリアリティがあって、目に焼き付いてしまいます。任天堂だったらまず許可されないです。


 しかしグラフィックは、1988年とは思えないくらいバラエティに富んでるし枚数もギミックも多いし、相当作り込まれています、誰が描いたのかしらないけど、めっちゃ仕事しています。オリジナルはPC88、ファミコンではまず不可能なデータ量を使っております。なんとフロッピーディスク5枚。それが何メガなのか知りませんが5枚も使うとは。


 あと音楽も凝っていてよきです。すごいですね。やっぱバブルなのか金があるのですな。



 総じてこれは良作ですね。グロだけ注意ってとこです。