2024年1月18日木曜日

-2000 筑摩世界文学大系01 古代オリエント イナンナの冥界下り ウル哀歌 エヌマ・エリシュ ギルガメシュ叙事詩

  世界文学全集ってやつを手に取るようなのは、作家みたいな特殊な人間だけです、さらにこういう古典に手を出すのは。

 作家っていう職業は、みんなが読まない本を読んでそれを面白く再構成して普通の人にも楽しめるものにするという仕事だと私は思っています。

 ちなみに全集の中ではわたしはこの筑摩のやつが好きです、本がしっかりしていて読みやすい。他の全集はすぐにボロボロになってしまうか、意味わかんないくらいバカでかくて読むのに適していない。


 全集ってのはだいたい60~80年代で最近のものは河出書房新社の全集以外には無いですね、もう日本は実質本を出版するのを辞めたと私は思っている。もちろんすぐに消えるカスみたいな本は出てますけど。日本に限らず誰も本なんて読まないのだもの。今TIKTOKとかを見てる子供が大人になったら、さらに本なんて誰一人読まないですわね。ハリーポッターは最後のヒットした本ということで歴史に残ると思う。


 さてこの本はユダヤとギリシャを除くオリエント世界の古典というか、断片、を集めたものです。まともに完全に残ってるものはほとんどない。それもそのはず、シュメールとかエジプトってやつは、旧約聖書の2000年も前から続く文明なのです。旧約聖書が世界の始まりとしてるところから2000年の前から文明があるのです、時間間隔がバグりますよね。

 西暦ってやつはまじでまぎらわしくて、歴史、ってものとほぼ関係ない年数です。明らかに、年数がわかっていて確実に存在するものから始めるべきです、だれがどう考えても実在は疑いようがないのは、バビロンのジッグラトか、エジプトのピラミッド。これを疑う人はいない、明らかに存在してるのだから。それでいくとやっぱりエジプト古王国をスタート、現在人類の歴史は4500年目ってするのが断然わかりやすい。

 オリエント世界は正直世界のすべてです。中国もあるのですが、中国は、切り離された独自の文化を持った田舎ってことになりますね。

 だいたいのことの起源をぐいぐいさぐっていくとやっぱし、エジプトか、メソポタミアにたどり着く。

 そのなかで小さな小さな民族である、ユダヤ人の小さな国家でしかないユダヤ王国の宗教が、やがて世界を支配するなんて誰が予想できましょうか。まじで謎としか言えません。


 そのオリエント世界を、ペルシャというこれも結構謎の国のキュロスとその子孫達がぽっと現れて、一気にすべて統一します。これも謎としかいいようが無い。なんで??って感じ。メソポタミアは一体何をしていたのやら?さらにそのあと、ギリシャ、地中海世界を含めて、インドまですべてをアレクサンダー大王が制覇します。これもなんで???って感じですよね。アテナイやスパルタあっさり負けたなぁ。

 なんでオリエントの国ってやつは、大きな流れに対してこんなに脆いのでしょう。ドミノのようにダダーっと全部倒れる。実際はほとんど戦わないですぐに降参、和議を結んでるわけで、戦ってもないのです。独立、というものにこだわらないってのが古代の感性のようです。

 ほいでもちろんキュロスや、ダレイオス、アレクサンダー、みたいなカリスマが死ぬとガラガラと崩壊する。歴史の流れってのはほんと謎、ミステリーですねぇ。