2024年1月3日水曜日

1997 グランディア ゲームアーツ

  ファイバリットゲームにこのグランディアをあげる人々が結構いますね。


ルナシリーズでおなじみのゲームアーツの作品、作風もほぼルナの後継作品って感じです。いわゆるジュベナイルファンタジーって言えばいいのでしょうか。主人公は14才でかなり子供だし(14にしてはガキすぎる気もするが・・)、なんとその仲間は8才の少女です。こんなガキだけで大冒険するのは珍しいゲームではないでしょうか。

 ラピュタみたいな感じです。というかラピュタですこのゲームは。


 オープニングムービーとかめちゃくちゃ凝っていてほぼジブリ。正直ムービーの出来はめっちゃいい。

冒険を夢見る少年が、親父の形見である精霊石を手に、大冒険に繰り出す!という非常に夢のあるファンタジーとなっております。昨今のRPGは、やれ人種が、やれ宗教が、やれ国家が、やれゾンビが、科学技術がみたいな重たいテーマを扱いがちなのですが、グランディアもそういうとこもあるのですが、基本的には夢のあるファンタジーの王道です。

 

 ゲームアーツは手堅い作りで完成度が高いのですけど、まず効果音というか環境音がものすごいクリアなのに驚きます。プレステとは到底思えない。

 BGMもかなりしっかり作ってます。


戦闘システムはFFVのアクティブタイムバトルと、軌跡シリーズの場所を移動して攻撃するのを合わせた感じです、行動が回ってくるのは素早さによってゲージの溜まった順から行動でき、場所、によって範囲攻撃をくらったりします、さらにアクションによって発動時間も異なります。

 コトバで説明してもあんまわからないのですが、やってみるとかなり戦略性の高くておもろいシステムです。ようはいかに相手の行動をキャンセル、ディレイさせるか、が重要で、ただ攻撃してるだけではボスには勝てない。位置取り、も相当大事、ただこの位置取りが自由に動かせずセミオートなので、思ったように闘うのは困難だったりする。

 アクションディレイも大きなファクターで、ノータイムで発動できる、「防御」がめっちゃ大事だったりする。防御にフォーカスが当たるシステムってあんまない。ほいでこの手のリアルタイム要素があるゲームは「素早さ」が最重要になります。はやく動ければ相手に何もさせないで勝てる。


 魔法はレベルごとの回数制、つまりD&Dシステムです。強化システムもD&Dっぽくて、レベルもありますが、武器、魔法の熟練度を上げることでステータスが上がります。なんだかかなりD&D味があります、D&Dファンがおるようですね。

 魔法を覚えるためのマナエッグは貴重品で大事に使え、とありますが全部の魔法を覚えられる数が存在しますので、別に気にしないでOK。が、拾い逃すのは激痛ですのでマナエッグだけはちゃんと拾わないとダメです。グランディアは基本二度と戻ってこれないが原則なので、拾いミスは命取り。まぁムズゲーじゃないので、この魔法ないとやばいみたいなのはないので別にいいっちゃいいのですが、戦闘の幅が狭まります。 


 なぜかは言えませんが、スキルが優秀だからってスーを主力にするのはやめましょう、ドーピングアイテムは主人公、魔法はフィーナが担当するのが良き。


 ゲームとしてのボリュームも相当ある。本当に大冒険です、まぢで。大冒険故に、一度去った場所へは二度と帰れないので注意。もちろんルーラとかそういう便利な魔法は一個もない。


ただワールドマップが地図選択式なのが残念。ワールドマップ好きのワタシとしては、ワールドマップがあるとセカイが広がった気がして楽しいのですが・・・


あとこのゲーム装備がとんでもなく高い。その時点の最強装備揃えたいコツコツゲーマーには地獄。別に何も買わなくても拾った装備だけで進める。ただ高い分超強力な装備が売っている、普通のゲームなら一個しか手に入らないようなレア装備・・これはどういうバランスなのだ・・?


ストーリーは冒険者を夢見ると少年が、過酷な運命を背負った少女と出会ってセカイを救うっていうどちゃくそ王道なので、手堅い作り、といえますが、よくよく考えると変だな??って思うことがいっぱいあります。

 特に序盤あたりのミューレンとリーンの行動が後半に全然繋がってない気がします。やってることがめちゃです。リーンがなんでこういうことになったんや??っていう説明がほとんどないし。 

 まぁゲームという制約上、序盤に真実を明かすわけにもいかないし、最初から全力で倒しにくればえぇやんっていうツッコミがもちろんあります、これはゲームだからいたしかたないのか・・・。

 ただ大冒険をするのだ、という世界観、っていうのか雰囲気、みたいなものが素晴らしくよく出来ておりますので、雰囲気ゲームと言っていいのかもですね。





ネタバレなのですが、最終的にどのキャラを育てればいいか問題。

主人公 これは当然 もちろん物理、ダメージソース 龍神剣連発係、魔法もスキルもまんべんなくあげるべし

フィーナ これもヒロインなので当然、とおもいきや! 一番肝心なところでいないので戦力外と思って良いです。

ラップ  こいつが一番重要。抜けそうで抜けない。最後までいます、まぁ声優のランクからしてちょい役じゃないと気づきたいですね。だからちゃんとこいつの魔法スキルを伸ばすしきっちり育成すること。継承アイテムはラップに使うのが吉。スピードを活かしてアイテムとバフを担当するべし。

リエーテ  リーン、あるいはミューレンが仲間になるんじゃないかという期待を裏切って、最終メンバーはリエーテになります。加入時期が遅く打たれ弱い、武器も一種類で育てにくい。完全なヒーラータイプで、ドーピングアイテムは主人公に突っ込んでいいのですが、HPアップ系だけはリエーテに残して置くと嬉しい。

 最終的に弓を持てるやつが一人もいないので弓持ってても無駄です。



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問題点

・作戦でオート戦闘ってのはあるのですが、予め行動を全部セットする、いわゆるマクロ、が存在しないのがめんどいです。呪文とかは使わないと成長しないのですが、オートだと狙った魔法は使わないし、いちいち入力しないといけないし、演出も長いし育成がかなり至難。


ヌルい。子供向けゲームなんで仕方ないですが、敵が弱いです。戦略はいっぱいあるけどそんな考えなくても勝ててしまうのがもったいない。特にザコが弱いです。まぁ誰でもクリア出来る無難なバランスとも言えるのかもですが、ちょっと歯ごたえ無さすぎか・・・

 ラスボスもめっちゃ弱い。なんにもさせずに勝つことが出来る。一応エンドコンテンツダンジョンがあるのですが、行けるタイミングが特殊で、ラスダンも、というか終盤に入ると一切戻れないので、いや、基本的にこのゲームは一度行った場所には戻れないので、普通にやってると100%見逃してしまうと思います。なんでこんな中途半端なところにあるのだって感じ。これはまだまだ、裏面が充実してないころのゲームなので不親切ですね。ラスダンの途中から戻れる、みたいなことも一切無い。物語的に仕方ないのですが・・・


・3Dマップの宿命ですが、マップが非常に見ずらい、これはでもどうしようもないっちゃない。そしてCG初期なので解像度がギャジギャジです。これも当時の技術的にどうしようもない問題です。

 FF9みたいに、カメラを固定して、そこにテクスチャを張ったほうが、見栄えとしては絵画的で美しくなる、見ずらいのは変わらないけど。でもワタシはFF9方式が一番良いと思いますね。


 ゲーム内のイラストは90年代のファンシーな感じなのですが、説明書などのイラストはとびきりダサい。1997?87年じゃないの?って感じのイラスト。

 主要キャラ以外のキャラデザがちょっと・・・ラップのキャラデザもザコっぽすぎないかい?もうちょっと親しみやすいものにしたほうが良きかも、キャラの出入りがFFⅣ並にあるのですが、育成の引き継ぎがちょっとしかなくて、えぇっ!?ってなる。

 ほいでドット絵はやはりカプコンに軍配が上がりますね。ちょっと荒い。特にドットの目の描き方が雑ですね。


 これは個人の趣味の問題かもですが。ラスダンがきしょすぎる。ラスダンはおどろおどろしくも、荘厳で美しい、ってのがいいと思う。このゲームのラスダンはただただ気持ち悪い。ガイアっていう虫の体内みたいなとこなので・・・・


 総合点では、非常にしっかり丁寧に作ってあって、音楽もすごいし、明らかに名作。だがいろんなところがちょっとずつ惜しい。あとここが良ければ!!みたいな惜しいポイントの連続。でもやったことない人は是非やってみるべきゲームだと思われます。最近HD版も出たらしいし。