フロントミッションシリーズのナンバリングの二作目。
とにかくロードが長い
ことでクソゲー扱いされていますが、今ではゲームアーカイブ、さらにはリメイクまで発売されて、ようやくプレイ可能になったという感じです。プレステ1にはオーバースペックだったということですわ。
そんなの開発中に気づけってことなんでしょうけど、開発にはもっと高性能のワークステーションで開発は行ってて、実機でプレイしてみたら、激遅だったということなんでしょう。
それとPS1は、実は本来発揮できるはずのスペックを出せていなかったらしいです。おいこらソニー!話がちげぇじゃねぇか!!ってことなのかも。
クラッシュ・バンディクーはPS1のシステムをハッキングして本来の描写力を出したという、ハッキングゲームとして有名。こんなの今では考えられないことですわ。
ただロードが長いのみならず、このゲーム、ムズゲーであります。非常に複雑。なんで複雑になったかというのも理由があります。1でマシンガンが強すぎて他はいらね、だったのを改善するために、格闘には格闘が有利な性能、遠距離は遠距離が得意な性能、足のパーツの差別化、とにかく強い武器ゴリゴリに乗せるだけではなくて、軽いパーツをのせることのボーナス・・、などなど、いらないパーツ、ってのが出ないようにそれぞれに特徴と長所短所をつけていった結果、パラメータが膨大になったというわけです。一番大事なのはもちろんAP、アクションポイントで行動に縛りが出来たこと。
武器属性、武器種別、射程、重さ、AP消費、エンジン出力、シールド、装甲属性、地形効果、高低差、オナースキル、CPU・・・考えることが膨大にある。ちゃんと考えてセットアップしとかないと普通に負ける。戦ってる時間よりもセットアップしてる時間のほうが長いくらい。装備やアイテム間違えてるだけで致命的なことになる。
さらに前作みたいに闘技場でレベル上げもできなくなり、育ってないキャラはベンチ行き、実質死亡。というシビアなゲームバランス。難易度自体は闘技場でカネを稼いでとにかく最強装備にすればまぁまぁ勝てる、が、ややムズといえます。逆にいうと装備が整っていないとまず死ぬ。
育成が非常に厄介です、序盤はロングの武器が弱くて当たらないし、後半になるとレベルが低くて当たらない。ショートや格闘も同じく、育ってないと後半当たらないのでレベルを上げることが出来ません。さらに経験値は与えたダメージなのでとことん弱い能力は育てる方法がない。特にロングは序盤からかなり重点的に経験値を稼いでいないと後半からは挽回不可能。
だが後半ロング持ちがいないと非常に苦戦することになる・・・
CPUをクロックアップさせると性能が上がるのですが、これを見逃しがち。かなり説明不足だと思われる。カネのちからでグイグイこれを改造して命中率を上げないと駄目。
APシステムにより単騎特攻は絶対に自殺行為、それは敵も同じで囲んでしまえばフルボッコできる。
オナースキルも非常に厄介。撃墜数を増やすと特殊能力を得るってことなんですが、正直普通にプレイしていては撃墜数増えないし、降伏させてアイテムゲットなどもほぼ絶対無理だと思う。これは単純にムズすぎる。
武器種別が多すぎるってのはまったくその通りでして、対空ミサイルと、ミサイルの種別が違うのが意味わからん。ロケットも同じく。予備弾倉持ってないとすぐ弾切れしますが、アイテムにも丁寧に重さを設定しやがっているのでなかなかそうもいかない。普通のミサイルが対空に使えないのは、まだやむなく納得出来るとして、対空ミサイルが地上に使えないのは意味わからん。当たるだろ。
さらにシナリオもいくつかのパーティに分かれて、それが入れ替わっていくので、とくに前半、誰をどう強くしたか、どうセットアップしたかとか覚えてないし、なかなか強くなっていかない。
ネットワークによる情報集めも、やり方をわかってないとチンプンカンプン。このメインストーリーでは抑えきれなかった情報を、ネットワークなどの機能で補完するってのはFFⅧでスクウェアが不親切だとバッシングされたシステム。でもよれは良し悪しでゲームのテンポを維持するのと物語のレイヤーを深めるのには必要。でも情報を入手するのにパスワードがいるのは不親切でしかないです。
後半になると、得意なスキルはけっこうすぐにカンストしてしまいますが、例によって他の武器種をレベルあげようにももはや一切当たらないのであげようがない。しかしまぁカンストしてれば強いので別にあげる必要もないし、後半に行くに連れてスキルが揃ってくるのでどんどん簡単になっていきます。
ただ、バグなのかなんなのかわかりませんが、Veteran、という敵に隣接すると、必ず先制攻撃され、ボディに一撃で即死で殺されます。こっちのレベルなども完全無視。
これはまったくの謎。遠距離でボコすしかない。相手から攻撃してくる場合にはこれは発生しない。遠距離を育てて来なかった場合、ここでほぼ詰む可能性ある。またEscape持ちの敵はこっちの攻撃がカットされて無しにされるという理不尽スキルもあります。戦闘バランスは後半に行くに連れてかなりめちゃになる。まぁゲーム全体を通して良好なゲームバランスを保つってのは特にシュミレーションゲームだと大変みたいですね。スパロボも後半オーラが無双するし、タクティクスでは雷神、FMでは伝説武器持ち、が無双してしまいます。信長の野望とかだと、籠城作戦で絶対に負けなくなったり、D&Dも魔法が超火力だったり、連続攻撃持ちで瞬殺だったり・・・バランス調整がむずい・・・またそういうバランスブレイカーがいないとかなりのゲーマーじゃないとクリアできなくなるので、上手い人は縛りプレイするなり自分で難易度調整してってことなのかもね。
ロード時間だけでなくやっぱ問題有り、のゲームです。
そのシナリオなのですが、100年後のバングラデシュが舞台(!)、ヴァンツァーというロボット兵器がメインになった戦場で、自国の独立だとか、革命だとか、愛国者だとかが入り乱れて戦う、という第三世界の複雑な情勢を舞台にしてます。そんなの大丈夫なのか?と思われますが、当然バングラデシュから抗議されたみたい、これはそりゃそうだろって感じです。別にバングラデシュを悪く言ってるわけじゃないのですけどね。ガッツリ実名すぎる。
世界観はどっしりとしていて、シビアです。メタルギアっぽい感じですかね。オープニングムービーを見れば、渋い世界観がすぐにわかります、人間が一人も登場しねぇのだもの。バングラデシュという国の雰囲気もあって、独特の世界観。好みがわかれますが、シナリオは◯です。
一応主人公はアッシュで、空気主人公と言われてますが、アッシュは主人公じゃありません(!)実質、主人公は敵のヴェンです。主人公の戦う目的は、友人であるグリフというおぢさんを助けるため、というなかなか感情移入しずらい動機、確かにいいヤツなのだが・・おぢさん助けるために命張れねぇって。惚れた女のために戦うというジョイスのほうがよっぽど主人公してます。
一応もう一人の主人公的なのがリザ。こっちはスクウェアの女主人公ってだいたいこれっていうタイプ。金髪のショートのクール系美女、スクウェアはほんとこれが好きですね。
ただしリザは普通にパイロットとして弱いのが困りどころ・・・。
ラスボスはめっちゃ弱い、というかラスボスはエピローグみたいなもので、本当のラスボスは最後の一個手前。こいつはかなーーり強い。
ボスを倒してからもわんさか敵がおしよせて耐久戦になる。うまいこと敵を引き寄せて通路を塞いでしまうのが吉。ただ戦い方がわからないとかなり追い込まれることになる。このラスボスが特にロングで削らないとやばい。というか近接だと、先制攻撃されて腕破壊されてダメージがまったく入れられないこともある。ロングでボコせば楽に倒せる。
そういうわけでやっぱし、後半に育成が不可能になるのがバランス的にかなりきついゲームですので、ロード時間を差し引いても良作とはいえませんが、シリーズとして楽しみたい人はクリアせねばなるめぇゲーム。シナリオは、とにかくしぶい、の一言。めでたしめでたしでもない・・・
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ネタバレ注意報
1は衝撃的鬱展開が待っていましたが、2も一個爆弾を抱えています。
ロッキーという、こいつが主人公だろ、っていうイケメンがいますが、実は主人公のことが好きだ、というホモセクシャルカミングアウトをします。わぉ。
ゲームに初めて登場したホモセクシャルなキャラとしてゲーム史に残っております。君も目覚めてしまうかもしれないね。