2013年2月3日日曜日

random review david bowie life on mars 和訳


ボウイのグラムロックエラ、の初期の曲。最近ボウイを聞き直してます。結局新しい曲聞いてないじゃんw。あっボウイの新アルバムが出るみたいですね、あまり期待はしませんけれど・・・
 さて和訳は恐ろしく難しいです、ボウイとレノンは、ナンセンスとセンスの中間の微妙なニュアンスを多用しますので、意味が無いといえばないし、深読みすればいくらでも深読みできるのです。
 ただ他の和訳はただ英語を日本語にしているだけなので、まったくニュアンスがちっとも伝わって来ません、よってgive it a try!




It's a god-awful small affair    超くだらない集まり(affairはlove affairのそれ、しかし二人じゃなくて何かの集まりみたいなもののようです)
To the girl with the mousy hair ねずみっぽいの髪の女の子には(mouseは、二番のミッキーマウスにもつながっていて、出っ歯でカワイイというニュアンスじゃなくて、平凡で大量にいる=平凡な大衆ってことです)
But her mummy is yelling, "No!" クソババァは行くなっていうし
And her daddy has told her to go 親父は行けっていう(had SO to)は行ったほうがいいんだ、っていうなんかパターナリズムのむかつく命令形っていう感じです。
But her friend is nowhere to be seen (結局行ったところ) 知ってる人は全然いないし
Now she walks through her sunken dream ぶらぶらと欝っぽい妄想に入っていった
To the seat with the clearest view 見晴らしがいい席に座って
And she's hooked to the silver screen 銀幕に目を奪われた
But the film is a saddening bore けどその映画はがっくりくるくらい退屈で
For she's lived it ten times or more (その映画を見てるうちに退屈で)人生を10回くらい繰り返してるような気分にさせられた、もしくは映画のなかの出来事を何十回も繰り返してるような気がして、退屈だった(キーセンテンスです、そのたぶん卒業生パーティかなんかがめちゃくちゃ退屈だったのに、その映画もめちゃくちゃ退屈だった、それは映画がその退屈な自分たちの人生を再現してるだけだから、退屈な人生を映画にしても退屈なだけだし、もしくは現実が映画を再現するように、このようにすれば面白いのだろうと現実を映画の模倣にしてしまったら、映画でもうその経験を知ってしまってるのだから、退屈になる。結局退屈のループの階層構造になっていてそこから抜け出せない、たぶんこの映画も、彼女、が自分で作った鬱病的な白昼夢だから
She could spit in the eyes of fools 
As they ask her to focus on   この映画を作ったバカの目につばを吐いてやりたい(マスメディア、大量消費社会のお偉いさんたちに対する批判ってことです)

(コーラスは映画の中の描写という形を取ります、ともかく、見飽きた、くだらない馬鹿騒ぎの光景ってことです、映画でも現実でも)
Sailors fighting in the dance hall セイラーがダンスホールで殴り合い
Oh man! Look at those cavemen go あの野蛮人どこ行くんだ?
It's the freakiest show これはくそくだらないキチガイ祭りだ
Take a look at the lawman あの門外漢が
Beating up the wrong guy 関係ないやつをぶん殴ってる
Oh man! Wonder if he'll ever know ねぇ!彼は
He's in the best selling show 彼が一番大当たりの映画の中にいるって知ってるのかな?(彼、ってのは一般的に私達が、ってことです、私達が生きてるこの現実が、一番人気の映画なんだよ、だったらこの人生ってやつは上記のくだらないキチガイショーみたいなものじゃんか)
Is there life on Mars? (火星にも人生はあるのかな?、火星にも生命はいるのかな? どっちにしてもこのループから抜け出せることは出来るのかな?という欝的な夢のエンディングというわけです)

二番はもっと直接的な社会(メディア)批判をとってます
It's on America's tortured brow  意味不明(アメリカの虐待された顔に書いてあるよ、みたいなこと?)
That Mickey Mouse has grown up a cow ミッキーマウスは牛になった(秀逸、ミッキーは子供に夢を与えるのが仕事だったけれど、子供の夢を金に変える薄汚いおっさんになったってこと))
Now the workers have struck for fame  今では労働者が祭り上げられてる
Because Lennon's on sale again だってジョン・レノンのCDがまた出るんだもの(レノンのワーキング・クラス・ヒーローへのあてこすり。レノンは金持であって、ワーキングクラスではちっともないし、ワーキングクラスが奇跡的に大金持ちになることがワーキングクラスのヒーローであるならば、ワーキングクラスはただお金持ちを羨んでいるだけで社会主義が語るように、みんなの幸福、全員の生活、なんてのは全部大嘘で、金持ちに対するルサンチマンじゃねぇかってこと、本当は、貧富の格差の無い社会じゃなくて、自分が!お金持ちの社会を作りたいだけだろってこと、事実ソ連、北、中国など、共産主義圏では、労働者の味方、の権力者が大金持ちになってる、富の再分配は、なされないし、家族の解体なども、なされず世襲制がとられている。
 1969年頃はそういう、共産主義、社会主義、の実情が暴かれて、そういう希望が打ち砕かれた時代でした、反共産主義の時代、それに変わってネオキャピタリズム、拝金主義が一気に世界を支配した)
See the mice in their million hordes ネズミが100万の大群を作って(もちろん多すぎる人間のこと、ネズミのように人間が増えてる)
From Ibeza to the Norfolk Broads イビサ(スペインの有名なリゾート地ノーフォークはイギリスの一番東)
Rule Britannia is out of bounds イギリスの支配は制限がない (つまりイギリス、アメリカ流の自由市場主義は世界を支配したということ)
To my mother, my dog, and clowns お母さんも私の犬も、道化でさえも(それに飲まれた)
But the film is a saddening bore (繰り返し)
Because I wrote it ten times or more 私はそれを何回も書いた(自分でもそういう人生を繰り返した)
It's about to be writ again どうせまた同じように書かれるんだろ
As I ask you to focus on 今度は私が君にそれを見るように勧めるんだ(だって私もそれに飲まれているんだもの、そうやって夢をお金に変えて生きるしかないじゃんか)

 コーラス繰り返し。
Sailors fighting in the dance hall
Oh man! Look at those cavemen go
It's the freakiest show
Take a look at the lawman
Beating up the wrong guy
Oh man! Wonder if he'll ever know
He's in the best selling show
Is there life on Mars?




 トム・ヨークやマンソンがボウイからどういう影響を受けたかわかりますねw ニュアンスはどうとでもとれるのでだいたいこんな具合ってとこです。正確な訳は不可能でしょう、だって英語のリリックの意味解説、みたいなネイティブたちも好き勝手に解釈してますからね。
そして結局火星に移住したって、火星に生物がいたって、くだらない火星への旅!みたいな映画にされて大衆化され、販売され、共通体験化されて商品になり、一瞬でとんでもなくくだらない俗悪なものに成り下がってしまう。私達自身も、お母さんも、私の犬も、道化(ボウイ自身)も。繰り返される、無意味でくだらない、いつものそれ。