2018年3月30日金曜日

2015 世の中ががらりと変わって見える物理の本  カルロ・ロヴェッリ   Seven Brief Lessons on Physics

 邦訳タイトルは現タイトルからかけ離れていて全然面白そうに無いタイトルですが、決行有名で流行った本です。


 量子重力理論、という、今流行りの理論物理学者が書いた理論物理学の入門の入門みたいな本です。

この物理学の本って結構ポピュラーサイエンスみたいなので売れてたりするのですけど、数年で言ってることが全然ちゃうやん、ってことになるし、実験的に確証が取れたみたいなことはずーーーっと進歩がありません。
 
 10年くらい前はスーパーストリングス、っていうのが流行りだったし、その次はマルチヴァース、多次元宇宙理論、みたいなのが流行りだったし、今はこの量子重力理論っていうのが一応最先端みたいですが、そのどれも、研究中、のままで確かなものは何一つ出てこない。まるでファッションみたいに流行りの理論だけがコロコロ変わっております。


 こういうまだわかってない途中のコト、を説明されるのって、不思議な感覚ですよね、結果的にはただの与太話なのかもしれないし、本当の真実だったのかもしれない、ただの時間のムダに終わる可能性も非常に大。そしてまぁそれが最先端、ってものなんでしょう。ビットコインみたいなのと同じですね、実際にそれがこれからの世界の単一通貨になる可能性もあるし、ただのバブル、最悪の詐欺、ってことにもなりうる、最先端の危うさですわね。


 どんどん進歩してるようで物理学はずっと停滞してるとも言われてるようです、一般相対性理論、標準理論、っていう100年と50年前の理論を最後にして、コレだ!っていうすごい進歩はなかなか出てきてない。


 作者はイタリア人でして、これが不思議な感じ。イタリアに科学者なんていたの?って感じもしますけどw 科学っちゅーかルネサンスの発祥地はイタリアですのにね。どうもイタリア人=破産しかけてるネアカの女たらし みたいなイメージがありすぎて、イタリアのインテリってのが想像出来ません。


 この本はでもイタリア人のセンスで書かれている物理入門書で、ふ~んって思うとところがかなりあります、数時間で読める薄い本なので興味があれば是非。