なぜか呼び方がいっぱいある聖書の中の本。
聖書のなかで一番哲学的様相が濃い本で、ソロモン王が晩年に書いた本と言われています。
英語のEcclesiastes、はヘブライ語の コヘレト、のラテン語からの直訳とされてますが、なんでコヘレトがエクレシアステス、になるのかはまったく不明。
コヘレト、とは「集める物」という意味らしく、コレクター、のことのようです。
空の空、すべては空である。 という禅の奥義書みたいな衝撃的な始まりをします。
あらゆることは無意味で、生まれてこなかったものが一番幸せである
みたいな非常に異教的な発言も見られる。ワタシの独自の見解ですが、あとから聖書のほかの部分と整合性を得るために、すべては無意味だから神を信じろ、という文章が追加されているけど、本当は、ソロモンは「空」の概念にたどり着いたのでしょうね、その何百年後かに仏教がたどり着いた境地です。
あるいはソロモンはアーリア宗教の知識を得たのかもしれない。ソロモンが晩年異教に走ったというのは、ギリシャやバラモンなどのアーリア系の哲学的な宗教に触れたのかもしれませんね。
けどそのあとの宗教がどんどん禁欲的になっていくのと違い、ソロモンはあらゆるものが無意味であり、結局は運、神の決めたようにしかならないのであれば、可能な限り人生を楽しめ、という独自の結論に達したようです。
とにかくソロモンは周りのやつらとは段階の違うところに達して、周りにまったく理解できないとこに行ってしまったというのは確実のようですね。