2023年8月7日月曜日

-585 エレミヤ書 聖書 Bible Book of Jeremiah  哀歌 Lamentation

  日本語だとエレミヤだけど英語だとジャレマイヤ、ジェレミーですね。


このエレミヤという人物は珍しく生死年月日みたいなのがはっきりわかっているようです。ほかの文書からも、かなりの程度実在していたみたいでエピソードもリアリティがある。


 イザヤの書よりも辛辣で、悲観的な諦めの書です。


イスラエルやユダの人々がいかに堕落し汚染されているか神がしつこいくらい糾弾して、戦争と飢饉、病により、これらの人々を絶対に絶滅させる、いくらあとから悔い改めたといっても、もう完全にこの人々を見捨てる、人間はいかに愚かであるか・・ユダ王国はそもそもできたその時から神を怒らせることしかしていない・・・くどくど・・・


よってエレミヤは悲観論者、というイメージがあるようです、もちろん預言書ですから、バビロンによって滅ぼされた後に、イスラエルが蘇る、というイザヤの予言も踏襲しております、というか、そう書き加えられたのでせう。


 エレミアはイザヤと違って、バビロン捕囚が行われたまさにその時に、バビロンが侵攻してきて、ユダ王国は滅びると言っていたようで、捕まっていたみたいです。殉教者のプロトタイプって感じですね。地下の水槽に投げ込まれて殺されそうになったりもしている。


 たぶん、バビロニアの侵攻によってこの国は亡びる、という予言、は本当にしていて、それが当たっていたからエレミアは預言者として名が残ったのでしょう。そしてそれを公言したから捕まった。そのあとの復活については非常に疑わしいけれど。


 後半は周りの国々やバビロニアに対しての呪いの言葉であふれております、貴様ら滅びてしまえ!っていうこと。これも改ざんっぽいですね、ほかのエレミアの部分と文章が全然ちゃうもの。

 預言者じゃなくても、当時の情勢を見れば、巨大帝国であるバビロニアにイスラエルが飲み込まれるのはだれでも分かったでしょうけど、認めたくない事実をはっきりと指摘する勇気があったのは偉いですね。


 付属として、エレミヤが作ったとされる、哀歌、悲しみの歌が付属しております。

滅びたエルサレムの惨状を嘆いた歌、非常に暗いけど文章は聖書の中ではかなりしっかりしている部類です。