レ・ミゼラブルの映画を見て来ました。ミュージカルだったのですね、それを知らないで行ったからいきなり歌い出してびっくりした、もともとあったミュージカルの映画化だったようです。
内容なんですけど、まぁレ・ミゼラブルなんでおなじみのストーリーです、フランスの忠臣蔵みたいなものですね。フランスが輝いていた時のものがすべて入っています、ナポレオン的英雄、革命、自由、恋愛、貧困、などなど、ユーゴーは乙は職業作家って感じであんま好きではないですけど、しかしよく出来てるといえばやっぱそのへんのポンコツよりは断然よくできていますでしょう。安心してみれらますね、ユーゴー、ディケンズ、バルザックあたりはね、そりゃしっかりした実力がありますよね。そこからドストまで時代的にはほとんど変わらないのに、小説ってものの性質が全く違いますよね、ドストが一方的に小説をものすごい速度で勝手に終わらせたって感じですか。禁じ手ばっかりですからねドストは。
ドスト以前ではやっぱキリスト教的な救いでちゃんちゃん、って感じで物語が終わらせられた。ドスト以後はそんなのは許されない。神様に召されて天国へ、なんて救いが全然無い。救いってものなしでどうやって物語を終わらせられるのか、っていうことの答えはまだ1つもできてない、だからドストの作品は全部未完って感じがする、そのあとのすべての小説や作品も、全部未完で終わらざるを得ない、ハッピーエンドの描き方ってものを丁は失ってしまったのですね。それがやっぱドスト以前の物語を見てる時の安心感なのでしょうね。たぶんユーゴーやディケンズは小説を書くのが楽しかったと思う、けどドスト以後は小説を書くってのは命を削る作業になりました。
映画自体なんですけど、よく勉強してるなぁって感じでしたね、俳優もボイトレとか演技の練習とかきちんとやってるし、CGも丁寧だし、撮り方もラースフォントリアー流の手持ちのアップのつなぎ方、ハリーポッター系の、空間のあるフライスルー。とか取り入れてるんだなぁという感じ。
ジャヴェールの自殺のとこはいらなかったかな・・、あとフライアウトっていうんですか、スーッと空中にカメラがひいていくの、ちょっと多用しすぎです、あとセットが裏側が無いのか知らないけれど、同じアングルからとりすぎです。マットペイントがパリを綺麗に巨大に書きすぎです、そんなパリ広く無いですwだいたいマットペイントの人たちってやりすぎてるんですよね。別にそんなスペクタクル、スペクタクルしないで良かったんじゃないですかね、俳優の演技を見せ場に持ってくっていう感じで、ミュージカル舞台の映画化であれば尚更。
あとあの悪役道化の家族なんですけど、確か小説ではバリケード戦で助けてくれるっていう一大見せ場が合った気がするんだけど・・なんかほんとに最期まで小汚い悪党で終わってしまって、薄汚い貧乏民(ミゼラブル)達も、イザとなったらみんな手を取り合って戦うという革命の一体感みたいなのがなくて、なんかそこでちょっとウルっとくると思ってたのに肩透かしくらってしまいましたね。
そして何よりそこまでちゃんと勉強するんだったら、ちゃんとフランス語を勉強するべきだったのでは?なんか革命歌を英語で歌われるとん?って感じがします、ガヴローシュはもちろん子供のナポレオンのイメージなんですけど、ガヴローシュが英語しゃべってると、なんか違うなぁ・・って感じがします。
監督がイギリス人のエリートってわけでなるほどなぁって感じ、たぶん、貧乏人にあんまりシンパシーが無いんでしょうね。だからなんか薄っぺらい道化みたいになってましたね。けど総合としてよく出来てました。