2013年1月10日木曜日

MJ 2012年ベスト・アルバム。 OUR MUSIC?

ロックは死んだ、が1970年代の合言葉でした。ZEP、PISTOLS、CLASHがロックを引き継いだとは思えない、結局それは焼き直しでしかなかったと思う、もしくは60年代を発展進歩させたり、拡張させたものだったでしょう。
 
 BEATLESを超えるロックグループは現れた(る)のか? 
NOでしょう。じゃあやっぱりROCKは死んだんでしょうね。
 
 だからやっぱりMJが、ROCKじゃないもの、を生んだのだから、彼が時代を作ったんだなぁって今になって思いました。というのは、よく2012年のベストアルバム!みたいな感じで雑誌が特集を組んでるのだけれど、ひとっっっっつも!聞いてるアルバムがなかったから。これにはまずびっくらこいた。2012年、一枚も音楽聞いてなかったのです、嘘でしょって!一枚もっていうか1曲も2012年の曲を聞いてなかったのです、そんなことってある?一番あたらしいのでKING OF LIMBSでした、これもあんま聴きこんでないし・・・
 己は音楽を2010とかフォルダにわけて整理してるんですが、2012っていうフォルダが作成されてなかったのです、マジでびっくりしましたね。
 
 MJは明らかにROCKじゃない語法で音楽?というかなんか色んなものを作りましたね、なんでMJは踊ってるのか?という根本的なところに誰もツッコミませんが、突っ込ませないぐらいすごい、MJは踊ってるってことをアリにした張本人だと思います。踊ってるって!斬新すぎるでしょ。歌っているのに踊っているっていう、当たり前を作った。当たり前すぎて気づかないMJの功績だと思います。だって普通踊ったら歌えないもん。
 もうひとつはやっぱり、音楽業界に映像を融合させたところでしょうね。これも当たり前すぎるけど当たり前じゃない。関係ないもん、音楽と映像。映画っぽいPVを作るのがMJ流ですけどこの路線でMJを超えるのは無理でしょうね、予算的にも無理だし、キャスト的にも。どえらい完成度なんですよね、嘘だろって。最近の秀逸なPVでもだいたいはCGのアイデア賞みたいなものですけど、MJはちゃいますね、莫大な予算とその時代の最先端が使われてる。そういうその時代の最先端、っていうマークアップ言語みたいなスターが確かに最近いないですね、EMINEMを最期にして。このヒトを注目しとけば最近の動向は探れる、みたいな。

 90年代音楽は己は大好きだし、己の時代そのものなんですけど、やっぱりあれは60年代リバイバルだったよねって認めざるをえない気がします、色褪せない魅力があるんだから仕方のないといえばそれまでなんだけど、やっぱり自分たちの音楽を作らないといけないとも思いまする。その分賛否分かれるのはわかりますが、RAPがやっぱ時代の音楽でした。



 今の時代の音楽は一体じゃあどんなものであるべき、なのでしょうか?いわゆるボカロ系の音楽、エレクトロニック系の音楽、は確かにヒットチャート向けの代わり映えしないアイドルものよりは、確かにいいと思いますけど。けれど結局のところ、今まで生の楽器や声だった部分をサンプラーで代替してるだけで、何か新しいスタイルなの?といわれると、別に何も新しいものが無いという気がします。MJはワーグナーがやったように音楽の総合芸術路線でいった、RAPは政治的、階級的な攻撃性が売り物でしょう、ミスチルやらBUMPやらの詩がいい!みたいなのもそれ路線でした。けれどやっぱそれももう違うのでしょう、だって何も言うべきことなんてないのだもの。ブッシュがオバマに変わったところで、何も変わらなかったし、自民党でも民主党でもやっぱダメだなってのはわかったでしょう。何かその、ぬるっとしたみんなで協力しよう、みたいなメッセージがすでに効果無しってのはNHKに勤めてる無神経達以外には肌で感じるものがあると思います。むしろセカイはバチバチと殺し合いをやってる、選挙ではタカ派が票を集める。


MJは音楽自体もやっぱ、良かったとおもいますね。そこが普通の勘違いアイドルとの断然の違い、曲がまず良かった。それがなきゃだめでしょ。実は歌詞も結構深刻だったりするし。己の趣味ではありませんが・・・。でもやっぱMJは黒人なんです、それはロットンがこの国なんてクソだって歌うのとは違う、MJがDONT MATTER IF YOU ARE BLACK OR WHITEって歌うのは全然違う。労働者階級と奴隷では全然違うもの、それにロットンだってストラマーだって別に貧乏な家の生まれでもなんでもないというわけで。ロックはそれがいうほどにはワーキングクラスで構成されてない、ミドルクラスばっかりです。その分カート・コバーンの衝撃は強烈だったわけですけど。実際ワーキングクラスの音楽はロックでもパンクでもなくて、HC HRなんですけどね。
 
 個人的にこのPVが一番好き、普通のPVの12本分くらいを6分にコンデンスしてるのがまとまってていいと思う。曲もいい。QJ時代よりも明るいベースのノリです。黒いノリからワールド系のノリになったというか。

 http://www.michaeljackson.com/us/michael-jackson-quotblack-or-whitequot-pcm-stereo-video


 というわけでデジタルのボカロに超攻撃的な歌を歌わせる、これはどうでしょうか、ありですね。あるいは超ネガティブで反社会的なエレクトロニカにする。こもまぁまぁでしょう。
 でもなんでしょうかね、歌ってのはありえないもの、実現不可能なものを求めるものだと思うし、そうでないといけないと思ったりもしますから、やっぱり、この期に及んで、国家なんてなくなればいいのに、民族なんて宗教なんて無ければいいのに、経済なんてなければいいのにって歌うべきなんでしょうね。時代と完全に逆行するってのが、音楽のかっこよさでもありますし。まぁやり方と演出の問題でしょう。
 音楽ってのは一番早いメディアだって言われます、映画とかが時代を捉えて作品にするのに数年かかるけれど、音楽は早ければたったの一日で出来る、だからいい音楽がないってことは、たぶんこの期もずっといい作品が出てこないって目印になる、どんなメディアでも。だから2013年も、面白いモノは無いでしょうね。