2015年7月4日土曜日

1936 少年探偵団 怪人二十面相 江戸川乱歩 

 江戸川乱歩の子供向け推理小説シリーズとして少年探偵団、っていうのがあってその第一作目がこの怪人二十面相なんですが、怪人二十面相というタイトルだけでは一作目かどうかわかりませんよね、第一話 怪人二十面相、とかにしてくれりゃいいのに。図書館でどれが1巻なのか探してしまいました。


 まぁ最初は1巻で完結として書かれたのかもしれませんわ。大事なのはこの本が1936年だってことですよね。どうもIが感じるのは、日本の歴史、ってこの1910~1939、大日本帝国の時代ってのがばっさりブラックボックス化されてるっていうのか、日露戦争に勝ってから第二次大戦まで、っていうのがなんとなくよくわかんないことになってますよね。そりゃ文字だけでは、大正デモクラシーだとか、盧溝橋事件だとか言われても、実感として、どういう生活だったのか?っていうのが全然伝わってこないのです。帝国の日常、ってのがさっぱり実感がわかない、何食べてるのとか何を着てるのとか、何が楽しみなのか、とか。それと並んで、戦後から1960年くらいまで、もなんかぼやかされていてちっとも伝わらない、いきなり東京オリンピック、もはや戦後ではにゃい。ってぶっ飛ばされるわけ。朝鮮戦争についてヒトコトもしゃべりたくないってのが真相ですけど。つまるところは朝鮮戦争で日本は裏商売にせいをあげて戦争商人として働いて漁夫の利を得た。これで財閥がヤミ金を蓄えて復活したってことなんでしょう。



 たぶんその理由はその時代が黒歴史っつーのか、闇が支配してるっていうのか、愉快で楽しすぎる時代だったのですわね。裏社会っていうのか、財閥がやりたい放題やり、ヤクザが暗躍し、軍人が好き放題えばり散らして植民地でファックしまくり、エログロが流行るっていう・・・倫理のカケラもない、ハッピーな時代だったわけです。戦後はその逆で、奴隷のようにアメリカに媚びへつらい、お◯◯こくぱぁで外貨を稼いでたというわけ。



 この小説を読む限りでは、1936年が、戦争間近の緊迫した時代ってのはちっとも伝わってこないです、明智探偵は海外に旅行に行き、タクシーを乗り回し、ホテルで食事、なんて、今の成金とちっとも変わりません、変わるのは明智探偵が下関から船で海外から帰ってくるってとこくらいです。明智探偵は黒のスーツを着てて、見た目も今と変わらない。



 推理小説としてはガキにもわかるようにトリックが見え見えだったり、ほぼネタバレやん、みたいな丁寧な説明がしてあったり、そんな簡単にいくかよ、っていう二十面相の作戦だったり、うまいとは言えませんけど、まぁガキにもわかるようにしなきゃいかんのでそりゃ仕方ないのでしょう。でもこの少年探偵シリーズが、流行って、当時のガキはみんな知ってたってのが大事なんですよね。戦後も含めて、当時育ったガキのココロにちゃんと根付いてる。共通体験ネタなんです。そういう共通体験をフリに使うことってのは、一番簡単に共感を得る方法なんですな。


 Iは今、そういうコトバだけは聞いたことあるけど実際まったく知らん、ってのを確認してくのをやってます・・・・・、フリをちゃんと作るってのはマジで大事ですね。昔なら聖書やシェイクスピアをフリに使えばいいのですけど、今はまったくそれは通じないですからね。


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 ちなみにクリッパーのジョーダンはマブスに移籍ですって、これでチャンドラーを放出でどこがチャンドラーを獲得するかですね、チャンドラーこそ、Iが思うにクリッパーにマッチする基礎が出来る優秀なセンターだと思うな。ほいでロンドとベリネリはキングスへ移籍。ロンドのプレーIは好きなんですけど、どうも性格にすげー難ありらしくてw プライドの塊みたいなタイプらしいので、ちゃんとハマるかはHCの手腕しだいでしょうね、セルティックス時代はやっぱドックが上手くロンドを操っていたんですな~。最近のNBAはことあるごとにドックの偉大さが身にしみてわかります。