いつの時代のいつの文庫本の話をしとるねん、って話ですけどたまたま読んだのでひとつ。
ちょこちょこ名作もあるのですけど、一番面白かったのは・・・一番面白いのはつげ義春のマンガですけどIは全集で読んでるので、一番興味をひいたのは最後の赤瀬川原平の後説でした。鋭いこといいよるな~って感じです。Iは解説ってのは作家同士が書くものだと思ってます、自分でも作品を作るひとだけが他の作品について語る権利がある。Iも一応作家ですのでね、赤瀬川さんの作品を別にいいとは思いませんけどw でも散文はズバリ、このヒトはマンガよりも文章に才能があるんじゃないですかね。
以下にその論旨を書いときます・・・・
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忍者武芸帳
カムイ伝
白土三平
白土三平と反権力エネルギー・・安保精神がみなぎっとると言われる
・・むかしの若者にはアメリカ支配を覆してやろうという闘争心を持っていた。
それが古き善き時代といわれる所以で、今は敵がいない。
いないというよりそれは見えないもので、見えないというより敵は分散して自分自身の中にも
入り込んでいるので若者が闘争しようとしても自虐的にならざるを得ない
白土三平が中心のGARO、手塚治虫中心のCOM、同人漫画雑誌のような2つの雑誌が青年向け雑誌の走りであった
前衛芸術はいくところまでいってしまって間が抜けた、それを突き抜けたところにマンガが現れた。
特につげ義春
GAROの作家
滝田ゆう
林静一
佐々木マキ
マンガ自体が好きなわけではなく、面白いマンガ家の作品が面白いだけ。
企業マンガが面白くない、会社の業績の為に線をひいてるのが見える。それはテレビと同じで平均点以上に面白くしてはいけない。
暇つぶしのためのメディアで、暇が無い人には向かない。
ヤクザ映画というのは安保闘争がなし崩しに経済成長に切り崩されて、行き場のない闘争心のセンチメンタリズムとして始まった。
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Iは白土三平ってあんまし読んだことないんですよね、Iは時代物ってのが大嫌いなんです、というのは昔の封建制度で殿様はこんなに偉そうで不平等で農民は貧しくて悲しい・・みたいなことを言いますけど、知ったようなこと言ってんじゃねぇって思います、文章で読んだだけではほんとのとこどうなのかってのは誰にもわかりません、その時代に生きたヒトじゃないと、今の時代だってそう、歴史にはコンピュータが更に進歩し、経済発展が続いたが長い不況で・・・みたいなことを書かれると思うのですけど、知ったようなこと書いてるんじゃねぇって感じですよね?実際そんな簡単に割り切れるものか。実際生きて肌で感じたものだけがほんとです、それに同じ時代を生きてたとしても、人それぞれ全く感覚は違う。数行の文字は何も反映してない、それはどんな時代でもそうです、戦争だ、といって戦争だって全部違うし、一人ひとり全部違うものです。
侍はこういうもので・・、忍者はこういうもので・・・、っていうの、絶対に嘘だと思う。実体験が無さ過ぎます。ほんとう、が無さ過ぎる。全部ほんとうじゃなくてもいいけど、Iはどれだけほんとう、が作品の中にあるのか、で作品を見ます。
現代では書きづらいテーマをただ時代劇というパッケージをして、ほんとは現代の気持ちを投影してるのだ、ってよく言われます。しかしソ連の検閲くぐってるわけじゃあるめぇしなんでそんなまどろっこしぃやり方をしなきゃいけないのですかね?時代劇にする理由はただひとつで、形があってやりやすいからです、恋愛という形、ファンタジーという形、探偵、推理モノ・・・・形を覚えて少しだけニュアンスを工夫する。そのほうがやりやすいしわかりやすいからですわね。特に読む側がそれに安心するからです。
でもまぁそれほど言うならおべんきょーも兼ねて白土三平読んでみます。Iは手塚治虫も大嫌いなんですよね、これは理由も何もなく絵面が嫌いなんです、拒否反応。内容など何も入ってこない、構図も線もデザインもすべてそりが合わないのです。
Iは昔のマンガそれほど詳しくないですけど、まぁのらくろとかつげ義春全集を読んでるってだけで、普通のヒトよりはかなり詳しいのかもしんないですけど、やっぱ芸術的にはつげ義春は図抜けてると思います、内容もそうだけど、つげ義春は絵が上手いです、構図、コマ割り、天才的です。そうかぁ?って思うヒトも多いと思いますけど、マンガ作家としては天才的です。うまさってのは鳥山明みたいなアメコミ的技術でも、井上雄彦みたいな写実的うまさでもなく、マンガ的上手さなんですわね。マンガ、というメディアの中での、絵の上手さですね。
水木しげるももちろんちゃんとした作家ですけど、もっと長い歴史で見た時に、つげ義春だけがこの時代の作家として古典として残るでしょうね。
マンガなんてガキのもので読むとバカになる、なんてことを言う人が減ったのはちょっと悲しいことですけどw つげ義春なんてそんなバカ発言する連中にはまったく理解不能の高度な芸術ですから殆どの人間には伝わらないでしょうねー。
企業マンガはテレビと同じでつまらん、という赤さんの意見はすげー同意です。Iも企業マンガ大嫌い。だから企業マンガじゃない、インディペンデントの漫画、エロ同人でもいいですけど、まぁ違うルートを持ったマンガが、これからのキーになるメディアだと思いますけどね、まぁ自己弁護でもあるのですけどw
ちなみに裏世界2、あるいはSPECという同人作家、このヒト気が狂ってるんですかねw でも明らかに一般の表現のレベルから飛び抜けたこの作家が、時代の最先端だと思いますね。ともかくエネルギーがすげぇ、一体何者なんですかねー。潔癖症のヒトには絶対に勧められないけど、この作家が今の時代を体現してると思います。ただほんと知らない人にこの作家の作品を持ってるのを見られたらどえらいことになりますわね。違うよ、これはある意味芸術として・・・なんて言い訳通用するわけないもん。