2016年4月7日木曜日

1978  酔拳  drunken master

ジャッキー全盛期の作品。

 エンタメ映画としては素晴らしい、トップ10には入る出来栄えですね、いちいちアクションが素晴らしい、スピード感とかアイデア、も抜群です。ストーリーに女が殆ど出てこないのもワタシ的にはフェイバリットポイント。女ってのはすべてのものをつまんなくさせるし、仲間をバラバラにするクラッシャーです。



 親父を狙う殺し屋と戦うというストーリーでして、親子というよりも、師匠と弟子という関係にクローズアップしてるのがいいですね。女を入れて恋愛物にするとまぁぬりーシーンをどうしても入れないといけないですし、家族モノはワタシは大っ嫌い。けど友情モノと師弟モノには弱いんですなぁ。友情とか師弟関係ってのは自分が選んでつくり上げるものだからでしょうね。それに一番真っ直ぐというか、何の保証もない故に一番価値があると思うのです。


 それに非常にあっさりしてるのも良い所。仇討モノはだいたい誰かが殺されて、許すまい!!みたいなシーンが、ブルース・リーに習ってあるわけなんですが、この酔拳はジャッキーのオリジナリティによって、コミカルでテンポ良く、楽しい作品に仕上がってます。個人的にはリーの映画を超えたんじゃないかって思いますね。楽しい映画を作りたいっていう、ポジティブなエネルギーを持ってる作品です。
 終わり方もものすごいあっさりと終わります。ハッピーエンドでした、エピローグ・・みたいなダラダラしたシーンはまったくない。


 印象に残るシーンもすごいあって、あの出っ歯の中華屋の店員、シーハオ!!って師匠を呼ぶシーン、修行のシーン、どれもこれも死ぬほどこすられました。


 いろんなスターやカリスマがいますけれど、こぉいうとてつもなく陽のエネルギーを持ってるヒトってのはほんと貴重だし、わかりやすくスーパースターですよね。ほんとはジャッキーの過去は複雑極まり無い黒歴史だっていう話もありますけど、もともと人間の器として、ともかくエネルギーを放つ存在です。たぶん、ユリウス・カエサルもそういう陽のヒト、ネアカリーダータイプだったんだろうなっていうのが文献から伝わって来ます。気難しい天才肌、圧倒的能力を持ってる超人タイプ、純粋無垢なイノセント、才知に長けた狡猾なトリックスター。いろんなリーダーのタイプがありますけどやっぱワタシはエネルギーを放つネアカタイプが好きですね。それかイノセントです。劉備は典型的イノセントだし、信長は天才です・・という風に。
 ただネアカタイプは大抵オンナに弱く、カネにも弱いという人間的弱みによって破綻するっていうのがオチなんですけどね。EVEN YOU BRUTES!!ってわけで。