2015年8月4日火曜日

008   メタモルフォーゼ オヴィディウス

 95%くらいは神々が女の子をレイプしてはらませてしかも何かにさせる。っていう筋だけを考えるとかなりキワモノのエロ本みたいなストーリーを
延々と繰り返す本です。しかしそれが綺麗な文体と詩、神話という舞台を持つことで文学となるってわけです。
 残りの5%は血みどろの争いです。
 シェイクスピアの文体に一番影響を与えたのはこのメタモルフォーゼだと思います、ことあるごとにWSもメタモルからの説話のメタファーを使ってます。
この本はグラマースクールの教科書に採用されていたらしいので、ラテン語を習っていた中世にはお馴染みなんですね。そいでセックスと殺人、というテーマ。
これもWSの大好きなテーマですし、結局のとこ人間の興味というのはセックスとバイオレンスに極限されていくのですね。
 セックスとバイオレンスが人格形成だ、って考えるのはフロイトっぽい考え方ですけどね。いやいやそれだけじゃないよ、懐かしさ、とか友情とか
ポエジア、みたいなものもあるでしょう。ってのはユング的なんでしょうかね?
 でもやはり物語を作るときに、セックスとバイオレンス無しでやるのはムリだって言っていいでしょう、ムリじゃないにせよつまんねーのです。
学者はかっこつけてエロスとタナトス、とかいうけどセックスと殺人、のほうが直接的でいいとIは思います。


 今の基準では到底NGなエログロ話が盛り込んであります。特にひどいのは、夫に妹が強姦されて舌も切られて口も聞けないようにされたと知った姉が
自分の息子を殺して切り刻んでシチューにして夫に食わせることで復讐するというテレウスとプロクネのお話ですが
こんなもん放送出来るかwって感じのストーリーですわね。こんなオチ現代の怪奇小説でもやり過ぎのたぐいです。
 古代のヒトはどういうつもりでこういう話を聞いてるのですかね・・家で想像リョナニーでもするの・・・?
そういうわけではサドやバタイユの元ネタもメタモルには含まれてるのでしょうね。



 ギリシャ神話ってやつは同人作品ですよね、だいたいの設定があってみんなが勝手に書き足していっていいのです、こういう逸話もある。こういう話もあったのだ。
って、キャラクターはだいたいは同じ、ユピテル、ユノー、アポロン・・・っていうふうに。キャラを使いまわして、みんなで書き足す。
 ある程度の設定が決まっている、という制約、が創造力を掻き立てるのですわね、フリが効いてるともいう。フリが効いてないまったくのフリーダムでは
それはカオスと同じで面白くないのです。
 このメタモルも、ギリシャ神話という同人作品のアンソロジーみたいなものです。

 作品は作家個人のもので、それは絶対の権利で勝手に手をくわえちゃいけない、っていう著作権神話、はごく最近のもので、作品は誰しもが手を加えていいもの
だったのです。結果としてどちらかより良い作品を生み出したかというに・・まぁそれはみなさんが考えるべしなんですけど。

 海賊版というのもそうですよね、海賊、と誰かを罵っている人間は、勝手に誰のものでもない土地を自分が独占する権利を絶対の所有権として掲げている略奪者
なんです。海賊からすれば、土地を独占しようとする農民こそが土地の略奪者なのです。戦争を始めたのは農民です、農業と戦争は同じものなので
戦争がいやなら、農業をやめなきゃいけないのですよ、といくら平和主義者にいってもわかってくれません。



 それにしてもこの本がキリストが8才の時の本だってのは不思議な感じがしますよね。というかアウグストゥスの時代の本だってのも。
イエスっていうのは結構現代よりの時代の人なんですよね、言ってることはハチャメチャですが。イエス自身も、ローマ最盛期の人間だってことです。
ローマ最盛期の時代にあらゆるものが生まれてるのですね。
 カエサルと比べるとアウグストゥスはなんかキャラが見えてこない人ですよね、この本の最後はアウグストゥスへのおべんちゃらがのっててカエサルよりも
尚素晴らしいです~、わんわん。って感じのえげつない追従があるわけですが、2000年の後にはやっぱカエサルのほうがすごいってのははっきりしてるわけです。
 カエサルは面白い人物だからですよね、借金大王であり、女の子大好きのハゲオヤジであり、演説の天才、文才にも優れ、戦争の指揮官としても図抜けた能力
を持ってた。アウグストゥス自体はひ弱でカラダが弱かったらしく、それでも頭はキレて賢く内政にチカラを発揮したのですけど、どうもおぼっちゃんって感じですね。
 ティベリウスにいたっては恐ろしく知名度が下がる。
/////////





 最後に残った処女女神 アストライア「正義」 も殺戮の血に濡れた地上を去った


リュカオン 暴虐を付くして狼になってしまったオトコ

デウカリオンとピュラ  ローマ神話のノアとその妻。大洪水でパルナソス山だけが洪水を免れてそこにたどり着く。善良な人間だったため
ユノーに助けられる。

ユノーはユピテルの姉であり妻、最高位の女神、そしてミネルヴァを加えて三位一体のカミ UNI、として祀られていた。

 曙 アウロラ (朝焼け)

アイギス ミネルヴァの持つ盾(神盾 )

 他の神がしたことを、無効にすることはどんな神にも出来ない
(ユノーがテイレシアスを盲目にしてしまったので、ユピテルは代わりに予言の力を与えた)

 妻のエウリュディケが死んで、タルタラへ向かったオルペウスは振り向いて妻を失った。それ以降オルペは少年愛に目覚めてそれをトラキアに広めた。
少年愛を始めたのはオルペなのだ!!

V10ー620
アタランタ「このヒトはIと一緒にいたいが為に死ぬのか、胸に抱いた愛のゆえに不当な罰を受けるのか

エキオン

 キュベレ女神


 ピュタゴラスが科学的思考を初めて、ベジタリアンを始めたのも彼である

最後(いやはて)の日