シェイクスピアのコメディの第一作、そうじゃなくても最初期の作品と言われています。元ネタがあって、ギリシャの古典喜劇からプロットはだいたい借用して、変更を加えています。つまるとこカバーってわけですわね。
シェイクスもカバーをやってたんだ、ってことは、今の同人の作家にも朗報じゃないでしょうか、パクリは悪、というのが今の著作権独裁みたいなセカイの定説として与えられているのですけど、そんなのまっっったくの嘘、作品を保護して金を死ぬほど稼ごうってのはほんとに20世紀くらいからの概念です。それまではもっと自由に改作やら変曲やら、創作の自由はありました。芸術ってのはコピー、前フリ、オマージュなどなど、常に何か元ネタを持っているものです。神話のシーンだとか、聖書のシーンだとかっていうふうに。
オリジナリティってのは0からまったく新しいものを作るってことじゃない、決まったスタイルの中で自分が新たに変更を加えることなんですわね。
それはともかくとして作品としては非常にあっさりしてます、生き別れになった双子、そしてそれぞれに双子の召使、それがある街に偶然居合わせて、巻き起こるドタバタ劇ってわけです。それにくわえて身代金が払えず死刑直前の生き別れになった父親、修道院長になった実の母、夫を間違える妻などなど、色々な要素が、最後にはシュルシュルーーっと一気に解決、めでたしめでたしってやつです。
大筋としては単純極まるものですが、この喜劇の見せ場は多彩なダジャレから上手いこといったり掛詞をやったり下ネタ、浮気、エトセトラ、トークで見せるってわけですね。
ただまだまだシェイクスは若いな、って感じがしますね、天才シェイクスといえどもコメディはまだまだ研究中って感じ、すごくあっさりと読めます、ヘンリーシリーズみたいな歴史物が何時間にも及び大作なのと違い、喜劇はたぶん2時間くらいで終わるささーっとしたものです。
ただこの演劇には二組の双子と、姉妹ってのが登場するわけですけど、実際に上演するときにそう上手いこと双子のペアが見つかるとは思えないんですよね、しかも双子のツーペアは同年同日に生まれたっていう設定もあって上演不可能って気がする・・仮面でもつけてやってたんでしょうか?オヤジや母親もまったく似てないヤツってわけにもいかないし。
ちょっと思うのですけどシェイクスみたいなしっかりとした演劇をやる団体がいてそれを楽しみに見に行くってのはすごい楽しいことですよね、羨ましい限り。常設小屋があって、次々新しい出し物っていう・・、今の演劇ってなんであぁいうことになっちまったんですかね、だいたい珍奇で奇をてらった、ハイハイ鬼才奇才ッて感じ、なんでもいいからもっとちゃんとしたの見たいです、それに小屋も貸出で常設小屋を持ってる演劇団体なんて宝塚くらいなもんでしょう。それに演劇ってクソみたいなチケットの高さですわね、ありえねーっての。それに人気の劇団とかのチケットは毎回おんなじやつらが握ってしまうのでだいたいいつも同じ客、そりゃ演劇のムーブメントなんて起こりっこないですよ。