初めて暴走族を扱った映画だということです。
注目すべきはそのファッションでして、暴走族のファッションって1950年台前半にすでに完璧に確率されてたんだなってのが確認出来ます。
マーロン・ブランドの来ているライダースジャケットのデザインがすごい完成されていて、ライダースってもう半世紀以上ずっと同じデザインなんだなってわかります。
もちろんスーツはすでに100年以上ずっと同じデザインなんですけど。ファッションってのは移り変わっていくようで、あんまり新しいスタンダード、みたいなものはなかなか生まれないものなんですね。
最近ファッション雑誌でノームコア、っていう単語を目にして、一体何それ?って思って調べてみると
Normal+Core=NormCore 超普通。みたいなことなんですね。
代表的なノームコアのファッションというと、スティーブ・ジョブズみたいなことで、セーター、デニム、スニーカー。シンプルスタイルで、しかもずっと同じような服を着るというスタイル。
でもジョブズのスタイルってのは、いわゆるビートニクスタイルでもあるんですよね。メガネ、セーター、デニム、サンダル、これがビートニクスタイル。
ビートニクも1950年台の流行というか、スタイルですんで、ノームコアってのはビートニクの再来とも言えますよね。
ファストファッションが市場を席巻して、スタンダードな服ってのが安くて簡単に手に入るようになり、みんなシンプル極まりない、服装をするようになってきた。
一昔前はダサい服、ダサいファッションのやつってのがもっとたくさんいたんですけど、ダサくなくなって来てます。特に都会ではすさまじくダサい人間ってのをあまり見かけなくなった。全身ユニクロ、みたいに、普通、なかっこをみんなしてる。
もちろんちょっとでも文化レベルの低いところにいくと、ボロボロの服だったり、ヘインズのシャツ一枚で乳首丸出しで出歩いているヒトもいますけれども、表通りではユニクロ一色という感じ。
それはでも裏を返すと恐ろしくみんな個性が無くなってきていて、個性、ってのいうのに対する規制が実は強くなってきているのを感じます。
よくSFとかの未来都市だと、みんな同じカッコをしてますよね、何か機能的に優れてるっぽいスーツ、それに近づきつつありますよね。ダサい、とか浮くのを避けるためにみんな同じに近づいてる。
ワタシはスーツってのがキライで、なーんでこいつらは制服にしろ、みんな一緒ってのにこだわるんだ気持ちわりぃってずっと思ってるんですが、だんだんそれがカジュアルにまで広がって来てる。恐ろしいですね。
デザインをする時にありモノを使うってのは一番安易で簡単なんですよね、高校生だから制服にするか・・、社会人だからスーツにしとくか。みたいに、それって楽してるだけでめっちゃ面白くもなんともないですよね。
この映画、内容自体はめちゃめちゃというか、は?っていう感じなんですけど、スタイル、ってのを完璧に打ち出した作品ですね。たぶん暴走族スタイル、っていうのを知らないヒトには、なんだこのスタイルは!?っていう衝撃だったと思います、この手の新しいスタイルをガーン!と打ち出すっていう映画ってのが稀に出てきますよね。
マーロン・ブランドが主役なんですけど、もちもちしてるっちゅーか、ぽっちゃり男子です。どうなんでしょう、アメリカってのは男はガリガリよりもマッチョ、ややぽちゃくらいが受けるんですかね?
実はマーロン・ブランドはTシャツ、というのを流行らせた人間でもあるようです、下着であるTシャツ一枚で、ウロウロする、っていうのはそれ以前にはナシだったのですが、ブランド―がそれをアリにした、らしい。
ブランド―は演技の方向性を変えたともよく言われたます、戦前のわかりやすく、明るい、あるいはとにかくかっこいい!っていうのではなくて、何を言ってるかわからない感じでしゃべり、何を考えてるのかわかんない感じで行動する。つまりは、わかりにくい、スタイルなんですね。謎っぽい。確かにジェームス・ディーンがかなりブランドに影響されてるのがわかります。
カネにこだわり、エロオヤジでしかもデブ、乱暴者ですぐ怒る、わがまま。という最低なハリウッド・スターの代名詞でもあり、それでも、存在するだけでオーラを出す、そういう懐かしスターですね。今、一番毛嫌いされる、個性的、な俳優でした。