ジャンプ全盛期ってものがあって、だいたいスラムダンク、ドラゴンボールっていうモンスターみたいな漫画の二枚看板だったように見えて、個人的にはこのダイの大冒険がすごい好きだったのを覚えています(ジョジョもあったけどそれほど売上に貢献してるとは思えなかった、ただコアなファンはね強かったけれど、やっぱ対象年齢高杉晋作でしたね、あの絵面は、ガキの頃はなんだこの気持ち悪い漫画は?って思って読み飛ばしてた)、といっても、その時はジャンプを毎週買うような年じゃなかったから(まだ小学生?)、おかしぃんですけどね。
たしか自分で買うようになった時期には、スラダンもドラゴンボールも、もちろんダイも終わってて、ワンピースが始まりだした頃だった気がする・・・
たぶん散髪屋の古いジャンプで見たのでしょうね、昔には散髪屋には古いジャンプが山積みになってたもんだった、あるいは兄とかがいるトモダチの家には古いジャンプがまったく脈絡なく残っていて、タンスのスペーサーに使われてた。それを拾い読みすると、フリーザと戦ってたり、山王戦があったり、フレイザードと戦ってたりしてたわけだった。山王戦のセリフがちっとも無いのだけを読んで、なんだこの妙なテンションのマンガは?って思ったのを覚えています。セリフが連載に間に合ってないのかとも思った。のちに田舎のいとこの家で一日で全巻読破してめがしばしばした記憶もある・・・あれは暑い夏でした。
ジャンプを全部コンプリートしてるヒトってのはいるんですかね?たぶんいるんだろうけど、読むのに人生の何分の1か使ってしまいそうでイヤですねwそれにあれって9割くらいはほぼ読まないからなぁ・・・スペースとりすぎなんですよね。もっと作品絞って薄くすればいいのに。
ハナシを戻すとこのダイの大冒険ってタイトルがどうにかならんかったんかい、って思いますね、なんか軽~い寒いシャレみたいな漫画みたいに思われてる、この時期にはすごい目新しいメディアミックスでした、同じようなのにロトの紋章ってのもあって、こっちは講談社じゃなかったっけ?エニックスは集英社と両方タイアップして荒稼ぎしてたんですかね?
エニックスとスクエアっていうライバル対決も楽しかったですね、今では合併されてしまったけれど。なんかゲームってのはカネが掛かり過ぎるメディアになっちまったらしく、確実に売れる過去のタイトルの焼き直しかパクリみたいなものしか作れないし、作り手も同じ人間ばっかになってるみたいですね。
またハナシがずれてますけど、このマンガってのは・・・なんですかね、妙なマンガで主人公が薄いっていうか、ポップっていうサブキャラが主人公の漫画なんですよね、っていうか書いてるうちにどんどんこのポップっていうキャラが大きくなって、主人公を食ってしまうんですよね、そのなんか勝手にキャラが動き出す感じ、イキイキしてくる感じ、それが、マンガっぽい感じなんですよね。マンガって書くのに時間がかかるからそういうコトが起こる、そしてイチイチ手で書くうちにどんどん思い入れが募るってこともある、脚本とか小説だと、実際に書くのにはまぁ長くて1年くらいしかかからないから途中で登場人物が化けるってことはあんまない、映画も予算でけっこうかっちり決め打ちしてから制作するから、そういう逸脱は許されない。6年近くも同じ人物を書き続けるマンガにしか出来ない型の人物像の描き型なんですよね、シェイクスピアやドストエフスキーには登場させられないんです、こういう、少しずつ変わっていく人物ってのは、もちろん宮崎駿にも。
映画の2時間で急激に成長するのは嘘クサイ、千尋なんて結局2日しかあそこで働いてないのに人格変わりすぎです。それもたいしたきっかけもないですからね。
成長神話ってのは映画の尺では描けないものです、といってムチャクチャ長い小説ってのは、絵が無いから成長が伝わんない、数年後〇〇は大人になった、って書いても、概念だけで実感がさっぱり無い。小説は絵がないからこその、セカイカンの作り方ってのに向くメディアです。
内容だけをとるとジャンプ黄金期のマンガの中でこれは一番、大人向けっていうか重いメッセージを持ってるマンガだったと思います、なんだろうか、オトナになると走れメロスが好きになる。太宰がどういうメッセージをこめたかわかるから、ガキの頃に読んでも、どうせメロスは助けにいくに決まってんじゃんか、じゃなきゃ教科書にのるわけねぇし。ってまったく無感動でした。オトナになると感受性が衰えていくというものですけど、なんかオトナになると開くとこっってのがあって、ダイはそこにグサっとささる、ダイというかポップがそこにギザっとくる、やっぱオトナ向けのマンガなんですよね。そこがなんか今ひとつスラダンとかよりもパッとしない理由でしょうか、あと作画が・・・・なんだろう、まるっこすぎるっていうか・・・、完成されすぎてるっていうか・・・・、女キャラ全部顔一緒やんっていうかw、顔のバリエーションが少ないっていうか(横山光輝よりましだけど)、今ひとつ表情が伝えずらいタッチなんですよね、こういうデフェルメが効いたタッチって、京アニ作画もそうだけど、表情が6つくらいしかない。喜怒哀楽強弱、くらい。
そいで敵のデザインがチャチーって気がする・・、いやほとんどはドラクエのデザインスタッフなんでしょうけど、こういうのってよくあって、たぶん作画の稲田某ってのは良い人すぎるんでしょうね、良い人すぎて悪いヤツが描けないってのはアニメーターによくいて、まったく致命的です。作家には必ず暴力的で人格破綻寸前の愛情と冷酷さの同居みたいなのがいる・・・、あと脚本家にはキャラを殺せないやつってのもいて、思い入れが強くてどうしても殺せない、たぶんこの三上某もそれです、死んだヤツ生き返りすぎ。ヒトが良すぎる。これもまったく致命的。
けどそういう欠点が、やっぱ欠点を抱えながらもなんとかやるしかないオトナにグサっとくるんでしょうね、難しいもんですw
このふたかたはその後があんまり無いなと思ったら原作さんは特撮とかゲーム方面へいって作画さんは重病らしいです、でまたダイと同じようなビィトのなんとかってのをやったりしたみたいですけど、やっぱダメでしょうねそれは。二匹目のどじょうはダメです。作品云々よりも作り手として潰れてしまう。