2013年5月21日火曜日

Pixies all over the world 和訳



 さて80年代最初にとりあげるのはPIXIESです。80年代音楽っていうと、結構今でも現役のバンドが増えてきますけど。やっぱPIXは一番でかい存在です、他にはU2、レッチリ、スミス、T-headsなどビッグネームが並びますけど、それでも80年代に一番影響力があったバンドはPIXだとIは思います、ちょっと違いますね、80年代以降の音楽を決定したのは、PIXだと思います。オルタナロックの走りともいわれますけど、Iはそのオルタナってのとニューウェーブの違いがわからんし、すでに別にロックンロールでもなんでもないですよね、スウィングしてないし、リフで音楽が出来てるわけでもない。言うなれば世紀末音楽です。


 PIXはまったく他のバンドってものとは違う存在でした、まず特徴的なルックスです、ボーカルはデブ、ツインボーカルのオンナベーシストは馬っぽい、ドラマーは異常に普通でオーラがさっぱり無い、ギターはフィリピン人、100%メディア向けじゃないし、日本やらアジアとかではぜっったい!に売れないタイプです。そいでオカネもない、レコーディングはえらいチープです。いわゆる、これぞインディーズって感じ。
 歌詞の内容もほぼさっぱり意味がわかんないし、ボーカルの叫び声とか普通にしゃべってたりして、普通の曲、とは全然違う。そしてアルバムアートワークやら歌詞がなんかエログロっぽくてひゃあってなります。
 ともかくPIXは今までのポップ音楽とはほんとにまったく異なる、過去を持ってないような見えないパンチみたいなバンドでした。PIXがどこからやってきたのかわかんないし、どういう音楽に影響を受けたのかもわかんない、その他のバンドはだいたいあぁこういう感じかってわかるものです。U2にしたってRHCPにしたってヘッズにしたって、あぁこういう感じが流行るよね、みたいなのはわかるもんです、けどPIXの音楽性は完全に違ってた。ハッキリいって最初は意味がわかんなかった。ただ凄まじい威力を秘めてるってのはわかりました、PIXの音楽が解体されてNIRVANAやレディへがよりわかりやすく解釈してくれて、なるほど!ってようやくわかったようなもので。
 後にグランジの発明とか伝説のバンドとか色々言われるけど、それは後付で、まったく虚無からやってきたようなバンドでした。たぶんあんまり音楽を聞かないってヒトは最初は拒絶すると思います、拒絶するほど不穏なエナジーに満ち満ちているw
 カート曰く、オレはピクシーズの一員じゃないことに絶望した。トム・ヨーク曰く、最高にセクシーなバンド。
 トムの批評が一番的を得てる気がします。PIXは何だったのかっていうとセクシーだったんですよ。


 さて音楽的に解体するとPIXの音楽はやっぱ低音が恐ろしく冴えてる音作りです、ドラムのおもたーーーーいサウンド、これはもうPIX以降ずっっっと聴き続けるハメになりました。ネアカじゃない音です、ジョン・ボーナムやチャド・スミス、メタルとも異なる、シンプルでおもたーい音。そして最も特徴的なのは曲のダイナミクスです、スカスカの部分、ダブダブにおもたい部分、エレキが爆発する部分、曲を通じての音量とか音圧の変化で重たさとか、勢いを表現する、こんな語彙は今まで無かった、これもPIXの発明だったと思います。
 ベースも独特の音です。なんなんだろうか、オンナのベーシストってのが引き起こすどくどくな雰囲気としかいいようがない。
 ボーカルもオトコとオンナのツインボーカルで、普通に歌うんじゃなくて、サウンドエフェクト的な歌い方、ラップ、ファルセット、シャウト?ビートルズ的な綺麗なコーラスをまったく否定するようなやり口はこれも発明でした、オルタナ=女ボーカルを定式化させたのもPIXだったと思います。
 ギターの音も、ほんとどうやって考えついたのか、恐ろしく世紀末的な響きです、速弾きとかテクニックとはかけ離れた、前衛的っていうか、ノイズギリギリの音。
 この音も死ぬほど聞かされることになるけど、こんな音を出す楽器じゃなかったです、エレキギターって。ジミヘン以来のスタイル革命でしたね。ギターってのは練習するものじゃないんだなって思わせました。理論?=ダセェギタリスト、ってのを確立しましたw感覚とインスピレーションです。
 
 それぞれ分析すれば全部革新的だったってわかるんですけど、それが混ざると混ぜるな危険でw セクシーとしか言えないものです。 それと一番大事なコトですけど、PIXIESはなんか、自分たちにもまったく新しい音楽が作り出せるんじゃないか?ってのはなんかネタが付きたと思われた音楽好きのキッズ達に教えてくれましたね、カネがなくても、家が金持ちじゃなくても、シンセが買えなくても、メジャーレーベルのオーディションに受からなくても、ルックスが悪くても、そこにものすごいポジティブなエネルギーがあった。



一応後期のサーフ・ロック化したPIXのall over the worldを取り上げます。これは、いっつもIが鼻歌で歌ってしまう曲ですけどw を取り上げますが、PIXは歌詞を読むようなバンドじゃないし、ほぼ意味不明だと断っておきます。
(語り なぁおじょうちゃん、どうだい調子は?わかるか ガキ?)

with a pet at my side
God in the sky
snow falling down
freeze my body to the ground
 ペットを横に連れて、カミサマは空にいやがって、雪は降りしきり、おれのカラダは氷ついて地面に横たわる
i can't ride
but one more time
i will ride
all over the world
 まったく出来やしない、けどもういっかい、やってみよう、すべてのセカイを・・・

washed over the side
top of the sky
slow diver down
two feet land on a different fround
 押し流されて 空の上へ ひそかに潜りゆく 両足で新たな地平を踏む
you can't live easily
you can't even speak
but all of them speak
all over the world
 簡単には生きれはしないぜ、しゃべることもできない けどあいつらはみんなしゃべりまくる、セカイのあらゆるばしょで

i will meet you over there
i am going to meet you over there
そこできっとあえるさ、そこできっと会いにいくよ
washed over the side
 top of the sky
slow diver down
two feet land on a different ground
you can't live easily
you can't even speak
fish all of them speak
 魚でもみんなしゃべる
all over the world
a plain with no herd
 群れの無い空白
not even a bird
鳥でさえも
when one side is hot
the other side of the moon is not
 片方は熱を持ち、月の裏側はそうじゃない
it's just like a ride
maybe some time
they'll make it a ride
all over the world
 そりゃただのあれだよ、たぶんいつか、あいつらはやるだろうね、そう、あらゆるセカイで

i will meet you over there
i am going to meet you over there

time is an arrangement
time is an arranger
i am a derangement
 時間は配置だ、時間は設置する、俺はかき乱す

all my thoughts
all i am are my thoughts
all my thoughts
i am all what i'm taught
 おれの思考 おれのすべてはおれの思考 おれのすべての思考は すべて教えられてもので

better call the ranger
got a train derailments
better call the ranger
 レンジャーをよんだほうがいいね、電車がでんでんダメだからさ、レンジャーをさ

what i'm taught
all i am are my thoughts
all my thoughts
all i am are my thoughts
what i'm not
 おれが教えられたことは
おれはおれの思考すべてだってこと
おれのすべての思考は
おれが教えられたものだけど
 おれはそうじゃない。



 *slow diver down
という表現がありますけどこれはまったく意味のないコトバだけど、えらくかっこいいコトバだと思いませんか?