2014年7月27日日曜日

1969 東大紛争の記録  東京大学新聞研究所 日本評論社 /戦後史証言PROJECT「日本人は何をめざしてきたのか」 「知の巨人たち」第三回「民主主義を求めて」政治学者~丸山眞男~    折原浩

 なかなかどうして、面白い本でした。東大紛争が医学部のインターン問題というけっこう専門的な問題から始まって全学部ストライキ、闘争の拡大、大学首脳部のクビを飛ばし、団体交渉にいたるまで、ドラマチックです。
 この本は1969年の終わりと同時にたぶん刊行されていますので、70年1月の安田講堂攻防戦で全共闘が完全に敗北するというクライマックスは描かれてません。本の末尾には改革はこれからも長く続くだろう、とありますが、実際には半月ほどで終結してしまうのですね。で、それ以後大学の改革はなされたのかというにに、それは詳細に調べて無いからわかりませんけど、紆余曲折はあったにせよ、現在、の大学を見る限り、学生と教授とか同じ立場にたって大学自治を運営してる大学なんてどこにもありゃしませんのでね。そんなことをしようという学生もいないです。自分のキャリアだけが大事だってのばっかしですし。
 結果的には若者は当時の体制側に完全に飲まれて自らも体制側になるってことで全員腐り果てたら怖くない、っていういつもの日本人にカムバックしたって感じですかね。
 インターン問題はそもそも無給でインターンとしてほぼ無権利で働かされるってのが問題の1つなのですが、学生運動をする、っていう行為も無給で他者のために頑張ってるのです、そのエネルギーはなんなんだろう、今の学生は絶対しませんね、バイトあるから帰ります。学生に限らず、もう無料で誰かのために何かをするなんてことは考えられないっていうのがこの社会の調子でしょうね。
 そう考えるとやり過ぎだよ、っていう感じのある全共闘の方々の言ってたことが、本当は的を得てたんでしょう、ここで闘争をやめたって何も変わりはしないぞ、って。事実何も変わりはしなかったのです。より、悪化した。
 大学は産業と、国家権力、と軍隊、から自立していなければならない。と言ってるのですけど、おー!と思いますね、むしろ現代の大学は、産業に奉仕する以外の何者でもない就職予備校でして、誰も学問なんてやってないです、シューカツ、ばっかしでね。あとはセックスパーティーです。それを大学が自慢してますからね、就職率90%!インターン、企業説明会を学内で開催してます。ってな調子。全共闘のヒトが生きてたら赤軍じゃなくてもテロを起こしたくなるような状態。
 といってIは全共闘を支持するわけでも全然無いです、ただなんだろう、若者のすごいいい部分と悪い部分が明快にありますよね、今の若者ってのは若者、っていう役割を演じるのを拒否してますから、こういう若いなーー!!っていう人は・・・・必要だと思う。だって全員老人の役やってたって演劇にならないもの。





 実力行使は悪、というのは現代はもっともっと鉄の掟になってしまってるけど、話し合いってのは話し合う、意思、が無いヤツとは出来ないものです。現代は双方ともに話し合う気が無いですね、どうせ言っても無駄。管理社会の中でヘラヘラガンバルしかないよ、それが出来ないなら自殺。すぐに自殺。それほど話し合うってことに幻想を抱いてないわけで、自殺者はリアリストであるわけです。社会はリアリストになってロマンチストを駆逐したって感じがしないのでもない。


 豊かさと引き換えに何かを失ってしまった気がする・・・みたいな決まり文句がありますけれど、豊かさと引き換えに失ったものは、ものすごいはっきりしてる。
 

 それは正義、ですよ。世界がアメリカが手動ではありませんが、1つのグローバル資本主義という体制に、たった1つの独占独裁的その体制に一本化されて、内部崩壊を起こしてるわけですが、つまり世界のどこにも、正義、が無いんです。 




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 ちょうど折よく丸山眞男の特集をNHKでやってましたよ。Iも丸山っていうと口先だけのブルジョア左派って感じがするんですけど、丸山はこの闘争当時の東大にいて、しかもたぶんかなり先導するような立場にいたのですけど、学生運動に対して完全に沈黙、何もしなかった。それには色々理由があんだよ、ってことです。
 戦争に参加した世代として、暴力の本当ってのを知ってるから、ほんとのほんとは、虚妄だってことをわかっているから、けれどそれを信じ続けたいから、みたいな理由。それがでも本当だって気がする、丸山氏、阿呆ではないですから、日本人には民主主義を運営する能力なんて無いってのを気づいてるでしょう、でもそれを認めたくないんですよね。






 まぁそれはたぶん再放送があると思うので見て下さいってことなんですが、1人折原浩東大助教授という人物がいて、なんだろう、この人は、目が死んでない。って気がして調べてしまいました。やっぱり反骨の精神を持った良い学者みたいです、ホムペに丸山について書いているのでどうぞ

http://hwm5.gyao.ne.jp/hkorihara/maruyamaron.htm


 久々にこんなに遊びの無いホムペを見たぜw 今度この人の本を読んでみようと思います。専門はウェーバーらしいですね。
 





そう、書き忘れてましたけど、昭和43年・・とか昭和36年・・とか相変わらず和暦を使うんですけどNHKは、そりゃあんたら昭和に生きてた人にはそれでわかるのかもしれませんがね、平成生まれにしてはいちいち西暦にもどして考えるのは面倒なんです、それに西暦にしてその時世界は・・っていうふうに横に考える時に和暦は超不便、自分たちのことしか考えてないことを丸出しです昭和なんて、知るかって話。それくらいわかれっていう横柄な態度もわかるんですけど、こぉいう話しってのは若いヤツに興味を持ってもらわないといけない番組なんです、老人たちが懐かしいなぁって思うだけの番組なら、かってにネット放送でもしてろって話し、公共の電波でやってるんだから、若い人にもわかりやすいようにして下さい。どうせ中学生とかは丸山の番組なんて見ねぇだろっていう諦めが見える気がする。この番組を作る制作会社が、学生運動を扱って置きながら自分たちの組織では若い人の意見を汲み取れてないんじゃないのって気がしますね。