2014年7月5日土曜日

MAKING 166   1950 Islands in the Stream 海流の中の諸島 

  






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Islands in the Stream

出版は1970年で作者が死んだ後に出版されなかったものを掘り起こして出版されました、といっても未完成とは見えず、あとは推敲をするだけって感じだったのでしょうね。それでこの小説の、続きとして予定されていたのが、 「老人と海」でこれだけが独立して出版されて好評を得たのはご存知の通り。(ヘミングウェイは1961年に自決)

 でもどうなんですかね、作家としてはこうやって作品を描く前に、その作品の、前、というのを設定として描くってことをすることはあります、それ自体は作品にするんじゃなくて、途中から始める、ことによって作品に厚みと世界観をきっちりつくり上げるってことで。そういうわけで老人と海の創作ノートって感じなんじゃないでしょうかね。


 けどIやっぱしヘミングウェイとそりが合わないのかもなーと思います、どうもリズムが合わないというか・・んーーー、かっこつけんなよ、って思うw 下手するとなんか老いぼれのノスタルジーっていう救えないものだって気もするんだけどなー。でも今のIがそう思うだけでIも老いぼれたら好きになるのかもしれませんぜ、もちろん全然ダメなヘボ作家では無いわけで、技術も文体もしっかりしてます、そのうえで好き嫌いでいうと、Iはあんま好きくない。ただあんまり好きじゃない作品を読むってのことは作家にとっては大事なことなんです、自分と違う人間っていうエッセンスが入れられるから、そうしないと自分の作品には、自分しか出てこないことになる。




 
 ただヘミングウェイはアメリカの作家だってのが大事なのでしょうね、アメリカってのは歴史の無い国家でして、すがるべき伝統、ってのがなんにも無いから、どこかいつも表層的でうつろでペラペラです、けど戦争世代の作家たちは、いっつもそうやって戦争という主題に逃げ込めるからいいですよね、平和の時代の作家たちは、小説の行末がわからなくなったらどうしたらいいかわからん、1人の人間の一代記みたいな作品があるとして、そのなかで一度も戦争を描かないってのは、どうも彩りに欠けます、戦争の無い人生なんてのは糞食らえですねほんとに。たった一度の人生でそれを経験出来ないのは、少なくとも作家にとっては、最悪の不運でしかないです。



 それとやっぱりIはアメリカ人の家族、を愛するってのがほんと我慢ならないのですよねー、コドモが大事だったり、妻を愛してたり、なんだそれ・・しょーもな・・・。って思う、これはただのIのビョーキなのかもしれませんがね。ただイギリスの作家はもっと家族、ってものに対してドライですけどね、シェイクスピアだって、なんだろう、家族は憎しみ合うものだ、っていう歴史、を持ってるからですかね。