CBC、CBS(Columbia Broadcasting System)共同制作による、テレビ映画、です。
ロバート・カーライル(トレインスポッティングのベグビー役をやってた人)、が主演でして、かなり豪華です。豪華っつーかテレビ映画でどうしてこんなに予算があるのやらまったく理解できないくらいきちんと作ってあります。
ドキュメンタリー系の映画なので、それほど嘘はありません、もちろん、ゲッベルスとかゲーリングとかヒトラー幹部こんなイケメンじゃなくね?
レームがゲイで処分されたってとこをなんで抜かしたの?ヒトラーがアンチセマイティズム、つまり反ユダヤ主義だ、ってことを散々強調するのですが、それよりもヒトラーはアーリア人種、の優等生、というのが前提になってのですよね。
アーリア人種が最高の人種である、つまり選民主義ですが、それがなによりの前提です。実は!ユダヤ人も選民主義なんだってことをお忘れないように。ユダヤ教では、ユダヤ人だけが、神によって救われるのです、だからその2つが互いを排除しようとするのは当然といえば当然です。根っ子の根っ子で相容れない、というか、選民主義っていう思想は自分たち以外のすべてのイキモノに対する宣戦布告と受け取られてもしょうがないと思います。ユダヤ人は無実の罪で虐殺された、というけれど、ちゃんとユダヤの歴史ってのを見れば、当然社会と対立するってのはわかる。ヒトラーが魔術を使って差別を生み出したのではなくて、ヒトラーは元からあるそれ、を利用させて、奴らを全滅させてやりたいっていう、本当はやりたいんだけど出来ない、ことを実現させたってことです。今のパキスタンとイスラエルの戦争もそうです、パキスタンもイスラエルも、相手が一人残らずWIPE OUTされればいいと心の底では思ってる。
そんな批判はいいとして、ヒトラーの幼少期から、権力を獲得するまで、という戦争ではなく政治闘争の時代の話しってのは結構珍しいし、いいところに目をつけてるなぁって気がしますね。だって戦争シーンはものすげぇ予算食ってしまうしな。
RISE OF EVILって副題からして、ヒトラーを悪、として決めつけてますけど、果たして、ヒトラーが悪なのか?悪が先にあって、ヒトラーがそれを利用したんじゃないかって話しです。あらゆる魅力的な悪役に共通ですけど、ヒトラーにはとても良い部分がある、それは凡人よりもずば抜けて優れたところ。ヒトラーは結構他人思いだってことです。独裁者っていうと、ふつーのイメージでは自分のことだけしか考えてなくて、傍若無人ですぐにハーレムを作って酒池肉林、ルイ14世的なイメージだけどヒトラーやナポレオンは仕事熱心だし、ハーレムでセックス三昧などをしないで、むしろ恋愛においては純粋だったりする。そして実は本当に国の為だ、って少なくとも本人は思ってたりする。
このブログはことあるごとにヒトラーを取り上げてますがw やっぱしこの人物ってのは、もっとも20世紀的人物っていうか、20世紀の主役なんですよねー。
このヒトラーの芸術家崩れのホームレスから、生活保護者、まったく死を恐れない兵隊、敗残兵を束ねる極右政党員、天才的演説家と大衆操作の技術者、合法的な選挙による権力掌握、そして全権委任、ヨーロッパの半分以上を支配する独裁者へ、っていう流れはほんとーにどんな作家のシナリオよりも、まったく滑稽で馬鹿げているようなありえないリアリティです。
ロバート・カーライルは悪い、っていうかクセのある人間をやらせたらやっぱ一流ですねー、いい俳優ですー。ただヒトラーが英語しゃべってるのは超違和感w でも相当資料を見て研究したんだろーなーって感じ、偉い。