2013年4月9日火曜日

ブレインブック THE BRAIN BOOK みえる脳 南江堂

  ハッキリ言うと、これはほとんど何も書かれていない本です。
 脳のコトがたくさんわかってきた、みたいなコトが書かれていますが、ほとんどわからなくなっている、ような気がします。
というよりむしろ脳の理解は後退してますよね。それは人体実験が出来ないからですけど、ナチ、ソ連、デルガドとかがやったような
直接的な人体実験は、出来なくなったというか合衆国が独占しているというか、そういうことは封じ込められておって、ミラーニューロ

ンだとか脳のモジュラーのマップだとか、脳の病気を分類してみたりだとか、そういう毒にも薬にもならない事をさせられているって感

がすごく強いのですけれど。それってアリストテレスとかカントのカテゴリ論と同じで、ただの時間の無駄ですよ。ただマクロで見て名

前をつけてそれを分類してるだけで本質的には何もわかってないんだもん。もっとミクロからボトムアップで、インパルスの分析から初

めないと結局ただの近似にすぎないです。


 こういう本って研究はすごい速度で進んでいる、後数年で夢の技術が!みたいな事を書いてますけれど(WIRED系の大言壮語といいま

すけど)、20年前の本にも同じような事が書いてあって、まったく進歩してないってことがよくあります。人工海馬も、2004年に

発表されて、マウスではもう90%だ!みたいな事を言ってましたが(10年以内には人間にも試作品が出来るのでは・・と書いてあり

ます)、2013年現在、ハッキリ言えば何も成功してません。
 で、アメリカのそのNeuroScienceの学会を覗いてみるとわかるんですけど、オバマ政権がR&I予算をカットするのに反対して共和党に

投票しよう、みたいな事が書かれております。
要をするにですね、科学者ってのは予算を勝ち取るために嘘ばっかついてます。IPS細胞だって、数十年内にはといいつつ、あと100年

たっても一般の手には届かないと思います。あるいはごく一握りの超富裕層か・・、こういう本に書かれているサイボーグ技術もそうで

、数十年で人類のあり方はガラリと変わるかも!というけれど、1960年代の雑誌にも。1920年の小説にもそう書いてあります。

科学者のいう後数年はあと数十年だし、あと数十年はあと数百年ってのが相場です。
 それは戦後なんか世界はすごい勢いで進歩したといいつつ、未だに、人類のほとんどは貧困してるしシリアは内戦やってるし、オイル

を求めて戦争やってるし、経済危機で路上で人間がダンボールで寝てるのをみれば一目瞭然じゃないですか?この程度じゃん、しょーも

な・・・って思ったりしませんか?やれ天才やら革命家やら、偉大な人物がいる、いた、と教えられるけれども、それでこれ?この程度

の社会?って思います。もっと身近だと技術の粋を集めた最新ゲーム・・えっおもんな~~ってのがほとんどだし、最新の技術を集めた

ハリウッド映画、えっ・・しょ~もなぁ・・・ってのがほとんどですね。パソコンとかの情報技術にせよ、結局は代替物、として既存の

物を便利にしたり、使いやすくはしたけれど、本質的に新しいものってのは何も生まれてないってのが現状じゃないですか。

 
 ナチとかには、こういう脳のインプラントで、この電位で、こう、っていうデータは出てたはずです。デルガドだって。こういう電位

ならこういう行動を抑えられるんだなっていう。そういう技術はむしろ失われた。
今は海馬をチップで分析出来るというけれど、結局人間で実験出来ないからそっから一歩も進んでない。脳の研究はどんどん後退してま

す、本当は後退してるんじゃなくて、本質的で重要な情報は全部ブラックボックス化されて、軍とかに握られてしまってるってことなん

でしょうけど・・・なんですかねそれは。現代はあらゆる人間が政治家で、自分の価値を証明しようと躍起になっている、科学の論文で

すらも、何か知識を公表しようというより、予算を集めるためのプロパガンダの側面が強い、こういう一般向けの科学書も、やすっぽい

プロパガンダ臭がしてたまらないです。