2013年11月9日土曜日

adventure of sherlock holmes 1891 シャーロック・ホームズの冒険 オーディオブック

http://www.booksshouldbefree.com/book/the-adventures-of-sherlock-holmes


 オーディオブックのリンク。


 冒険、ADVは初の短篇集で、どちらかというとここからホームズ人気は出てきて、先行した長編2つは短篇から興味を持ったヒトが遡って読んだっていう感じのようです。

 ホームズ自身が言うように、短篇集はデータからの論理的帰結が重視されていて、事件自体は深刻な事件、は少ない。必ず殺人事件が起こる、他の探偵物とは違っているのです。

 その中でも赤髭、親指、ぶな屋敷とかは、芯をくってる、というかアクション要素が強くて、冒険、という題にあってますね、
推理モノで、冒険、っていうタイトルは変ですものね。純粋な推理モノっていうよりは、007みたいな、なんだろう・・エンタメ小説でもあるわけです。そういうわけでは、やっぱ大衆受けするようなもの、元祖はかなりの程度ホームズが親玉なんでしょうね。
 こういうものって本当にこれ以前にはあんまし無かって、それ以降はこういうものしかなくなってくるっていう、まったくもって業界を変えてしまいましたね。そういうわけでは功罪がありますよね・・・

 携帯電話が他の通信、手紙やらを絶滅させたみたいに、話が長くて、おもっくるしい哲学的主題を書き連ねたり、だらだら恋愛を語るような作品は、一発で時代遅れにされて、絶滅させられたってことです。ホームズはそういうわけでは以降の作家の書き筋に甚大な影響を与えましたね、面白くないといけないってのは、恐ろしい制約です。すぐつまんない、って投げ出されてしまうから・・・


 またたまたま見たドキュメンタリーでは、現代の警察の科学捜査もがっちりホームズの影響を受けていて、そういうわけで実際の世界に影響を及ぼすという点でも、共産党宣言には及ばずともすごいエネルギーを持ったシリーズであるわけですね。ハリポタが流行ったからといってみんなが魔法を使うということは無いわけで。


 どういうわけか知らないけれど世間もホームズ再ブームのようなのです、ある種のシンクロニシティーですけど、映画もリメイクされて、ドキュメンタリーや、ドラマの再放送も始まってます。Iもなんにも考えずに風邪で仕事が出来ないから手にとっただけなのに。
 社会が不安定化して、犯罪が日常化して、日常が退屈になって、リスクがあってもスリリングな快楽を求めるっていう状態が、現代にシンクロしてるからなんでしょうかね。一番良いのは、これが物理世界の中の物語だってことでしょうね、だからシンクロすることも出来る。日常が退屈だからといってありもしないファンタジー、やれゲームの中に入ってしまった、だの、特殊な能力が手に入っただの、は実際に生きる糧にはほとんどならない、ただの何の根拠もない一般論、最後まで諦めてはいけない、みたいなことを伝えるだけです。

 だからあんましIはファンタジーや行き過ぎたSFって好きじゃない、やっぱし物理世界のルールは守るべきなんだと思いますけどね。じゃないと感情移入出来ないもの。制約があったほうが面白いっていうのであれば、物理世界という制約はやっぱし共通体験であるわけで面白いんだと思います・・・



 では次はMEMOIRでお会いしましょうw