2014年3月25日火曜日

l’oiseau de feu firebird 1910 Stravinsky / Faukin / sacre de printemps riteof spring Stra/Nijinsky 1913   火の鳥 春の祭典

 有名な火の鳥ですけど、原題からすると BIRD OF FIRE ですね。FIREBIRDじゃない、BIRD OF FIREのほうが語感がいい気がする。

 I バレエってものをちゃんと見たのは初めてかもしれません、もちろんオケのバージョンは結構聞いてきましたけれど、やっぱバレエの音楽として作られたんだからバレエと一緒に聞くのが自然って気がします、そうじゃないとちょと退屈。普通のシンフォニーとしては構造が変っていうか。


 

 あれですね、ワーグナーっぽい、ってのがバレエを見るとよくわかりますね、バレエの内容とか装飾とか、世界観も。そいでかなりの程度、エンターテイメントなんですね。やったるぜ、っていうなんだろー、モダニズムバリバリの作品なんだと思ってましたが、古典的バレエのスタイルをかなりの程度守ってます、ニジンスキーが振り付けじゃないものね、フォーキン、って人だからです。見せたる!って感じじゃなくて、さぁさぁお集まりの皆様、ご来場ありがとうございました、みたいな、感じです。Iが勝手にリュスをモダニズムでアヴァンギャルドでアングラちっくなものと先入観を抱いてただけで、これが当たるってのはよくわかる。

 20世紀の芸術の原点、ってのもすごいよくわかる、つまり大衆に向けた芸術で、一部のスノッビーにしかわかんないものじゃない、わかりやすくて、コトバ、じゃなくてカラダ、っていう20世紀の大きなベクトルを指し示すものだと思います。


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 そして三年後にストラ、ニジンスキーのサクレになるわけですが。春の祭典より、原題のサクレ・ド・プランタン  sacrifice of spring のほうがいいですね、っていうかやっぱフランス語というのは響きの優美なコトバなんですなぁ。
 春の祭典、だとなんかなごやかないい話みたいですものね、実際は生贄に捧げられた若い女の子が死ぬまで踊り続けるという、ニジンスキーにうってつけのクレイジーなストーリーです。



 ディアギレフやストラがモダンで斬新であったわけではないんですね、いや斬新だったんでしょうけど、ニジンスキーが1人だけ異次元の世界にいたってことです。神がかり、っていうとなんか聞こえはいいですけど、むしろもぉ神に呪われてるみたいな、人です。ぶっ飛びますねニジンスキーの振り付け・・・、ストラたちが確かに20世紀の芸術の原点だとするとニジンスキーはもぉいきなり、なんかもぉそんな時代とかじゃねぇって感じですものw そりゃ反発を買うだろうし、狂ってしまうのもわかる、こんなレベルの才能は持ちません。ほんと気が触れてるのと正気のギリギリ、そいで恐ろしく現代的・・・
 ストラの音楽は別にそんなにモダンってふうには聞こえませんね、聞き慣れてるからでしょうか?カリオグラフのぶっ飛び感が鮮烈すぎて気になんない。初演の時大騒動になったというけど、どう考えても音楽じゃなくて、踊りが斬新すぎたって感じだと思います。(バレエってのは結構、貴族の人達への若い女の子の女衒みたいな役割があったらしくて、あの子いいね、ってカネを積めばホテルに現れるってわけです、それは日本の芸者のそれもそうだし、若い女を集めた催し物ってのはだいたいそういうものです、だからバレエって無駄にエロチックだったり、妙に露出が多いのはそういうわけです、それは今のアイドルとかでもまったく同じですけど、だからそういうものを求めて高いカネを払って来た人たちが、こんなぶっ飛んだ催し物を見たら怒るのも無理はない。ポルノ映画感でアートムービー流すようなものですね。ニーシャが18でプリマになれたのもディアギレフとセックスしたからだって話もあってこれはマジらしいです、ディアギレフは両刀・・・、バレエの裏側ってのはだいたいでもそういうものらしいですよ)


モダンバレエの始祖の1人っていうけどモダンバレエとも違うって気がしますね、モダンバレエのどうも、しょってる、あざとい感じが好きになれん、って人は多いと思います、ニーシャのにはそれが無いですよね、自然です、この人ダイジョブか?(ダイジョブじゃないんですけど)とは思うけど、なんかキワモノをひねり出したんじゃなくて、自分の中からどくどく出てきたっていう手触りがあって。第一次大戦への序曲として最高です・・・


 ヌレエフがニジンスキーの初めての作品の牧神の午後をやってますが、あまりにもエロスを強調しすぎててスキャンダルになったというのが非常によくわかります。いや・・・・、ものすごいですねこれは。なんだこのものすごさ・・・・。ほんと舞踏神なんですなニーシャは・・・・