2015年10月2日金曜日

1594 ヴェローナの紳士2人  WS

 シェイクスピアの最初の作品とも言われてます、デビュー作はヘンリーVlシリーズですが、たぶんこの作品は書かれたのだけれど上演されることはなく、シェイクスピアがヘンリーシリーズで名声を高めた後に、デビュー前の作品、的な感じで売れっ子の尻馬にのっかる感じで上演されたのでしょう。
 劇の構造はシンプル極まりないのですが、随所に、シェイクスのテーマ、モチーフ、みたいなのが詰まってます。処女作ってのはだいたいそういうもんだって言われますね。すぐに心変わりする浮気なオトコ、すぐに着火する猛烈な恋、メタモルフォーゼ、変装、変身、駆け落ち、縄梯子、道化役の召使、シェイクスの専売特許みたいなものがすでにこの劇に登場してます。

 駄作だ、とも言われてますが、ドストエフスキーはこの劇のジュリアみたいな明晰な女・・・と抜き書きしてるように、ある意味センチメンタルなこの作品が好きだったようです。


 けどこうしてデビュー前の作品とかまで引っぱり出されるというのは人気作家の証明であるわけですけど、裏を返すとこういう未発表作品みたいなのまで掘り起こされるというのはちょっとしたスランプってのもあったのだと思います。

 勝手な予想ですけどヘンリーシリーズで、特にリチャード三世である程度行き着くところまでやってしまったWSは喜劇を手掛けるようになるのですが、それもやっぱしスランプってことですよね、ジャンルを変えてみる、スタイルを変化させてみる、WSというともはや神扱いですが、やっぱり色々考えながら作品を作っているなぁと思いますね、それにやっぱ劇団つきの俳優兼作家ってのがありますよね、板の上でどう変化するのかってのも考えるでしょうし、脚本だけじゃない、ステージングってのも気になるところです。ほんとWSのステージングや演出ってのがどうだったのかってのは尽きせぬテーマですよね。


 そのスランプからの突破口としてロミオとジュリエットが完成するわけですが・・やぁやっぱすごい。
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1-2
愛を見せびらかすものは愛が少ないのです
 ルーセッタ

2-5
 ・・ヒトは誰でも絞首台にかけられちまうまではおしまいじゃないし、飲み代を払って女将に毎度あり、といわれるまではありがたいとは思われていないのだ
  ラーンス