かなりの程度杉田かおるの演技力に依存してますね、最初の2話くらいはアイドリングのどうでもいいハナシなんですけど(そいで放送回数埋めるための捨て回も6つほどあります)、第四話。14才の母、のあたりからドラマが進行していきます。でもほんとこれ杉田かおるの演技力ありきでほかの生徒は殆どお話になんないくらい演技ド下手、タイミングもセリフ回しもあったもんじゃない。1人杉田かおるは図抜けた能力を発揮してます。今でこそ、破天荒ババァですけどwいや破天荒だからこそ、肝っ玉がすわってるというのか、下手っぴな子がこの役やったらもうめちゃくちゃに破綻してしまうところを、悪くすると下品なニヤニヤ笑いみたいなものになってしまうのを、繋ぎとめてますわね、すごい。天才子役ですわ。このひとほんとに天才子役なんだぜw 若い諸君。
たぶん金八って関東よりも関西のノリなんですよね、なぜそうなのかはわかんない。けど金八のファンって東京よりも、関西とか田舎のほうにファンが多い気がする。泥臭さがなんかハマるのかもしんない。そうですよね、金八自身が博多出身という設定で、やっぱりどっか上京物語となってるわけです。これは地方出身者にしかない1つのグランドストーリー、恋愛物語、みたいに1つの型、を持った物語です。型を2つ使えば物語は容易です、恋愛と探偵、戦争と恋愛、ホラーと探偵、医療と家族、家族と戦争、っていうふうに。一般の視聴者ってのは新しいものじゃなくて、ちょっとマイナーチェンジしたベタを一番好むものですので。
Iこのドラマの時代に生きてませんので当時のガキたちが本当にそうだったのか、臭い演技をしてるのかがわかんないところがあります、金八の生徒はハイテンションすぎるし、コトバ使いも変。これが当時はマジでそうだったのか、ただたんに脚本が悪いのかわかりません。
今の教室だったら、◯◯が妊娠した。って言っても、へーーまじかいな。ってなるけど、もっとドライに、でも関係ねぇし。ってすぐにローテンションになると思いますね。もちろんセックスどうやったん?みたいな出歯亀の下品な奴ってのはいますけど。しかし結果的には無視、に落ち着くと思いますね。それと確かに金八タイプの熱血君ってのはいませんわ。責任回避、がモットーみたいな安定を求めて教師になったような人が多いだろうから。
実際ドラマの中でも熱血教師はもう流行らない、みたいなこと言ってます、金八は熱血教師モノ、のアンチテーゼ的な位置として始まったんですね、今ではわからないだろうけど。
あと典型的教育ママで、東大受験こそすべて!みたいなのって本当に実在したんですかね?フィクションなのか、まじで当時はそういうステレオタイプの親がいたのかわかりませんわ。確かに今でも電波なキチガイ家族ってのはいますけど・・・ん~、やっぱいたのかも。本当に、あっこのヒトとは何億年話し合っても何一つ共有できんわ、っていうヒトはほんとにいますからね。どのベクトルにそのイタさを爆発させてるかってだけの問題だから、こういうタイプの人もいるのかも。多少誇張と演出があるにせよ、元ネタがあるからこういうドラマに出てくるわけですしね。Iの理解の範疇を完全に逸脱した、モンスターもいますのでね。
それにしたって無茶なドラマですね、絵変わりしないでロングカットの演説やら授業やらをずっとやる、みたいな回もある。全員に数学を教えるのなんて無理だ、っていう回もあります、文科省が間違ってるんだって。えらいこと言いますね、今なら必ず自主規制。政府に楯突くことかなはず、なので。でも確かにそうっちゃそうですわね、生徒全員に数学教えるなんて、全員にバク転を出来るまでやらせるみたいなもんです。出来ないもんは出来ないし、出来たところでそれが将来役に立つのはほんの一握り。数学的思考法を身につけるのだ、といいますけど、それもまぁ出来る人もいれば出来ない人もいます、100M10秒切れるひとも切れない人もいる。数学が嫌いで勉強すべて一切合切嫌いになるってこともありますしね。
というか、なんでこの国は学問をそんな重視してんのですかね、教育ってのは兵隊育成が目的だったのですね、文字も読めない、計算も出来ない歩兵では戦争に勝てん。よって普通教育あまねく広がりけり。日本は負けて軍隊は解体されん、教育の目的はいかに?ほんと人生の貴重な時間を将来ちっとも使わない分野の勉強に当てるのはまったくの無駄です、それに必要だ、ってわかってから学んだって十分に間に合いますからね。必要、が学問のスタートだとおもわれむ。
なんかこんなことを書くとIは数学大嫌いみたいですけど、別にそこまで出来ないわけじゃない、むしろ出来るほうです。微分積分だって偏微分だってこなせるのです。ただまじで、一般生活で微分はまだしも積分することなんてたぶんもう死ぬまで無いです。積分が必要な人間なんて0.1%くらいしかいませんよ、なんであんなことをしてたのか・・・。
そいでやっぱ決定的に違うのは携帯が無いってことですね、誰かを探しにでかけたり、探しにいって戻ってきたり、って時に、連絡取る手段が無いのです。だから出会ったり別れたり、が全部偶然。ってことに出来る、ドラマとしてはそれはめちゃありがてぇので、携帯使えばいいじゃん・・ってならないのはほんと助かる、こいつとこいつの2ショットが欲しい、でも普通携帯に連絡あるだろ・・ってなって、電波が入らないわ!みたいなホラー映画のベタベタの説明ゼリフみたいなことをしないですむ。それに携帯が無いからみんなが集まって動く、今だったら現地集合だけど、この時代はいっつも家に集合です。
なんでもないさよなら、とか再会がすべてドラマになるんですよね、こりゃあやりやすいですよ。携帯がドラマをダメにしたってのは本当にそうだと思う。ドラマというのは基本的には、別れ、がテーマなんです。出会って、そして別れる。それは恋人だけじゃなく、敵であるかもしんない。トモダチかもしんない。
それと職員室ですぱすぱ教員がタバコを吸ってるのもすげー奇妙です、髪型とかファッションはそこまで気にならない。ただここもすごい良いって思うのはアイドルで数字を取ろうとしてないことですよね。カワイイ女子をフィーチャーしてこすい数字取りに走らない。たぶんもっと押していけば人気が出るのにっていう美少女もいますのに、すーっとスルーしていく。ジャニーズの事務所の圧力がものすごいのかジャニーズは超優遇されてますけど。
アイドルで数字を取り出したら、もう元には戻せない、劇薬ですからねそれって。ドラマがめちゃくちゃになったのはかなりの部分、カワイイ女をキャスティングするようになったからです。可愛い女を起用するとそれだけになってしまう、オードリヘップバーンや、マリリン・モンローはカワイイのかもしんないけど映画的にはクソ以下です。
以上雑多に書き記すものなり。総評としてかなりの程度荒っ!ってとこが目立つけど、やっぱしよく出来たドラマかも。トドを殺すな、みたいなすごいところを引っ張ってきたりもしてるし、斬新です。