シュヴァンクマイエルはアニメーターの中ではかなりの有名人ですが、一般の映画好きにはあんまし知られてないでしょうね。
なんで巨匠っていわれる人は晩年になると気が狂ってくるというか、セックス、宗教。っていうテーマに溺れていってしまうのか、これはわかりませんが、ヨーロッパってのは特にそうですわね。フェリーニ、キューブリック、シュヴァンクマイエルも。
ただこの映画ひたすらムチャクチャにやりたい放題かとおもいきや、ラスト20分くらいでシュシュシューと、ストーリーをまとめあげて、最後には、ふむふむ・・・なるほどねー。となるようになってます。そこはさすがシュヴァンクマイエル、まだ完全にイッてしまってはないな、デヴィッド・リンチみたいなことにはなってないなっていう感じ。
ルナシー、狂気、マルキ・サドが原作ってなってますが、筋としてはフーコーの狂気の歴史がベースになってます。まぁいわゆる、精神病棟ものですよね。
この精神病棟モノ、ってのもカッコーの素、など、型、が成立しているもんです。精神病棟と限らずにサナトリウムものっていったらいいのか。マジックマウンテンとか、監獄島とか。つまるとこクローズサークルものですね。閉じ込められた空間で広げられる人間模様、ある意味では学園モノもそう。ハナシが広がり過ぎないのにいいのですね。
しかしまぁ・・・、普通の人が見るような映画じゃないですわねw 肉が食えなくなる。気持ちわる~くなること請け合いなのでダイエット中の人にはいいかも。特にステーキとかは二度とたべたくなくなるでしょう。