2014年1月30日木曜日

OPUS 9 台本バックアップ

備忘録となくした時の為に、台本をあげます、超ネタバレなので、読むべきではないのかも、けどどうせ、結果は全然違うものになるので。旧ヴァージョンが無い!って時があるし、もし未完成で終わった時にはあぁこういうオチをつける気だったんだなぁ~と見てもらえば幸い。


 D本
                             OP9               D本
薫とユキ
薫の部屋へいく
Y「かーーーおるくんあそびましょ」
「・・・」
Y「ドンドン、おい無視しないでよ」
薫「なんでせう、いやヘッドフォンつけてた」
Y「ちょっとお話でもしようよ(なんで半裸?)なんか仕事のグループが違って一言も話しをしてないからさ」
薫「話しってなんの?」
Y「雑談。ベースですか、今どきアナログ楽器なんて珍しいすね」
薫「アナログのほうが弾いてて楽しいもの、それにスラッパーを打ち込むのは手間だよ」
Y「ダイエットにもなるしね」
薫「?ないなぁその発想」
Y「お酒をくすねてきちゃった。なんかいっぱいあるから試し飲みしてるのだよね。どこ製かわからないウィスキーソーダ。Iが無知なのか、なんなのか薫君とハナは金持ちの子なんでせう?」
薫「一応(勝手に飲んでいいのか?)」
Y「なんなん?何系の金持ちなん?」
薫「土地貸しから金貸し、特権売買などいろいろでしょう、よくはしらんけど。ギャングと対して変わらないよ、政府公認のギャングが財閥なんでしょう」
Y「・・・(皮肉屋やね)ハナはなんであんないっつもピリピリしてんのかな?なんかお家の掟でもあるん?」
薫「しらーーんよ、同じ一族なのかもしんないけど、会うのなんて一年に一回くらいだもん、たまたま年が同じだからそんなかではまぁ知ってるほうだけど、めちゃめちゃ数がいるもの。あいつはでも直系っつーか、跡取りだからいろいろあるんじゃないですか?Iなんてはじっこもはじだから気楽なものです」
Y「じゃあやっぱし金持ちのコドモコンプレックスなんかな?金持ちのコドモは一番苦しまないといけないんだ、みたいな?宮沢賢治的ノリかな」
薫「・・・ちゃうんじゃない、ただ他人と関わるのが面倒なだけじゃないの?」
Y「えらいスパルタ教育なん?」
薫「全然、むしろ逆、可能な限りスポイルされてるよ、なーーーーんでもわがままきいてもらえるだろうし。他人はブタみたいに屠殺するけど家族には優しいからさ、イタリア系ってのは」
Y「(確かに顔立ちがイタリア系だよね)あぁー、すごいわかった気がするな、だから反発するにも出来なくて鬱屈するのだろうね、嫌いになりたいのに、なれないって感じで」
薫「さぁ、そんなものですかね。でも若い女なんてみんなだいたいそうじゃないの?作り笑いばっかしして、なんか他人と差をつけよう、みたいにギロギロしてんじゃん、トモダチー、とかいいながら腹の中ではごろごろしてて。湊さんがなんか意表をついた当たり方をするから特別に見えるだけで、別に普通だよ、ハンナみたいなのって、湊さんが普通じゃないんだって(そんなあぐらかいて座るやつオンナいないって)」
Y「ハハハ、かもね。Iもそぉみえる?若いオンナ特有の妙なオーラ出してる?」
薫「全然、でもそぉいう子っているよね、オンナグループには溶け込まなくてオトコばっかしと仲いいけど、だんだんこぉ周りのオンナの子はオンナになってきて、自分だけオトコ友達ばっかなのも妙になってきて居場所が無くなるみたいなの。といって今更化粧だの恋愛だのくだらねぇ話しばっかしてる女友達に合わせるのがしんどくなってるやつ」
Y「んふふふふふ、尖すぎるな。見てきたようだねIの中学時代を」
薫「どっかで、オトコがみんなバカなんじゃなくてオンナに関わり合ってるようなオトコはバカで、内容があるようなオトコは対してオンナに興味がないんだな、って気づくのだよね。相手にされてねぇじゃん、ってさ」
Y「イタいとこつきますなぁほんとに。ユズはどぉ分析してるの?」
薫「一見ふつーの良い子みたいだけど、なんか底が知れないとこがあって怖い。あんましいないタイプ、そいでたぶんめちゃめちゃ賢いんでしょう、そんな感じがする。海里先生とかアムス先生と同じタイプだ」
Y「すごいなぁ、ホームズみたい。そぉは見せないのにね。ほいでヤローはかなりのモンスターだから気をつけたほうがいいですよ」
薫「何系のモンスターなの?」
Y「(セックスマシーン)・・・ん~?それは秘密。なるほどよくわかった。
 いきなり実際的話しだけど海里のヤローのテスト対策はどうしてる?なんか読めた?」
薫「見ての通りベース弾いてますからね、半分諦めた。範囲が膨大すぎるんだもの、何を出して来るのかわかんないし・・LABのマニュアルだけはちゃんと読んだけど。やるべきことはやったしあとは座して死を待とうと思って」
Y「あはは、そっか。あの映像を見返してわかったんだけど、あのバカは詳細は自習しろってぽつりと言ってたよ。講義の中から出すってことじゃあ無くて、あれを参考に自習せよってことなんだろうね。普通の教員ならサバティエ回路とphotosynthesisくらいでゴキゲンを伺ってくると思うけど、そうはイカのキンタマってことなんでしょう・・・」
薫「Calvin cycle覚えろってこと?(キンタマて・・原語かよ)」
Y「ん~くさいとこだよね。ワレワレの教員がまともであることを願うしかあるまいね
じゃあおやすみなさい。曲ができたら聴かせてね~」
薫「ベースソロで曲なんかできないよ」
Y「バッハの無伴奏でも弾けばいいじゃん」
薫(エレキで?)


 Y「わたぁ!」
ユズがまたベッドに潜り込む
Y「あなたIが眠りにつくギリギリのタイミングを見極める能力でもあるわけ」
Z「あります、なんかシアワセな顔してる時は寝てる時なんです」
Y「じゃあ寝かせておけ」
Z「薫君の部屋に1人で行ってたでしょう」
Y「だから何?ストーカーさん」
Z「何してたんですか?」
Y「話し合いだよ、テスト勉強分配しよーぜって、ユズにもしたやんけ」
Z「じゃあIも連れてってくれたらよかったのに!」
Y「二人っきりで話してみたかったんだよ、どんな人かと思って」
Z「なんで二人っきりじゃないと行けないのですか!ちょっとはっきりさせましょう、ユキは薫君には手を出さないで下さい」
Y「なんでオマエが決めるのだ」
Z「だって!知ってるじゃないですか、Iは・・・」
Y「(セックス)レスが長く続くと死んじゃうって、けどIだってずっと干物ってわけにもいかないじゃん、シェアリングってことでいいでしょ」
Z「・・・・独り占めはダメですよ」
Y「わぁったよ・・」
Z「・・・・Iに頼んでくれてもいいんですからね」
Y「・・(めんどくさいから流しておこう)わかったわかった、だから寝かして」
Z「・・チェリーなんすかね?」
Y「どー考えてもソレはないでしょう、女の扱いにもなれとるし」
Z「ですよね、じゃあどっちが先でもいっか、おやすみです。Iまだまだおなべしないといけないから・・」
Y「よなべでしょ、オカマになる気かよ」
Z「まぁでも両刀ですからね」
Y(・・完全にひらきなおってやがる・・・)

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K&YZ

カレンが普通にスパゲッティを食べてる
Z「わぁ~ひと大杉ですね~」
Y「あそこ空いてるじゃん」
Y「せやっす、おとなり失礼」
Z(うわ~そこ座るかぁ・・)
R「ん~」
Y「カレンさんのちかくはみんな避けてるみたいだから、あえて座ってみました」
R「ん~・・そういうこと言う?別にIが近くに座るなって言ってるわけじゃねぇし」
Y「I年上の人って超ニガテなんですけど一体何をしゃべったらいいんですかね」
R「知らんよこっちが聞きたいくらい10くらい年下の子と何しゃべったらいいのか」
Y「あぇっそんなに違うんですね・・・カレンさんトモダチとかいないんですか」
Z「そんな質問・・・」
R「アハハ・・・いいよストレートなほうが伝わるし。あんまいないかな・・付き合いあるのが生徒とそのトモダチだけで、えらそーにしてるのってすごいださーいよね」
Y「でもいい先生ってそういうもんじゃないですか、すごいいい先生ってだいたい先生たちの間ではポツーンって感じですよ」
Z「あっそれすごーいわかる」
R「Iもニガテだな年上ってさ、全員死ねばいいのにって思うよね」
Y「えへへ、あっそういう人ですか、カレンさんって」
R「そういう人って?」
Y「虚無主義者」
R「ナイアリストね、でもナイアリストにもいろいろいてさ、ツァーリを爆破せよ、みたいな行動的なヤツもいるじゃん、でも虚無的だからってなんで破壊的であるのかってのは謎だよね、かんけーねぇもの」
Y「でもデカルトは存在することは、存在しないよりも良いことだ、神はすべての良い性質を持つものだ、よって神は存在する、って言ってますよ。本体論的証明。オキシデントたちはそういう文脈でものを考えてるんちゃいますか、すべては無だ、っていう発想と、コギト、っていう発想は同じだと思うし結局デカルト空間につかまったまま・・・こんな話しますか?」
R「いや・・やめる。湊さんは自分だったらどうするの10も年下の子と話すとして」
Y「え~、むっかしぃ大喜利すなぁ・・・10も下だったら小学校のクソガキだし・・」
Z「ゲームとかじゃないですか10のガキなんてゲームさえやらせときゃ間が持つし」
Y「あと湊さんはやめてくださいよ、ユキでいいです。湊さんって誰?って感じがすごいする」
Z(さらっと無視された)
Y「カレン先生は何の先生なんですか?専門は」
R「音楽、」
Y「・・・ん?」
R「MUSIC」
Y「何の冗談ですか?」
R「音楽だよ、バッハ、モーツァルトとかの、特に音響科学っつーのかな」
Y「何の関係もないじゃないですか」
R「じゃあその話してあげよっか。Iとルーは、ルーってニーナのことね。10くらいまでプライベートスクールいってそいでルーは軍事技術をやるっつって、CERN系の特別大学に入ったわけ、Iはウィーンの音楽学校行って、ちょこちょこ作曲の勉強してよし卒業ってことになって、さぁ音楽書こうッて思ったらさ、あれ・・、何を書けばいいんだっけ?ってふと立ち止まってさ、なんにも書けなくなったんだよね。まさか今更古典派、ロマン派のシンフォニー書くわけにもいかないし、現代音楽といっても、何から手をつけたらいいかわかんないし、ポピュラー音楽を書く理由もないんだよね。だってI別にオカネに困ってるわけでもないし、音楽売って金儲けする必要もない、貧乏でも夢を見てがんばろーな!みたいなコト言うわけにもいかないじゃん、夢を叶えるってことはたいていお金持ちになるってことで、もとから夢かなってるしな、ってなもので、あるいはこの社会はクソだ!みたいなラップなんてありえないし。
 Iは一体どんな音楽を書けばいいんだろうって音符一つ書く前からスランプになっちゃって、そのときにルーがどうしても人手がいるから、ちょっと手伝って、CNFRっていう、CERNの新しいプロジェクトが決まってそれに入ることになったんだ、ってね。別にIも科学が嫌いなわけじゃないからまぁいいかって感じですね。そっからルーがどんどん偉くなっちゃって、Iも抜けるに抜けらんなくなってたら、カイがもうIは抜けます、一緒に来ませんかっていう感じで、ちょうど一段落ついたとこだったし、あっ、辞めどきだな、って思ってこうなったわけだね。Iも今回はもう一応みんなの管理はするけど、実際の仕事にはほとんどタッチしないことにしたんだ、もう引退」
Y「ほえ~、物事に歴史有りですな。モーツァルトっていうとI最近モーツァルトに手を出してるんです、前までずっと嫌いだったんです。神童だって、あいつ学校行ってねぇじゃん、学校行かないでずっと作曲やってたらそりゃ10代でシンフォニーくらいかけるでしょう、キャリア10年以上のベテランなんだからって。曲もなんか明るすぎるって思ってたんです、けどふっと気がついたらモーツァルトって、ほぼクラシックでは唯一の若くして貧困で夭折した悲劇の作曲家なんですよね、作曲家ってだいたい長生きなのに、しかも貧しくて若死にしたってのはなんだろう、Iに言わせると一番作曲家らしい生き様だな~って思う・・・、ゴッホタイプだな。と思って。もしかしたらモーツァルトって普通の人だったのかもしれないと思うようになったのです、道化をやるのは、カネを稼ぐためで。神童じゃなくて神童を演じなきゃいけなかったんだなって、そう考えると、ベートーヴェンの作られた悲劇のポーズよりも、一番純粋だったのはモーツァルトなんじゃないかな?って思うようになったんですね、音楽にすがるよりほかに無いっていうのか、それはただ音楽が好きだからやるっていうのよりも、必要と必要があって、必要十分で、それが一番誠実なんだと思うんですよね。なんかそう思い始めると他のロマン派やらがなんかしょっとるなぁおいって感じで聞けなくなりますね」
R「・・・あれだね、ユキはIと考え方が似てるのかもね、若いのにいいコトいうな~って普通に思ったもの」
Y「アムス先生が実はキャラがかぶってるって言ってましたよ」
R「え~・・・かぶってな・・・、かぶってるのかな・・」
Z「似てるかもしんないですね、Iもなんとなく、しゃべり方が似てるなぁって思ってましたよ」
R「ふ~ん、あっ時間です、休憩交代、ほいじゃまたね」

Y「あれだね、カレン先生っていい人っぽいなぁ、Iもあぁいう感じになればいいんだな。Iは初めてオトナであっこういう風になればいいんだなってロールモデルを見つけた気分」
Z「オトナのエロスですね」
Y(・・ダメだこいつ、あらゆるニンゲンをエロの観点からしか見てない)

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 テスト

 問題
Mars へ移住するプロジェクトを計画せよ。予算に関しては不問とする。エンジンの機能、マテリアルの強度は別途ファイル参照。
 (シュミレーションにかけてMarsに到着出来るものは9割、Iが作った計画よりも優れたものは100点とする)
 

 頭を抱える四人
(悪魔め!)

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 結果発表
海里「シュミレーション結果を返します。橘ハンナ、空力計算がズタズタ、これじゃあ飛びません。橘薫、重力計算がボロボロ、墜落します。湊ユキ、デザインにこだわりすぎ、未完成で0点。神無海柚木、ちょっと居残り。じゃあ荷物をまとめて懲罰房へどうぞ。再テストも問題は同じだから」
ユズキ「え~、お説教ですか・・」
ハンナ「ムチャクチャ・・」
薫「一生独房生活かもしれないぜ、大気圏も突破出来んわ・・」
ユキ「時間制限なんてなー・・」
 三人はける

海里「ゆっちゃん」
ユズキ「なんですか・・なんでIだけお説教なんですか」
海里「合格。95点、Iには及ばなかったけどね」
Z「おっ!やったぜ・・じゃあなんで居残りにさせたんですか」
海里「いやあの三人にもプライドがあると思ってね。年下に抜かれるのは辛いものなんだろうね、逆の立場でそういう経験がかなりあるから」
Z「そぉいうものかな、ユキはそんなん気にしない人ですよ」
K「だろうね、でも当初の予定は狂っちゃったけどね、みんなペケにさせて四人で協力させてやらせようと思ったのに、独房っていっても四人の部屋は通信出来るようにしてたの。それで仲良くなれるようにしようと思って」
Z「へ~~、考えてたんですね。ムチャクチャな問題だすバカ教員だと思ってました」
K「・・・・、カレン先生がそうしろって言ってくれたのもあるけど・・・。でもあれなんだよねゆっちゃんってイギリス生まれでイートンSECの出身なんだものね、途中でやめたみたいだけど。AXA君の後輩だ。なんでやめたの?」
Z「黒歴史だからしゃべりたくないですね、学校がイヤだったっていうよりは家の問題ですよ」
K「へ~・・でも計画がぽしゃっちゃったね、ゆっちゃんだけ通信出来ないってのは妙だし、わざとわかんないフリも出来ないものね。じゃあ最初の再テストで合格したってことにしよっか、あとは口裏合わせてね」
Z「ほいほい。なんか合格祝い無いんですか?」
K「宿題出そっか」
Z「ノーサンクス」
K「・・ゆっちゃんはまだそのなつかない感じなんだね」
Z「Ja、1人ぐらい問題児がいるほうがいいでしょう?基本的にIは教員ってのを信用してないですし」
K「・・・若いころのIに似とるな~・・・・・、わざと手を抜くのやめたら?」
Z「・・・なんのことやら、ってかやっぱし説教ですか?」
K「Iもバカで売ってはないからわかるよ三回もテストやればね、わざと間違えとるなぁ、くらいはさ。Iをなめすぎ、少しは信用してくれていいよ。生徒が先生を抜いてしまってきまずい思いをさせたりはしないしね」
Z「・・・偉い自信すなぁ・・(頭をかいて遠い目)、先生もIをなめすぎですよじゃあ。そうやって焚き付けて使い物になるようにしようってのもわかってるし、そうやって・・能力を見せつけてると、どんどん孤立してしんどいだけだってのをIは知ってますから。他人に自分の能力をひけらかすのはやめたんです、NO GAIN 何の為だ?ってね。誰かに役に立つって思われてたい、好きになって欲しいってわけでもない限り。別にIは先生に好きになって欲しくてここにいるわけじゃないですから」
K「嫌われとるもな~w まぁいいよ、でもいずれ逃げられないと思うな。逃げ切れるならそれでいいけど。そんな時代じゃないもの。それに、Iの役に立ってくれなくたってIはゆっちゃんが好きだよ、Iとすごい似てるもん、目上に媚びるのが大嫌いなとことかね」

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大熊座の話
 
 
「では無事出港というわけで、乾杯」
「CHEERS!」
ようやく引っ越しが終わって出発したフネ。飲み会を甲板でやって星を見てる・・・
Z「めっちゃくちゃ星キレイですなぁ・・船乗りってこういうわけで船から離れたくないんだなぁ、静かだし」
Y「(ワインを飲みつつ)ウェルテルが死ぬ前になんて言ったか知ってる?死ぬのは惜しくないけど、あの大熊座の星を見れなくなるのは残念だ、って言ったんだよ。大熊座じゃなかったかもしんないけど。このトカイワインっていうのうまぁい!」
K「あっまぁ、なにこれ?・・・甘党だなぁほんとに」
R「大熊座って・・たぶん北斗七星のことだよ」
Z「へぇ~・・星が無い空だとすぐに見つかるけど綺麗な星空だと見つかんないですね」
A「ユズちゃん深いことを言うね」
Z「AMS先生オレンジジュースて」
K「たぶん北極星のコトじゃない?ポラリス。フネといえばポラリスだものね」
Y「ともかく随分Iたちはそっから離れてしまったね。ガキの頃はさ、そういうなんか美しいコトバみたいなのを、何言ってんだこのバカ、と思ってたんだけど、たぶん、違うんだよね、その時代に生きてたら、Iも大熊座を見ているだけで嬉しかったのかもしんない、羊を小屋に帰して、パンを食べて、空を見上げて星座を見るような生活をしてたらね。
 昔の人は退屈で死にそうだったのじゃないかとIたちはどうしても思ってしまうけど、どうもそれも違うみたいだよね。イベント結構たくさんあるもの、祭りだとかなんだとか。昔のカレンダーとか見るとわかる、なんだか毎日祭りがあるぞ、なんちゃら神やら聖人祭ってさ。教会だ、神社だ、古墳だピラミッドだ、建てるのも忙しいし。街を作るってのも昔のヒトの表現形態だったでしょう、現代のヒトには、街とか国家を作るっていう表現の仕方は出来ない、全部マネーゲームで国家や大企業が勝手に決めてしまう。それは自由が無いとも言えるし、けれどそういうのに参加も出来ないというのはまったく孤立して街や社会を作るっていう権利を剥奪されてるとも言えるわけで。自由はあるけど権利が無い。それが慢性的無力感の正体だね。
 そういう風に強制イベントだけど、みんなでつくり上げるってのはやっぱしなかなか楽しかったりしてさ。ある程度強制がなきゃニンゲンって協力できなかったりするもの。特にあんまり社交的じゃなかったりするニンゲンを排除するようになる。それでは本当はダメなんだよね、厚みが無いペラペラのものになってしまう。12少年漂流記じゃないけど、泣き虫だったり、力だけだったり、でもそれが補いあって、誰も見捨てないから、いいのであってね。不安定だからこそ、レイヤーがあるんだよね。仲が悪いバンドのアルバムってなんかいいものね。
 現代建築やら新規開発の街とかってって恐ろしく存在感が無いもん。中東の石油タウンみたいにさペラペラのハリボテ、全部同じやんってね」
R「だからIたちみたいなエリートだけで構成された集団は鼻につくんだね、ペラペラだものね、エリートってやつは。シャトーマルゴーなんて飲みやがってね。鼻につくでしょうな」
Y「あはは、そういうつもりではなかったのですが・・しゃべってるうちにそういう結論になりましたな。でもそういうものが無くなって、コミュニティとか自然を失って、部屋で1人ぼっちでテレビとか見てるほうが、よっぽど退屈なのかもなと思う。表現が個人的なものばかりになってきてて・・・天才主義、なんですよね。コミュニティの表現力が無い。それではね、こつんと押せばパタンと倒れるんですよ。そして倒れているんですよ・・・もちろんその天才がヒトラーみたいな強烈なスタイルをもった本当の天才であれば、新しいものを切り開くこともできるのでしょうけど・・・・
 シャトーマルゴーってバカ高ワインでしょう?おいしいのですか?」
R「ようこそ堕落と退廃の貴族の世界へ、2008だよ」
ハナ「ちょっとまだ浅いですね、シャトマルは古いほうがいいな」

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 アムスによるサバティエ回路の説明と エントロピーの説明。

 ともかくデータを集めていかないといけない、反応する温度、圧力の最大効率・・触媒の改良・・

Y「ときに少し質問ですけど、熱損失は常に発生するってのは、永久機関が無理ってことからもわかるんですが・・・なんでそうなんですか?」
A「・・・?つまりエントロピーはなんで増大するんですか?っていうことだよね。普通それはただ自然がそうだから、公理みたいな調子で扱われるのだけど。
 ・・・そだね、仮に完全な系 (システム) があったとして、それは外部からまったく独立してるでしょう、それは閉じた系だから。それは実は存在しても存在しなくても同値なんだよね、閉じた系には外から影響を与えることが出来ないし、影響も受けないから。
 というよりも逆に、不完全な系、のことを、存在。と呼ぶのだと考えたらどうでしょう。物質と反物質がコライドすると消えてなくなる、消えない片われ、だけが存在する。自発的対称性の破れ、なんていうけれど、エントロピーが増大しているからこそ、存在、というものがある。すべてが全対称であったら、何も存在しない。
 ただじゃあどうやって最初に物が生まれるのか?ってのは、時間、一瞬で対称を考えるからで、すべての時間が無くなった時に、存在は同値になって、すべてが閉じる。時間を区切る、のは実は時間の性質と矛盾してるのでしょうね。全時間でみれば、たし引き0なんだけど、瞬間でみると不完全が生じてる、それを存在、と呼んでいる。
 どのスケールでもそれは成立していて、宇宙も、たぶん全時間で考えると0なんだけど、不完全な宇宙の片割れとして宇宙が0からぽんと生まれて、最後にはぶつかってまた0に戻る、そういうふうにして宇宙は何個でも無限に生まれては消えていってるのではないかな?
Iの感覚ではそんな感じ」
Y「ほ~・・パチパチ、ワレラの大将よりもよっぽどわかりやすいですね」
A「ハハ、カイはあれなんだよ、なんとなく、で考えるってのが出来ない人だから。全部かっちりデータがとれてないとイライラしてしまって、教える時も適等に概念だけ与えるみたいなのがイヤなんだろうな」


///////////////
ニーナ登場シーン

N「ねっカイはどこかわかる?」
Y「えっ四階じゃないですか、呼びますか?(あれ、どっかで見た顔・・)、あっいましたよ」
 たまたまカイが通りかかる
K「おぅっ!?やべっ!」
 Nがカイを殴る

Y(イっっったぁ・・・もろ顎入ったなぁ)
N「ドゥラック!!何か言うことないの!!」
K「す・・いまへん・・」
Y(なんか前にもこれ見たぞ・・)

N「このバカ・・殴ったこっちだって痛いのだよ、いやIのほうが痛いよ、胸がイタイ。愛する愛弟子を・・てめぇコノヤローおまえらが逃げたおかげでIがどんだけ残業させられたかわかってんのかコラぁ、契約書に期日書いてんだぞこっちは・・おい、なめてっと今度は殺すぞ」
K「すいませんて・・・反省してますよ、悪いなぁ・・・とは(ちょっとだけ)思ってたんです・・・ほいで何しに来たんですか・・?忙しいんでしょう」
N「手伝いにね!1人じゃ大変でしょう」
K「お断りします」
N「この~~遠慮するなって」
K「マジです、今度は1人でやってみたいんです」
N「・・・・カイ、ほんとにIと縁を切ろうって思ってるの?」
K「・・・」
X「カイ、大丈夫だよ。ニーナに頼らないくても、自分で決めろよ」
N「AXA・・・(こいつか・・)」
X「おひさしゅうです、ってついこないだ会ったか」
N「で?Iを裏切ってこの優男につくってわけかい?」
K「・・・・ニーナはずっとニーナのままです。Iにとっての先生は1人だけです」
N「この~~かわゆいやつ!べ~~!ざまぁみろ優男め!!だれでも自分の思い通りになると思うなよ」
X「ふふふふ・・・(マジで腹立つなこいつだけは・・)」
K「でもアレですよ、ほんとに、1人でやろうと思うんです。干渉しないでくださいよ」
N「わかったよ、好きにすりゃあいいじゃん。でもIもちょこちょこでもここ訪れようと思うよ」
R「うわっ!地上で一番会いたくないヤツに会ってしまった!」
N「チャオ、これからは結構会えるよ、なるべく顔出す」
R「えっ!!超やだ!」
N「私の分身である愛すべき妹もいるしね、愛弟子も、兄弟弟子も、好敵手もおるしね」
K「監視ってことでしょう、ご用心なこってす」
N「でもアレに手を付けられるのはIとカイしかいないんだから、Iがいたほうがいいでしょう。全部カイにまかせるけど、ちゃんと手伝ってあげるよ」
K「・・・打算的にはすごい助かるっていう自分もいるなぁ・・(仕事だけは誰よりも信頼出来るし)。でも無駄足ですよ、漏らすつもりもないし、たぶんAXA君だってそれ目的じゃないですもん。ほんとに時間の無駄になっちゃいますよ?それもわかってるじゃないですか」
N「わかってるよ。でもなんか・・楽しそうだったんだもん。Iだけ仲間外れじゃたまらないじゃん、そういうわけなんでみんなよろしくね~♪」
R「サイアクだな・・恐れていた事態になってしまった」
N「じゃあプロジェクトのリーダーはIにチェンジでいいよね」
R「それはうん、どうぞ」
K「かる~~」
N「よし、じゃあ張り切ってみなさんお仕事どうぞ。NFRはどこまで出来てんの?見して見して」
K「まだ全然ですよ」

Y「・・とにかくなんにせよすごいってのはわかったな、なんか、テンション高いし」
R「かかわり合いにならないほうがいいよ、これはマジで」
Y「やっぱ似てますね」
R「・・最初だから許すけど今度から殴るからね。Iとあいつを比べたら」
Y「・・はい(マジですやん・・)」

////////////////////
 
給料
 ユキたちの部屋に海里がくる
海里「やっ。初めて来たね、こっちの部屋には・・なんか代わり映えしないね。結局二人でそういう感じで」
ユズ「何が言いたいのですか?」
海里「別に何にもないよ、なんでちょっと攻撃的なの?(Z てめぇの宿題が多すぎるからだよ)・・あっ、二人とも今月から給料が入るようになってるから、口座はどこにする?手渡しのほうがいい?」
Y「ん~、確かにガチで肉体労働をやらされてるからいらないとは言えないけど。あの・・居候させてもらってた時の生活費を天引きしといてね。口座なんてどこだっていいよ、カネなんて使い用がないじゃんこの生活では」
Z「らしいですね、そんなことをちゃんとおぼえているなんて」
海里「ね~かわいくないよね」
Z「海里先生的にはなにか安全な資産ってありますか?金もヤバイっていうし」
K「さっぱしそんなん詳しくないけど・・・、ゴールドも確かに人工的に作れるようになるだろうしね・・・・、土地だってクーデタで権利消滅したら終わりだし。というか死ぬからね、ニンゲンはたった100年で。それが巨大すぎるリスクだよ、リスクマネジメントとかいってるけど、死ぬっていうリスクはガン無視だからね・・・それを考えると、死なない為の研究にあてるのがいいのじゃないかな」
Y「うわっ・・ひいた」
Z「医療研究ってことですか?ガン治療とか?」
Y「ちゃがうよ、このヒトたちの言ってるのは。老化遺伝子を無くして、テロメアがなんだかんだって話でしょう」
K「そだね、別にIがそれやれって言ってるわけじゃないじゃん、ただ、一番リスクを抑える投資ってそうじゃないってことだよ。始皇帝はそうしたっていうしね、バカげてるけど、合理的な判断じゃん。財産がある程度ある、としたら不老不死研究に投資するってのは」
Y「別に死ぬのがリスクではないじゃん、死んだらもっと良い世界かもしんないし。リスクの定義が不明瞭、以上ソクラテスの証明でした。話変えて」
K「ど~もユキはそういう、なんか生命工学に過剰反応するアレがありますね、なんで?以外と潔癖症だよねそーいうとこ」
Z「いや・・フツーだと思いますよ、やっぱ海里先生たちが少数派ですって。ただ長生きしたがり嫌いは確かにありますね、理由は知らないけど。夭折願望っつーのか」
K「それもやっぱ潔癖症でしょ、汚れるのを嫌うのでしょう」
Z「ん~・・・、やっぱゲージュツカ気質なんじゃないですかね。かっこつけたがりなんですよ、生への軽蔑がかっこいいと思ってんです。中学生がタバコ吸うみたいに。ガキなんですね」
Y「言いたい放題じゃねぇか、えぇい~このやろう、生かしちゃあ、おけねぇやぁ!(歌舞伎)」
Z「でもそういうとこがカワイイのですよね」

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 資本論読書
 ユキが本を読んでる。(ニーナがごはんを持って登場、ニーナはぱくつきながらしゃべる)
N「やぁ、何読んでるの?紙の本なんて久々見るな」
Y「CAPITALですよ(さすがだな、このレベルの話しかけるなオーラではもろともしないよね)」
N「・・カカカール・マルクスの?20代のオンナが読むような本かね」
Y「ん~・・、Iの家ってテレビとかなかったから、だいたい普通の小説って全部読んでしまったんですよね。いわゆる世界文学っていうんですか・・・。それってダメな読み方ですよね、一番良い物から読んだら、他のものが読めなくなる。ドストエフスキーを超える小説家なんていないんですよ、小説の限界って、やっぱりあるから。
 この本ってけっこうドキュメンタリーとしても面白いし・・・これって友情の物語なんですよね。だから好き。I友情モノに弱いな」
N「・・変わってるなあ、大して人のこと言えないけど」
Y「勉強の本は疲れちゃいますからね、きばらしにはこういうのがいいと思って。ニーナは好きな本とか無いんですか?」
N「あるよ、ニーナ先生が書いた、ルーエル電磁界と最短経路超高磁力分解、応用無人機制作、アンチミサイルシステム・・・」
Y「はいはい」
N「あと未来白書ね、世界科学者連盟の」
Y「どういうハナシですか?」
N「世界人口を抑制するべし、ってことだよ。積極的方法、をとることを進めてるね、あの天才先生は」
Y「・・他人の、書いた本では?」
N「・・・無い」
Y「じゃあ好きなものは」
N「・・・・・I自身」
Y「ほう(モンスターだなこいつ、しかもラスボスクラスの・・)・・・・、恋愛とかはどうですか?」
N「それも実際好きじゃないんだよね、セックスも好きじゃない。あっ、割とヒトと話すの好きだな、生きてるから。オーラル・コミュニケーションはオーラルセックスよりも楽しいよね。こぉ・・なんだろ、ライブ感があるじゃん、テンポだとか間、そういうのって、いいな」
Y「あぁ、ライブ派ニンゲンなんですね。いますね、演劇とかライブのほうが好きって人。I基本ネクラーソフで外出ないヒトだから。人混み出ると頭痛いし。それとなんか完結してないとイヤなんですよね、止まってるほうが・・解剖出来て楽しい・・・ニーナ先生・・」
N「何?」
Y「何のために生きてるんですかね、Iたちは」
N「たのしいコト・・・ちゃうね、目的はってことでしょう。楽しいからやってるのでも、好きだからやってるのでもないよ、楽しいのか、どうかを知るために、好きなのかどうかを知るために、セカイを知るために生きてるのじゃないかな。最後までやってみなきゃ楽しいのかどうかも、好きなのかもわかんないでしょう?問題はそれと同じ次元では解決出来ない。アインシュタインってわけで、価値もまたそうで、Iたちがその次元にいるかぎりは人生の価値は判断出来ない。
 とりあえずやってみるしか無いんだよ、正義や価値は客体には存在しない。間違いや正しさも自分で決めるしかない。そのためには、このセカイを知らなきゃいけないでしょ?何も知らないでは判断出来ない。だから出来るだけやってみようってわけですよ。
ごちそうさま。バイ、じゃあしばらく帰ってこれないから、寂しくても頑張れとみんなに伝えて」
Y「また出張ですか」
N「ここが出張なんだよね、どっちかっつーと。でもここのほうがいいな、面白いやつがいっぱいいるし」
Y「じゃあしばらくゴキゲンよう・・」
Y(・・・やっぱラスボスだよな・・・、こっちの心の内面までよまれてるものな・・勝てっこないぞ・・・)

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 ハナとユズキ

Z「ハナさん、新しいアサインと、荷物が届いてますよ、どうぞ」
H「・・・ありがと・・」
Z「・・、あれですよ、ユキとまともに戦っちゃだめですよ、あれは悪徳政治家なんですから。口喧嘩じゃ勝てませんし」
H「うん・・」
Z「・・?じゃ行きます」
H「・・いいよ」
Z「・・えっ?」
H「別に呼び捨てでいいよ、あのバカのおかげで慣れたから。丁寧に話さないでも」
Z「・・(おや?)・・・うん。じゃまたね。」

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 STUDENTS 2
海里先生とその生徒たち
海里「さて、ご存知の通りですけど、研究論文を書かないといけないんだね最終的に。きみたちは。専攻を決めないとね」
薫「別に科学者になりたいわけじゃないから、博士論文書かなくてもいいんだけどな」
ハナ「Iも」
海里「・・・」
ユズキ「そだな、Iも、別に科学者志望ではないです」
ユキ「実はIも」
海里「まずはじめに言っとくけれどIは科学者じゃないよ、サイエンティストでは。なんかごっちゃにされてるよねサイエンス、ってものに技術とか、工学とかをいれるのは。Iはエンジニアだから物を作る人です、職人さんですよ。数学者と測量士や会計士とは違うでしょう?
 サイエンティストはIの感覚では理論を作る人だよ、Iは別に物理の法則なんて探してないからね。たまたま必要になれば見つけようとするかもしんないけど。大学の教授ってことになってるから誤解されてるよね。・・・・そして!ちょと待ってよ、1人もいないってことはないでしょう・・・Iたちみたいになりたい、みたいな・・・リスペクトはないの?」
薫「無いですね、っつーか、あのバカ親が、一応マスターはとっとけっていう家の方針で、どうせマスターとるなら、一番優秀な人がいるところにしろってことで、海里先生になったってことです」
ハナ「まったく同じです。ドクターまで取る必要は無いです」
Z「Iは大学卒業だけでもいいかな・・」
Y「Iも、いや別に大学卒業する必要もないな」
海里「・・・・だめ!!みんなドクターまで取らないとダメ。じゃないと学士号もやらん」
Z「ムチャクチャ言ってますね!」
海里「だってIの最初で最後の生徒なんだもの。いいじゃん別にどうしてもすぐに何かしないといけないってわけじゃないんでしょ?DRまで取っても損は無いでしょうに。それとも、マスターまでやって船降りるの?」
薫「・・・でも完成までやってみようかな?まだわからないです」
ハナ「Iは・・・」
Y「おうちが恋しいから帰るって」
ハナ「帰らないよ!・・最後までちゃんとやります」
海里「じゃあみんなともかく専攻を決めるってことで・・・。別にいますぐ決めろってことじゃないけれど、何か興味があることは?」
ユズキ「Iはデザイナーですファッションの」
海里「じゃあケミカルってことだね、生地ってのはケミカルで作られてるんだから」
Z「わぁ・・強引だ・・・」
薫「音楽と・・スポーツかな?」
海里「じゃあ波動力学だね」
ハナ「Iはアーキテクチャーです、建物のほうの」
Z「へ~そうだったんですね、初耳」
海里「じゃあ材料力学と構造力学だね、得意分野だ。ほらぽんぽん決まったじゃん。ユキは?」
ユキ「・・・・えーーー・・・映画監督、だったけどな、それだと光学ってことになるんでしょう?」
海里「コンピュータ・グラフィックならすごいいい先生がいるじゃん、AMSはそれ専門だし」
ユキ「ん~~、それよりももっとさ・・目で見るんじゃなくて、脳で直接情報処理出来るんでしょう?目で見るよりもそっちのほうが良さそうだと思うな。キヲクをそのまま見るみたいなの・・・実際、脳にそうやって感覚が、打ち込めるなら、外の世界はいらないものね。どんな感覚や経験も、ようは電位っていう、コードに分解されるんでしょう」
海里「ニューロサイエンスってことでしょう。いいと思うよ、AXA君が詳しいだろうし、実は今一番人気があるところだしね」
ユキ「でもなんかそういうのってちょと後ろ向きだね、結局RWを全否定してるものね」
海里「ユキって基本後ろ向きだよ、自分で気づいてないかもしんないけど」
ユキ「ハハハハハッ(この子は、核心をついてきよるなぁ)」
Z「めっちゃウケてますね」
ユキ「でも自己弁解させていただくとね、どうも生まれが悪いことも関係あって、なんか、初期投資にカネがかかるものって結局誰の為になるんだろう?っていう抵抗があるんだよね。
 そぉいう・・物理的制約が無い世界があったらそっちのほうが楽しそうじゃん。その物理的制約の無い世界っていうフレームワークづくりなんだよ、内容を否定してるわけじゃない。
 セカイカエル、の意味合いが違うのだよね change the world じゃなくて、 making another world 。Iはこの今、のこのセカイが、好きじゃない。と本音をしゃべってみる」
海里「言いたいことはすごいわかるよ。じゃあ、ケミカルと物理学関係もIが教えられるから、ユキのことはAXA君に頼んでみるね、Iはメディカルサイエンスはやってないからさ。だめだったら誰か他を探してもらう」
Y「なんかオオゴトになってるけど・・そこまで絶対にやりたいってわけでもないのですけど・・」
K「心配しないでも大丈夫だって、もしダメだったらAMSにメディカルも勉強させればいいんだし」
薫「先生はAMSさんには無茶しますよね」
K「叩けば伸びるタイプだからさ、金属イオン結合。ゆっちゃんも同じタイプだと思うな、口では無理無理、限界限界、いうけど、負荷をかければ返りがちゃんとある」
Z(・・・よまれてる・・・)
K「実のところ、Iの後継者はゆっちゃんだと思うな。なんだかんだごまかして素粒子工学をやらせてIはゆっちゃんにIの後をつがせようとおもってる」
Z「めちゃくちゃ言いますね!!それ口に出しちゃダメじゃないですか、何言ってるんですか!」
K「うん、なんか言ってみようと思って。ユキがおもわぬ本音をしゃべってるから、Iもそうしようと思って。頼めば断れないだろうし、口ではなんだかんだとごねるだろうけど、結局誰かに伝えないといけないと思うし」
Y「アハハ、ユズがんばってね」
薫「Iも応援するわ」
H「出来る限りはね」
Z「やるなんていってない!」

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 ユズの服飾について
 ユズがちくちく服を作っておる
薫「まめすなぁ~~」
ユズ「そんなことないって、生地を作るのが一番大変なんだよ。生地は買ってるからね。縫うのなんて仕上げだけでさ。テキスタイル」
ハナ「でも買ったほうが早いし・・なんか理由でもあるの?」
Z「店で売ってる服ってダセェじゃないですか、なんでこの袖にこの手首の搾り方なん!って腹立って夜も眠れないし。レディメイドで良い服なんてめぐりあった事ないし、プレタポルテ買うほど富豪じゃないし、しかもチビ向けに作ってないですもの、向こうの服って。
 それに誰が作ってるのかわかんない服って着たくない、気持ち悪くないですかそういうのって。まったく知らないどっかのチープレイバーで作られた服って。ハイブランドでもそうですからね」
薫「フェアトレードとかそういう話?」
Z「そんな真面目なこっちゃないですけどね。違法労働でも食い扶持が無くなるよりはいいのだ、みたいな事いうヤカラもおるしね。
 でもおしゃれだとかなんとかいって、ただ単に他人が作ったもの選んでるだけやん!って思うから。名画集めてる人が画家だとは誰も思わないでしょう、どこまでいっても自分でつくろうとしないやつはタダのシロウトですよ。
 それに服作るのって面白いですよ、なんかありえないことでしょう、カラダに布をつけてるんですよ、なんじゃそれ!って感じ。服着なきゃ生きていけないイキモノなんて冗談みたいな話しですもん、そのなんじゃそれ!っていう感じがよいのですよ。
 ハイ出来た。ほら、普通のパーカーって下がもちもちしててダサイし、シルエットがタイトじゃないでしょう」





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 AMSとユキ   ISRU シンポジウム

 ユキはアムスのどうしても外せないシンポジウムか何かに一緒に出席することにする・・雨の街を傘をさしながら二人でぽつぽつ歩く

Y「ずっと雨だね、雨とかどうですか?」
A「ふつ~かなぁ、基本ずっと部屋の中にいて天気とか感じないし」
Y「でも髪がまとまんなかったりするじゃんか、先生って髪質固いから大変でしょ?」
A「それはある、だから帽子にしたりする」
Y「・・・年とるとめっちゃ時間が流れるの早いすなぁ。もう◯年もたったんだもんね、まだ高校二年生気分が抜けないけどね、こういう学校っぽいとこくるとくに」
A「Iそういうふつーの学校的なとこ行ってないからわかんないけど。なんかこぉ・・やることが決まってると時間って早い気がするな、やることが無いと長いのじゃない。ユキもやることが決まったからどんどん早く感じるんじゃないかな」
Y「変なこと言うけど・・・なんでアムスはそんなにダイジョウブなの・・カイと一番付き合いが長いのはアムスでしょ?カイがいなくなったらってことは考えないの?なんかあそこの人々ってモチベーションがぶれないよね、それって結構なコトだよ。Iはたまにひとりぼっちになったらどうしようってガクブルしてますよ、夜中とかに」
A「・・・疑ってないから、カイは1人でちゃんと生きてけるし、Iはカイを送り出したら、もっと簡単に往復出来るような、カイがくやしがるようなもっとすごいフネを作って、たぶんすぐに会いにいくから、別にI自身じゃなくてもいいんだけど。コドモの時からずっとIたちはそうしてきたから、ライヴァルってわけで、なんだろ、いつものゲームの続きみたいにしかIは思ってなかったりする・・変かな?変だねやっぱし、火星って遠いものね・・・でもエンジンで、常に加速し続ければ、一週間で着く距離なんだよね。もうちょいエンジンが改良されて・・・
 でもCNFRに行った時もそうだったよ、バカ扱いされた。核融合なんてそんなガキに手が届くようなもんじゃないし、恐ろしく時間がかかるものなんだ。そんなのに参加したら、一生を棒にふることになるかもしんないよってね、それに若いオンナってのも口には出さないけれどえらい言われようでしたよ、あれはニーナが採用してくれたからオンナばっかしになってるだけで、ほかでそんなとこなんて無い、世界中探しても国家プロジェクトで管理職が大半オンナなんてところは無い、たまたまじゃなくて、意図的に、世界一優秀な、オンナ、の科学者が集められたんだ、安いし、嫌われ者だから。まぁそんなのはいいとしてなんだろな・・そぉいう意見を言うヒト自体が結構たいした事ないってことが多いんだよね。経験的にそれを学んだ、学会一優秀、百年に1人の天才、何人も会ったし論文も読んだけれどなんだその程度か。ってさ、よくそれでそんな大言壮語吐いたなぁ・・、大学でちょっと勉強したってだけでしょって。医者ってのがだいたいそうだね。嘘みたいに偉そうだけど、ほんと2,3冊テクスト読んだだけだったりする。たかだか普通の金持ちのボンボンが6年くらいで学校で学んだコトで、ヒトの命を扱うんだから不思議だよね。
 ともかくいざやってみるとさ、別に神秘の力も何も必要無くて、いつの間にかアタリマエっていうか、やってみたらそんなたいしたことないってもので。5年もかかったといえばかかったけど・・・
 宇宙だってそんなもんじゃないかな。なんか未知の空間でも幻想でも夢でも無く、ただちょっと環境が違う場所なんだよ。人類の夢だとか希望だとか言ってるのが恥ずかしくなるくらい、ありふれた空間なんだよ。別に夢があるわけでも、希望が転がってるわけでもない、でもすぐそこにあるんだから、行かない理由もないでしょう。むしろ核融合の時より簡単だよ、やり方はだってだいたいわかってるもの。無人機でやったことを有人機でやるだけだし。今回は誰もバカ扱いされなかったしね。Iたちをバカ扱いするような人がもう少なくなったのはちょっとさみしいけど。
 コロンブスがインドに行ったみたいにさ。インドって別にそれほど大したことないじゃん。大地が黄金で出来てるわけじゃないし。今じゃ旅行でインド行ったっつっても、誰も驚かないでしょ。月や火星だってそうなるだけだよ。こんどヴァカンスでマーズに行ってきた、最初はかっこぃぃーから、なんだよそのベタは、成金黙れっていうふうになる。
 そしてすぐにまた、植民地分割戦争だよ。ここがおれのものだってね。カイはそうなる前に何か考えてるみたいだけど」
Y(・・・改めて実感したけど、ここにいるヒトは、全然違う、Iは自分の呆れた弱虫加減を初めて知る・・)
A「慣れと退屈は一緒に来る、人生は退屈だ、死んでしまおうっていう子がいるね、ユキもそのタイプ」
Y「へへへ」
A「でもIは退屈ってのは悪いことじゃないと思う、そのステップに慣れた、熟練した、マスターしたってことなんだよ、だから次のステップに行かなきゃ。
 火星に行ってみる、太陽系から出てみる、世界から国家を消してみる、それをやらないで退屈退屈言いながら、新しい挑戦をしないヒトはね、ただ単に勇気が無いんだよ。そして対外新しい挑戦ってやつは世界のすべてを敵に回すし、たった1人でやらなきゃいけないことだったりする。命をかけなきゃ始まらない。
 とニーナ先生はよく言うでしょう?あれってだいたいいつもみんなに言うんだ、プレッシャーをかけられる、15才くらいのコドモにだよ?ガツーンと来るよね」
Y「Iは20でもガガーンと来ましたけどね・・・・でもみんななんでそんなに強いのかって思うな、自分の弱さ加減にまったく呆れる毎日であります」
A「アハハ、らしくないね、そういう謙虚な態度。まぁでも自殺しようっていう段階と、誰にもなされていないことをやってやろうっていう段階、その立ってる場所、ってのは表裏一体で同じって気もするけどね、ベクトルが違うだけで。だからクロスロードで出会うのではないかな、カイもユキにあった時そんな気分だったから波長が会ったのじゃないかな」
Y「そんなもんかなぁ・・・違うよ、これでも、みんなに会うまでは、自分は意志が強くて、ストイックで、孤独とかにも負けない、けっこうやるやつなんだっていう自負があったんだもん、でもカイもニーナもカレンも、アムスも・・・イラァくるね、なんだよ、こんなすごいニンゲンが固まって生息しやがって、ってさ。自分よりすごいヒトってのに初めてあるのにそれが集団だとショックが大きいですよ」
A「ンフフ、まぁ・・カイはいいとして、あの双子は異常だよ、ついてこうとしても無理」
Y「なんなのあの二人は?アムスとかから見てもそうなの?」
A「そだね、だって疲れないんだもん、たぶんニーナはIよりもたくさん仕事こなしてるよ、でもアレでしょ?疲れないんだもん。科学界のオカルトだよ、サイボーグなんじゃないって」
Y「マジ?・・・確かにニンゲンじゃねぇな・・」
A「ほいでカレン先生はやる気ないんだ。シエンスにそれほど興味あるわけでもないんだろうし、でもニーナ先生を倒せるのはカレン先生しかいないと思うな、元は同じ一つの魂だったじゃないかってね・・・細胞が」



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   作られなかった映画の話
Y「ホントはウソなんだ、Iにはたった1つだけどうしても作りたい映画があった、なんだと思う?」
K「自分を殺す映画」
Y「さすがによくわかってるね。色んなものを考えたんだ、でも、20にもならない少女が、自分を殺してしまう映画、それは、最期の映画だと思うんだ、映画ってものが取りうる最期の映画、最大の禁じ手、それは文学の少女の自殺とは違う、劇のオフィーリアは実際には死なないで次の講演にも出てくるでしょう。
 けど映画のそれは・・・。
 それを超える映画は作れない、自殺のドキュメンタリーって最後の映画だ、演技じゃなくて本当にグッドバイ。その極限としてやっぱ美少女、しかも10代の、これが一番良いでしょう。一番いい映画が作れるのに他の映画を作ることなんてできない、そのアイデアに囚われたらもう他は無いんだ。
 けど動機は実はもっと別のところにあってさ、ただ美しい映画を作りたいとかそういうのじゃなくて、なんだろうな、人生をすべてなげうって何かに使い果たしてしまいたいっていうか、本当に命がけで何かを作りたいっていう、変な賭博癖みたいな興奮なんだよね、興奮というかパッションというか、自己破滅の快楽というか、結局その幻の名画は、湊ユキちゃん、海里先生に出会うの巻、で無しになっちゃったのだけれど」
K「けど・・・海里先生が現れなくてもその映画は作られなかったと思うな、湊ユキちゃん結構監視されてたもん、俊君にもユズちゃんにも、他にもトモダチいるみたいだったし。
ユキちゃんが本当にその映画を作りたかったのなら、そんな監視されるような人間関係も作って無かったと思うし、湊ユキちゃんっていうキャラクターがそういう映画を作るような、純粋純血無垢ではないんだと思うよ、その映画の美しさをわかる人間ではあるけど、もっと迷いがあって自己矛盾があって・・・わかんないね、どっちだろ、もっと純粋無垢のヒトがその映画を作ったほうが美しいのか迷いがあって人間味のある人間がその映画を作ったほうが、切実なものがあるのか・・・」
Y「・・難しいね確かにそれは、ともかく湊ユキちゃんはえらいカワイイってことだよね、ムチャクチャにレイプしてやりたいな、そんな映画を作ろうともがいてる18才を」
R「ねぇ!ちょっとちょっとちょっと、キミらもっとご飯時には食欲の湧くような話してよ、げっそりするわそんな話」
Y「最後まで聞けば明るくなるのに、焦りすぎですよ。でもね、その迷っているニンゲンとして映画があったならね、テーマは自殺じゃなくなるはずです。どこかで、Iたちはどうやったら人生を、生まれてきたってコトを肯定できるかな。どういう人生だったら生まれてきてよかったといえるのかな?それが見つからなかった、自殺しないのは誠意が無い嘘っぱちになってしまうから。
 映画ってのはその思考実験なんだと思いませんか?こういう運命として生まれてきたら、どうかな、こうだったらどうかな、そうしたらやっぱりこのセカイに生まれてきたいと思うかな、思わないかな。
 Iはそういうのが無い映画はキライだな、I自身、まだわかんなくて、ちょっと流されてみようとおもってなるようになれと、自殺しないで生きてるけれど、それがわかったら、今度こそそれを撮ってみようと思う」
R「・・・いや全然食欲わかないって、もっと・・・たわいない話をすりゃあいいのに生き死にの話をカップ麺食べながらされても困る・・」
Y「たはは、まぁそうですけどね。ちゃうんですよ、基本Iもそうなんですけど、クサイ話しをするタイプじゃないのに、海里と組手を打つとたいがいこぉいう本質的な話しになっちゃうんですって」
K「そう、Iもそぉだもん、ふつーは絶対こういう話しはしない、ですよね?」
R「確かに・・・カイは変わったね・・・前は仕事の話しかしないさっぱしおもしろくない奴だったけど・・・、どっちにしろヤダ。もっとふつーの話しが出来ないものかね。若い女の子らしい、最近のバンドはこれがいい、みたいな」


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 AMSと世紀末イズム
Y「先生、まとまりましたよ」
A「何が?」
Y「あれです、前言ったじゃないですか、アムス先生妙にちょい古な感じがするって」
A「あぁ、えぇ、丁寧にまとめたの?」
Y「頭の中でごろごろ考えてたの、なんか空き時間とかすることないときに考えることをタメてるんですよね」
A「・・・変わってるよね、見た目からは想像つかない」
Y「カイってほら、あれって超越論者じゃないですか、トランセンデンタル、エマーソンとかジャン・パウル、ソロー、ホイットマンみたいな。超人、モチベーションもぶれないし、ふつーのヒトが沈んだり、悲しんだりすることをまったく意に介さないっつーか、弱いところナッシングで、といって神に祈るようなこともない。1人で完成してる」
A「ん~~~~・・・今のカイはね。昔はもうちょっと違かったかな」
Y「そうなんですか?それはまぁいいとして、先生はどっちかっつーと、ゴールとか目標をちゃんと決めるでしょう。でそれにガーッと全部つぎ込んでいけるタイプじゃないですか。次の事を考えないで。
 世紀末以前だったら、もう少し落ち着いてなんか生きる感じがあったんですよ、これはこういう風に、こっちはテイストを変えて。世紀末って刹那主義だから、これが最後の作品だ、すべてこれにつぎ込む、これで廃人になって、死んでもいいや。って感じ。
 でもそれって自分で勝手に自分を追い込んでるというか、勝手に価値の収斂をしてるっていうか、ほんとは、別にただヒトは意味もなく生まれて死ぬだけで、このセカイにはそこまでこだわったりするほど価値のあるものなんて無いのだよ。人生ってのはただの時間の塊でしかないって言ってみたい気持ちにかられるんですよね。なんか切実になりすぎてるなぁ、終末論的だなぁ、って感じがする・・・ベートーヴェンの最後の四重奏曲みたいな感じですね、あぁ・・なんかもっと心がしめっぽい時なら、シンクロ出来るのかもしんないけど、なんか今は、おまえマジやんけ!って真面目か!って笑い飛ばしておきたい時もあるんです、今の時代はそんな感じです、そんな感じだった、かな?」
A「・・・仕事しながらそんな事を考えてるの?」
Y「JA」
A「・・変わってるなぁ・・・、Iは何もあんまり考えてないよ、ちゃんと完成させようって事ばっかし考えてる、いやただたんにノルマルが多すぎて他の事考える余裕がないんだけど」
Y「アルチザンってことですよね、職人気質。Iはゲージュツカ気質だから、なんか人間を、概念として捉えたいんですよね。古典劇みたいに、このキャラクターはタルチュフ、吝嗇の人格化、ミザントロオプ、アカーキエヴィッチ的ゴーゴリ風道化、実存的無神論者キリーロフ、フォールスタッフ、・・・ってな風に、キャラクターとして捉えたがる・・ほんとの人間ってそんなはっきりした哲学を持ってないし、中途半端で曖昧、あんまし一貫性が無いものだってのはわかってるんですけど、そう捉えるとあんまし面白くないから。こぉ、しゃっと輪郭線をはっきり描きたいんですよ、木骨法じゃなくて 
 カイとかユズはくっきり輪郭線があるし、ニーナやカレンもそうなんですけど、先生は輪郭線が薄いですよね、捉えにくい、I自身ももちろんくっきり、コントールがあります。言われないですかね、なんとなく捉えにくいって。とっつきにくいというか」
A「それは言われるかも・・カベがあるって、そんなつもり全然無いんだけどな」
Y「うん、無いですけどね。人見知りってわけでもないんですよね、ほんとは。人見知りってことでなんか適等にカテゴライズされてるけど。そうじゃない、掴みどころのない人格なんですよね、つるつるしてて・・・この演劇のこのキャラクターに似てるってのが無い。(夜はドMのむっつりなんでしょうけど)普段は別にMっ気あるわけじゃないですしね」
A「普段とは・・?」
Y「なんでもないです」


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ユズの昔話
  ハナは媚びないよねぇという話から
Y「実は仲悪いプロレスしてるけど、ほんとはIはあぁいう人に媚びないタイプは好きなんですけどね、昔のユズもあんな感じだったし」
K「え~~~~、超意外」
A「ほんと意外・・」
Y「本人はその話嫌うからいないうちにするけど、昔のユズは今の感じとは全然違ってて、誰にもツンケンしててトモダチNONEのヤバイやつだったのだけど、天才帰国子女ってことで鳴り物いりで転学してきたんだよね」
K「あれっゆっちゃんってどこの生まれ?」
Y「イギリス人だよあのこって。ハーフ」
K「は~じめて知った、たしかに髪が伸びても地毛が金髪だものね」
Y「黒に染めてた時代を知ってるっけ?」
K「知んない」
Y「じゃあカイにあう直前くらいまで黒に染めてたよ、日本テイストとかいって。なんとなくIは昔の自分に会ったみたいにすんなり打ち解けたんだよね。ほらIはそぉいう打ち解けないタイプの人間が気になる人だから。
 ユズはIに聞いてきたのさ、なんでそんなにそつなくやれるんだって?馬鹿馬鹿しいルールだのクソみたいな社会だの、なんでそんなに普通に付き合えるんだって。なんでかはIにもすぐにはわかんなかったんだよね。
 すこししてわかったことは、Iは世間を完全に軽蔑しきってて、なんにも感じないからそうやってちゃんと社会人やってられるんだってわかった。相手をニンゲンだと思ってないんだもん、動く人形か良くてゾンビくらいにしか、だからどんなことだって出来る、恋愛ゲームを攻略するみたいに、こうすればいいんだろってのがわかるし。ユズはヒトが好きだし、徹底的に嫌いになれないし、やっぱ好きでいたいって気持ちがあるんだよね。
 Iは根本的にはやっぱりミザンスロープなんだよ・・・前にも言ったけど、あれなんだ、ペットとかコドモを愛せるヒトっている、Iにはそれは出来ないんだ。自分より優れたヒト、自分を超えてるヒト、にしか興味が持てない。弱いヤツを好きになれないんだよ。自分よりよわっちぃものをかわいー!って出来ないんだ・・・」
K「すっごいわかるけど、別にIは誰にも愛想よくするのは出来ないけどな」
Y「AMSはどう?」
A「えっとぉ・・むっかしいけど・・・、Iも海里寄りだと思う。ゆっちゃんは偉いね」
Y「ユズキはIよりも全然頭いいからね、カイは知ってると思うけど」
K「そだね・・・」
Y「でも今の言い方だと、なんかユズが優しいっていういい感じになってるけど、ただあいつは、肉欲が抑えきれないただの変態だとも言えるんだけどね。人間好きっていうか、肉体が好き、それってでも同じものかもね、人が好きでいたい、ってのと、ともかくセックスしたいってのは。どっちも無いものねIは」
K「その方法論でいくとAMSはあっちがわなんだけどな」
A「何言ってるの?」
Y「Iもそぉ思う。AMSは口だけでほんとはあっちがわだよ」
A「何を言ってるのやら」

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ニーナインタビュー・・
Y「さて我らがリーダーのニーナ大先生にお話を伺いたいと思いまする・・」
N「はぁい!みなさんご機嫌いかが」
Y「ニーナ先生は営業スマイルが100点ですよね、なんでですか?」
N「?別に、いっつも同じ調子じゃん」
Y「いやそこがすごいなと思って、ニーナは海里の先生なんですよね、なんだかんだ自由にやらせるといいつつ、自分の手足になるように操作されてたって海里はこぼしてましたけど」
N「その通りやね」
Y「え~、言い訳0ですか」
N「実際使えるって思ったのだもの、ヒトは自分の役に立つヒトしか愛せないものだから、Iは優しいから自分が愛せるヒトを愛せるように導くのだね、だって愛していたいから、それはつまりIが優しいからだよね、敬称略でいいよ」
Y「(ムチャクチャ言ってるなこのヒト)・・・海里はどうしてニーナを先生にしようと思ったんだろ、こんなことニーナに聴いても仕方ないけど」
N「論文はすごく丁寧だし、文章も洗練されてるからでしょ、よく言われる。文体と人間性が一致してないって、あと才能があるから。実際海里よりも優秀なヒトってのが限られてるからその中から選ぶしかないってのもある、すると結局5人くらいしか選択肢は無いのだよね」
Y「ホイホイですね。ニーナはどうしてこのプロジェクトに参加したんでしょうか?」
N「ん~~~、1つには監視と、1つにはスパイ・・・けれどしなきゃいけない、っていう論理は嫌いだな、したい、欲しい、でなけりゃ。あるいはしたくない、でもいいよ。しなきゃいけない、ってことはこの世にはありはしないよ。Iはカイが結構好きだし、なんか楽しそうだったから。突き詰めればそれが理由。
 もともとIたちは、CNFRで核ミサイルの無力化兵器を作ってたのはご承知の通りでしょ?カイはもう結果が見えててあとはディテールを詰めるって段階になるとやる気がなくなるタイプだから、ワタシもそうだけど。仲間を連れてごっそり抜けやがって、結局Iがほとんど1人でEMGを完成させたのだよ。Iのお仕事はそういう、軍事兵器工学だからね、専門は。一番伝統のある学問」
Y「ニーナはなんで軍事科学やってるんすか?」
N「・・そだね、やりたいことをまっすぐ正直に言うべきならば、Iのやりたいことは、人類を滅ぼすことだろうね、数が多すぎるし鬱陶しいもの。全滅させるってわけじゃないけど上澄み100万くらいで十分。人口を制限する理由はいくらでもあげられるけれど割愛するね。1つあげるとすれば。ニェチャーエフの言うとおりだよ、これから1000年ほどかけて、文明は衰退して、人類は野蛮へと帰ってく。限界点なんだ、科学と人間が両立する。人間は愚劣すぎて扱えない技術が生まれる、生まれるのは止められない。それは暴力の原理だ。暴力はエスカレートする、終わりなく。最後には自分を殺す。
 だんだんと文明がちまちまと衰退するのを眺めているよりは、一思いに全部ぶっ壊していたい、それがIの願いだな。
 けどそういうアイデアや夢ってのは、Iが異常な人間で1人で思ってるわけではなくて、歴史的に根深いものでしょう、最後の審判以前にもラグナロクだとか、大海嘯、SFやらエンターテイメントでも、とにかく人類を滅亡させたくてたまらないって気持ちは、人類の歴史ほど根深いものなんだね、人間の敵は人間なんだもん、人間が自然界の頂点に立ったのだからトーゼンの話で、結局ほとんどの問題の根本には人間が多すぎるってことが原因だからさ。
 ショージキとくに自然保護とか人類のミライやらそういうことをIは考えてないけどね、公式発言ではそういってるよ、ミライがうんぬん。
 そんなんうそっぱちでおもしろそうだからやってるだけで、けれど結果は人類を救ったことになって後の歴史家はIを英雄として描かれるのかもね、勝手な人物像を作って、利他的で倫理的にも気高いことにされてしまうわけ、カエサルみたいに文章家でもあるしね。歴史は勝者が書く、価値観も勝者が決める、自己弁護と自己正当化は天才的。ほとんどの英雄は殺人鬼ばかりでしょ?カエサル、アウグストゥス、ナポレオン、レーニン、ヒトラー、毛沢東、スターリン、・・」
Y「えっと・・・ご存知か知りませんがただいま広報用のビデオを作っています」
N「ん~、でもインテリにはこういうズケズケいうIがカワイイと思えるだろうね。・・世間ではそういうのを夢とは言わないのだろうね、ガキに夢見ろというけど、みんなカネになる夢しかみないでしょう、スポーツ選手、メディアスター、ミュージシャン?くだらねぇ夢しか見れないねって気がするよ、そんなん誰かにこれが価値あるものだっていうのを受け入れてるだけだもん、何かが正しいってのを受け入れてるだけだもん。
 今までに誰もやったことないことやろうよ、マイケル・ジョーダンになりたいみたいなチンケな夢じゃなくてさ・・・って思わない?
それにIの仕事は武器を作るコトなんだから、世界を滅ぼすのが目的じゃない、って言ったらムチャクチャじゃんってハナシじゃない?平和維持のために武器を作ってる?バカじゃんそんなん」
Y「そりゃそうですね・・」
N「AXA君とIは同期なんだけど、やっぱり古代からの人間の願望ってのに取り組んでるよね、彼はエテルナ技術、ごめんこれカット、エテルナっていっちゃダメなんだ。ヤツは生命科学あるいは不老不死科学、Iは世界を滅ぼす技術・・・逆ベクトルだけど同じ願いじゃないかな、それって」
Y「(カットっていうか使えるとこさっぱりないけど)・・ゲージュツカ気質として意見すると、あれですね世界征服したがるやつってのを悪役にしてほとんどのヒーローものは作られてるわけですけど、世界征服したがる理由ってのがわかんないんですよね。海里が言ってたけど人類、っていうのは概念でしかなくって、そんな感覚はヒトにはないんだと思いますよ、人類の平和、人類のミライ、人類の滅亡?だからなんだ?って思う、セカイを征服して人類を支配しても、その感覚ってのが無いから、実感が無いと思うんです、ただロジックをこねまわしてるだけ。人類を滅ぼすのだってそう、Iたちが実感として得られるのは、人類の0%の身近な人間だけだから、コトバ先行って気がする、人類・・・にはリアリティが無い・・だから人類っていう感覚を生み出すことが必要なのかなってIは思います・・・コトバ、というか感覚を超えた感覚・・・」
N「それはそうかもね・・・・けどIあんまり他人に興味ないしな。IはIよりも優れた人間に出会ったことが無いから。傲慢じゃなくてこれは本当にそうなんだよ・・そだね、AXA君はほぼ唯一の例外だけど、だからIたちは付き合いがあるんだろうな・・・
 それとだからこそリアリティが無いウチに始末しなきゃいけないんじゃない?リアルになってしまったら手をくだせなくなるから、リアルじゃないうちに、実体を持たない数字のうちに整理しておかないと、手が付けられなくなるから、現代兵器はヒトを殺す実感が無いって言うけど、そうあるべきなんだよ、そうじゃないともたないでしょう?人類、という感覚が無いのであれば、それが知らない内に都合のいいように処分されてたって、気にならないからむしろプラスだ。ホントウニ、他人の気持ちになって考えられる人間がいるとしたら、一日ニュースを見ただけで気が違ってしまうでしょう。
 なるべく、負担にならないようにしてあげたほうがいい。Iが作った新しいゲシュペンストは死体とか血を映さないモードもついてるよ、アムスにやってもらった。MAR modifiered artificial reality 人工現実可変モジュール? ご注文はこちらに、KarasーAmr 一機300万$から、このカラスシリーズはIがちゃんとカントクしたからオススメです。」
「・・・ほ~」
「残虐さの完成形は、残虐だと感じないコトだよ、眠って朝起きたら腹立つヤツがみんな殺されて存在が抹消されてる、キヲクも何も残らない、悲しさも無い。ドアを開けたら犯罪1つなくて豊かでハッピーなライフが待ってる、眠ってる間に敵は全員縛り首にしたから。
 それが理想でしょ?近代国家はそのために作られてる、一般市民は残虐なコトはしないで、偽善を語っていられる。残虐なところは目の届かないところで秘密裏に処理されてる。牛がいつのまにか解体されてるように。
 プラトンが考えた通り、もっと推し進めてまったく残虐なものが見えなくなる、存在する前にオートマティックに無くなるところまでいかないといけない。
 それに残虐さってのは生存のためのポジティブな意思だからね、みんな毛嫌いするけど。ひどく前向きなんでしょう、悪いヤツって。頑張って生きよう、必死に生きようっていうけど、すっげー自己中な悪人は軽蔑されるでしょう、でもそのすっげージコチューは模範的なプラス思考の出来る人間なんでないかい?少なくとも生きるのに必死だもの。そうまでして生きたくないというでしょう?ニーチェじゃないけど、キリスト以来の倫理、道徳、正義ってのは結局は自己犠牲の自殺主義としか思えないよね、平和主義だって最終的には自殺しか方法ないもん、別にそう思うならそう思ってていいけど、なら邪魔だからはよ死ねやと思うなIは。武士道は死ぬことなんだったら本なんて書いてないで死ねって思う。あるいは宗教も、死後の世界がそんなにいいならさっさと行けばいいじゃん。
 さっきも言ったけど罪悪感にも10の定理ってのがあって、人を殺すのも10人くらいだと凶悪犯罪だけど100万人殺すと英雄になる、1000万人殺すと、偉大な我らが指導者だっつぅわけで。たぶん1000から1万に谷があるね。100人、千人は人間だけど1万人はただの数字だよ。それ以上もね。いらなかったらデリートキーってわけだ。
 1億人、10億人殺した人間は未だかつていないよ、今までの法則が適用されるなら。50億人殺した人間は、人類を救った救世主か・・ゾクアクな言い方をすれば神なんだろうね」
「ニーナ先生ピーばっかで編集めんどくさいから全カットしていいですか?」
N「ん~・・残酷な事言ってよい?
 だってどんな事を言ったって、ユキも含めてみんな無力なんだもの、何も出来ないし、何も変えられない、Iを止めることも出来ない。だから何をしゃべっても本当はいいんだよ。編集する必要もほんとはない。だってIはもぉそいつらをすべて黙らせることができるんだから。
 今までのすべての倫理や価値観は、やれ民主主義だ云々ね、は人間は団結すれば数の論理で強力になる、多数派が勝つっていう、事実、スタンドポイントから演繹されたものだ。それは事実その通りだったんだ、あらゆる社会学や政治学がそれを土台にしてる、プラトン、アリストテレスから、ケインズ、ロールズまで全員だ。
 でも核兵器移行、本当に、たった数人の力で、70億のニンゲンを根絶やしにだって出来るんだよ、もう公理系が変わってしまったんだ。すべての倫理は書き換えられる。それを本当に理解している?Iが誰かの気をつかって嘘をつく必要はいったいどこにある?本音だけをしゃべっていいはずでしょう。
 そしてそういうチカラを持っていない大多数のニンゲンの生きてる理由もまた無いよ、今の状況、ってのを本当に理解してるとしたら、そいつは・・・なんで生きてるのだろうね?」
Y「・・・もっと普通のコトが知りたいんです、ただの興味ですよ、ニーナっていうヒトがどんなヒトか知りたいんです。ニーナ先生ボーイフレンドとかは?」
N「まっっったく興味無いんだよね、やせ我慢でもなく興味無い。フロイトの判断も全然納得いかない。そんな努力してマスターベーション辞めた記憶ないし、本当に気になんない。予想に反してサディストでもないんだよね、ヒトがIの作った兵器とかで痛いめあったのにヌレヌレになってるわけでは無いんだ、本当に。別に破壊欲とか支配欲もない。ただ・・・・アドベントゥリエールなんかな?冒険中毒・・」
Y「趣味」
N「今いった通り、誰もやってないこと、想像だにしない冒険をしたいんだよ、ワクワクするじゃんそういうのって、前人未到へ足を踏み出す喜び、道を探りだした喜び、喜びっつーか、誇り、かな?」
Y(あっ・・・このヒトってマジで無邪気なんだ・・・)
Y「なんか、今なんで海里とニーナっていうタッグがそんなに強力なのかってわかった気がします、やっぱなるべくして師弟なんですよ、Iニーナのコトかなり好きなんですよ、実は。そこもおんなじです、I海里のことも相当好きだから、やっぱ何かがあるんですよ。薄汚いおっさんに支配されるのは真っ平御免だけど、イノセントな少女に世界を滅ぼされるなら、それもいいかなって思う、世界を滅ぼすのなら、ニーナや海里みたいなヒトにやってもらいたい」
N「ふむ・・ねぇ、ユキにインタヴューは誰もしてないんでしょ、それをちょっと撮らして。カメラパス」
Y「Iなんてつまんないですよ・・普通の女子高生上がりで、っつーか顔バレやだな・・実は昔モデルとかやってたからわかるひとにはわかってしまうのですよ、カゾクも実はおるし・・・」
N「なにぉ甘えてるんだ。顔だして唾吐きかけられて親を人質にされてようやく一人前だよ。やりたいことは何?」
Y「・・・失うこと」
N「かぁ、文学的やねぇ」
Y「失わないと、見えないってことがあって・・・・いやあるのかな?と思う、あるのかどうかを確かめたいだけです、それがあるなら、人生は素晴らしい、醜悪なのはワレワレだったって、セカイは美しいってね。大地にでも誰かの足にでも接吻でもします、無いなら、人類なんて滅びてしまったほうがいいでしょうね。その時はよろしく」
N「やっぱユキはゲージュツカ気質だよ、自分の人生を作品にしていくタイプの。年上で教師生活10年やってきた経験豊富なヒトとして意見していい?」
Y「なんでせう」
N「ユキは子供を育てるべきだよ、ゼッタイに。ユキはゼッタイに、ってコトバを嫌ってるでしょう、言わないものね」
Y「よく観察してますね」
N「けどそれは責任放棄でもあると思うんだな。かもしれない、確定じゃない、現在のところ・・言い訳ばっかしてどうするんだってさ。そりゃ簡単ですよ、いまわかってるところはここまで、確実なことは言えない、多いに議論する必要がある、とかなんとか決断を先延ばしに濁していたばかりいたら、間違うこともないし、批判されることもない、そんなのってただの責任逃れで逃げ道作ってるだけでしょ、判断保留が許されるのは、結局ゼイタクなんだよ、追い詰められたらいつだって決断をしないといけないんだ。
 間違ってても、ゼッタイこうなんだ!って自分の意見を言うべきだよ、十字架背負うべきだよ、どんなキレイ事だって言うべきだよ。決断をしないでいれた時代は20世紀に終わったんだ。
  ゼッタイにユキは子供を育てるべきだよ、じゃないと自殺してしまうから、Iはキミみたいな子を何人も見てきた、セカイはあまりにも巨大で醜悪だ、1人ぼっちでひたすら高い志を掲げてたらすぐに疲れ果ててしまうよ。25くらいでもう何もかも使い果たしてしまう、あるいはカイがいなくなったらもうさようならってね」
Y「・・・別に自殺してもいいじゃないですか、特にIはニーナの役に立つようなヒトでもないですよ、それに海里との決着が着くまではゼッタイニ、やってみせます。その後はわからないけど・・・だからいいじゃないですか、あとのことまで言われる筋合いはないですよ」
N「最初に言ったでしょ、IはIが愛せるように、相手を導く、だって誰かを愛していたいヒトだから、優しいんだよなぁ。お人好しといってもいい。こっからはカメラ落とすよ、二人だけの秘密ね・・」
Y(・・・・・あぅこうやって丸め込まれるのか、しかし逃げられない!ラスボスめ!そういうことか!このヒトは歩く強制イベントだったのか・・・)


 →ユキにはいつのまにか赤子がおる、ソアラという名の子・・全く説明は無し。

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 カレンインタビュー
 ユキ「今日は一番愛想の悪いカレン先生をインタヴューします」
カレン「おいおい、冒頭から悪口」
ユキ「カレンはなんでここにいるの?」
カレン「めちゃくちゃな質問するね・・・ここにいる理由ってのが本当にわかってる存在なんているの?」
ユキ「じゃあすべて偶然の一致でたまたまここにいるの?」
カレン「・・・そうでもないけど」
ユキ「カレンはニーナと生まれも育ちもだいたい一緒ってことだね、インテリブルジョアの子供で、エリート学校に入って
するするとそのまま科学者になった」
カレン「狙ったわけじゃないよ、今回も最初はニーナは加わってなかったんだもの。双子だから仲がいいねって言われるのは一番嫌い。時間に余った人間が何をするかっていうと科学か芸術かしかないでしょ、でも、それって実は両方同じものだものね。ブルジョアの芸術が科学でプロレタリの科学が、いわゆる芸術なんじゃないかな、科学は常に物質、資本と結びつく。だからいつも科学は軍事と手を結んで、芸術は無から何かを生み出す、だからいつも反体制的なんじゃないでしょうか、ゲージュツは空虚な手から生まれると、何ももたないニンゲンだけが何かを生む・・」
ユキ「・・・・結婚は?」
カレン「Яはガキが好きじゃないのだよ」
ユキ「なるほどね、結構それがキーですね。ガキが嫌いなのか・・なんで?」
カレン「うるさいんだもん、手間がかかるし」
ユキ「オーマイ。なんか好きなこととか趣味とか、これは音楽だよね」
カレン「yeah」
ユキ「最近のオススメとかありますか?」
カレン「ない、グールドのゴールドベルグの二枚目」
ユキ「はい、じゃあありがとうござんした」
カレン「みじか・・いいのこれで?」
ユキ「でぃじょぶです。っていうかね、カレンのことは手に取るようにわかるんだよね、ほとんどIとまっったく一緒だもん。Iがテンション低い時を実体化するとまさにカレンなんだよね、だから聞く必要が全然ない。
 知ってるもん、実は一番優しいところとか、他の人の事をちゃんと気を使ってるとことかね・・・そこが少しIと違うとこかな、Iは、他人よりも自分を優先してしまう・・・のかな?たぶんそうだな・・」
カレン「ダメ、カット」
ユキ「うぇ~い・・・・・・・・・」
カレン「・・たぶん思うんだけどほんとの理由は、これは夏休みなんだよね。ワタシタチ、みたいなエリート教育を受けた連中はさ、ずーーーっと、ガリガリ勉強と研究ばっかやってきたんだ、物心ついた時から。脇目もふらず。20年ほど・・・
 ちょっとトモダチと集まってなんかものづくりでもしたいなってことなんだよね。AXAだってほんとはそういう気分だと思うけどな。
 最後の夏休みなんだ・・・」



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AXAインタヴュー

X「・・そうですね、Usがやってるようなことが少しでも科学の発展とか、人類の発展に寄与するようなことがあればこれは欣快の至りだと思って仕事をしています」
Y「・・・」
X「・・こういうのじゃない?でも一般向けのPVなんでしょ?」
Y「いや断然それでいいんです、満点なんですけど・・・タイクツです・・」
X「うん、Iもそう思ってた、けど本音なんてたぶんニーナよりもひどいことになるよ、たぶんユキだって聞きたくないことばっかだろうし。豚よりもニンゲンのほうが数が多いんだからヒトを解体して使ってもいいじゃんなんてことはね、これはわざとひかせるように言ったよ」
Y「でしょうね・・でも興味もあります。AXAさんってどういう人で、どういうわけでそういう人なんですか?」
X「別に生まれた時からこういう人だったけど、あれだね生まれの良さと、誰かに命令されるようなコトが一度も無かったような立場だったこともあって、すくすくそのまままじりっけの無い。サイテーの自己中に育ったって感じかな」
Y「あはは、クズの純血種なんですね」
X「そだね、全世界探してもこんなクズは見たこと無いってくらい、まぁ悪いことならなんでもやるよね。やりたいことが悪いことなんじゃなくて、悪いことだからやるってもので」
Y「む~、それがエスカレートしてついにサイボーグに手を出すのですね」
X「そだね。自己弁護するなら、そういうサイテーのクズ、人非人!って罵られないようなことは、結局何一つ新しいコトをしてないってことなんじゃないかなぁ。っていうか罵る人もわかってて、それが危険なほど魅力的だから、妬みで中傷してるのでないかい?皇帝が残虐なのに腹がたってるのじゃなくて、時分が皇帝じゃないのに腹がたってるだけなんでしょう、といって、そういう輩と出会うような場所に行くことが無いから、コトバとしてそういう人がいるというのを知ってるだけだけどね
 ともかくワレワレは常に悪いことをしようとしながら正義を為す力なのですよ(メフィストフェレス)」
Y「あの姉妹と同学年なんですよね」
X「そだね、別に学校同じわけでもないけど・・・同世代で優秀な人ってことで、ちょくちょくみかけて競争させられたわけですな、ガキだったからね、そーいうくだらないことも負けたくなかったんだなぁ」
Y「ちょっと安心しました、そういうガキの時分があったってことが」
X「むしろ今でもガキなんじゃない?ここにいるみんな、オトナになれないガキばっかりなんだよ、権力とカネがあるからガキのままでいれるわけ、それも特権なんだ。みんなカネを儲けなきゃいけないから、カネになる夢を選ぶ、くだらない夢を選ばされたものだねって、ニーナはよく言うでしょ?けどUsはカネにならない夢、純粋にやりたいことを選んだってことだ」



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大地震 東京水没   (ここから終盤)
 地震が起きて一応4thメンバーはヘリで上空に避難する。4thは無事だったが、東京は水没、アジアの臨界都市もかなりの被害を受ける。(ユキたちの学校はもう新東京に移転している)
 →日本が破産、アメリカ国債との関連も有り、金融危機が連鎖、IMFが緊急出動、世界恐慌・・・世界情勢は急激に悪化


 X「緊急連絡、ただちに作業を凍結して固定、クルーは貴重品だけ持って潜水艦ポッドへ非難せよ」
 ユキなどはぽかんとしつつ、非難ポッドに行く。ポッドの中にはみんな揃っている。
Y「なんですか?三次大戦でも始まりましたか?」
K「・・・よりも悪いかもね」
R「カイとアムス、ユズキはヘリに乗りな。IとAXA君が残るから」
A「なんでですか?」
R「全員死んだらまずいでしょうに、話してないで早くいきなさい」
K「行こう」
Z「ヤです、ユキと同じグループにしてください、Iも残るか、ユキもヘリに乗るか」
R「・・じゃあアムス残ってユキとユズキはヘリに乗って、Iは操縦に行くから」

 三人はヘリに向かう
Z「さすがすなぁ、決断早い。話しても無駄だってのが伝わるんですね」
K「・・・」
Y「カイのココロをしゃべると、カレンはどっちかが全滅しても、またプロジェクトが再生出来るようにグループを分けたのに、ユズが台無しにしたのだぞって思ってるね、でもそう言うとIが役立たずってのがわかってしまうからやめたのだね」
K「何ハラスメント、それ? 言わなかったんだから人のココロを読まないで欲しいな、わざわざコトバにする必要もないし、そしてあたっても無いよ」
Y「じゃあ何?」
K「・・・整理できない、ごめんちょっと静かにしてて」
Y(・・こぉいうカイを初めてみた・・・それが伝わってIのココロもぐちゃぐちゃになってしまった)


 同時多発地震と津波。4thは津波に対角線に船を向けて波を避ける。

 衛星で地球を見る。東京、NY、上海、東南アジア、など沿岸都市がほとんど海に沈む、特に赤道付近の被害が大きい。
 地球環境のカオス臨界を突破した。けどこれが初めてじゃない、今までも何度も環境はカオス領域入り、何度も絶滅を起こしてきた。すべてニンゲンのせいだと思うのなら思いあがりで、部分的にはそうだが、すべての原因じゃない。人類のサヴァイバルが始まる・・・

 その日、はいつも突然やってくる。人生はアクセラレートして一気に周りだす、もう止まることは出来ない、  

 
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    ルーエル
 深夜にカイゾク(レジスタンス系?)の潜水艦が、撃墜されて大爆発。それでみんな起こされる、けど誰もそれについて触れない
ユキが海を見ているところへニーナがニコニコして登場

ニーナ「カイゾクだってね、このへんの海域にはカイゾク出るらしいですわ。政治的な問題もありまして、国際条約で機雷が
国境線に配置されるようになったって知らなかったんですなぁ」
ユキ「・・・」
ニーナ(ちょっとマジな顔になって)「so this is what it is, what do you want? fucking runninaway?」
ユキ「・・逃げたりしないよ、文字通り乗りかかった船だもん・・・銃後で平和を語るようなカスにだけはなりたくないし
平和を語るなら、銃の前に出なきゃいけないんだよね、サビニの少女みたいにさ」
ニーナ「サビニ人はローマ人に拉致られてレイプされたんだけどね、ちなみにあのタイプの機雷の設計したのI、うまく作動してくれてよかったよ。また売れてしまうな。カイゾクもマンガに出てくるのとは違うね、銃の時代に拳法や刀で戦いたがるひともおるし、原爆時代にカイゾクするやつもいる、救えないノスタルジズム」
ユキ「・・何人くらい乗ってたのかな」
ニーナ「・・・?dont count the waves」

ユキ「・・カイはなんて言ってた?」
ニーナ「(手すりに後ろでを廻してよっかかりつつ、タバコをつける)
帰りたいって人がいれば、危ないから帰してあげたほうがいいって。そういうデリカシーの無いことを言えるのに適任なのはЯってことだね」
ユキ「演技が下手」
ニーナ「だね、こんなことでひよって尻尾巻いて逃げ出すようなヤツはいないもん、それに、むしろここは安全だよ。特にAmsとか
Axa君とか、Usにとっては。どこにいたって狙われるもの、ワタシタチの研究所で、大学で、教鞭をとってくれませんか?ってね、そういう迷惑メールがじゃんじゃん来るんだよ、単に情報が欲しいだけ、教育なんてのは名目でね、勧誘の次は実力行使ってわけ」
ユキ「大変ですなぁ・・・」
ニーナ「うむ、まぁじゃあそういうことです、死んでも文句言わないでね。アレだね、一人前になるってことは、死ぬ覚悟ができてる
ってことだとIは思うな。五輪の書にはそう書いてあるのでしょ、まず死への恐れを無くすこと、そこから、修行の第一歩だって。死ぬのが美しいとかいうことではなくて、死ぬのが怖い、ではどこにもいけないし一歩も進めないものね、特に誰も通ってない道を進むには一歩目から覚悟が試されるってわけですな・・・」
ユキ「・・・ニーナ!(呼び止める)」
ニーナ「うん?」
ユキ「I結構ニーナのこと好きだよ、ニーナみたいだったら良かったのにって思うこともある」
ニーナ「Iはいっつも思ってるな、ニーナみたいだったらいいなって」
ユキ「んふふ」

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 AXA と DOXA
AXAがDOXAの本体を見せてくれる
Y「・・・趣味わぁるいですね」
X「目が動くんだよ、トランジスターの動きに合わせて、コンピューターになんか有機的な肉付けがあったほうが良いと思って」
Y「・・・(おっと、サイコさん登場ですか)」
X「・・ガイガーとか、ベクシンスキーの高い絵画ってだぁれが手ぇ出してるんだろうって思ったりしない?グロいし。ITS ME. 医者の中には、隠してるけどサイコがいるものだ、検死官とか解剖専門とかね。社会の役に立ってるね、けどなんだろう捜査の役に立ちたいとか医学の進歩の為だからという理由だけでそれをやってるわけねぇじゃん。それって純粋に美の追求の為にヌードを描いてるみたいなもので。付き合ってらんないでしょう、そんな欺瞞。
 ヒトの中には、ヒトを壊したい、っていう欲望が絶対にある。切り開いて改造してみたいっていう欲望も。少なくとも、そういうヒト、は絶対に0にはならない。
 言ってみれば、人体実験ほどニンゲンが好きな実験は無い。絶対に。
 

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N「いいやつが先に死ぬとして誰が最初に死ぬん?」
Y「・・カイでしょまず」
K「おぉ、ありがとう」
R「まぁそれは満場一致かな、カイは出来てるもん、誰かの生徒とは思えない」
X「二人目からは難問だね、ビリ争いはIかニーナなんだろうけど」
N「えぇっ!!」
R「いや、違うと思ってたのが怖いわ」
N「えーーーーー!!!・・ま、いっか長生き出来るし」
Z「二人目はカレンじゃないですか」
R「・・・そう?」
N「照れてるx2」
R「うっさいな、Uがビリ決定じゃ、醜く老いて死ね」
Y「ユズも下からのほうがはやいね、性癖がめちゃめちゃだもん、たぶん一番サディストだし」
Z「アハハハ、またまた」
K「じゃあアムスもそうだね、あれは逆で・・・薫かな三番目は」
Y「あーー、確かに、薫、イチのラインは早死だね、目に浮かぶもん」
Z「確かに・・残酷ですけど、なんか自己犠牲でさっと死んじゃいますね映画の中盤に、結構良いシーンで」
N「ユキはどんくらいなのさ」
X「下、性格悪いもん」
Y「むぅ~~、Axa君って結構Iにグサっといれてくるよね、女扱いしないというか。寝る時にふと思い出してちょっと、ごろごろするんだよ、そういうのって、顔とかスタイルは結構タイプだから・・」
R「よくわかってるんでしょ、Iも下の方だと思う、性格悪いっていうか陰湿だもん。7,8番」
Z「わかる、さらっとサバサバしてるようにみえて、策略家で根深いですからね」
K「ひかないしね、頑固ちゃんだし、話し合いっていう形式とって自分の方針ねじこんでくるだけで譲らないもん、ニーナ側のニンゲン」
Y「・・・・なんかここぞとばかりに本音を語りよるな、そりゃカイだって同じじゃんか」
R「カイはそういうのは外してかわしてくんだよね、対決になる前にもう縁を切ってる、会いたくない人には二度と会わないし」
X「でもルックスで全部リカバ―されるんだよね、特に目の表情だけで。ユキは」
N「ブスだったらメチャ嫌われてるだろうね、媚びないし」
R「Uが言う?」


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   ユズの里帰り
ニーナ「新年にちょっとワタシはヨーロッパ行かなきゃいけないけど、その時ヘリでどこでも連れてってあげるよ、どっか行きたくない?たまには故郷に帰るとか」
ユキ「パス、どうせ帰る場所なんてないし」
ユズ「Iも」
ユキ「ユズが帰りたいって」
ユズ「えぇっ!」
ユキ「丁度良かった、色々買ってきてほしいものがあるのだよね。ここでは手に入らないようなもの、頼むわ」
ユズ「何を無茶苦茶言って!」
ニーナ「じゃあ一緒にいこうね、一人だとつまんないんだもん」
ユズ「無茶苦茶や・・」

 日本に帰ってきたユズ
ユズ(どうすっかな・・・家には絶対行きたくないし・・)
ナナ「ちゃお」
ユズ「うわっ!どうして」
ナナ「えっ・・、だってユキが迎えにいってって・・・、あんにゃろーまた」
ユズ「そのようですけど、わぁ懐かしいすな・・あれ、あの何もかも放り投げていなくなったのをまだキレてますか」
ナナ「それはおおいにあるけど、まぁいいよ。ゆっちゃん何かオトナになったなぁ」
Z「ナナセンは変わらないですね」
ナナ「む~~、まぁいいや、ともかくみんな集まってるから行こ、文化委員同窓会。ユキは帰ってこないわけ?」
Z「出不精ですからね、あの人は、たぶん全部終わるまで帰る気無いでしょうね」
ナナ「・・Iなんか話に段階をふませるってのが出来ないんだけど・・・あれだな、ユキとゆっちゃんがいなくなってから・・なんか空白、だったな、しばらく。っていうか今でも。
 Iはユキとずっと一緒にいるんだって思ってた。あの女友達がよくやる、ずっとトモダチだよって、よくあるヤツってことじゃないって思ってた、少なくともIは」
Z「学校卒業したもう二度と会わないあるあるですね」
N「ん~、でもIとユキは違うんだぞって、自負心があったのだけどね、結果的にはそういうことになってる。だから女の友情はドライだってことじゃないんだ、その時は、本当にそう思ってるんだよね、別に嘘ついてるわけじゃない・・・・それまでずっと一緒だったんだもん、思春期にぱっと出会ったヒトといきなりいなくなっちゃうてのが・・・それもよくある話なんだろうけど・・」
Z(これは・・一体どういう話の展開だ・・)
N「正直ゆっちゃんに嫉妬しててさ、今もしてる」
Z「えっと・・そんなコト言うヒトでしたか?」
N「Iもオトナになったってわけだ。いつまでも純真無垢じゃない、キミラは自分たち以外は全部時が止まってるように思ってるんだよね」
Z「アハハ・・・・逆じゃないですか、ワタシタチだけ、ずっと時が止まってるんですよ、あそこは・・ずっと夏休みみたいなものだから」
N「・・ゆっちゃんはやっぱ変わったね、ビミョーに見下されてるのがわかるものな」
Z「なんか今日当たりがキツないですか・・(ユキもやっぱ死んでも一緒にこさせるべきだった!全部Iが標的じゃん)・・何も変わってないですよ、ただ・・・、なんだろ、結構年上ばっかりだから、自分よりも10くらい・・そぉいう・・ただのオトナじゃなくて、自分よりも格段にすごいオトナと関わりあってると・・ちょっと・・価値観が変わっちゃうってことですよ。悪いことかもしんないけど、カベを作ってるのかもしんないですね」
N「ごめん・・なんかそんなつもりじゃなかったんだけど、つい・・。本音を出してしまったな、どうせ酔っ払ってからじゃまともに話せないしさ」
Z「あはは」
N「どーもね・・・、空いた穴がふさがんないんだよなぁ、ユキみたいな面白いヒトっていないんだよね、つくづく感じる、芸大にかよってはいるものの、なんかホンモノはいないなぁって気がしてしまってさ、みんなそれなりに優秀で、技術もある人達なんだけど」
Z「思うに・・あのヒトってあれなんじゃないですか。ココロの性同一性障害みたいなもので、カラダは女だけど、脳の出来方はオトコなんですよ、それも観念論的な哲学者みたいな。フツーの女の子は、ドストエフスキーで熱弁を一晩中ふるうなんつーことはしませんからね。だから・・・・オンナの子は本当に好きになってしまうんじゃないですか、、奪われるのも許せないし、最近ふっとそう思った・・・(海里先生もあれはあれでモンスターなんだけどな)・・うまれついてのプラトニックラブの権化みたいな感じ」
N「・・そーかもね、すごい的をえてるねその説明は・・Iはじゃあずっと失恋をひきずりまくってるんだね・・」




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フィニアス・ゲージっていうヒトがおってね、そのひとはとてもいい人だったんだけと事故で脳を損傷してから、下品で野蛮な人に
変わったのだという。1848年頃の話、それで脳がその人の性格を握っているということがわかっていくわけだけれど。それまで脳が人間の人格と関係があるということすらわかってなかった。
 じゃあそれって魂ってのは無いってことだよね。価値判断、倫理判断は前頭葉モジュラーでなされるという、それが魂の場所だって
ことだけれど、魂ではなくてやっぱり神経細胞の固まりでしかないと思うのだけどね。ガンディーは偉大な魂を持っていたとか
言われるとニヤニヤしてしまうね。
 
 原子論では魂は存在しない。存在しないだけじゃなくて、同じ魂は存在しうるってことだよね、原子は代替可能だから。どの酸素原子でも同じだから。

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 イチの参加

ファミレス
イチ「というわけでさ、オレもやっぱユキ達に付いて行こうと思う」
ナナ「ヤダ」
イチ「・・えっ?」
ナナ「イ・ヤ・ダ」
イチ「・・あの~、じゃあわか・・」
ナナ「おい!ちょっと!本気で言ってるの?マジでそれで素直にIがいってらっしゃい、待ってる、って言うと
思ったわけ?そしてその後何言おうとしたのさ!考えられない」
イチ「・・・でも決めちゃったことだし」
ナナ「決めたって、イチが勝手に決めたんじゃん」
イチ「じゃあやっぱわか・・」
ナナ「おいコラァ!それは言っちゃダメ、泣くよ」
イチ「(だからファミレスにしたんか)じゃあどうすりゃいいの?」
ナナ「・・・責任取ってよ」
イチ「えぇ・・・・どうやって?っていうか何の?」
ナナ「オトコの責任の取り方なんて1つしかないじゃん、Iに言わせるつもりなの?」
イチ「ホンキか?まだうちら20だぜ?」
ナナ「じゃあ婚約でいいよ、engage ringよこせ」
イチ「・・まだ学生だぜ?」
ナナ「いいよ」
イチ「・・給料三ヶ月分なんてないもの」
ナナ「別に安物でもいい」
イチ「ショーキか?」
ナナ「うん」
イチ「(オンナってやつは・・)・・・頭をかかえる・・・
ナナ・・・、結婚しよ」
ナナ「うん、卒業するまで待ってね。すいません、シャンパンください。祝杯あげよう、かんぱ~い」
イチ「カンパイ・・(あぁなんか取り返しのつかないことをしてるな)・・・」
   
 
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ソアラが学校へ旅立つ

ソアラはは何事もないようにヘリに乗ろうとするが、ふっと向き直り、ユキの足にしがみつく。
Y「・・泣くなよ、ダサイなぁ、学校行くだけだろ?」
S「・・・泣いてない」
Y「本当に悲しい時は笑え。いつでも戻ってこいなんて死んでも言わないけれど、1つ人生のセンパイとして教えてあげるよ。
人はどこまでいっても何をやっても、結局はこのセカイで一人ぼっちなんだ、それを変えられない。だから、他人にはなるべく優しくしなよ、ホラ、ゆけ、バイバイ」
ソアラはとぼとぼ歩いて行く・・
Y「・・なんでお前が泣く」
Z「・・すいまぇん・・・」


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 海里とユズのシーン 甲板
ユズ「海里先生は、あれですね、沈んじゃうときとか、モチベーションが無くなっちゃうときとか無いですね・・
怖くなったりしないんですか?火星にいったら、一人ぼっちなのだし・・」
海里「ん~、通信があるからね、テレビ電話もつながってるし、見ようと思えば地球のテレビとかなんだって見れるし電脳にもつながる・・・ってざっくり答えるのを期待してないよね。
 2つあるね、ひとつは形而上学で難しい理由、もうひとつはけっこういや~な気分になる理由、あっあとは結構普通の理由」
ユズ「全部聞きますよ、じゃあ難しい理由から」
海里「これは二番目と関係あるんだけど。
 意識ってものがあるよね、意識ってのは脳が持ってると思われてる。じゃあ脳って何?っていうとこれはニューロンのフクザツなネットワーク、それももっと根本的には、分子、原子の固まり。これが原子論的世界観、人が死んだらどうなるか?の答えを原子論は出しているよね、肉体は微生物に分解されて、原子レベルまで分解されるとまた宇宙を旅して、何かの一部になり、またイキモノとして意識を持つようなものの一部になったり、もっと分解されて電磁波や光になったりもするでしょう。
 じゃあどこから意識があってどこから無いのか?酸素分子に意識はあるかな?DNAには?蟻の脳には?原子の組み合わせのどこから意識があって、どこから意識がないんだろう?
 量的変化は質的変化をもたらす、これが原子論の修正点なのだよね、原子にすべては分解できるけれど、構造を持った原子配列は、個々の原子へ分解したものとは、本質的に違うものになりえる。1+1=2じゃない、宇宙は数学では書かれてはいない、もっと理解不能なもので書かれてる、数学は近似させてるだけ。科学の全否定だけど、やっぱ科学はどこまでいっても近似でしかないとI思ふ・・・
 宇宙論ってものがあって、これもまだ解決されてないけど、Iの勘ではこの宇宙はこの宇宙で完結されてると思う、他の宇宙が存在しなくても、この宇宙だけで、安定出来ると思う。だからIはこの宇宙から消えることも無いし、この宇宙が終わるときはこの宇宙から違う宇宙が生まれるんだと思うよ。宇宙もこれもマクロでみれば、原子の集まりで、これ、宇宙自体が、意識の総体としてあるのだという気がするんだよね。宇宙意識っていうのかな、個々の意識の表出、個々の脳の意識
ってもの宇宙意識が、形をとってるってだけで、その構造が壊れても、ただ宇宙意識にまた戻るってだけで、意識は究極的には消えないって気がするな・・・、この宇宙全部っていう構造体が意識を持ってるから、結局消えないんだよ、魂の不滅ってやつだね古典的に言うと・・・・ほぼ勘だけど。
 あるいはすべての存在が1つの意識を共有してるっていうのかな、他人になったことが無いからわからないけど、じつはそれはすべて同じなのかもよ」
ユズ「・・・な~んとなくはわかりました。いいですねそれ、ワタシもそう信じようと思います、忘れないようにメモすればよかった」
海里「そだね、魂や意識がどうなるのかなんて所詮わかりっこないのだから、どっちを信じてもいいんだから残るってほうを信じればいいんだよね。pascal's wagerだ。気持ちいいほうを選べばいいんだよ。ドストも言ってたものね、最大最高の理念はたった1つ、魂の不滅という理念だって。
・・・次はイヤなものだけど、Axa君の実験を手伝ってたことがあってさ、それはつまり、脳の病気を治すってコトだったんだけど、たとえば強迫観念症、とか不安症、など・・Iはそのなんとか病っていう言い方が嫌いなんだけど。
 それってただ少数派に属してるってだけでそれを駆逐していいっていう正義づけだからさ、悪い、じゃなくて違う、ってだけだよね。自分の型にハマってないのは以上で、悪、それはイヤなカトリック趣味だね・・・まぁともかくちょっとヤバイ人の脳を治すってわけで。外科手術はあんまり歓迎されないからさ、脳に電気情報を直接送りこむってことをやったのだよね、ニューロコネクトとAxa君は言ってたけれど・・・ただの電磁誘導だよ」
ユズ「わぁ・・なんかイヤな話になりそうですね」
海里「実際イヤな感じだったよ。神経接続っていっても、脳に電極刺す必要もなくて、こういうシールを貼って電磁誘導で電位を変えるのだけれど。それが・・上手くいきすぎたって感じでさ、奇妙なハナシだけどやっぱそんな単純にうまくいかないことを期待してたんだよね、Iですら。
 でもついさっきまで小さな事にブチ切れて騒ぎまわってた人を、永遠に怒るってところの回路を遮断することが出来たり、性欲、愛情、不安、そういうものもすごく簡単なパターン変化で回路を変えられるのだよね。人間の脳もやっぱり原子配列にすぎないと思ってはいても実際に示されるとうわっ、と思うもので・・・なんだろうな、そういう感情とかそういうものに対して興味を失ってしまったよね。もし本当に孤独ならば、カプセルでもそういうのを止めることができるし、永遠にそういうものを感じないようにも出来る。そうであるなら、なんかそういうものに拘泥したりしてるのが意味がないような気になってくるものなんだよね。
 人工知能ってものがあるでしょう、一般の感覚ではそんなの出来るわけないと思われてる。それは人間の知能ってのがものすごく特別で複雑であれ、っていう願いも含まれているんだよね。実際は人間の知能って、そこまで複雑ではない結構単純なパターンをもった回路なんだよね、ある意味、人間の知能ってのは、人口知能が可能に出来る知能のパターンとして基礎的で一番取るに足らないものの1つでしかないとも言える・・・
 ともかくだんだんと人間をオブジェクトとして捉えるようになる、だから人類のデノミネーションに手を貸すとか、そういうマネが出来るようになるんだよね、価値観が変わってしまったんだ・・・近代人がキリスト教を信じられないように、人権革命以来の倫理が、だんだん、馬鹿馬鹿しいものになってくる」
ユズ「・・そんなことIに言っていいんですか?」
海里「ユズにはそういうのを全部知っておいて欲しいと思ってる、ユキとIって実は真逆の人間で、一番の敵ともいえる。
それでも一番近くにいるってこと、というか一番の敵を一番近くに置いておこうって思ったんだ、悪く言えば利用してるんだ、そうすれば、自分が何物かってわかると思ったから・・・・違う、もっとホントのコト言うよ、IはIが正しいのかわかんないんだ、IはニーナやAXA君みたいに割り切れないんだ。
それに何の答えも出さないでぐっばいマザーアースってのはあまりにも無責任だから・・・、ユキと一緒にその答えを見つけたいの・・・直接的には、ただたんにトモダチ、それも純粋にトモダチなだけのトモダチが欲しかっただけだ・・・・最期にもっとフツーな理由だけど、Iはモチベーションが下がってくる前に、仕事をぎっちり詰め込んでくタイプだからさ、不安とかを感じる隙が無いんだよね、不安や恐怖ってのは戦う前に感じるもので、常に戦闘状態だと不安とかよりも、次の一手、次の一手ってわけでね・・・。もちろんプツンといつかは切れるけど、その時はまったく違うことを始めることにしてる」
ユズ「ん~・・最後のそれだけ聞きたかったですね、変な重荷を背負わされても困ります・・、ただでさえ最近色んなものがしょいきれないのに・・びっくりするんですよ、ワタシってメチャクチャエゴイストで自分勝手なヤツだったのに、いつのまにこんなにしょいまくってるんだって」
海里「アハハ、でも人間関係ってそんなもんじゃないの?関係を持ったら必ず何か背負わされるんだよ、色んな関係が広がったでしょ、このごろ?」
ユズ「・・海里先生そういう真人間っぽいこと言う時魂が入ってないんですもん」
海里「アハハハハ、鋭い・・・・・心をこめたコト言おうかなたまには。もう二度と言わないよ。こぉいうたぐいのことは。
 怖くないわけないじゃん、死ぬほど怖くて逃げ出したい自分もいる、さみしくって耐えられない自分もいる、けどワクワクしてる自分も、挑戦しなきゃだめだって決めてる自分も、こんなこと意味ないって思ってる自分も、何もかにもうんざりしてる自分も、自殺したい自分も、笑ってたい自分も、なんでも明るくこなせる自分も、冷酷でクソ自己中な自分も、誰かのために命を捨てても助けてあげたい自分も・・・出会ったヒトのぶんだけ・・ううん生まれてきて感覚したもの全部の抱えきれない自分を抱えて、ヒトは透明な軌道を描く・・・・(宇宙を見て)・・・透明な軌道をね、宇宙には足あとが残らないからさ・・・」
 ポロっとユズの涙が落ちる・・・

追加
K「Iをユキと同じような死にたがりだと思ってるでしょう?少なくともそう思われてるよね。ニンゲン嫌いだし。でもIは生きるのは好きだよ、思いがけないこと、想像も出来ないことがまだまだいくつもあるもん」
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カレン「あれ、ユキは?」
ユズキ「今日はダメな日です」
汐「ダメとは?メンス?メンスで学校来ない人?」
ユズキ「同じようなもんですけど、欝状態です。定期的にやってくるんですよ、近寄るな危険ですよ」
ハナ「どうヤバイの?攻撃的なの?」
ユズキ「・・・ん~、反体制的っていうか・・、放送コード外というか。よくわからないんですけど、もうすぐ戦争が起こるっていう
妄想に襲われてしまうっていうかんじですかね、で他のことが手につかなくなる、いきものの記録みたいになる」
ハナ「それって普通の反応じゃない、近々戦争なのはマジだもん。そういう反応がフツーだよ。」
カレン「ハナ・・・そう、じゃあそっとしておこう、薫に手伝ってもらおう」
汐「モチベーションが安定しないプレイヤーだな、万能選手によくあるんだよねそれって。なんでも器用にこなせるヤツはだいたいメンタルに穴があるものだ」
ユズキ「なんかモチベーション保つ方法ありますか?」
汐「シンプルなのが一番いいんだよ、シンプルなのが。緊張してあがりまくってたりするのもよくないし。
1つだけ覚えておくこと、どんないいことがあっても、どんなわるいことがあっても、いつも今しかない。だから
今、全力を尽くすしかない。心配することも後悔することもしないでいい、全力を出すこと、いつもそれだけしか手段はない。選択肢はいくつもあるように思えて常に1つ、今全力を出す」
ハナ「名言吐きましたね、しかも超意外な人が。誰のセリフですか?」
汐「著作権 汐・トレビゾンド」
ユズキ「うそだぁ!誰か有名なヘッドコーチでしょうに、他に本なんて読まないし」
汐「本当だっての・・それってほんとにメンスの時にやってくる奴とは違うの?」
ユズキ「さぁ・・調べたことないけど、同時なのかもですね、いぢったらダメですよ、本当に殺されますよ。あの人ダークサイドが
あるひとですから」
カレン「ダークサイドに堕ちたかジェダイ。まぁあの感じがずっとだったらニーナとおんなじで、極端なネアカのコミュニケーション
障害だもんな」

別場所
ニーナ「ピキーン」
海里「何?」
ニーナ「誰かに悪口言われた気がした」
海里「気のせいじゃないですよ」
ニーナ「あん?」
海里「気のせいですよ、ただの言い間違いです」
ニーナ「そんな言い間違いする?文の長さがぜんぜん違うじゃん」
海里「第三層テストします」
ニーナ「・・・copy that」

カレンは心配そうな顔をしてる
ユズキ「そんな心配しなくて大丈夫ですよ、数日で治りますから、むしろ長いことなくって逆に心配だったくらいですから」
カレン「そんな心配してないよ、どうやって仕事わりふろうか考えてただけ」
ユズキ「さいですか、ニャハハハ、その顔で」
ゲンコツ
ユズキ「いたぁ!この双子暴力ふるうからヤダ・・」
ゲンコツ
ユズ「うえぇっ・・・」
カレン「あいつと比べるな」

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 カイにたまたま廊下ですれ違うユキ
K「せやっす」
Y「・・・・ちょっとちょっと」
てまねき
K「なんでせう?うわっ」
ユキかカイをハグする
K「何?」
ユキ「わかんない」
K「じゃあIにはわかるわけないな」
Y「・・・カイの髪の毛の匂い久々に嗅いだ気がする、四半世紀近く生きてきて最近気づいたのだけど、Iは匂いフェチなんだな、すごい好き」
K「や~~めてよきもちわるひ」
Y「サンプリングしてとっておけないかな、毎日集めて・・」
K「ネオ気持ちわるいよ」
Y「ふぅ・・落ち着いた。最近どんどんダメ人間になってるな、夜もお酒使わないと耐え切れないしさ」
K「んふふ、みんなそうだって、さぁさぁ元気出しなよ」

/////////////////////////
 アムスとの協力で、メモリーヴィジュアライズをするうちに
アムスはユキがPMR、完全画像記憶、だと気づく。
PMR、には欠点があって、それは感情喪失症


 AMS、朝、ユズの三人は記憶映像を見ている
X「すげぇな、人の記憶ってものを初めて見るね。関連があやふやだけど、普通の映像を見てるのと変わらないもの
言うまでもないと思うけど、まだ公表は控えたほうがいいよ。反響が大きすぎるだろうから。普通の人間扱いされなくなる」
AMS「朝君、気づいてる?」
朝「PMRでしょ、典型的な、極端な記憶力の優秀さ、論理的整合性、周期的鬱病、ずば抜けた社交力、典型的なPMR
脳波測定しなくても」
AMS「やっぱ気づいてたんだ」
ユズ「それってつまりどういう・・」
朝「簡単にいうと感情喪失症で、感情が無いんだ。
 それは笑ったり泣いたりしないってことじゃなくて、すべてが論理的帰結として導かれてるということ
コンピューターと同じで、関数を与えれば、答えは1つになる、あるいは確率分布に従う。それでも帰結は1つに決まる。
 普通の人間はそうじゃない、関数を与えても答えは1つにはならない、確率分布も、複雑か、カオス度が高い。
まったく同じ事象でも、解は変わる。
PMRはそうじゃない、確率分布も単純な関数になる
 もっとすごく簡単にいうとPMRの人間は、本当の意味で笑ったり泣いたりしない
論理計算で感情を選んでいるだけ、普通の人は感情を選択しない、それはそれ以前の反応で起こる、リアクションで、能動的な
アクションではない。
 もちろん彼女はとびきり優秀だから経験と観察で社会生活に問題をきたさないようにできる、どころか、
並外れた組織力を発揮する、組織のリーダーとすればこれほど優秀な人はいない、というのはランダムな方針決定や
感情に流されて間違いを犯すことがないから、もちろん、超人的な記憶力もあるし
 だからPMRは病気じゃない、ただそういうタイプの人間だってこと、そういうタイプの脳の種類だってことだよ
あるいは人間は進歩していって、PMR系の脳のシステムが、進化の末に選択されるかもしれない、鬱傾向さえ克服できれば
そっちのほうが優秀だから」
ユズ「・・・だったら朝もそうなのでは」
朝「残念ながら大違い、Iはただの根性のねじまがった冷血野郎、画像記録力もあんまりないし。第一鬱傾向が全然無い」
AMS「自己分析が秀逸すぐる・・」
ユズ「・・・それが理由なのかな、一番ユキと付き合いが長いからわかるんだけど、ユキって、自分の精神を痛めつけるような事
ばっかりする、精神的マゾキストっていうか・・、なんでそんな自分の心をぶっ壊すような事ばっかするんだって思うんだ
Iには絶対耐えられないような」
 海里が入ってくる
海里「それで自分を見つけようとするんだろうね、自分でいってたもの、Iは人間を探してる、自分の中に、この世界にってさ
ランタンを掲げて人間を探しているんだって、ゲージュツカ気質ってこと」
AMS「最初から知ってたの?」
海里「なんとなくわかった、あんな透明な目をしてる人ってあんまりいないもん。それに、みんなが裏切ったあとでも最期まで
Iを支えてくれる人だって事も、そういう利己的な動機で友達を選ぶIも相当なものだけれど」
朝「そういう利己的な汚さが、人間らしさ、だもの、あれはイノセントだ」
ユズキ「innocence....」
海里「そういう意味ではユズもイノセンスだと思うけどね、なんでそんな他人に尽くすのか、わかんないもの」
ユズ「I?Iは、別に深い理由とかなんにもないですよ、ただユキが好きだから、ユキの友達も好きだし。全然珍しくもないし
ありきたりだけど、身体の一部っていうよりは、心も身体も、全部、なんです、Iの、じゃあそろそろ行きます」

 ユズOUT、三人顔を見合わせる
海里「・・・むしろあれが一番レアなタイプなんじゃないの?」
朝「同感」
AMS「Iはユズちゃんが一番好きだな・・」
二人はじとっと見る
AMS「・・なんですかその目は」
海里「なまい」
朝「うん、生っぽさが全然違う、同じセリフなのに、背筋に来る」
///////////




they build up a life under the sun
 they say only the fool soaked in rain
but i don't mind under the rain
 our tears will washed away

・・・・・・
 記憶映像....

 最初はなかなか上手くいかないでスランプ、映像が静止画であってスムースにならない。
Y「たぶん意識を落としてやったほうがいいよ、なんかどうも集中出来ない、睡眠状態でやるか・・・なんか薬でトブか」
A「麻酔っていいなよ、かもね・・・AXA君に相談してみる」
Y「相談しよう、そうしよう.........ともかくなんとかeを味方に引き入れることが成功への近道ってわけだね」
A「まぁね」
Y「しかしEは難しいなぁ・・・弱点が見当たらないし・・。ヨメもいるから色仕掛けは通用しないし・・・Iよりも
頭いいし・・海里はどうやってAxa君を引きいれたんだろう」
A「カイはAxa君と一緒にDOXAのプログラミングをやってたからね」
Y「そうなんか・・・・、なんで?Axa君にはできなくてカイにしか出来ないことがあるの?」
A「別にそぉいうわけでもないと思うけど・・・二人のほうが速いじゃん」
Y「人体実験もね」
A「・・・臨床実験ね、Uはカフェインを麻薬っていうタイプだ・・・知ってたんだ、気を使って話して損した・・」
Y「カイから聞いたよ、精神病の薬を開発してたって・・・
メフィストフェレスを仲間にするにはいっつも方法は1つしか
ないってことだ・・・・」


X「そりゃ諦めたほうがいいね」
Y「うえぇ~~~たった一言で・・・」
X「キヲクを画像に出すのはよくない、というかそれではキヲクを捉えたことにはまったくならない。Amsのいう通り
脳は画像を写すようにはできてない。それよりも、キヲクを、キヲクのまま、繋いだほうがいい。
 つまりキヲクを鮮明に思い出して、そのパルスを電気情報に書き出して、それを直接、違う脳へ、もしくはネットワーク
につないで、違う脳へと伝達するほうがいいと思う。
 その電気情報自体は、何を意味しているかはわからない、それは脳にしかわからない。
違う脳が同じデコード、をする
かどうかもわかんない・・まぁそういうのを微調整とすり合わせをして少しづつキヲクコネクトしていくしかないと思う
 ともかく感覚器を使わないで、脳から脳へつなぐほうが効率的に決まってるからね。
そういうことならもちろん協力するし、というかIも今まったくそれと同じようなコトをやってるからね
 NEOSっていう・・・物質に依存しないセカイを作る試み」
Y「ほんと?やった大幅前進」
A「データは使わせてもらえる・・?」
X「全然いいよ、じゃあまとめてあげとくから、それ参考にして。・・Amsこれ以上仕事増やして大丈夫なの?死ぬよ?」
Y「まぁ何もしなくても死ぬからさ、何かして死のうと思うよ。ってAmsも言ってます」
A(言ってない・・・)
Y「Axa君も忙しいのでしょうか?」
X「ん~いろいろと」
Y「何をしているのでせうか・・」
X「まず一番せっつかれてるのは、アポトーシス・・・まぁもうすぐ死にそうな金持ちがですねぇ、不老技術をはよ完成
させてよ、ってうるさいわけ、エテルナ技術って呼んでるけれど。
あと再生医療ね。それがまったく不可能なら悔しくないけど、それが目と鼻の先で死んで
しまうのはイヤってわけだね。
 あとこれも、金持ちのガキがなんか死にそうで、それをサイボーグ臓器でなんとなりませんか、って泣きつかれて
るのも色々と、キリ無いねそれって・・」
Y「むぅ・・・(切実やね)、じゃあ暇なIが頑張るほかないってことか・・・」
X「ちなみに、脳のそういう・・・分析は、下のセカイではタブーになってるのをご存知?マインドコントロール兵器
ってことになってしまうからさ、普通の学会から追放されるよ。普通の大学、普通の国家、普通の企業はそれに手を出した
ら、スコン、と社会的に抹消される、メディアに潰される。世論はCIAが思い通りに操れるしさ。それは倫理的問題じゃなくて
DORPAがそういう情報を独占したいだけなんだけど。
 だから通常の情報世界からは抹消されているでしょう、脳のインプラント技術とかは。あるいはナチの人体実験のデータとかは
あったらメチャクチャ役に立つのに、それは本当に誰かを救ったりするのにも役に立つのに」
Y「なるほどそれでか、そういう本って無いものね、意図的に消されてたんだ」
A「問題ないです、Iも海里も学会離れたし」
X「悪用すればなんでもできるから、そりゃあらゆる技術がそうじゃんって思うんだけど、ま、阿呆ですからね下、は」
Y「Iもでんでん気にしないよ、サヴァンじゃないし」
X「Iが思うに人類を滅ぼす技術なんてもう核爆弾で完成してるんだから、それが増えても、マインドコントロール兵器やバイオ兵器とかでね、結局リスクは変わん ないと思うんだけどね、まぁそういう論理計算は出来ないのだよね」
Y「カイも行ってたけれど、結局何をするにもその権力と軍、Power and Armyが現れてくるのだね、いやんなるのもわかる」
X「究極的には、権利ってのはすべて暴力に基づいてる。カイがよくいうヤツだ。IHES、っていう純粋数学の研究所でさえ
資金は軍事予算から出てる。
デルガドっていう、いわばそういう脳の電気的処理
研究の第一人者は、脳にインプラントをつけて、そういう暴力、を物理的に行えないようにするつもりだった。
 暴力的な行為、非道徳的な行為をしようとすると、インプラントが電気を流して、回路を切断する。人工的な暴力の無い世界」
Y「そんなコトいってマインドコントロールするつもりだろ、ナチの残党めってことでしょ」
X「そういうわけ。デルガドは干されてデルガドのデータは凍結された。どういうわけか、Iは持ってるけれど」
Y「なるほどね、だから死にかけの金持ちを助けてあげるんだね。そういうものと交換にして。オカネも地位も持ってるのにタダで人助けするような人間じゃないものね」
X「ものすごい言われようですけど、まぁそういうわけ」
 X「けどAms・・・(これが終わったらどうするつもり?)」
A「・・・・(その話はしないでください・・したら敵になってしまうから)」
X「・・・なんでもない、まぁしばらくはじゃあUsは共同研究者というわけで、仲良くやりましょう」

//////////////////////////////////
 海里「しかしなんでそんな好戦的なの、それほどひどくもないでしょう、飢えてもないし、多少のアルバイトで生きながらえるのは出来るでしょう、それに簡単だ。誰がなんと言おうと現代は生存するのが簡単な時代だ」
ユキ「その通りですけど・・・、そだね、ナチスが政権をとって労働者のための政治を行った、軍の増強で失業者達を
吸収した、全体主義経済で、どん底の不景気を克服した、負債も武力で踏み倒した。 
 労働者にとっては、そう、生活の保証をしてくれるんだし、多少無茶苦茶だろうと、そこまでナチスを悪く言うなって
ことを言われたと思う、多少ナチスが無茶やってたって、事実生活は上向きだし、景気もいい。国際的発言力もうなぎのぼり
平和のためだ、ナチスの言うことを聞いとくほうが身のためだってね。
 そうなんだよ、平和の為だ秩序のためだ云々いって、闘争を避けるのはたやすい、戦わないコトほど簡単なことはない、戦えば
負けたら死ぬことになるのだから。
 戦わないコト、の正しさってそういうことだとIは思う。ガンディーやダライ・ラマは偉いのかもしれない、けれど
結果はというと、チベットの僧は国を追われ、ガソリンで自分を焼いてるのだし、印パ戦争は永遠に終わらない。
 それでも戦わない、は偉いのかもしれないよ、偉いと信じる人もいるでしょう。それってでもやっぱり死ねってこと
でしょう、生きてるってことを否定してるとしか思えないね、そうじゃないっていうに決まっているのだけれど。
 清廉潔白で高い倫理を持った人が権力者になって、戦争を否定してるためにどんどん他国に領地を持っていかれて
国民全員が奴隷になって、それでも戦わないという理想を貫いたとしたら、それって最悪の独裁だと思う、そういう理想を
持ちたいなら一人でやればいい、結局それが戦わないことよりも多くの人を不幸にするし、惨めに死ぬコトになるんだもの。
 非暴力で戦ってるんだ、っていうと思う、けれど、それで失敗してんじゃん、非暴力でナチスと戦った
言論で戦ったというとしよう、トルストイは日露戦争を批判したよ、実際。
けどやっぱり口先だけで何もしてないってことにしかならないよそんなの。
Iは生きるってことにもっと高い理想を持ちたいと思います、だから戦うコトの正しさを主張し続けたい
 アメリカの言うことを聞いて中東のオイル戦争をそのままにするのを、見てみぬフリをするのが、平和的な正しい
態度なんていうのは、Iは許せないし、口先だけでほざいてる国連も許せないね、なんでもいいけど嘘をつかなきゃ生きてけない社会だけはイヤなんだ、それはマジでイヤなんだよ」

・・・・・・・・・・・・・・
 科学の発展は、軍事兵器の開発と結びつかなければ0と同じだったでしょう。鉄砲に始まる科学兵器は戦争を数の論理から
爆発力へと変えた、戦争は人数が多い軍隊が勝利するのではなく、より大きな破壊力をもった兵器を有効に使う軍隊が勝利
するようになった。これが古代のすべての社会学的論理に破綻をきたす要因となった。結局のところプラトンにせよアリストテレスにせよ、キリスト教倫理にせよ、少数派が暴力で多数を抑圧することが十分に可能であるという状態に対応できるような社会システムではない。
 さてキリスト教、は科学者、マテリアリストを魔女狩りや火あぶり、背教者というわけで虐殺、陵辱しまくってきた、それは正義という名目でなされた。ヒュパティア、ブルーノ、ガリレオ、トマス・モア・・・それは数の論理でなされた、キリスト教徒が多数派を占めていたから、少数派でしかも軍隊を持たなかった科学者は殺された。
だから科学者は復讐をするでしょう、神々の戦いで、まず抹殺されるのは、神を信じる者たちだ。一人残らず彼らを殺さない限り、神々の戦いは終われない。
 

//////////////////////
 ユキがキヲクセカイに熱中している、ときにユズキはリンを生む。海里に本音をしゃべる
Z「あれなんです・・・Iはユキが死んだら、そのとき一緒に死のうと思ってた。思ってたっていうかそうなるだろうなと思った、けどやっぱそれも怖くて・・コドモ作っちゃったんだと思う。一人ぼっちんになんないように、保険を作った・・いつもの弱い自分が出てしまったんだけど・・・・、けどその弱い自分とも付き合い長いから、たまにはやりたいようにやらせるのもいいかなと、最近思ったりもするんですよね」
K「いいんちゃう、っていうかそんなに深く考えるようなことでもないでしょう。ほとんどのオンナは一回くらいガキを産んでみたくなるもんでしょう。コドモだって、生まれちまったら仕方ない、なんとかやってくしかないんだよ」


  リン、キラル、ソアラのガキトリオが結成・・PEREATへ、彼らは5才ですぐに住み込みの学校に行く。

/////////////////////
 ユキも人体実験になることで、命をステークにしてゲームをやる・・カイと同じステージでがんばろうと思うから
 Y「Iがマウスになるけれど、なるべくすぐ壊さないでね」

Y「海里と同じところで戦ってたいんだ、じゃないと・・・海里のコトを本当にわかって挙げられない気がして」

 A「Iはユキが思うほどまともな価値観してないからね、むしろAxa君と同じで・・・」

K「彼らを止めないの?Amsは、信用しちゃだめだよ」

Z「・・・講演会の後覚えてますか?Iがついていくっていったらユキはなんにも反論しないで、ユズも一緒じゃなかったら辞めるって言ってくれたの・・・危険だから、危ないから、取り返しがつかないから、そうやって本当にやりたいことをやらせてあげないのは優しさでもなんでもなく所有のエゴなんですよ・・。その時にイチが言ってくれました、そばに居てやるだけで十分だって。それが優しさだって・・・だから・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・
 LEがある程度形が出来たところで、世界革命戦争が勃発。
海里たちはその盛大な終わりの始まりを遠くから見る、核の嵐とそれを撃ち落とす世界革命派。
海里「間に合わなかったな・・」

 海里たちはそれを知っていた、核ミサイル迎撃システムが完成し、ミサイル側の迎撃回避技術が完成するまでの、テクノロジーギャップを見て、世界革命は始まるだろうと。ルーエル電磁界技術はもともと核迎撃システムとして開発されたものだから。2人は、それがどんな結果を生むかを知っていた。実は世界革命戦争を引き起こした張本人はこの二人。
ほかのメンバーもそれぞれ世界革命、旧世界と内通している。
ユメの代償・・・、世界革命は、結局は戦争のための戦争、核の無力化、人口の削減。統一政府・・・

ユキ「私達だけが何も知らされてなかったの・・?そんなのってないよ」
海里「盲目だけが唯一の人類の希望だからね」
ユキは海里を殴る
海里「自分がどう考えてるか、自分ではわからないって・・・確かにそうだね、本当は、ただ嫌われたくなかっただけなのかもしれないね」
ユキ「わかってるよ、ただたまには親友をなぐりたいだけ

当然海里たちの核融合技術が狙われる、世界革命派につくか、旧世界につくか・・・海里はどちらも拒否するが、チームは引き裂かれる・・・バラバラになってWRに巻き込まれていく・・・
 果たしてLEは飛び立てるのか?

 ニーナ「すべてがおわったら・・・またみんなここに集まろう」
海里「そんな日はもう二度と来ないね」
カレン「同感、GOOD(永遠に) BYE だよ。」
ユキ「結局いつだってそうなんだ、人間は毎日変わっていくから、今日、今の私は、もう二度と出会えないんだ。さよならは
いつだって、永遠にさよならなんだ・・・、私だって、今日の私にはもう巡り合わない・・」

 残った人びとででLEを完成させる、海里とユキとユズ、アムス、カレン、薫・・・

・・・・・・・・・・・・・・

 



 キヲクセカイの公式
・キヲクセカイってのは、最終的に暴力的に解決するってことが不可能なセカイだ。物質に依存しないセカイだから
物質的に誰かを破壊するってことが出来ない。キヲクは、キヲクセカイの中からは消せない。外から手を加えるしか。
 物理的に排除することが不可能な場合、どうやって秩序を生めばいいのか?これはすごい実験だね・・・・

////////////
 消えたキヲク  カラオケの続きから
But my dreams
They aren't as empty...
  
ユキセンは歌う時にポケットに手を突っ込むクセがある、だいたい上着の。手の置き場所がわかんなくなるからだって。
ユキセンがやるからそう思うだけかもしんないけれど、そういうリアムみたいなふてくされた歌い方が好きだ
 感動を強要してこないから、だからするっと心の城壁をくぐって、本丸を握られてしまふ・・もう泣かないって決めたはずだったのにな)

 ニンゲンは、たぶん誰かを楽しませるために、好きになってもらうために、色々やってきた、何百時間もかけて、新しい技術やら、なにやらをつくったり、芸術を作ってみたり、本や映画を作ったり。
 でもそうやって積み上げてつくりあげたものも、ほとんどアカペラのシンプルな歌に手も足も出ないで負けてしまうものだったりする、でもそれでいいんだと思う大切な人の声が聞こえる、いっしょにいるってわかちあえる、それだけで、ウソみたいに心を揺さぶられる
 生まれて良かったって言える。だからそれを忘れないようにしないと・・・

 おばあちゃんは忘れちゃったんだ、いつが一番楽しかったかなんてどうでもいい
過去と今を比べる必要なんてない
キオクは大切にすれば死ぬまで残ってくれる
Iは死ぬ時は一言
生まれてきて
良かったって言うよ

 あとどれだけ、IはIでいれるんだろうか・・・・


 選ばれなかった運命
 海里に出会わないでナナと一緒に普通に大学に行った未来を、ユキが勝手に創りだしてそっちで生きる・・・ことも出来た。ユキはやっぱり映画監督を目指してナナと一緒に芸大へ・・・


・・・・・・・・・・・・・・・
ユキとカイの最期の会話?
 K「最期に本当のコトを言うね・・・Iは論理的一貫性が無いと耐え切れないヒトだから、この社会で生きてくためには自分を変えるしかなかったユキのいうみたいにIdを殺して、IはIを作ったよ・・・
 本当は、本当は・・・誰かのために何かしたいって願ってるよ。死ぬほどそうやって生きれたらって願ったよ・・けど・・・Iは・・・出来ないことは出来ないってわかってるから、自分を騙せないんだ、やっぱり自分に嘘はつけないから
ユキ、自分が自分でいれるようなセカイを作ってね、Iには出来ないけど、ユキには出来るのかもしれない・・・」

////////////////////////////////

ーー夕焼けがIの故郷だって言ったけれど
今ではここがIの帰ってくる場所だ・・

・・・・・・・・・・・・・・

海里「始めの頃は私は本当に死ぬのが怖くなかった、それがいいことだと思ってた。
けれど違った、死ぬのは怖いほうがいい、消えてしまうのを恐れていたほうがいい、それを持ってるのに
いなくなってしまうから意味がある気がする、それを抱えているのに逃げない事が大事だ
思い出せて良かった、だから行ける」
///////////////////////
 「Iには正義が何かなんてわかりはしないよ、ただ・・・時代に逆行すれば滅びるだけなのかもしれない、けれど時代と一緒に死んであげる優しさも必要かなって思う、その時代にその時代の正義を考えて死んでいった人たちのためにも・・・・
 ただ1つだけわかったのは、一緒に生きようってこと、一緒に生きるから、そこから喜びも孤独も怖さも、生きてる理由も見つけられるはずだよ・・・コタエじゃない
 最後にどんなコタエを見つけるかではなく
最後にどんな質問を残しているかが問題だ。
コタエは誰にでも同じだけど
質問は空白を残すから
 
 必要なのはコタエじゃなくてミライだ

・・・・・・・・・・・・・・
海里が結局旅立つVER
LEが発進、追いつけるわけもないのにユキは走る、涙と嗚咽があふれる、足が折れるまで走ってやる・・・・

 人は失うために生きている
人は失うために戦わないといけない
 失うことの正しさを
//////////////////////////////////
「続ける理由がないよ」


ユキ「人は失ってやっと何かの大切さを知るというでしょう。それって、だから当たり前の日常を大切にしなよって、家族とかトモダチを大事にしなよって意味だって普通受け取られてるでしょう。
 私は違うと思うんだよね、失って何かを知るしか知る方法は無いんだよ、それは本当、手に入れて、失うしか無いんだ。
だから失うコトを否定しちゃいけないんだ、ヒトはそれしか知る方法は無いんだから。大切だから、大事だからいつまでも
それにしがみついていたり、動けなくなったりしちゃいけないんだ、それじゃあ何もわかんないんだよ。
 愛するヒトを失わなきゃいけないんだ、若さや純粋さや、美しさを、すべて失わないと何も見えない。それを失ったから
私は懐かしさに気づくんだ、美しさに気づくんだ、失わなかったらそれはわからない。それに気づかないでいるのは幸せでも
なんでもないよ。幼年時代の楽しさは老年になって思い出になって始めて楽しいものになるんであって、幼年時代の幼年時代は別に楽しくもなんともないものなんだ。
失い続けるコト、そうやって私は生きる意味を知るよ
死んで初めて、生きることの正しさを知るよ
 キミを失って、キミの大切さを知るよ
キミが好きだから
・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
海里「人が死んだらどうなるか、それを神話ってのはずっと語り続けていたけど
相対性理論、というか科学、もやっぱり神話なのだと思うよ、人が死ねば光になる、それはどんな神話よりも
私には素晴らしいことに思えるんだ、鳥になって空を飛ぶ以上の感動じゃない
光になって宇宙を旅するのはさ、きっと私たちはもう一度会える、それは嘘じゃない」










PLOT


    引用
不可逆性とは何か feynman 21-4
 電磁気またはニュートリノ物理学のなかに時間の向きを基本式へ含むものがあるはずだ。

 
・いかなる問題も、 それが発生したのと同じ次元で 解決することはできない アインシュタイン
 
ヨーロッパの最後のコトバは文化的で人間的な無神論でしかなく。民衆が教育によってインテリの水準まで引き上げられないならば、民衆を始末しろという  ドスト
 *ニーナはそういうわけではヨーロッパの亡霊、カトリックの亡霊・・


・「今ではアルジャーノンも自分の排泄物に埋もれて動かない・・・Iはどっちかな キレイ組かキタナイ組か」
   アルジャーノンに花束を

・虎子を得ようとするものに危険有り、オンナより幻想を奪わんとするものにも危険あり
    ーーーハフィーズ(ペルシャ詩人)

データを無くして推理すると、自分の仮定に合うように事実をねじまげたがるからね、データ、データ、まずデータだ。
  ホームズ

i am become Death , the destoroyer of the world
 Robert Oppenheimer (A-bomb の完成に対して)
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 設定

CNFRの歩み
 まずCERNのNFがあまりにもはかどらないので、それを促進するための特別な別プロジェクトとしてCNFR が立ち上げられた。
 若き天才軍事開発者のニーナ(angel を開発している) がトップにおかれた。NINAは若くて優秀な女の子を駆り集めた(能力の割に安いから、それにだいたい少女に意見されるというのが男の科学者には我慢できないことだから)。ほぼオンナで揃えたCNFR。海里とアムスはNFはもっとスケールを小さく、素粒子段階でもエンジニアリングが必要だと結論。また高次元モデルを使う必要もある。11次元のシュミレーション。にはしかし7乗程度PCの性能が足りない。
そこでAXAと協力してパラレルベクトル計算、をいくつものスパコンに同時にさせるシステムを考える、そしてその中心のDOXAにはメモリ機能は無いが、100万倍の速度を持つ、QUANTOM CPU が積み込まれる。これがDOXAの心臓。そこから海里とAXAの接点が生まれている・・・。
 海里たちが使った技術のほとんど、QCPU、hyperfluid、ナノテク、Quarkの計算などはだいたいファインマンが考えたもの。よってKはファインマン信者でもある。
 ちなみにファインマンの最後のコトバ
this death is boring
 死ぬってのは退屈なものだ。
 
エテルナとは?
・エテルナは実は、人工的に作られてものではなくて、変異種として人類史の中で存在していた、遺伝的変異・・・自然発生的なもの。X、はそれを遺伝子操作で再現可能にしつつある(モディフィア)。
 エテルナは泣かない。泣く機能がついていない。進化の途中で失われた、そして鬱傾向が少なくモチベーションの波も小さい。
 不死身ではない、事故、病気などで死ぬ、そして基本的にはカラダが弱くて、すぐに死んでしまう、だがここ最近、シンクロニシティー的に、1900年頃からちゃんと成長するエテルナが生まれつつある。(エルなどはその第一世代)それでもカラダの劣化によりいつか死ぬ、何も起こらない場合、500~800年ほど生きられるとかんがえられる
 成長は12~18くらいで止まる・・・、特徴的な紫の眼の色・・睡眠障害・・・
エルはちゃんと成長する第一世代のエテルナ、1900年生まれだという・・

 エテルナには、DNAにエテルナエというサピエンスにはないタンパク質の合成情報が含まれている。エテルナエはDNAの修復をするタンパク質で、劣化がサピエンスよりも圧倒的に小さいし、老化死機能は失われている。(エテルナの鼓動は遅い、そして運動神経はあまりよくない)。もちろんサピエンスにエテルナエを投入しても、DNAなどの組成が違うので機能しない。エテルナエのおかげでエテルナは放射能耐性が強いイキモノでもある。
 中身を見ると本当に、違う、イキモノなのだとわかる。

NEO SKIN SUIT
服ではなく、皮膚の拡張がポイントのスーツ、ピタリと張り付き与圧し、血流も保ち、脳にうっ血しないようにし、電気刺激で筋肉も活性化させる。船内でもこれを着る、基本は脱がなくてもよい。足には磁場吸着があり、取り外し可能の生命維持装置が背中につけられる。
 ヘルメットはフェイスの形になるはずだけれど、これは目下デザインが定まらずに研究中。
構造としては、シリコンレイヤー、電気ワイヤー、水冷チューブ、ファイバーが網めぐらされてそれが動くようなもの。妙にエロい。

・思い出せない夢は忘れたのではなく、無意識下で思い出したくないと判断されているのだ
夢は無意識のストッパーが作動しない。それに脳は実は何一つ忘れはしないのだ。


・エネルギーは時間不変 CPTで保存則、つまり時間は、前、後ろを持ったベクトルではなくて、すべての時間で1つの全体を持つもの。時間外では時間は感じられない→ネーターの法則

・NFRは従来のエンジンによる火星への時間、約半年を短縮して、60日ほど。
 
・カレンの猫、ニャウシェスク将軍(ヒマラヤペルシャ猫) アダ名はセスク

・現代は氷河期の終わりではなく、氷河期の間の間氷期にあたる(フランドル期)

・ソアラ 海里の卵子バンクをもらいうけてニーナはエテルナを創る。それがソアラ、ソアラの父は改造エテルナ遺伝子、よってソアラはエテルナ・・・、AXAの子のキラルはノーマル・・・
 ニーナはソアラをユキに育てさせる・・・

・火星の独占、独立、人類との隔絶。火星への他の探査を迎撃する・・・(プラトニクス。相互に役に立つ人間のみが社会に参入出き、他は殺す)

・anti missile MAV (micro air vehicle)  L’angee
  ニーナが一番最初に開発した、小型無人ミサイル撃墜ロボット。小さな飛行物体MAV、で原子力電池とソーラーで動き、高速移動する物体に吸着して爆発する(ファージのようにドリルで爆薬を突っ込み爆発する)、これを空中にばらまいておくと97%の信頼度でミサイルを撃墜できる。特に核ミサイル戦争で、一方的にタコ殴りにできる。
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ネタ 資料
エレクトロンの語源はエレクトラ、ギリシャ語でコハク。
 伝説ではエレクトラという少女はファザコンの元祖・・

・ヨブ!! (ロシア語でëb ファック、まんこ、悪態) 

・ニンゲンの大脳の細胞は140億、人類の人口は70億ほど・・・

・昔の爆撃機ではエンジン音で何も聞こえないので、インカムだけでしゃべっている、4thでもPNTにより、インカムで更新しながらしゃべる。

・戦争で死ぬのは考えるからで、考えないで行動しなければいけない

・機械の機は木ヘンであって、昔は機械は木でできていた。けど今となってはまったく時代遅れになっている。意味、を持つものはすぐ古くなる。漢字はほぼもう完全に古びて意味を失っている。視覚言語として見て意味がわかるという利点を完全に失っている。


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SCENE
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・制服ってのはONとOFFがわかりやすいものいいですね。
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 ユキのイタイところ

 Y「Iはイタイやつだから、(海里との関係のことで)いぢられたら、ストッパーが全然利かないよ。あの夕方のニュースに出てくる、不可解な殺人者の気持ちがめちゃくちゃわかるもの。Iもなんでもやりかねんね、人殺しくらいなんの躊躇もなくやってしまうな、友情のタメなら仕方ないとか言って」
Z「わぁってますよ、でもその地雷地帯を歩くのがスリルがあっていいなと思って。ユキセンになら殺されてもいいかなという文学的な予感もあるし」
Y「止めなよ、そのへんで遊ぶのは、笑えないことになるぞ」
 
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 海里 ニーナとマテリアリストぶり
K「科学は、権力であって、軍と全く同じで抑圧の道具だってのを、科学者は空っとボケて人類だの真理だのという幻想を与えるでしょう、その奴隷の中から、役に立つ奴をセンバツしたいからさ。
 科学は突き詰めれば暴力だから絶対に分配されないし、公平に利用されることもないものだ・・・


N「Iが思うに、ほとんどの人はシステムや社会のあり方を変えれば何かが変わると思ってるでしょう。自由民主資本主義 LDC 、これをどう変えようか、みたいなコトを語っている人がいる、それはでも高級言語を変えてるだけで、本質的には何も変わらないよ。
 つまり 暴力→社会→システム
 階層状に考えればわかるけれど、まずベース言語は暴力であって、これはどのニンゲンにもユニヴァーサルであって、これを理解出来ないニンゲンはいないし、これの影響を受けないニンゲンもまたいないわけだ。それが社会、システム、言語、数学と高級になっていくほど、わからないやつもいるし、関係のないニンゲンもいる。
 社会やシステムを変えたって、原爆やNBC兵器は実在して、存在するのであって、それをどんな奇妙奇天烈なキレイ事でまとめた憲法やらを作ったところでそれを変えることは出来ない。人は社会のシステムなんか選択出来ない。それは暴力、P の関数で決まってるんだ。共産主義、社会主義、民主主義なんていいつつも、結局はラベルが違うだけで全部同じ、どのようにニンゲンをグループで使って、より強いPを得られるかってだけだもの。そのマイナーチェンジのために革命やらで死ぬなんて馬鹿げたお話だよ。
 金儲けの理由や資本主義の目的がわからない、というのは、ウソで、およそすべての社会的行動はただひとつ、Pの最大化にある。Pが原爆以降、リミットを突破して、すべてを破壊してしまった、発動した瞬間に全員ゲームオーバーになる、という物理的環境が現れた。それで、目的は喪失したわけだけれど、暴力による解決が事実上不可能になると、何も解決しない、っていう状況が生まれる、一切のことが何も解決しないで問題が山積していくばかり、それはソ連みたいに内部分裂すればいいけど、そんな都合よくも毎回いかないわけで、結局いつかはゲームオーバーになるでしょう。Iたちの文明には時間がない、GOはもうすぐである。それに、ドストエフスキーとか、第一世代が最初に気づいた。原爆が生まれる100年も前から文明の終焉を感じ取った、たぶん200年先のミライに思いあたった。
 解決方は高級言語の社会の改革などでは絶対なくて、物理的環境自体の変更、この階層構造自体の変更だ。けどそれはIたちが自然世界に存在してる限りほとんど不可能でしょう。
 それでも根強く戯言の協調とかにこだわる人に言いたいけれどニンゲンには意思なんてない、ニンゲンの脳は原子の配列で、原子は互いに交換可能な100種類くらいのパーツでしかない。ニンゲンの意思によって、社会のシステムを変えることができると思ってるのもこれは間違いで、ニンゲンの脳の決定は確率的に分布するだけで、突然賢くなったり、出来がよくなったりはしない。社会や教育を変えるのではなくて、配列を変えるべきなんだ、順番が逆になってるんだよ毎度ながら。自分が見たいと思いたいように世界を捻じ曲げるのはやめろ、って話。脳は原子の配列だってのは、世界観やら思想の問題じゃない、ただの事実だ。事実を無視するのは、考え方の違いなんかじゃなくてただの間違い、だからね。
 今まで原爆開発以降どうにか文明が崩壊しなかったのはニンゲンの平和の意思などでは全然なくて、たまたまなんとか回避しただけだよ。本質的に戦争を、暴力的解決を必要とする枠組みは何一つ変わってないもの。それはニンゲン、の全体としての知性の確率分布からして変更出来ない、暴力的解決を必要としないようなモノへ変更するにはニンゲン自体を変更するしかない、ソフトの改良ではうまくいくはずがない。ニンゲンは戦争によって滅びるのじゃなくて、戦争が出来ないという物理環境を生み出してしまったことにより滅びる。そして知的生命体っていうのがこういう段階を踏んで、自滅して滅びるってのはありがちな宇宙あるあるで、それがIたちが宇宙にあまり知的生命体を感じない理由だとも思うな。知性の発展っていうシュミレーターを作ればたいてい自滅するようにこのセカイってのはできてるんだろうね。
  ホモ・サピエンスは滅びるし、この文明も必ず滅びる、この予言は1000%当たる、だって時間を限定しないから。一人残らず滅びることなんてほんとに可能なのか?と思ってる人は、アウストラロピテクスやクロマニヨン人が一人残らず全滅したってことがわかってない。ただの一個体も生存出来ずに全滅した。
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Ada lavelaceの話
 
K「前に回路とかはオタッキーだから避けたいと言ってたけれど、最初のプログラム計算をしたのはAda Lavelaceというオンナの子だと言われているよ。バベッジのdifference とanalytical machineは当然のことながらあの時代には作るのは不可能だったわけだけれど。(同考えてもフクザツすぎるから)実際に何をしたのかはわからないけどバベッジの手伝いをしたのは確実。
 そいでプログラミングってのはオンナに向いてると思うのだけどな。ひらめきよりも退屈さへの忍耐と飽きないでやるスタミナだから。インフォメーションエイジってのもオンナに有利だと思うな、腕力や独創性よりも、やっぱりちゃんと毎日仕事をする、レジリアンス、が大事だから。というわけで若きオンナのみなさん、ぜひプログラミングを学べというわけです」
Y「Lavelaceってあの(ヤリチンの)ロードバイロンの娘でしょう、どっちかというと無頼の才能から面白い子供が生まれてくるものだよね。詩人からプログラマーの娘が生まれるなんてさ」
Z「美人だったって話しですね、けど私はやっぱしバイロンのほうがいいな・・コスプレですものね」
 


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 人類の知性のレベルと、技術的シーリング
 空飛ぶ自動車はなんで開発されないかというとね、それは危険すぎるからだ、NFEは夢のエネルギーだっていってそれを一般の自動車に普及させたら、そのエンジンだけで都市を一個ぶっ飛ばすことはすごく簡単だから。だから人間の文明に導入できる技術にはシーリングがあって、人類の知能レベルを超えるものは導入出来ない。今ですらもうギリギリだってわかるでしょう。核融合技術を人類に与えるのは、サルに拳銃与えるのと同じなんだよ。
 そこが今の社会システムの限界だ。核発電所が占領されて自爆されたら?軍事基地が悪用されたら?原子力潜水艦が裏切ったら?Droneが大量生産されて使われたら?ってわけでこれ以上の科学技術を社会にインストールしたら確実に破滅しかないってわけ。自動車ですら、兵器として大衆に委ねるには強力すぎるんだよ、毎日自動車事故で人は死んでる。
 じゃあそういう技術は凍結されて、今あるものでなんとかするようになるのかというと、それは無い。経験的には、そういう技術が導入出来るように、社会や人間そのものが変化する。ヒトが愚劣すぎて、技術が使えないなら、ヒトを始末する、旧的社会は滅ぼされる。それは新しい技術と、より強力な兵器を持ったグループによってなされる。
 正義とか意思や個人の問題ではなくて、物理的環境が変化を必然にさせる、いずれ必ずそうなる。 誰が支配者になるか、誰が旧式の国家を滅ぼすか、誰が人類を消滅させるか、それは本当はたいした問題じゃない。技術が完成した時には、もう結果は決まってる。

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 論理的誤りの拡大則
・論理の法則があってね、途中で一回でも論理をねじ曲げたら、それはエラーを拡大するだけでゼッタイに収束しない。たとえば途中で暴力的脅しにより5+7=13を受け入れると、それ以降の計算はすべて間違う。エラーは拡大するし、さかのぼってすべてがエラーになる。0、と1もすべてエラーになる、遡及的に誤りになるんだ。
 だから嘘を受け入れてはいけないんだ、いくら脅されたってね。間違いは間違いだ、何が正義かは人によって変わるでしょう、けど間違いは間違いなんだ。


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 データDEDUCTION(演繹)
データを無くして推理すると、自分の仮定に合うように事実をねじまげたがるからね、データ、データ、まずデータだ。 BY ホームズ

 K「 現代物理学では、データよりも創造的な思考力が必要になると語っている人が多々おるよ、カネが無いから実験も出来ないから(データを得られるのは何十年後かわからないものから、得る可能性すら無いものまで)好き勝手な仮説仮設仮設ばっかし、まずデータをとってから考えればいいんだって。それからでも遅くない。やることないけど論文書きたいからって予測ばっかしになってる。 はっきり言うけどそれは絶対ダメですよ。
 だってQP (quantam physics)では、データよりも想像力が大事だ、というのは、結局今までのデータから予測してるにすぎないから。ヒト、がもし水の無い惑星に住んでいたら、水の性質を想像することも出来なかったはずだと思う。水があったから水のデータがとれて、水についてわかってきた。自然科学は全部帰納、INDUCTIONだから、論理式で解が出せるわけじゃない、常に今まではそうだったから、という正当性しかない。想像力を自然科学に置くヒトは、ヒトがDEDUCTIONで演繹で自然科学を創造したと、勘違いしてるか、傲慢になってる。ただの奢りなんだそれって。自然に謙虚であれみたいな阿呆臭い仏法を諭したりはしないけれど、ちゃんと順番を追ってその成り立ちを調べろってことだね」
Y「あれですね、それって。物語ってのはそもそも、過去、について語るもので、未来、について語るSF、とかは常にこれはキワモノであるってことを覚えておけってことでしょう。作家の。未来の事を語ると常にスカスカのペラペラになる。神話やファンタジーですら過去、の事を語るものだものね。語るという動詞事態に、過去について語る、っていうものが含まれているから。ロボットが飛び回ってる世界なのに、普通に車に載ってたりするものね、車て!」


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 アメリカ批判について 失業者、の現代性

まぁ逆に言えばそうやっていっつもギリギリまで追い詰めてモチベーションをつけるっていう、負のモチベーションが資本主義のエンジンなんだけどね。それの一番悪いところはそれが恐ろしく機能してるってことだね、ほかのエンジンではそのエンジンに勝てないんだ。ニンゲンを追い詰めて豚みたいに働かせるシステムに。みんなアメリカ人はバカだっていうけど、そのアメリカにコテンパンにのされてんだもん。バカ以下じゃん。

 そう、奴隷や農奴は失業者の受け口だった、だから古代には失業者が存在しない。失業者というのはフランス革命体制以降の存在、けど軍隊が普通その受け口になるのだけど、平和で軍隊が縮小されるとさらに、失業者は反体制に回るでしょう。
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 物としての自分
ユキ「もう私も18になっちゃってさ、ピーク終わってんだ、女としての、やっぱナバコフじゃないにしろ女のピークって初潮から5年くらい、12~17くらいだもん、もう私の・・物としてのピークは終わってるような気がした。オンナをモノ扱いするなというけれど、そのモノとしていくらカネを稼いでいい思いをするつもりだって話、それがイヤなら、ちやほやされるのも貞節ぶるのも、身売りするのもすべて一切合切やめろって話だからね。
だからやめた、女じゃなくて人間として何か初めないといけないんだよね・・ピークで引退する人は勿体ないっていうけれど、そうじゃないと思うな、だって今がピークなんだもん、最高点出してしまったんだもん、そこにもういるべきじゃないんだって、他の人より群を抜いていても、自分を超えられないならもうそれは終わりにしないと・・・」
Z「そうかなぁ・・、全然ルックスは衰えてない気がするけど・・むしろ今のほうがちょっといいですよ、細すぎでしたもの10代のころは。健康そうですし」
ユキ「ダメですね、迷いがないもん、やっぱ15くらいの迷いとか恥ずかしさとか居場所の無さとか自己嫌悪とか、そういう・・・こころがぐちゃぐちゃになってないと・・・、未完成の完全さっていうのかな。完成したら、完全には遠のいてしまう気がする・・・少女にはメスとして完成してない、両性的なものがあるでしょう、それが、・・・胸を打つんだろうな。
 ふと思うんだけどたぶん私は映画監督として1つも作品を完成出来ないんじゃないかと思うよ、もっと昔は絶対に一本しか作れないと思ってたけれど、それもどうやら、だね、完成させたくないって思う・・・未完成が一番完成に近いんだ」
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 ユズとアムス と リンの予告
 
Z「ごめ~んさっきはからかってごめんね、データ渡し忘れてた・・」
 アムスはオナニー中
 ユズの口元ニヤリ」

 Y「先生はいっつもいっつも忙しぃならぁ、ってぼやいてますけど、海里みたいにアシスタントとればいいじゃないですか、けっこうまかせてますよ、薫とハナとユズに、ヒトに仕事まかせるってのも結構大事だとIは思うなぁ」
A「・・・Iは知らないヒトと付き合うの苦手なんだよね・・、特に仕事まかせるのとかって悪いなぁと思ったり」
Y「なんかIにHPの仕事投げましたよね昔」
A「・・なんのことやら」
Y「確かに薫とハナとなんてほんの少ししかしゃべってないですもんね、ユズとはどういうわけかしっぽりやってるようだけど」
A「(しっぽり?)・・ゆっちゃんはなんだろうな~~、波長が同じっていうか、ユキはまぁ・・薫君とハナちゃんはまともだからちょっとね・・」
Y「Iはまともじゃないと?」
A「うん」
Y「オーマイ、じゃあIが後輩とか使えないのかなぁ・・けっこうIもしんどくなってきちゃったし・・」
A「どうしてもっていうんならカレン先生に言ってみようか」
Y「ん~、どうしてもってわけでもないですが、IもIの仕事が出来て先生の手伝いもしーキビになってますし。普通、はどうやって生徒とってるのですか?海里みたいにスカウト方式じゃないんでしょう?」
A「Iの生徒として席が1個空きましたっていったら、応募が来ると思ふ」
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AXA君のサイコなところ

 AXAはDOXAのコンピュータのピカピカするところを目玉に変えていて、無数の目玉がギョロギョロするサイコ仕様にしている(ギリシャ神話の百目の巨人 アルゴスがモチーフ)
Y(おっとサイコさんでしたか・・薄々感づいてたけど)
X「どう、いい感じでしょう?」
Y「はぁ・・・、ちょっとついていけないですけど、AXAさんみたいなヒトがベクシンスキーとかガイガーの絵を買うんでしょうね、あんなん誰が買うねん、といつもIは思ってたけど」
X「・・なんでIがベクシンスキーの無くなったコレクションを持ってるのを知ってるの?」
Y「いや・・ただ勘で言ったのだけど・・(典型的なサイコさんだ、どうせ趣味は人体解剖なんだろう・・)どうですかね、Iの卒研のアレを手伝ってほしいな、なんて」
X「全然いいよ、おもしろそうだし、BLUE WORLDも使えるしね」
Y「なんですか?」
X「・・

 BLUE WORLD
インターネット世界のすべてをバックアップして、過去のある時点のネット世界を再現出来るようにしたアーカイブ技術、情報系のタイムマシン
 this is mad scientistの朝君開発。削除されたコンテンツ、違法合法問わず、完全に再現されている。データは国際警察、ネット倫理、学術系などいくつかコピーがある。
 つまり犯罪捜査や学術調査目的で、ネット世界そのもののバックアップが作られている。朝はそのプログラムを書いたグループの一人なのでそれを利用出来る。

 目的は、情報の蓄積から、人格、を形成すること・・・
 キヲクセカイのベース情報・・」

Y「ほぇ~ (それって違法っつーか・・・不当な情報詐取というか・・スパイというか)便利なものですな。悪いですね、Iは何も交換にしてあげられないのですが」
X「でも自分が実験台になるんでしょう?」
Y「あぁ、はい(あっ!取り返しのつかない決定をなんとなく下してる自分みっけ!)」
X「死にはしないけど下手したら、脳がやられることはあると思うよ、戻ってこられなくなるかもしんないし。その時はどうする?殺したほうがいい?再利用してよい?」
Y「(再利用って・・・言い方!)全然OKです、死んだらあとはどうでもいい派なんで」
X「うん、それだけで十分、こんな若くて、健康で美人なら・・・いろんな風に遊べるよね・・まっ、あとでちゃんと書類書いてもらうよ」
Y「わざと失敗してモルモットにしないでくださいよ」
X「それはわからんね、気分次第」
Y「えー!それはしないって一応言いましょうよ」
X「ウソいってもあれだし。時々自分ってのは思いがけないことをするものでしょう?ぶっ壊してみたくなることもある、なんか無茶したいときだってある」
Y「・・・やっぱ別のひと探そかなぁ・・」
X「どうせでも最後はIに頼むしかないと思うけどな、カイとかルーとかは、こぉいう闇の力にはうといから」
Y「ルーって?」
X「ニーナのこと、ルーエル姉妹だから」
Y「どっちもじゃあルーなんじゃないですか」
X「・・そだね、まぁ潔癖症だからね、特にカレンは」
Y「・・潔癖の逆ってなんですか?」
X「殺人狂」
Y「・・・・わかってるんですね」




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 ゲーデルと公理の話

よく勘違いされているけれど、ゲーデルはあらゆる公理体系は矛盾しているとは言ってないです、公理系には証明不可能の命題が必ず含まれるということ。だから無矛盾の公理系はいくらでも存在する、リー公理系、パウリ公理系、もちろんこの世界だって無矛盾の公理系として与えられている・・・と思う。
 けどそれってアタリマエでしょう?公理系が証明可能だって思っている人はおる?
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海里とTOE 
 だいたいTOE関連の人ってビッグバン後のe-43s くらいまでのことはわかったとかいうけれど、なのにガンの治療薬もなければ、たまに肌がアレたりしたら、原因がわからないというでしょう。原因不明の病気なんて腐るほどあるし、なんじゃそれ!って思わない。Iは基本てきに彼らを信用してないなぁ
 確かに優秀なひともいるけど、とんでもない阿呆もたくさんおるという気がするね。
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liberte egalite fraternite  ou la mort
 自由、平等、博愛 フランス社会主義の理念は、その4つ目、あるいは死を、ここに集約されている。人類の強制的融合、それがカトリックの夢であり、フランス革命の理念は
カトリックの理念である。ただそれを神無しでやろうとしているにすぎない。

 ゲルマン人の、プロテスタントの理念はただそれに反発するだけで、自分から何か新しい理念を提示したことはない。カトリックがなくなれば共に滅びるだろう・・ DOCT

 中性の騎士の誓約は
JUSTICE INNOCENCE HONEST 正義、純潔 清貧(正直)
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 海里先生の高次元素粒子工学
 素粒子 particle ~=Pa は大きさ、を持たない。空間を持たないってのが定義になってる、なぜなら内部空間があるなら、その内部空間こそがPaであるから。本当は内部空間が無いのかあるのかは調べは出てない。
 けどそれって数学の0の割り算と同じで裏ワザだって気づくでしょう。場 フィールド理論はほとんどの物理に使えるけれど、場を構成する、中心、が0、無なのであれば。0空間はどうやって場に影響を与えることが出来るのでしょうか?0空間と空間の間には何があるの?
 なんて質問をすると物理学者はううううってうなるしかないのだけど、Paはとっても身近で、ってくだらないこという人いるよね、あたりまえじゃん、どんな原子だってPaを含んでるのだから。けれども簡単に見つかるPaにelectronがあるね、Negatibe electronね。elももちろんPaだから空間を持たない。
 つまり、エネルギーは0空間に無限に閉じ込めることが出来るってことではないかい?宇宙、スペースが存在しなくても、無限のエネルギーが0空間に空間を用いずに存在出来る。宇宙が存在しなくてもエネルギーは存在出来る。宇宙が存在する前には何があったの?とコドモが聞く、オトナはヘラヘラ笑うけれど、Iが思うには、宇宙が存在する前にはエネルギーが存在する。宇宙が消滅しても、エネルギーは存在し続ける。そして新しい宇宙を作るかもしれないし、作らないかもしれない。
  そんなお伽話はいいとして、0空間だということは、高次元に左右されないってことだね。0はあらゆる次元のあらゆる任意を0とした時に、任意に存在出来る。そしてどれだけの高次元にも存在していると出来る、実は、すべての次元の影響を受けるのだと言いたい。
 Σx(d1+d2....d∞)
 っていう風にね。dは次元数。
 対称性、シンメトリーは、高次元の最短経路化だってことはわかるかな?あるいは、最適化、だ。自然セカイの公理は、この最適化問題の解だってことをIは思うものなり。
 素粒子のふるまい、を制御するには、シンメトリー分解しか無い。以上高次元素粒子工学(HDPAT)概念導入でした。
 非常に注意だけど、これは工学的な扱いの話で、統一理論とかとはかんけーなし。SSとかM理論とかはね。Iの目的は宇宙の仕組みを知ることじゃなくて、もっといいものを作りたいってことだけだから。
 工学博士として工学とはなにかっていう真面目なお話も1つ。エンジニアとはもともと天才という意味。ダヴィンチなどがよい例。
工学 ENGINEERINGって実は、シエンスじゃない。ENGINEERING、これは行動だ。シエンス、とMATHを駆使した、人間の、行動だってこと。目的があっての行動。シエンスには目的が無い。マスにも目的は無い。ENGには目的しか無い。だから工学ってのは自然科学分野の芸術にあたるものだと思う。自然科学ではない。文学が社会学に基礎をおいてるけど社会学じゃないのと同じように。芸術は芸術だけで1つの分野としたほうがいい、ENGもENGだけで1つのものなんだ。飛行機を作るのに、自然界すべての現象をちゃんと定式化してから飛行機を作る、シエンスのやりかたはそうだ。けどそんな飛行機は死んでも飛ばない。とりあえずあるものと知ってるものでやってみる、それが工学のやり方でなんでそうなるのか?っていう一般化は後でいい。高次元工学も、なんでそうなのか?を一般化するのはまだまだ難しい、けどそうやったらうまくいったらそれでいいんだ。核融合のQと安定性が最大化すればそれでいい。
あともう1つIが考える自然セカイの公理は
 可能なことは、起こる。
 これです。

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 生き物は物質である
K「Iがそういう正義だ~、人生の意義だ~悪だ~、善だ~っていう話を聞くと、この人達は未だにヘーゲル主義っつーか神秘主義だなぁって気がどーしてもするんだよね。だって生き物は物質なんだよ、どんな生き物だって原子の集まりだ。物質に意義や、正義なんてありっこないでしょう。石ころや空気に善や悪なんて無いでしょう。誰しもそんな徹底的マテリアリストじゃないというけれど、よく言う話だけどそういうやつも死にそうになったら病院でマテリアルな治療を受けるし、普段の生活、行動からマテリアリストとして行動してるのだよね。口先ではなくて行動なんだ、哲学って。それがいやなら霞を食っていきるしかないすな。
 でも今だに夢を諦めるな、とか人生は悲しいけれどうんちゃらかんちゃらっていうことを言うでしょう、それって、宇宙というのは人間の精神の発現である、みたいな、ちんぷんかんぷんなヘーゲルの主張と同じだって気がするのだよね。逆プロセス思考っていうのか。そういうたぐいのメッセージって多いよね
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 1900年のシンクロニシティ 絶対の否定
・・ニヒリズムっていうと奇妙な感じだね、ナイアリズムっていうから・・・ナイアリズムは後ろ向きだっていうけれど、そういう輩はニーチェを読んでないねなんて言うわけでもなくて、ナイアリズムは相対論とか、20世紀初頭に急に現れたほとんどのもの、記号論理学だとか、量子力学だとか、ネーター系とか、そういうものはすべて共通した考えた方から広がったものでもので、やっぱ絶対の否定、なんだよね、こういう考え方はすべて神が死んだから出てきた考え方(神殺しの十字架(スタヴロス)だ)・・・・でもニーチェみたいな強いニヒリズム、肯定的ニヒリズムっていうようなコトをいうよりも、ユーベルマンシュを目指さなくても、ニヒリズムにはマイナスが無いってことだからさ、ナイアリズムはマイナス思考ではありえないのだよね、虚無は悪い、良いというのは違う、虚無は必ず0だから・・・人生には意味が無い、というと、だから生きていても仕方ないというけれど、それはまったく関係ない。人生には意味が無いってことは、人生は0価値だってことを言ってるだけで、生きたく無いはマイナス価値でしょ、一般命題として価値論を扱ってはならない、個人によって、人生は生きるべきではないかもしれない、というか最終的にはIが生きるのが好きだ、嫌いだ、ってことを言うってだけだ。虚無よ去れ!というけれど、虚無は去りはしない、だって0なんだもん。0がなくなることは無い。虚無は悪いことであるはずがない、虚無を目の敵にしても仕方ない。虚無はありはしないのだから、キリーロフはそれを勘違いしてるし、虚無から神を生み出そうとしてる、やっぱニーチェだって無茶なことを言ってる、虚無からプラス価値を勝手に創出してる、ニーチェはちゃんとしゃべらないから卑怯なんだよ、文学的にごまかしてる。
 すべての価値論はそれぞれの視点に相対的に依存してる、0だという命題だけが違う次元にあって、どのような価値も下せる、けれどそれを一般化することは出来ない・・・ナイアリズムに立脚して社会や倫理を構築することは出来るのかどうかわからない、でも神無しで人類が存続していくためには、必ずそれが必要になる、ナケレバカナラズツクラレナケレバナラナイモノ だ。」


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 少女について 2
Y「しかし若くてキレイなオンナってだけで登場した瞬間にもう役割は決まってるのだけどね、非業の死か、ヤラれ役か、堕落するか、薄汚いおっさんに犯されるか」
Z「若くてキレイで 純粋な オンナの子の場合ですね、それって、ユキは別に純潔じゃないからちゃいますな、むしろ青年とか乙女を堕落させる、ファム・ファタルですね、ユディト役」
Y「カチーン、おみゃあもじゃねぇか、若くてキレイで純粋でデブでもロリでも巨乳でもないスレンダータイプの処女の美人だね、身長は158センチ、体重は45キロくらい、あと髪はくせっ毛じゃない、金髪か黒の長髪、赤毛はダメ。目は意思が強そうなやや切れ長、ぱっちりはダメ、眼の色はブルー系、唇も薄くて淡いピンク、背筋もよくて足も細い、鼻も小鼻と鼻孔が目立たなくて、鷲鼻すぎてもダメ、まつげも長くて、眉毛は元から薄目でメイクしなくても映えるタイプの顔、肌の色は雪のように真っ白、足も小さいけど足は早くて敏捷、けど肋が浮くほどには痩せてなくて、脱いでも結構抱き心地が良さそうな体つき、ケツはプリっと上向きで、膝頭もキレイ、まんこも毛深く無い。乳首も綺麗なピンク色、ケツ毛も処理してる、体臭も薄くて香水をつけてないのに淡いバラの香り、まいったか?」
K「注文が多いね悲劇のヒロインも・・」
Z「あと歯ですね、それで歯茎ボーンだったら全部おじゃんですもん、あとなんか笑った時にキタナーい顔になるのもダメ、こぉ・・笑っても口が開かないような感じの笑い方、あとジュリア・ロバーツみたいに口がでかいオンナはヤダ、うるせぇ感じ、そぉ、声も大事で、ハスキーでもダメで、アニメ声でもだめ、けど特徴がなさすぎるのももっとダメ、すぐ特定可能ななんだろう、identical でuniqueな声・・・、深津絵里みたいな。うなじの毛のハエ方も結構重要で、後ろから見た時に田舎臭くないように、鎖骨背骨がでっぱってるのもやだ。あと手が血管が目立ちすぎるのもダメですね、細くてあまり長くはないけどピアノはよく弾けるくらい、顔が小さすぎるのもフェアリーっぽくてダメです、ジェマ・ワードみたいなのはよろしくない、人形みたいでリアリティが無いから、それとほんのすこしだけなんかキズがあるほうがいいんです、ちょっとしたほくろとか、シミとか、谷間の上のとことかに・・ほんのちょっとした、名優にはだいたいそれがあるもんです」
「すでに完全にリアリティがないぜそいつ・・・、けどIブサイクなやつってのを信用してないな、信用してないっつーか我慢できないんだよね、ブサイクなやつ、こぉ・・・ブサイクにも色々あって、なんかもぉあかんわって感じ、宮崎駿みたいなのはだいじょーぶなんだよ、なんかこいつ意思があるなって感じで、小説家とかでもまず顔を確認してから読むものね、歴史上、ブサイクで権力者になったというか、何かコトを成したやつって1人もいないのだよね、ゲージュツカとかでも、そこまでブサイクなやつはおらん」
K「ホーキングがハンサムとは思えんけどね」
Y「そんなこといったらいかんわ、ひくわーー、フランクリン・ルーズヴェルトもね、ひくわー」
Z「でも平均点とったら偉人は確実にイケメン多しでしょうね、肖像画が嘘ついてるとおもいきや近代でもそうですものね、むしろ近代のほうが、メディア対策もあって、ゼッタイニ不細工は成功しないでしょう、ヒトラーもスターリンも若い頃はものすごいかっこいい」

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カレンのお話 (いつも話が暗いといっているカレンに話をさせようとする企画)
 
 ゴールドベルクってのはバッハお得意の円構造、カノンっていう、ミニマル技法(ほんとはミニマルってのが短いモチーフのカノンなんだけど)をつくってる、シンメトリー構造を持ってるといえばいいのか、メロディの逆回し、転調、を使って変奏曲を作るってのは知ってるでしょう。この変奏曲は30番まであって、16番目が序曲になってる。
 グールドっていうピアニストがIは好きなんだけど、デヴューでこのゴールドベルクを録音した。テンポを劇的に変化させて。テンポを変えるってのがジャズ、POPとかの大衆音楽が全盛の時代にあって、クラシックの存在意義になるってのを示したんかもしれない。クラシックはテンポとダイナミクスがその生命だって。大衆音楽はたいていはテンポはフィックスか、機械的な運動規則を持ってる、ドラムがいるからね。ドラムがテンポ・ルバートで叩かれるとノイズにしか聞こえない。もしくはリズムモチーフのカノンなんだ、大衆音楽って。グールドがビートルズを聴いてなんでこいつらはこんなにテンポが一定で表現力に乏しいのだって言ったのは有名な話。

 そしてグールドが最後に録音したのも、ゴールドベルクだった、だから自分の音楽キャリアも、円構造をもたせたってことだね、シンメトリーで終わらした、それってすごい、感動的だ。
 徒然草の82番 
は有名な、不完全の完全。 完全な調和は完全じゃなくて、どこかに不調和、不完全があるほうが、命をやどしてる。と言ってる。

 美しさ、なんてものは、ようするにはDNAによる生殖遺伝子で、若くて生殖に向いてるオンナ、生活するのによさそうな豊かな自然を美しく感じるだけだ。だとすると美を求めるのはなんて徒労だろう、これはジョイス。 自然を美しいと感じるのは、ただ酒を飲んで酔っ払ってるのと同じだ、とパウル・クレーが言う。世界は美しいと言うけれど、生存に適している世界を美しく思うように遺伝子で決められてるんだってこと。

 美学、ってのはまったくなんの一般性も無い学問で恐ろしく無駄であるのかもしれないけれど、その公理として唯一通用しそうな定理はシンメトリーの定理だ。シンメトリーは生殖とはほとんど関係無いというか、それ以前の、もっと本質的なものだ。
 そしてシンメトリー的完全でありながら、不完全であること。これが美しさの有力な公理なんだ。
 生命が生きてるのも、生命が生み出す有機物が完全でないこと。つまり完全安定である鉄の塊や二酸化炭素じゃなくて、極性を持っていて、イオン化すること、だから結合分離、分裂、進化、が出来る。不安定であることが、安定への唯一のカギなんだ。安定でないことが、生命の本質だ。美しさもそうだってこと。 二酸化炭素みたいな安定した原子ばっかりだったら世界はなんにも起こらない停滞になってしまう。

 実はゴールドベルクの30番は単純な1番の繰り返しじゃなくて、裏切りが少しあって、メロディが逆さまになってるところがある、そしてグールドの最後の録音は本当はゴールドベルクじゃない。そのあとに数枚録音がある。ただそういったほうがかっこいいからそうしてるだけ。
 ゴッホは自殺してすぐ死んだのではなくて、打ちどころが悪くてグズグズと実は一週間ほど生きてた。ガロアも決闘で負けてすぐ死んだんじゃなくて、病院へ運ばれて弟が来てくれるまで生きてた。
そこであの名言を吐くわけだけど、そういう風に、やっぱり完全シンメトリーじゃなくて、ちょっと不完全さがある。それが人間らしくて、美しいんでしょう。
 というシンメトリーと美の話」
Y「・・・・・ぷ~~ん」
K「確かにちょっと良い話かも、ユキのブルーになる話よりも」
R「ねっ、こういう話をしなよ」
Y「ぷ~~~~ん、Iはそぉいう性格じゃないんです。破滅の美学だから。そんな綺麗なシンメトリーを全部ぶち壊してカオスへ帰していくのが好きなんです。Iの美学は破壊の美学だもの、その美学はダメですよ、綺麗なだけだもの、薄汚くなきゃ美しさも見つけられない、カオスがあるからシンメトリーが意味を持つのでしょう、真っ白な世界は全対称ですけど、それがSymであるって意味もないもの」
R「かもね、でも食事時にはやめろってことだね」
Y「ぷんぷこぷんぷこ」

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Y「こういう言い方はいかがなものかと思うけど、天才は孤独で虚しいからバカに生まれればよかったとか、ついもののはずみで言ってしまうこともあるけど、本当にバカに生まれるってなったら、カミサマのケツの穴だって舐めて土下座して懇願するね、それだけはやめてくれって。
 本当は孤独で退屈で虚無にさらされているのを、大地に接吻してカミサマに祈りたいほど嬉しく思ってるよ。孤独であるってだけでまぁ、こんなに嬉しいことはない。どれだけIは気高く生まれついたものだ、って自己満足が果てしがない。
 それほどIは、愚劣なヒトを憎んでいる。憎んでるんじゃないのかな?ともかく虫唾が走るほどイヤなんだ、ゴキブリよりも何億倍も悪い。反吐が出るほどの拒絶反応なんだ、治しようもない。反射で。

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Iが親と絶縁した話を聞く?
 Iの親は妙な宗教を信じこんでてさ、Iもそれに入れようとしたんだ。ヤダよそんなのイカれてるって幼いIは拒絶したけれど、けれど7才くらいのガキがそっから逃げ出すことなんて出来ないじゃん。 
 つまるところ、それを信じないなら虐待されるってことだったんだけど、けどそういうことって世界のあらゆるところでそれもかなりの規模で起こってるのでしょう。 
 親に強制的に洗脳される、されなきゃ殺されるってことが。Iはそこまでひどくは無かったけどそれって同じことだ、肉体的に殺さなくても、精神的に殺されてしまう。そういうのを信じたら、もはや柔軟な思考なんてゼッタイ出来ないんだから。そして逃げようがない。
 
 戦争になると親も殺さねばならない、戦争は悲惨だ。というけど、けど、親も殺さないのだったら何も変えられないよ。何かを変えるっていう意思があるなら、キチガイ宗教を信じこんでる親を全部皆殺しにでもしない限りちっとも進めない。それは残酷なんじゃなくて、悲惨なんじゃなくて、勇気でしょう。
 肉親で殺しあうことは出来ないっていうヤツは、やっぱりもぉ完全にコドモの時に親に完全に殺されてしまってるよ
 だから信じてるフリをして12才くらいで逃げ出した、そっからは、まぁ・・・身売りでちょこちょこカネを稼いだというわけですが。でもそれは貧しい家庭にだけ起こるのじゃなくて、どんな富豪に生まれても、コドモは何も持ってないから、常にガキはそれにさらされてるでしょう、素直で純粋なコドモはより、簡単にキチガイにされてしまう。

 なんで親はキチガイになって、それから離れることができなくなるんだっていうのも、親もまたその親にコドモの時から完全に殺されてるってのもあるけれど、それ以上に、仲間や共同体や社会や、そこで築いたものをすべて捨て去ることになる。もうトモダチや仲間、家族がいるから逃げられないんだっていうんだ。それと心中するしかないってね。その中には、多少頭が働いて自覚的なヤツもいるでしょう、そいつは人生のどっかで、これはキチガイの集団だ。Iはキチガイに洗脳されてるってことに気づくと思うんだ。でももう逃げ出せない、あとは自分でその自覚的な自分を抹殺してしまう、そうやってクズが誕生する、それも大量に。ってことなんだろうね。

 経験のないヒトにはピンと来ないかもしれないけれど、自分の親が気が狂ってて、キチガイ宗教を信じこんでるってのは、悲しいとかじゃなくて、耐え切れない憤りなんだ、腹が立ちすぎてまともでいられないくらい。コドモにはまともに対処できない。そしてそっから逃げることが出来るのはほんの一握りなんだと思う、Iもほんとにたまたまの偶然でこうして普通に生きてるけれど、だいたいは逃げ出したコドモは死んでしまうよ。
 

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 ヒトに出会う、物語のウソ

 普通ふたり以上のヒトが出会って、物語が始まるでしょう、あるいはすでに出会っていて、途中から物語が始めるにしても。
 それってでも実はまったくリアリティが無いよねだいたいのヒト、99%以上のヒトが誰にも出会わないもの。わかってると思うけど、ここでいうヒトってのはホントウのヒト、だよ、ヒトの形をしたイキモノのことじゃない。ホンモノのヒト。
 だからそういうヒト、と出会った時点で、明らかにそれはウソだし、そんなキセキほとんど起こりっこないもので、その時点で物語は一気にリアリティを失うんだと思う。だっていないもの、ヒトは、どこを探しても。ヒトと出会った時点で、そこでもう物語は終わらしてもいいくらいだよ、後はどうとでもなるもの。
 どんなファンタジーよりも嘘っぱちだよ、一応現実世界を舞台にしていて、ちゃんとしたヒトに出会うってのはね。たとえばIもそうで、自殺願望をかかえた女子高生が、たまたまある天才科学者に拾われる、なんてめちゃくちゃじゃん、だれも共感しないぜそんな話。ヒトはヒトを探してる、見つかった時点でゴールなんだよ。だからIはもうゴールしてんだな。もはやすべてキセキは起きてる。

 ガンバの冒険ってアニメがあってね、一話目にもう仲間が7匹揃うんだ、それは感動的な場面なんだけど。でも仲間が揃った時点でもうゴールじゃん、あとはどんなすごい冒険があったってそれは嘘っぱちではないにしろ、リアリティのないどうでもいいことだよ。15少年漂流記でもそうだよ、仲間が一人でも出来たら、もう終わりじゃん。漂流しようがどうでもいいことで。後はどう転がろうが、楽しい人生だったなって振り返れるくらいシアワセだと思うよ。
 ほとんどの現実のストーリーはまったくの孤立無援から始まり、そのまま孤立無援で終わる。本当にIたちがリアリティを求めるなら、そのまったくの孤独を描くべきなんだろうね。恐ろしくタイクツで面白く無くて、暗いけれど、それこそが、隠し立てしない事実でしょう。
 カレンもよく言うものね、勝手にニンゲン増やすなってw」
「それとこれは関係無いだろうけど・・でも難しすぎるよ、それで映画を作るのは。永遠にモノローグだけでしょ?それで最後は服毒自殺か何かなわけで、どんよりしすぎてる、誰も見たくないよそんなん」
「だったらリアリズムを全面的に放棄するよりほかないよね、100%ウソでガリガリに固める、リアリズムっていうけれど、ホントウは誰もリアルなんて見たくないんだよ、リアルっぽいウソが見たいのでしょう?パッケージだけリアルにしたものがいいんだよ、マジでこれ、リアルじゃねぇかよ、この馬鹿野郎ってね。ダッチワイフに内臓詰まってたらやだものね。アニメの美少女はうんこしないし・・・」
「・・・今までツッコまなかったけどなんでユキってそんな下ねたが多いの?Iは日本のスタイルがそうなんかなぁと思ってたんだけど、ほんとはぜんぜん違うでしょ?」
「ふむ・・・いい話題だねそれ。長くなるけど手短に言うと。カイは知らないと思うけどIの10代はまぁかなりのヤリマンで、学校中のガリガリタイプのイケメン狩りをしまくってたっていう驚愕の事実。
 それとやっぱベルエポックのフランス文学が好きなんだよねIは。あるいは大戦下のフランス文学、サンテックス、バタイユ、カミュ、澁澤龍彦的ノリ?抵抗文学っていったらいいのかな?フランスがボロボロにやられてる中で描かれたあの実存主義的な雰囲気、レジスタンスとか抵抗宣戦みたいなのが大好きなんだよ、コミューン支持だって前も言ったでしょう?
 そういう時代のキッチュな刹那主義的可愛さをもった女の子、に憧れるんだよね。自殺願望や夭折願望もたぶん、その、革命少女憧れの一部分なんだと思うよ。Iの夢はともかく、戦争で華々しく死ぬことだったんだ、レジスタンスの一員として、華々しく17くらいで死ぬこと。が夢だったの、海里に会うまでは。その夢はかなわなかったな、神を呪うね。平和な時代、しかも平和が少しづつ壊れていくっていう陰惨たる時代に産みやがって、もっとバキバキに戦争中に生まれたほうがはるかにマシだった。あるいはヒトが生まれ変わるなら、Iはどんどん死ぬ速度を早くしていきたいんだよね、前世は17で死んだから今度は15でいったろう、次は12で・・っていう風に」
「ふ~~~ん・・なんとなくわかったような・・・」
「よくさ、夏になると河とかで溺れてガキが死ぬじゃん7才くらいで。なんかあれを聞くと、うわっ先を越された!いいなぁ純潔のまま死ぬなんて、と思うんだよね。風流だよねあれって」
「・・全然共感はわかないけど・・・ん~~一言で言うとヘンタイなんだね」
「観念論的な、ね。普段はマテリアリストだから性的な部分でゴリゴリのイデアリストなんだろうな、逆になるものだよね。普段理想だとか、観念を語るような僧侶とか哲学者は、マテリアルなセックスを好むものね」
「・・・・、ある大きなグランドストーリー、大きなパラダイムが壊れる時代ってことでは、やっぱ封建制の終わり18世紀末とか、ローマが崩壊する4,5世紀の感覚と似てるってことなんだろうね、ローマの終わりには人々は宗教にすがったし、18世紀は科学と人類の連帯に期待をした、どちらも大失敗したのだけど、今はじゃあ何にすがるんだろうね? オカネと武力だろうか?あるいはカミサマにループしてる?」
「むっかしいけど・・・・・・過去じゃないかな」
「ほぉ・・・」
「あるいは・・・
N「永遠の命 am i right?」
「それも良い答えですね、人神ってことでしょう、ヒトのカミサマだ」

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 夢と石ころ
 夢や目標っていうものは手に入ってしまうとなんてくだらないものなんだって思うんだよね、それはどんな素晴らしい夢であっても絶対そうだ。チャーチルは自分は人生で何にもなさなかったと言ったというし、ジョンレノンはビートルズなんてただの幻想だって切り捨てる。自分の手にとった瞬間にそれは輝きを失うものなんだ。宮﨑駿原作の耳をすませばっていう映画で、少女がなんか光輝き石を探していくんだけど、それを手につかむとただの石ころに変わってしまうっていうモチーフを使うでしょう、実はほかのところでも。たぶん生きるってあんな感じ。でもそれでいいと思うんだ、そうしないと、何かを成し遂げた時、ずっとそこに立ち尽くしてどこへもいけなくなる、山の頂上に立つみたいに・・・。

Iもあの映画好きです、けどオトナになって見るとすげー悲しいのですよね、最後に朝日が昇るのを見たらもうずっと離れ離れなんでしょう。結婚しよう、とか言いやがって、貴様Iにずっと処女のままでいろって言う気か!!ってね。そいでヤローは絶対イタリア女としっぽりやってるだろうし。思い切って会いにいったらまさに取り込み中って感じで。その前のおじいさんのフリがあるけれど、初恋ってそういう風に粉々に無くなって悲しさだけが残るよね、っていう暗示が入ってるのですよね。でもあの時あぁやって、好きだって言った15のIは嘘じゃなかったんだ、もちろん相手も・・・・って思ふ・・・。

あなたじゃあ耳を澄ませば2でも描けば

大顰蹙買うでしょうね、そんな映画。ふざけんな、綺麗な思い出を穢すなって。映画は終わるからいいんであって人生みたいに続くと汚れてしまうだけですな

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 シェイクスピアの作家の優越性
シェイクスが
 人は行動によって語るべきで、それを語るコトバは無い

と書いてあるのを読んだ時ガキの頃のIはこいつ何を言ってるの?って思ったんだよね、だってそれをコトバで書いてるじゃんって、あなたはそのコトバ、の魔術師ではないですかって。
 でもそういうこっちゃなくて、これはシェイクスが作家の優位性を学問に対して言いたかったんだよね。
 作家ってのは、作品ってのは行動を記すものだ、哲学や主義主張を語らせるものじゃない。行動だけが物語の真髄だ。哲学や学問はコトバをひねり回して、イデオロギーや正義を語る。けどそんなの何の意味もない。どんなに優れたプロパガンタでも行動するニンゲンがいなければ紙切れだ。
 こういう状況で、こういう背景で、こう行動するんだ。ってのを伝える、自分がじゃあそうした状況だったらどう行動するか、もしくは現実に対してどう行動するか。それを表現する、それは作家にしか出来ないし。それを超えるコトバ、は無い。
 と言いたかったのだね、言いたかったというかそれがシェイクスの信念だった。

 シェイクスピアはIの師匠の師匠みたいなものだ、ドスト先生は、プーシキンとシェイクスだけが自分よりも優れたニンゲンだと信じてた。プーシキンへの崇拝はロシア愛によるものだけど、シェイクスへの崇敬は、その能力によるものだ、そして確かにドストが自分よりも優れてると本当に心から言えるのはシェイクスしかいなかったし、事実そうだった。自分を超える天才がいてくれたこと。これって本当に嬉しいことだ、目標が無くては生きていけないもの。

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 Y「よく天才さんがたはこれは単純だよ、とか、こんなの簡単だよってのをきまり文句にしていうけど逆に何が難しいの?」
K「・・・・、核融合ステラレーターを作ることかな」
Y(自慢かい)
K「変数がめちゃめちゃ多くてややこしくて、モデル化が難しくて何段も数値代入を繰り返さないといけないもの」
R「それもやっぱりでも、何かの繰り返しでしょう、ルーチンでかったるい、かったるいと難しい、は違うね」
Y「じゃあなんですか?」
R「バカにちゃんと理解してもらうこと、特に理解する気が無いやつに。だってそういう課題ってこっちがノーミスでもミスになるのだもん。相手が物理CPであれば、こっちがノーミスなのに失敗ってことは無いもの」
K「あぁ・・わかる、そっちが正解だな」
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 海里のファッション事件  

◯シャワー室
 ユキと海里が着替えている→前フリ。

 海里の学会出席、ハナがついてく。 ハナに「ちょっと・・服を考えたらどうです、もうオトナなんだから。・・一緒に歩くの恥ずかしい」といわれる・・。実は気になっていた海里。

K「・・なんでユキはそういうオトコものの下着なの?」
Y「はぁ?・・(ボクサーパンツはオトコモノだと思ってるんだ、正気か?)・・股ずれしないようにだよ、元バスケ部の名残。デカパンでラインがパンツに出るのはブザマだし。なんで?そんなことに興味もつヒトじゃないでしょう、ワタシは二十歳にもなってそんな白の綿パンツ履かされたら自殺するけどね」
K「・・アハハ、またぁ・・」
Y「じゃあみんなの確認してみって」

 海里はみんなをちょっとチェックしていく
K(ホントだ!!いつの間にか白のパンツなんて誰も履いてない・・)

海里が胸を抑えながらシャワールームの鏡で自分を見てる
Y「・・やめてよ、その思春期の女の子ポーズは、ブルーになるから。それに20のやつのやるポーズじゃない」
K「・・マジだった」
Y「は?」
K「みんななんか・・スポーティな下着なんだね」
Y(気にしてたんだ)
K「ちょっとそろそろ服もちゃんとしたもの着ようかなとも思ってるのだよね、どんな服が似合うのかな」
Y「Iに聞く?Iはどんな服でもサマになってしまうから、あんま服にこだらわないよ、ある意味スタイリスト潰しだ。カイは・・・短足だから何着ても似合わないと思う」
 グサッと頭にナイフがささる(ささったまま)
K「・・ハハ、まさか」
Y「そぉいうのはユズに聞きなよ、よっぽど専門家だから」

K「ゆっちゃん、今度けっこう大きな学会に出ないといけないんだけど・・どんな服がIに似合うかな?スーツはさっぱり似合わないのだよね」
 ユズは顔を曇らせる超シリアスな表情
K「・・何その感じ」
Z「はっきり言っていいですか?」
K「・・あまりハッキリと言われても・・」
Z「海里先生足が短かすぎます。カジュアルはIが全部捨ててミニマルで揃えたけど、フォーマルってことですよね。スーツはサイアクだと思います。それでケツも典型的日本人でぺたっとしたケツデカ姉さんだから、どんな服も似合いません。モードにしても田舎臭くなるだけです」
 グサグサグサグサ
K「・・・ゆっちゃんだってあんま身長かわんないし」
Z「・・ほらウェストここですよ、Iタッパないけど短足じゃないですもの、スケールが小さいだけで、プロポーションは良いのです」
K「もぉ・・いいや(もたない)」
Z「待ちな坊や!こういう最低の素材でも、なんとかするのがプロです、どうあがいても田舎のおばはんにしかならないプロポーションでも、平均点以上は叩いて見せる」
K(サイテーのソザイ・・)
Z「洋服は諦めましょう、和装しかない、けどケツデカではキモノもダメ。ケド、うくっ!やってみます。Iも気になるテーマでしたから、スーツに変わる新しいフォーマルってのは・・・うぐっ!ケド難しい問題だ!こんな挑戦的な課題かぁ・・」
K(・・なんだろう、やればやるほど自尊心がズタズタになっていくのは・・)

 和装でハイウェストしかないよな・・ユズの試行錯誤・・


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 怖くならないか、迷いはないのか?
K「よく言われるけど、迷いはあるよ、怖いとも思ってる。表情薄いし目がいんでるからわかんないと言われるけれど。常に迷いはある、だってCERNの時も、結局最後まで完成させなくてトンズラーしたんだもの。今だって、ニーナがどんなことをしでかしてしまうんだろうな、っていうのを見たくなくて、絶賛逃げ出そうとしている最中なのかもしんない。
 また明日出発ってなって、急に恐ろしくなって、今回も雲隠れする可能性は多いにあるよ、違う、これじゃない。とか言って。自分でもわかんない、自分がその時どうするかなんて。
 でもそうやって迷いを抱えているほうが良いのだとIは思う、絶対にこうだ、って信じきってしまって、それを変えない。ってことは、その時点でもうすべての物事には目を塞ぐってことでしょう。完全に思考を停止させるってことでしょ。
 それで後で考え方を変えると裏切りものだって、言われる、けどじゃあ一回何かを信じてしまったら、もうそこから、発展や進歩、考えを変える可能性はまったく残されてないってことじゃん。その何かを信じた時点で、すでに死んでるでしょうそんな奴って。実行するだけで感覚器が何もないオートマトンになってしまってる、カミサマを信じてる向こう側のニンゲンでしょ、なら早く向こうへ行け。どうせ何を話しても何も聞こえないんだから。
 Iは最後までちゃんと考えていたいし、感じていたいんだ、最後まで迷いたい・・機械やカミサマじゃなくて、ニンゲンでいたいと思うから」

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 科学者になりたくない 天才という道具  ユズ 海里

(なんでそんなに科学者を拒否するのかと海里が聞く)
Z「・・・オッペンハイマーは天才的素粒子物理学者だったのに、戦争でマンハッタン計画に引き抜ぬかれて、その責任者になって原爆を作った。
 天才である、ってことを誰かに知られたら、社会や政府から利用されるのを逃げられないんです。
 科学と暴力は同じものです
Iは平和的利用の為に科学をやってるなんて嘘っぱちで、科学自体が武器であり、暴力なんですよ、それをわからないフリをしてるだけで。資本が資本の論理にしたがうように、暴力は暴力のルールにしたがう、それからは逃げられない。Iたちが物理的セカイに存在してる限り。論理がひとつの間違いからすべて崩壊するように、このセカイの憎しみや怒りや軋轢のすべてが最終的に暴力で爆発する、どうやったって逃げられない。
 
 先生が最初に会った時に
Iがセカイを燃やす 終末の天使だ、って言ったでしょう。
オッペンハイマー、
Iはセカイを滅ぼす死神(DEATH)になった、ってのをもじって。
ユキとIはその意味がわかった」
K「皆殺しの天使だって言ったのだけどね」
Z「なんでそんなこと言ったのですか?」
K「・・・わかんない、時差ボケで寝ぼけてたんかな」
Z「天使の仕事は死を与えることだ、死を欲するモノへ。死を厭うモノへ死を与えるのが死神であって。天使と死神は同じなんでしょう。今のセカイは、死を願うもので溢れていますよ、あまりにもミライが絶望に閉ざされているから、だから天使だって言ったんでしょう。Iはオッペンハイマーにはなりたくない。それが正しいことなんだとしても、人類を滅ぼすのに協力なんてしたくない」
K「イターいところ付かれとるなぁ・・、まぁまったくその通りなんだけど。Iは途中で逃げ出したら関係ないよ、なんて言えないしね。ほとんど完成させたあとに逃げたんだもん。
 でも本当にそうなのかね、人類を滅ぼすことってそんなに悪いことかな?それに精確には文明を破壊するってことでしょう、一人残らずってことじゃない。この文明さえ壊せば十分でしょう。
 それをしちゃいけない、っていうことで一体何を守ろうとしてるの?本当の自分のコトバなの?それって。誰に嫌われたくないの?」
Z「そういうジレンマを抱えること自体がイヤなんですよ」
K「・・明快やね」
Z「ミライなんていりません、Iは今のままで十分です、今死んでも悔いはないし。あなたがたの、合理化、っていう名の暴力が人類を不幸にしてるんですよ。誰のための合理化なのか?っていったら結局合理化を促進するヒトの利益の為の合理化なんです」
K「好き放題言われてるから反論するけど、そうやって現実から目をそむけてばっかしの弱いニンゲンだから大切なヒトを救うことも出来ないんだろうね。ユキが自殺しようって時に何もしてあげられない、だって彼女は本当のことを言ってくれるヒトを探してるんだもの、なんか適等に耳障りのいい優しさを見せてくれるヒトなんて探してない、そんなヤツ腐るほどいるもん、優しいニンゲン、善良なニンゲン、ほとんどが半宗教的で自分でものを考えないクズだもの。結局誰も傷つけない代わりに誰一人救えないんだよね、Iは誰も傷めつけてない!って弁解するんでしょう、それが優しさでそれが正義だってね。別にそれがいいっていうならそれでいいよ。
 でも本当はそういうIは悪いことをしてないっていうニンゲンの、小さな独占や小さな偽善が、塵も積もって全然生きてて楽しくないセカイを作ってるんだよね。めちゃくちゃ悪いやつが全部独占してるなんてのは幻想で。これが事実、あるいは真実、です。けどそれも見ないふりなんでしょう。
 以上言いたいことは言ったから議論はおしまい」
Z「・・・・(睨む、泣きそう)」


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 統一理論と無 と 死   海里 ユズキ

 統一理論の段階
・general relative theory ( gravity theory)  → space and time は本質的にはequal (ローレンツ変換) (空間は時間である・・)
・quantom theory   ( particle physics )
electron の解明 
 ディラック方程式
繰り込み理論(朝永振一郎、ファインマン)による 無限 をの除外 (無限は存在するが、結果に影響はしない)
  クォークのふるまい 反物質 L Rのスピン
南部理論  (strong N force において)自発的にシンメトリーは崩壊する。そのときにL Rのクォーク反物質が消えないで残る、それが 無 、 空間 であり その消えないクォークを通り過ぎる時の抵抗が MASS である。 (*無、空間、というのも モノである。無には何もないのではない。本当の無はこの世界には存在しない。→つまり本当に消滅することはできない、ヒトが死んでも消滅することが出来ない)
 Electron neutrino においても、消えないクォーク、のようなヒッグス粒子 、無 空間 が存在してそれが質量を与える
 
・SS理論による、General relative 重力論と、particle 論 標準方程式、の融合の試み。
 ホーキングの定義。
 ブラックホールには熱がある。 ブラックホールの底は、宇宙の始まりと同じ特異点。(*しかし超新星は無限ではない、宇宙の始まりは無限に限りなく近い、無限に近づくことで、光速に近づくように何かが・・・)
 
 SSーM 理論。 無限、の特異点は高次元へと広がっている、高次元へ広がった膜とSが擦れて熱が発生する 高次元物理学 (空間的に0、もまた存在しない、0は高次元の0にならない、0もまたこの世界には存在出来ない) 11次元・・・
 
 M 理論  超高次元物理学  高次元は膨大に存在する・・・


Z「先生、space  ってなんなんですか、教えてPLEASE」
K「知らん」
Z「はやっ、答える気ないでしょう」
K「Iは実験でデータが出る前に先入観を持たないようにしてるの、SSもM理論も答えなんて出てないんだよ、南部理論でさえ。適等な嘘をついて発想を塞ぐのはよくない」
Z「でも個人的見解ってものがあるでしょう、高次元物理学のエンジニアなんだから、じゃなきゃあんなプログロムの打ち方しないですもの」
K「無い。あんなのはいろんなのを試したうちの一つだよ」
Z「うそだぁ、なんか意図的に状況的証拠から理論物理学的類推をされるのを嫌いますよね、Iはエンジニアだから知らないといいつつそこに先生たちのつっこまれたくない秘密があるようですね。Iにはトクシュノーリョクがあってですね、嘘をついてるニンゲンがわかるんですよ、最初に会った時からずっと嘘ばっかりついてますよね」
K「・・コワイ能力やね」
Z「先生の嘘を見破るのはどんなバカにでも出来て、学者ぶって真面目な顔してしゃべってるときは嘘ついてんです、というか本音でしゃべってない。ニコって笑いながらしゃべってるときは本当のことを言ってるんですよ」
K「・・そぉいうことを言われると素直に笑えなくなるなぁ」
Z「SSーM理論では、高次元での熱の発生を説明しますね、特異点での熱の処理、NFRの高次元ステラレータってのはSSM理論の改良になってる、高次元での熱発生、プラズマ段階じゃなくてPa段階で熱を閉じ込める・・・かなりアブナイことを言ってるのを承知でいいますが、自分でもなんでこんなこと言うのかわからないですけど。無、ってものは、無っていうモノが存在するんですね、空間の0の高次元に広がって、0は存在出来ない。このセカイには0や無が存在出来ない。
 ヒトが死ぬ、ってことが0になるってことだとしたら、Iたちは死ねないってことになる」
K「シャークは自殺したよ、やめなよそんな話は」
Z「ルネサンス以降のサイエンスはアリストテレスを否定することで進歩してきた、サイエンスに限らずLOGICも、ラッセルが言ってました。哲学の最後の問題はソクラテスが解いてしまってるんです
 Iたちはなぜ自殺しないのか?
ソクラテスの答えは 
 死は、不可知、である。
 だからとりあえず生きてみろ、死については絶対にわからないのだから。ってことですね、死の価値判断が0なのであるから自殺する理由もないし、自殺しない理由もない。すべては個人に委ねられる、そっからすべての自由が導かれる。
 でもそれは間違ってるのかもしれないですね、Iたちは、死を 無 を 存在と消滅 を知ることが出来るんじゃないですか? 存在 の 理由。 本当の無を見つける事ができれば そこから 存在 を導くこともできるはずです」
 海里はユズの服から心臓をぐっとつかむ・・・
K「それで 死 や 無を 理解できたとして、 それが 好ましくないものだってわかったら。その自分の見つけた事実を貫いて 永遠に生きることが出来るの? あるいは 死ねない、 消滅出来ないっていう恐怖に耐えられるの? Iたちは この宇宙に永遠に逃れられないで 同じことを永久に繰り返すってことを受け入れられるの? あなたに耐えられる? 気が狂うこともなく、天使やカミサマなんてものに逃げ込まないで、自分を貫いていける?」
Z「・・・わ・・わかりません・・(涙がぽろり・・)・・」
K「(ニコっと笑う) Iも嘘をついてるかどうかわかるよ、それだけじゃなくて、感情やら気持ちやらもね、こうやって触ってないとわからないけれど。そんなん誰だって出来るんだけどね。
 でもね、怖くても、自分の信じる道を進みなさい、Iも間違ってるかもしれない、悲しいことだけど、いっつも正しい道はたった1人の孤独な道だ。 教員としてこれだけは言える、教師を信用しちゃだめだ、いつだって自分を信じろ」
 
 

 ユズはどんどんハマりこんでいく・・・

ユズが空を見てる
Y「どうしたの?最近えらいことになってるな、勉強しすぎちゃう?ずっと研究室に泊まりこみのIが言うのもなんですけど」
Z「絶望に際して快活である(ヴェルレーヌ) 二人して涙すればすぐに乗りきれてしまう・・・ ニンゲンってのはsupernovaの爆発で散らばった重い原子の集まりなんですよ。Iたちはなんで星の真ん中にいたキヲクを忘れてしまうんですかね」
Y「おっとぉ・・・ユズまでサイコ化してるの?Iもそっちがわのニンゲンになりかけているんだからみんなでサイコになってたらまともが1人もいなくなっちゃうよ、薫やハナの立場ねぇじゃん」
Z「優しさ、それは光のようなものかもしれない・・ねぇこうやって女の子がヴェルレーヌなんか引用してるときはハグしてくださいよ、ハグ」
Y「そんなんわかるかよ、しかも引用がかなりあやふやだもん・・(ハグする) それにもう少女って年でもねぇじゃん、20代も結構たちましたよ」
Z「ユキってそぉなんか、状況がどんどん悪くなるとどんどん明るくなりますよね、なんなんですかそれって、文化祭とかの時とかも、スケジュールが遅れてくるとどんどんテンション上がってましたものね」
Y「そういうのはあるね・・・、ドラマツルギーになってきたなと思うからじゃない、追い込まれた、ってことは、奇跡が起きるかもしれないってことだからね」
Z「Iは嘘をつくニンゲンがわかるんですよ、昔っから。といってもなんの超能力でもなくてですね、クセなんですよ、目の動きとか動脈の動きとかでそれを見ちゃうんです。それですぐにみんな嘘つきだったわかったんです、だからニンゲン嫌いになった。それで日本なんかに家出してユキを見たときにすごい驚いたんですよね。なんでこの人は嘘をつかないんだろうと思ってね、どうやってこの人は生きてくつもりなんだろうと思って」
Y「珍しいね自分から暗黒時代の話をするのは」
Z「なんかその時の自分に少しづつもどっていってるからですかね、戻ってるっていうか、その頃の自分と話してることが多いって気がするんです」 

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RIN とみんな
RIN「海里先生はいっつもパン食べるんですね」
海里「これは・・」
Y「これはパンじゃなくてベーグルだよ、でしょ。もう千回は聞いたよ、わかってっての」
海里「何~!Iは食パンとか耳があるパンは嫌いなの!そんなつっかかってくるなら、もう絶交するよ。口効いてやらない」
Y「・・・・そんな~、ごめんなさい」
Z「ちょっと!先生そんなやりかたちょっと、無しです。好かれてると思ってABUSEしすぎ、結婚詐欺師みたいなしかたです」
R「ほっときなよ、この子たちイカれてるから、まともな人だけ教えてあげるとI、橘家の人々、他は全部ジャンキーだと思って差し支えない、まともに付き合ってたら頭がクラッシュするよ」



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 ユキの思想の変遷
・ユキは世界革命派から、それに希望を失う、その後、キヲクセカイへはまりこみ、キヲクと多重セカイを旅して帰ってくる、ナイアリズム社会学を構築する・・
「希望があってそれを目指して生きるのはたやすい、希望が無いのに生きるのが勇気だ、Iは希望が無いセカイを生きることができる、だって一緒に生きる人がいるんだもの」

 ・海里「ユキがあの時世界革命を目指すっていってた、たぶんこの子は信じられない挫折を味わうってわかってた。それで生きる意味を失ったヒト、志を持たない生き方を選んだヒトはいくらでもいたよ・・・夢を追うのは簡単だ、希望があるのはかけがえのないことだ。けど絶望と向き合った時にしか、自分は見えない」


 「マテリアリズムは、物質主義じゃなくて、論理主義なのだと思うのだよね、あるいは唯言論。マテリアリストの自殺。に対していうのは、キミはコトバで何かを組み立ててないか?世界を評価するのに、コトバを使ってないかってこと。世界をコトバで考えたら、世界のほとんどは失われてる。マテリアリズムはコトバだけの世界で、自殺してる。物質はどうこねくりまわしたってコトバにはならない。
 コトバは世界の模倣、しかも悪い模倣だ。 セカイはコトバでは見えやしない。論理的に考えて自殺するなんて全く馬鹿げてるよ。
 と、ワタシはマテリアリストにいうことにしたのだ。
 あるいは人類の進歩がいつか、まったく生活に不自由にしない生活を生み出し、それが人類を破滅させる、退屈故にってね。まずいくら科学が進歩したってその成果を分け与えるほど人類は他人のことを考えるイキモノじゃないしね、残酷や非情なんじゃない、ただたんに無関心なんだよ。もっと大事なことはそれも自分が知った知識だけでミライを作ってるだけだ、この先に、その先に、何があるのか、どういうことなのか、というのはコトバには出来ない。コトバだけでミライを作ってるんだそれは。
 コトバを突破する・・・」
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カミサマの歴史は浅くて人類とともにカミサマがいたというのは嘘なんだよね、社会とともにカミサマはいたので、一神教はやはり王の中の王、皇帝、からアイデアを作った、唯一の神というもので。ユダヤの神はユダヤだけの神なのであって。
 宇宙があるってのをまったく考えてない、宇宙の片隅の惑星のある地方のある民族だけに、特別な恩恵を与える宇宙に唯一のカミサマなんて、ねぇ?無茶苦茶じゃん。

 けどカミサマを信仰することが精神的に良いとして、それでもカミサマをまた作り変えないといけないでしょう、宇宙のカミサマと地球のカミサマは違うもん。いつもやってきたように新しくカミサマを作ったほうがいいのではないかな
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インタヴュー2

Y「海里はどんな存在?」
N「・・・手のかかる弟子・・・かなぁ?Iの後継者になってくれるはずだったのに、裏切られた。・・・よく考えたら自分以外で一番大切な存在になってるのかもなぁ、他人に価値を置いたりしないから、普段は」

カレン「カイは・・・なんだろ~な、よくよく考えると他人のために純粋に見返りも何もなしで何かするってのは初めてのことだから・・・初めてのトモダチってものかな、フツーでいうところの。もちろん仕事仲間とか、上下関係とかで人間関係はいくらもあるけれど、ただのトモダチだけのトモダチだね、純粋な」
Y「カイはIにまったく同じことを言ってましたよ、Iはじゃあ孫トモダチってことですね」

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 金儲けゲームのくだらなさ
 まぁヌードのしごともしたけど、あれってだって一日うんじゅうまんだから、それがいやになったっていうより、それを続けてったら、それでこのゲーム終わってしまうなってのがいやになった。だいたい一億二億かせいで、後はその利息で生きていけてしまうじゃん、それでもうクリアなんだよ、この人生ゲーム。10代の終わりでもうクリアしてしまったらあと何すればいいのって話じゃん。といって戦闘機が買えるくらいのはした金では大きなことは何にもできないしさ。
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  イノセント
 Y「ニーナは・・・・・イノセントなんだね、Iはなんとなくわかった。あの人は天使なのかもしんない、人類を破局から救って世界に平和と繁栄をもたらすものなのかもしんない。
 langee executionerはニーナなんだよ、海里じゃない。海里がIを誘った理由も、ほんとは自分のタメじゃなくて、ニーナに会わせるつもりだったのでしょう」
K「ひとってそんな計算づくで動いてないよ、後づけでそうなったってだけで。と昔ユキは言ったよ。まぁ頭をよぎらないと言えば嘘になるけど」
Y「あの人は本当にセカイを滅ぼしてしまうよ、というよりも誰かがセカイを滅ぼすとしたら、あの人以外には考えられない。無垢で純粋な少女みたいなヒト、そして人外の能力を持った超人・・・」

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 堕落の追求  死の極限
 
 Y「Iはカイに会って1つの人生の完成形を失ったと思うのだよね、Iの勝手な哲学だけどやっぱりどうやって死んだかが、そのニンゲンのほとんどすべてなんだよね。15~17くらいのイノセントの少女が自殺するってのは、やっぱり1つの答えで、理由はなくて、単純にそれは美しいんだ。それは出来なかったから、だから堕落の限りを尽くして死にたいと思うな。
 バタイユは梅毒で脊髄をヤラれたっていう本人曰く、サイアクの死に方、をやはり自分でもやったみたいですね。ニーチェが晩年、梅毒に脳を汚染されて、うんこを食べてたというのは有名な話。オスカー・ワイルドもアナルセックスで逮捕されて、浮浪者になり梅毒で脳をやられて死んだ。眼球譚に語られるようにバタイユの父も、失明したうえに精神汚染で、そこら中にクソを撒き散らしてたという話です・・・・アルジャーノンも今では自分の排泄物に埋もれて動く意思を失った。
 枝雀は脳をやられて自殺した、キチガイというものは絶対に自殺しないと確かフーコーが書いていたけど、行き過ぎた正気、ってのもある種狂気なんだよね。だいたいニンゲンは絶望を目の前にすると、正気を消して幻想を生み出して自分のココロを救おうとする。みんな最後は宗教や心霊術に走る。それが普通で健康的な事なんだ、まっすぐ最後まで現実を見ると、イカれてしまうしかない。Iはそうやって最後までちゃんと正気で死に向き合ったというヒトを知らない。最後まで裏切らないでいてくれたヒトを。もしくはIの心の友の自殺者達は最後まで正気でいることを望んだIの理想型だったのかもしんないけれど。
 どちらにしろ、ニーチェ式か統三くん式か、Iは堕ちるとこまで堕ちて死んでみるつもりだ。無垢で純粋な死は手の届かないものになったのだから。 
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ソアラとユキ
Y「おいガキ、これはきちんといっとくけど、別にIとソアラは血なんて繋がってないし、育て上げる義理なんてないんだからな、Iに生殺与奪の権利の握られてることをきちんと覚えとけ。だけどヒトには媚びるな。ヒトに媚びないでいいから、ヒトから嫌われないように、殺されないように生きていく術をちゃんと見極めろよ、お前は天国に住んでるわけじゃないんだぞ」
Z「そんなこと子供に言ったってわかんないすよ、ね~?」
Y「わかるね、Iはガキの頃からわかってたもん、うわっ、子供って親に嫌われないために必死で演技しなきゃいけないんだ、クソめんどくせぇって。だから可能な限りすぐ家出したんだし。そうすべきだ、家族なんて仲が悪くてアタリマエで仲がいい家族は、すべて相互に鉄球で結ばれてるだけなんだよ、あれは牢獄なんだ」
S「ユキはおっぱいが無いからオトコなのだな、カンナミさんが言ってた、オンナってのはおっぱいがあるんだって」
Y「はい、一日ご飯抜き、外出禁止監禁の刑」

S「出せ~~~!! 出してよぉ・・」
ドア越しに、実はつきっきりでドアのとこにいるユキ。
Y「ソアラ、なんでIがソアラにきつく当たるんだ、このKBBAって思ってるでしょう」
S「思ってません」
Y「ひゃひゃひゃ、別に嘘つかなくていいよ、嘘ついても助けてあげるほど人間出来てないから」
S「この貧乳ババァ」
Y「もう一日追加しよっか」
S「どっちなんだよぉ!!」
Y「Iはガキって大嫌いなんだ」
S「何言うんだこのひとでなし、虐待!」
Y「それって大事なコトなんだよ、でも。自分が誰にでも好かれて、セカイは天国みたいに良い人ばかりだと思うでしょう?子供って。そりゃ大きな間違いでさ、自分を嫌うヒト、憎むヒト、殺そうと思う人、ってのがゴロゴロいて、憎悪と敵意と軽蔑に満ち満ちておるのだよ、セカイは、そんなかでしかも無力でよわっちぃクソガキでどうやって生きてくんだおのれは」
S「わかんないよそんなこと(このBBAマジでやってやる!)」
Y「じゃあゆっくり考えることだね、電気キリマ~ス」
S「わぁああ!」

Z「ユキ、ちょっとやりすぎじゃない」
Y「最近そんなセックスしてないよ」
Z「ちゃがうよ、トラウマになるよ」
Y「なんでも平均点の少し上とるくらいの平凡なカスよりは、全部0点のほうがマシだね、トラウマだらけにしてやろうと思って」
Z「鬼・・・・・」

夜も実はずっとドアの前にいるユキ
カレン「うわっ、まだやってたの?」
ユキ「ん~」
ソアラ「お腹すいたー、喉乾いたー、暇ー、ユキのバーカ、うんこ、貧乳」
カレン「えらいことになっとるね」
ユキ「ん~」
カレン「・・・偉いねユキは」
ユキ「し~っ!」
カレン「・・まぁ頑張って、ソアラ、ユキも大変なんだから早く反省しなよ」
ソアラ「カレンさん、I本当に何も悪いことはしてません、ありゃ・・・開いてる」
ユキ「ようやく他人ってのにどうやって接したらいいかわかったみたいだから」
ソアラはユキをぶん殴ろうと拳を握るが踏みとどまる・・
ソアラ「やめよ、マジでお腹すいた」
ユズがうどんを持ってくる
ユズ「あっ・・、まだ見張りがいたのか」
ユキ「いいよ食わせてあげなよ、もう終わったから」
ユズ「うどん食べる?」
ソアラ「カンナミさん、ありがとうございます」
ユズ「う・・うん(スパルタ教育はやっぱ子供には効果あるなぁ)」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・キラルはAXAと汐の子供、ソアラとキラルはトモダチになる。
ソアラはちょっと落ち込んでるユキの後ろから忍び寄りカンチョーを食らわす
ユキ「んひゃっ!!」
ソアラ「ギャハハ、思い知ったかKBBA!!」
ユキ「殺す!てめぇはIが運動神経悪いと勘違いしてるだろう」
ソアラ「キラル!!バリケード!!」
キラルがコードをいじって門を塞ぐ。
ソアラ「ベロベロバー、ハハハハ!」
ユキ「キタナイぞ!!一人で戦え!!キラル!!汐に言いつけるからね!」

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汐「だいたいね、考えるヤツは弱いやつだよ、あぁこれでマッチポイント、あぁこれで十分の点差、これで逃げ切れる、これでもう勝てない、そんなこと考えてるヤツは断然ダメ。くらいつけ、目の前に。問題はいつも目の前にしかない。」

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 シェスク二等兵

カレンがユキとソアラに仔猫をあげる
Y「うぇっ・・シェスクにはなれたけどI動物苦手なのに・・、なしてルーエル一門は人にイキモノを送るのですか・・責任重すぎですよ」
R「シェスクのコドモがいっぱい生まれたのだもの。どうもユキの目って失踪癖がある危ないヤツの目なんだよね、明らかに次の飛行で死ぬ戦闘機乗りみたいに。そういうヤツって何か帰る場所とか待ってるヤツをつくっておくとひょっこり帰ってきたりするから」
S「くぅあいーー!!何食べるの?」
R「別にやらなくても勝手に探して食べるよ、シェスク二等兵をかわいがってやってね」
S「うん!」
Y「ふぅ・・、カレン先生のほうが母親向いてますって」
R「甘やかすだけなら他人でもできるってことだ」
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「Iは血の思想ってのが嫌いだった、誰の息子だとか、家柄だとか、運命だとか。けど消せないから血なんだ、それを否定するのはただ過去を見ないふりをしてるだけなんだ、Iたちには過去がある、血と同じようにそれは消せない。逃げてはいけない」

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 内戦は不幸だというけれど、人間の戦争はすべて内戦だともいえる、だって人間同士で戦ってるのだもの、これもやはり視点の問題でしかなくて、視点が価値観を規定し、対立を作る
・・・・・・・・・・・・
死を恐れないようになれば、完全なる信仰を持ったヒトのように自由になれる
 じゃあ死を恐れないには何がいるかっていうとそれは勇気だろうね、信仰の変わりに勇気を持つしかない、神無しで、ヒトや社会が存続するには、なけなしの勇気を振り絞るしかないよ

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 預言者ドスト曰く、人類への愛は、魂の不死への信仰の代わりをすることは出来ない。
 人類もまたすぐに滅びるものだからだ。

 単純でありながら的を得てるな。

 けどそんなのただのコトバだね、人類への愛、魂の不滅、それはコトバだよ。それ以下でもそれ以上でもない。ヒトはコトバで動いてるわけじゃない。メシ食って、動いてるんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
Y「トウゾー君が言ってたよ、おれは戦争が嫌いだ、戦争は正義の匂いがするから、正義が消えるまで戦争は消えない。 その通りだろうね、でも正義がなきゃ生きてけもしないんだよ、トウゾー君は自殺したからやっぱりそれも正しいんだろうね、当然の帰結でそうだし、一貫性があってかっこいいもの、Iたちは一応生きてるから、必ず正義が必要でもある・・」

・・・・・・・・・・・・・・
戦争を否定するってのはムチャクチャな論理でしょ、国家ってものがそもそも戦争するための存在で、戦争したくないなら国家をなくすべきでしょ、だってその土地は誰かの所有じゃないもん。そりゃ核兵器禁止と同じくらいムチャクチャで、核の軍事利用は許せないって、お前持っとるやんけ、ってハナシだからね。もぉ一番シンプルなボケだもんそれって。
・・・・・・・・・・・・・・・・
 だれも戦争なんて望んじゃいない、っていう決まり文句があるでしょう、そりゃ間違いだよね、じゃったら戦争なんて起こりっこない。人々が嫌ってるのは戦争で負けること、戦争で死んだり傷つくことでしょう、一方的にタコ殴りで陵辱、略奪、暴虐の限りを尽くせるのなら、それを拒むニンゲンがどれだけいる?ただ、負けることがイヤってだけでしょう、そりゃ誰でもそうだ、アタリマエじゃん。

 X「ヒトはみんな死ぬからなんとか、っていうでしょ、死なないヒトがいたら、正義もまた変わってしまうのでしょうね。
 あるいはそれはヒトじゃないからいいのか」→ 海里も同じコトを言った!!

Y「Iは結果はどうあれこう信じて、こう生きたってのが生き様っていうかかっこよさがなによりも大事と思ってるな、すべてはすぐに消え去ってしまうこのセカイでは。
 でもIたち自体がキヲクそのものみたいなものだ、IたちのDNAには生命のキヲクが全部詰まっていて、原子には宇宙のキヲクが全部つまってる、これまですべてあったことのキヲクとして、やれこんな星が爆発したから、こんなイキモノがいてこんな敵と戦ったとか、それを全部忘れないんだよね、ほんとは。
 どういう形にせよ、すべてのキヲクは残り続ける・・・」

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  戦争へいくものたちへ
 戦争の英雄・・若者が戦争にいく
「Iは本当に誰かの役に立ちたいと望んでいた、命を捨てても、それが出来て嬉しい」

ーー何、感動してるの?
ーーそれもそうだけど、こんな自殺者の大群を生み出すような社会をどうして作ってしまったんだろう、こんなに大勢の人がただ死にたいというだけのために戦争するような社会を・・・ただ憎しみ合うだけのためになんでこんなものを作ったんだろう

 火星への片道切符への応募者、これもただの自殺、に100万ほどの応募が集まった、

 そんなに生きるに値しないセカイだろうか、悲しくなるね。いっそのことすべて無くしてしまったほうがいいのかもしれない


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 N「テロリストってのは小さな国家なんだよね、兵器が進歩して小数でも多数を殺すことが出来ることになると、人数と国家の重要性は変わってくる、テロにかぎらず、兵器が進歩して戦争が数の論理でなくなったってことをちゃんと把握して社会を考えるような社会学ってのは存在しないのだよね、むしろ社会は暴力に依存しないのだっていうありえない前提に立ってるクソみたいな本はいくらでもあるけれど。ロールズの正義論がまさにそれだったな。
 ともかく既存の国家に所属していてもまともに暮らせなかったり、なんの利益もなかったり、国家に入れてもらえない場合も、自分で国家を作って戦争するほかないのだよね。テロは国家じゃないというけど、逆で最も国家らしい国家だよ、そしてこれは最も戦争らしい戦争だと思うね。
 裏を返せば、社会に属していても利益の無いすべての人間と、社会の利益を享受する権力者すべての戦争なんだからさ。最終的にこの戦争は、権利の本当に平等な分配が行われるトコまで行くのかもしれないね、それまで全滅してなければ。それは最期の階級闘争だ
 ちなみに少子化ってのは、国家の分配の不平等に起因するプロレタリの消極的抵抗なんだよね、こんな権利状態ではガキを作ったりはしない。こんなクソ国家滅びろってことだからね。無力なドレイの反撃は全滅してしまうことだから・・・それが物理的法則から導く国家の正義の立地点になるかもしれない、圧政は確かにしてもいいけど、国民が圧政でみんな死んでしまったら、その国家は終わりなんだから。やはり国民に対してある程度は援助するほかない、それは善、から生まれてきていないからこそ、より重要なものになる。
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 最近思う・・というかわかったことは
 ヒトは結局本当になりたいものになるんじゃないかってこと
何かを諦めたりして文句を言うのも結局はどっかでそうなりたいと思ってるのだと思う、本当に諦めたくなかったら、諦めないもの、だからずっと何かの途中で、自分が望まない何か、ではないのだと思うな
 別にただのそういうコトバ遊びだけじゃなくて、けどなんとなく、あれ、やっぱりそうなんじゃないかな、実際に。って思うのだよね。
 輪郭線がうっす~い話だけど。


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 誰も不平等な世界を是正しようとか、退廃を阻止しようとかいうけれど。生きてるのが楽しいようにしようと考えたヒトはいないのではないかね。人生も1種のゲームなんだから、もっと面白いようにしようと考えないものかね・・
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・人間も見ている視覚は、自然世界の光学的再現ではなく、様々な処理が施された映像である。
 
・様々な刺激は最終的には電気エネルギーに変換されて脳で処理されるので、原理的には、物理的刺激を用いないで
直接脳に電気情報を打ち込むことで、感覚器官なしで、感覚を与えるコトが出来る。
 まだ発展段階で、人工内耳などは成功した例。 

 Axaはサイボーグ技術、Amsは電気情報化技術を持っているので、二人の協力でNEOSは可能、あとは人体実験がどうしても
必要。ユキは神経接続の実験台に志願する・・・肉体切り離し。

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 キヲクセカイ・・・・ 

Z「ハチマキ作りましょっか、いよいよ終盤戦ってことで」
Y「古典的やね、けどいいかも、三船敏郎ファンだから」

 戦局の悪化によるタイムアタックが始まってから、ハチマキを閉めて徹夜地獄へ

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海里先生の意識論

 生物の進化論はダーウィン以来、原子のランダムなぶつかりあいによってたまたまある環境下で有機物が合成されそれがどんどん複雑化して生命が誕生した。という見方を指示しているけどこれには大きな欠陥があって、なんでそのランダムな原子の配列が、意識、を生むかってことをまったく説明できてない。いきなりあと1つO2が合成されたら、はっ、と意識を持つなんてのは信じがたい。こういう純粋な原子論的生物観ってのはまともで真面目そうに見えるけれど、けっこうムチャクチャです。あるいは、支配的な観点ってのはいつもそういう真面目で厳格なよそおいをしているってことも言える。Iたちが今、原始社会の宗教を馬鹿げていると思うようにIたちの世界観がもっと文明レベルの高い視点から見ると、まったくのキチガイに見えるということはこれは確実だと思う。バカというのは視点に依存してるわけで、人間はバカだっていうけど、そりゃ人間の一番上からみれば人間はバカに見えるに決まってる。ただそれだけだ。サルから見ればやっぱし人間は賢い。どの時代のどの段階にあったて、一番頭がいい人間から見れば人間は常にバカだ。
 
 さて、意識、の量子的飛躍っていうのかな、それはほとんどありえないと思う。QUANTOM LEAPね。もっとふつーの他の現象からの比較からして、意識ってのは、ある複雑さを超えるといきなり現れるのではなくて、高分子化にともなって少しづつ現れると考えるのがフツーでしょう。もちろん素粒子は量子的ふるまいをするけれど、いきなり一億倍、みたいな跳躍はしない。量子の段差は小さい。大ジャンプはしない。素粒子が大ジャンプするなら。いきなり空間に穴があいたり、爆発することになる。進化論は大ジャンプ論で、やっぱしどっか人間を特別視するバイアスがかかってる。
 アミノ酸にも意思がある。まったくキチガイじみた響きに聞こえるかもしれないけれど、意思というのを完成した高位なものと限定してるからそう聞こえるのでしょう。もっと低次の意識、レベルの低い意識の段階があるってこと。それはほとんど1つの簡単なものかもしんない。複雑化への意思、あるいはシステムへの志向。というもの。高分子化して、アミノ酸からタンパク質、細胞、植物、動物、サピエンスと意識は動物にいきなりLEAPで現れるのではなくて、ほんの少しづつ意識のレベルが上がってくるのではないか。ってIは思う。ただの意識、というコトバの問題かもしれない。
 意識ってのは、意識を持っている限り究極的には理解できない。同次元だから。けどまぁ考え方ってわけで、そうすればすんなり考えられたり、予測ができやすいってのはある。どうしてもすべては電子のふるまいなんだ、って思いたいならどうぞ。永遠に意識の問題はそれでも解明できないと思うけど、どうですか?」
Y「おもひろい」



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K「ゲージュツなんてひとりよがりのマスターベーションで、くだらないものだって言うけれど、それが、ほんの小さな光になって、ココロに宿る時があるよ、そのほんの小さな光が、ほんの小さなチカラが、生きてく勇気になるから」
/////////////////////
 賭けに勝つ最大のコツはね、最後まで勝利を疑わないコト

 //////////////
 シェスクが寝てる
 夕焼けがキレイ、猫はガン寝。

 終盤、海里は完成に集中するためほとんど地下にこもりきる。珍しく甲板で夕焼けをみながらご飯を食べてる。キヲクセカイから帰ったあとの?ユキが来る
K「・・・1人にしておいてってみんなに言ったのにな」
Y「そんな約束守るタマじゃないですよ」
K「だよね。シェスクが気持ちよさそうに寝てるからさ・・・・・世界は美しい、あるいは世界が美しいと思うように動物はできてる、動物は悩んだり死にたくなったりしない。どうしてニンゲンだけがあくせく生きることを選んだんだろう、どうして世界を嫌いになるようになったんだろうってたまに思うな」
Y「泣くことや苦悩を抱えて、笑うことを覚えたってことでしょうね。
 我々は苦悩をこそ求める、なぜなら愛するために
 つってねまたドスト先生だけど。
コトバによって表せる大事な事はすべてドストエフスキーが答えを出してる。ニンゲンの計算で答えが出せるものはオイラーがすべて答えを出したように。
 表現もドスト以来絵や音楽と融合するようになった。数字という個体じゃなくて、群、集合という全体のシステムとパターンに数学が移ったように・・・
 出来事の論理的帰結を伝えるのじゃない、あるヒトがいて、恋をして、死んだ、っていうふうに。そうじゃなくて生きてるっていう全体を伝えないといけないんだ。それがわかったときに、コトバで世界をとらえていた、あの世界ってのは、本当の世界がのほんの一部でしかなかったとわかるはずだ。表現の複雑系の話でした」
K「・・・ユキはずっとやりたいことが無いとか言ってたけど、ほんとはずっとしたいことは決まってるんだよね、作品を作って、その表現の新しい道を作りたいんでしょう、ガロアがやったみたいにさ。
 火星で読むから送ってよ、Iがファン1号で最初に読ませてほしいな。だから死んだらダメだよ、Iがいなくなっても、やるべきことがあるんでしょ」
Y「ふふ、なんだろ~、そんなやぶれかぶれに言っちゃいけないことを言ってしまうテンションですか?珍しいね」
K「最近特にそう思うようになった、なんでかわかんないけど、直感でさ。別に本音を隠してても仕方ないしね、Iがエテルナってこともバレてるんだろうし」
Y「覚えてるよね、最初に会った日のこと」
K「うん、嘘ばっかりついてたでしょう。だからアレも嘘、Iがいなくなったら死んでもいいって言ったけど」
Y「でもあの時は本音だったでしょう」
K「・・・かな?わかってなかった、なんでIはユキを探したりトモダチになろうと思ったりしてるのか・・・だんだんわかってきた。最近直感を信じるようになってきたんだ、」

///////////
 だいたい将来の不安とかほざいてる奴は死ぬ覚悟が出来てないんだよね、何度も言うけど何かを始めるには、まず最初に死ぬ覚悟がでて、ようやく最初の一歩だよね、夢追い人だけど将来が不安ってのは嘘なんだよ、まず最初の一歩すら踏み出せてないもん、まだスタートすらしてない


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K「I思うにプロレタリの親は一体どういうつもりでガキを作ってるのだろうね、だってガキが生きていく手段が無いじゃん。
農民は生活がキツイといいつつ生きる手段はあるけどプロレタリは体制に媚びへつらって入り込めなきゃ即死だからね。なんか上手くいって、既存の権力にへばりつけたり、これまた運がよくってふいに、権力者から資金を得たりできてギャンブルで馬鹿勝ちするようなことがあっても、そんなの100万分の一くらいの確立でしょ。そんなゲームないよね、いきなり100万分の一の確立で勝負させられて、ほぼ負けるなんて。なのにそんなゲームをガキにさせるってのはなんなんだろうか。自分がすごいオカネがあったり、生産手段が無い限り、ガキは100%で不幸だと思うのだけど。もっと簡単にいうと、ドレイの子はドレイですよ、いくら憲法があったって。なのに自分の子もドレイの運命を負わせるなんてひどいことするよ。利用されるか、殺して奪うか、しかないんだもん。もちろん最近はしないみたいで少子化が進んでるけどさ。それが当然だよね。
 都会に出稼ぎに来た農民の次男三男がガキを作るのは、それは土地の無い空中都市と同じってことだね、土地を離れては生きてはいけないの、ってことで。プロレタリの人口が増えたら社会不安が増すだけ、あれは空中都市なんだよ、いつか地に落ちて廃墟になるしかない・・・・日本人には伝わらないかもね、こういうハナシは・・奇跡的にうまくいってきたし、今でもギリギリダイジョウブだものね」
「じゃあ貧乏人は子供作る権利は無いってことですか?」
「無いよ、実際には無い。無くていいのだってことじゃなくて、無いってことを知って戦わなくちゃ、社会を変革してから、ガキをつくればいいじゃん、ガキつくってから、よし頑張れは無いでしょ、てめぇが戦え。そういう地道な闘争が、結果的には分配を平均化させるから。
 あの世界の貧困とかいってガキを映すのはめちゃくちゃ腹立つよね、親を映せよ、同胞が血みどろの戦いをしてるのに、避難キャンプでセックスしてるんだぜ?まずそのクソ野郎とクソビッチがセックスしてるのをトップにガン、ガリガリの子供にパンスライド、カットバックマシンガン、赤十字系の脳タリンの女、利権を貪る日本人、資源にむらがる列強、武器を売るアメリカ人、さてあなたは援助しますか?」
///////////////////////////////
新しいものについて、古い価値観で評価しようとするのが、人間というものだけれど
それは常に間違っている。新しいものは新しい領域を含んでいる、新しい集合X、について評価する尺度を古い価値観は
持っていないのだから、新しいものは常に価値が無いように見える。

 イキモノにはコトバ、以前の価値観、肉体の価値観、esの価値観があって
これはつまり遺伝キヲクの価値判断。若い女の子が生殖に
適していて美しいと、思う。ような価値観があって、これはコトバによっては書き換えられない。esの価値観は
塩基配列で決まってる。ずっとそれは固定だったけれど今になってはそれを書き換えることはむしろ容易だ。



 新しい物、技術、セカイ、は新しい価値観を含んでいる。新しいものそれ自体に、それが価値のあるものだという
情報系を含んでいるものだ。それを受け入れるなら、受け入れた瞬間にそれがすでに価値を持っている。自意識は
評価することは出来ない。
だから何かに価値がある、コトバの価値観、では常に客体なものだ。
//////////////////////////
 ヤミ の文化
Y「ドストファンとして面白い話を1つしてあげよう。
1876年からはエジソンの黄金時代が始まる、まずベルとすったもんだしまくった電話の発明。遠距離通信を革命して、孤立、の寂しさというものを世界から奪い去った。あるいは孤高を無くして、孤独にした。1877年 蓄音機、音を記録して、再生も出来る。ありえない革命でこんなものは以前には無かった。これも孤独を消去して、どこでも繋がれるというより、ヒトとの関係を保存して、何度でも味わうことが出来るようになった、マスメディアの本質はむしろ電話じゃなくてこの蓄音機で、他者との関係、を保存出来る、楽しい会話や歌声を保存して何度も聞ける、それってほんとは恐ろしく奇妙な話だ。
 1879年、電灯が実用化、交流発電はエジソンじゃないけれど、これもヒトから夜、を奪った。ヤミを奪った、これも夜の孤独、ヤミを奪った。すべてエジソンの発明はヒトの寂しさや孤独という急所をついてる、売れないわけがない。けれどそれを消してしまうということは、ヤミを消してしまうってことだ、電灯で照らされた夜に、恐怖なんてない。夜を昼間に変えたんじゃなくて、夜、を無くしてしまったんだ。ヤミが消される。それは文学や芸術にはほとんど死、だ。
 1880年カラマーゾフの兄弟、が完成。これは最後の小説。この後世界は光に満たされて、ヤミは無くなる。カラマーゾフはヤミ、の本だ。ヤミが無くてはまったく何一つ伝わらない。ヤミがなくしてはこんな本は成立しない。ろうそくの光、ヤミ、本。ヤミの創造力は失われて二度と帰って来ない。
 Iたちはもうヤミの力が理解できない、例えば恋人が恋しいあまりに殺人までしたり、狂ったり、世界をまたにかけて探しまわったり。そんな、馬鹿騒ぎ、を理解する感覚がもはや無い。キリーロフやイヴァンの狂気を感じるセンサーがもう無い。Iたちがわかるのは、閃光弾と機関銃やら原爆みたいなあっけらかんとして諦念に満ちたあけすけなただの破壊と絶望だ。そこにニンゲンの狂気が入る隙間もない。
 


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Y「子供のころのニーナってどんな感じだった?もしちょっと歯車が変わってたら、たぶんIニーナみたいなヒトになりたいと思っていたのだと思う」
R「・・・正気?趣味わるぅ・・・、全然変わんないよ、あの裏表の無い、超自己中のネアカで・・・、なんでも自分でやりたがって、ゼッタイに一番を譲らなくて、メチャクチャなハマリ症で、何かに興味があると全部貪り尽くすまで離れない、アニメとかあるじゃん?長いアニメとか、途中で終わるってことが出来ないやつで部屋にもうこもりっぱなしの徹夜しっぱなしで、それにIまで付きあわせやがって・・・」
Y「ごっつい目に浮かぶねw」
R「勉強とか兵器開発だとかもそうなんだよ、ただとことんまで突き詰めたいの、しかも全部自分が一番でリードしたいってだけなんだよ。ゼッタイに!あいつよくゼッタイに!っていうでしょ?嫌いだわ~ゼッタイっていうヤツ・・・ガキなんだよ、ずっと、しかも能力だけはずば抜けてあるガキだから手の施しようがない」
Y「あれでバカだったら確かにめちゃめちゃカワイイかもしんないですね・・・、でも覚悟があるならゼッタイ、って言い切るのが誠意だとも思うな・・・、これは本人曰くですけど・・けどあの人ってマジでそうなんだと思う、マジで、邪悪ってのものが無いんですよ、だから・・・コワイんだよな・・」



Z「・・アムスちゃん、きょうからワタシのドレイね」



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 ナイアル社会学ってのはつまり、性悪説ってことでしょう、レヴィアタンと同じですべての人間が全てに対するオオカミ、それでもオオカミの社会を築く。
 それはドスト風にいうと、お腹を満たす、ためだけの人間の結合、サイアクの連帯。
しかし、サイアク最低だからこそ、もっとも成立しやすくて、軽いソフトだってことでもある。逆に国民全員に徹底的なガチガチのイスラム教みたいな厳密な教義、あるいはコミュニズムを洗脳するのは重たいソフトだね。


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  カトリックの理念
 カトリックの理念とはなんだったのか、ってのにDが抜群の回答をしてる、Dが言うに、実はローマ帝国もカトリックも、あるいはフランス革命の理念も、社会主義も共産主義も違うようでただひとつの理念に基づいている それは人類の強制的な結合 という目標。プロテスタントの理念はローマに支配されるのを拒んだゲルマン人の思想、その強制的な結合に反対すること、なにがなんでも反対すること。プロテストすること・・・
 この人類融合の理念はもう2500年もの歴史があり、未だに存続し続けている・・・

 つまるとこヨーロッパの理念はこの2つ、ソクラテスに源流を持つ、人類融合の理念とそれに反発するそれ以外の人々プロテストの理念。じゃあアジアの理念は?
 アジアの理念は 一人のニンゲンが神になること。神化、の理念。仏陀が仏になり、贏政が始皇帝になり、天皇が現人神となり、老子が仙人になり空をとぶ、ヒトから神へと進化する、この理念。

 アメリカ、南米、アフリカ、中東の理念は勉強不足なのでわからず・・・
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Y「無から有を生むことは出来ないけれど。無から無を生むことは出来る
巨大な無だ。幻想と虚偽、無はいくらでも拡大できる、だからIたちが無であれば、無の方の自由が開くのだろうね。無への入り口としてキヲクセカイがある・・・
 物質の帝国は滅びるけれど、幻想の帝国は滅びない。
じつは物質の社会も幻想と虚偽で巨大化してるけれど、それはひどく小さな実体で、ただの無残な死だ。それを夢だの希望だの、っていう幻想、で何倍にも拡大して社会はできている、けれど実体はやっぱり、無残で無意味、汚らしくて退屈な苦悶に満ちた死だ。

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X「キヲクセカイってのは、概念図にすると、人間の脳っていう処理装置があるとすると、物理的、実在する外的世界、からインプットをするのじゃなくて、論理的、処理装置にこれは存在しています、っていう、電圧、だけで処理するということ。最終的に人間の脳もCPUもトランジスター、電気情報によって与えられるから、インプットが物理的であろうと、論理的であろうと、同じであるということ。
 仮想、というと実際には存在しない、というニュアンスがするけれど、実はそうじゃない。同じ、だってこと。これは論理、これは物理であるというのは、別次元の観察者を想定してるからそうなるだけで、処理装置からみれば、まったく同じ。そして処理装置であるかぎり、絶対に、物理と論理の区別はつけられない。
 

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 キヲクの中で
ユキはキヲクを繰り返しているうちに、殺してしまった自分自身に合う。18才で自殺したはずだったもう一人の自分・・
Y「・・結局IはUに会いたかっただけなのかもな」
U「そんなこと言われましてもね、別にIは何もいうことなんてないよ」
Y「でも自分自身と出会ってみたいってのはない?同じ自分でも出会う人や、読んだ本とかで違うニンゲンになってく」
U「と、いちいち説明しなくてもわかってるよ、Iなんだから」
Y「そうか・・やりずらいな。えっでもあの頃のIはそんなこと言うかな・・・ロミオとジュリエットが最もシアワセな死に方だって言ったんだ、海里に。シェイクスはそうやって書いただろうって、でも、それよりも、自分自身と一緒に死ぬのが一番の死に方だとも思えるな、本当にいちばん好きなのは、自分自身だったりしてさ」
U「Iはもう死んだよ、自殺したんだ18才の秋にさ、秋といっても、かなり暑かったけどね」
Y「・・どうやって?」
U「拳銃でぱぁん、ほら実は刃物恐怖症でしょ?」
Y「嘘つき、拳銃なんてどこで手に入れるのさ」
U「嘘つきはUもでしょ」
Y「アハハ」

*キヲク世界編はテオドル・ドレイヤー、ナウシカの追憶シーンみたいに表現主義的にやってみたらどうか。


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不老不死と最後の審判

X「現存の世界最古の文学であるギルガメシュ物語は4500年前ほどのものだけど、これはギルガメシュが不老不死を得るための冒険だ。
 そしてそれから2500年後の新約聖書は世界の審判によって世界を滅ぼすという物語だ。
不老不死と人類絶滅の物語は、ヒト、の一番最初の一番古い物語。そして一番本質的、逆説的だけど、一番新しい物語でもある、一番古いということは一番新しいということだから
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  無くしたキヲク
講演会が終わったあと、ユキはキヲクを揺さぶられて、だぶってしまい
 女子トイレで猛烈に吐く

海里「ダイジョブ?悪いものでも食べた?」

ユキは海里にしがみついて泣きだしてしまう
「ゴメン、なんかIおかしいんだ・・・今日だけじゃなくて最近ずっと・・、

怖いんだ・・IがIじゃなくなっちゃうのが、いつまでIはIのままでいれるのかな・・・」

(そうだ、ほんとはそうだった・・・写真なんて取ってない・・・教室になんて行ってない・・・あれはIが勝手に作ったキヲクだ・・・
これはIが消したキヲク・・)

海里「死ぬのが怖いってこと?」
ユキ「・・・わかんない・・」
海里「ともかく場所変えようよ・・」
 


 ユキ(Iは海里に出会うまでずっと一人ぼっちだった・・・もう一人はいやだよ・・・これはホントのキヲクだっけ・・
今のIのコトバだっけ・・・)

 最初のシーンの続き
 ユキ「ねぇ!」
海里「はぁい?」
ユキ「Iも一緒に死んでいい?」
海里「・・・ユキの好きなようなしなよ。ただ・・、

           もっと笑ってよ、もう一人ぼっちじゃないんだから


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 自分という他人
自分ってのは他人だと思う、他人からコトバを与えられて、作られた自分。自我ってのは与えられるものだもの
だからそれより前の存在、肉体のイキモノは、しゃべらないやつだ、他人から与えられた自分が脳を使って考えたり
意識を持ったりしているのを見ているイキモノ、がいる。自分の中のもう一人の自分。
 それを誰かに投射するのが愛するってことなんだと思う、それを探してるんだと思う・・・

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 海里もエテルナなのか

そう考えるとすべてが繋がる、生殖障害、幼少からの天才、コドモのまま年をとらない、特徴的な瞳の色、睡眠障害・・・・
 そして何よりもAXA君がなんで無償で海里の手助けをしてるのか・・・

X「本当を知りたい?」
Y「いい、知っても知らなくても同じだもの、海里とIにとっては。何も変わらないから知る必要もない」
 エテルナにはエテルナの価値があるんだ、だからそれを見つけている最中・・・、
(エテルナは北極海下の原水で、遺伝子操作により、細胞死プロセスを書き換えたイキモノ・・・)
楽園は、天国は退屈だという、けれどそれは違う、楽園にいる者達は、楽園の価値観を持っているから
楽園っていうものに行ったことが無いのに、それを評価することは出来ないし、無意味なんだ。
 キヲクセカイの意義ーーー数学的問題はキヲクセカイで解かれるほうがいい、物質的制約もないし、複数の頭脳を結合
することもできる、人間の脳の物理的制限を外していくことだから・・・キヲクセカイは、圧倒的なスピードであらゆる
数学の問題を解決する・・・キヲクセカイ内モデルだけで、統一理論を完成させることがおそらく可能だ・・・それで
リアルワールドを征服していってもいいし、キヲクセカイ内でさらに拡張していってもよい・・・


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  人類への希望を捨てること、捨てるものだけの前進
 K「わたしは考えてた、マルクスドストテーゼが完全に滅びた、1969年に、本当に失われたものはなんだったんだろう?何がそのテーゼをぶっ壊してしまったんだろう?ってさ。それはわかった、ついに、1789年以来の理念の中心、ニンゲンを、信じるのをやめたんだよね。
 ドストやマルクスが真ん中の真ん中、底の底で何を言いたかったと考えると、それは、それでも人類を信じろ、今はダメでも希望をいだき続けろ、ってことだよ、そこで二人はつながってるんだ。

 それでも人類を信じる、民衆を信じる

 そう言いたいよ、どれほどそれを願ったことか。けどもうやめたんだ、1969年に失ったのはそれだ、人類への希望。それは捨てていくしかないものだ。
 
 でも、人類への希望を無くしても、誰か、特定の誰か、固有名詞にキミ、はまだ残されてる

 IはUを信じる i believe you

 だから進もう。誰かを信じるってことが出来るはずだ、火星ではそれを証明する。Iは人類とは縁を切る、けどIはIのトモダチは信じる。ってことだ。
 すべての希望が無くなったわけじゃない、そして少しづつだけど新しい、価値観、新しい希望を描きはじめたヒトもいるんだと思う、エリアルにせよ、キヲクセカイにせよ。それでいい、人類を捨てて、ニンゲンは進んでいけるよ・・・
 正直しんどいのはわかるけどね、それはたぶん・・キリストが生まれてから、ずっとニンゲンの宝物だった、いつの日かすべてのニンゲンが兄弟のようになれる日がくる・・・手をとりあって、理解し合える時がくる。楽園が来る・・・

 楽園は来ない、天国なんてありはしない。ミライは、自分で作るものだ、