2014年1月1日水曜日

REVIEW Verlain 詩集 1844-1896 /mother goose 1600?-

Verlaine 1844~1896

 詩人というのはだいたい人生そのものが作品みたいなところがあって年代特定が難しいとこです、詩集ひとつひとつというわけにはいかないし。
 その中でもヴェルレーヌはその人生が詩、タイプの中でも王者に君臨する人物ですね。
そういう人生=詩 的な詩人を poete maudit とフランス語ではいいます、accursed poet  呪われた詩人・・・とでもいうのか(ヴェルレーヌは 土星の子供たち、といってますけどね。詩的だ!w サタンの子供ってことです)、ボードレール、ランボー、ヴェルレーヌの御三家です。そういうわけでマラルメはなんか教師もまともにできたりして生活は平凡なので人気が無いですね。引用でも極端に少ない。


Veはそのなかでもちょっと圧巻ですな。ちょっと客観的にタイトルを並べてみると

 ロリコン、ホモ、男の子好き(しょたこん)、極度のDV(嫁を包丁で追い回す、老いた母親をぶちのめす)、ジャンキー、アブサン中毒、アル中、破産者、浮浪者、落後者、生活保護受給者、ホームレス、バガボンド、救貧院の常連、女たらし、買春、殺人未遂(ランボーを射殺しようとした)、ストーカー(ランボーを追い回す)、前科者、お勤め御苦労さまです・・・


 こんなにタイトルをかっさらっているのはオスカー・ワイルド(ホモで投獄)とドストエフスキー(元テロリストで死刑囚)くらいなもんですねぇ!ある意味ではその二人よりもすごいやつです。彼らとて、酔っ払って実の母親をぶちのめすなんてことはやってないでしょうから。
 やってないことを探すほうが難しい。後はサド侯爵を超えるだけでしたね。彼は殿堂入りですが・・・(ホモロリコン、スカトロジー、カニヴァリズム、ネクロフィリアでグランドスラムですね)。
 ヴェルレーヌ本人が言うに、Iは女性的な人間なんだ、それがすべての説明になる。とのことです。
 すごいわかるなその感じ・・。ヴェルレーヌは女的感性と、男的芸術の才能を同居させた希有な詩人だってことなのかもしれませんね。
 


 そしてでも前述したようなある意味ぶっ壊れた芸術家たちはほとんど同時代人なんですよね、つまり世紀末世代です。やっぱり19世紀というのは、今とは感覚が違うのですよね、死、がすごい身近です、兄弟やら愛人友人が、コロコロと死んでいく、病気、戦争、貧困、死亡率が非常に高い、ワンミスで即死なのです、アクションゲームみたいに。だからこそ、デカダンス的な思想や、超越的(パルナサス)的な考え方、あるいは極度に内面的な写実主義、どれも行ききったスタイルなんです。ある意味やりすぎといってもいい。
 大戦後からはロープレなんですよね、ワンミスしても大丈夫。何度もリトライできるし、レベルアップを考えていける。そのぶん、切実さと極端さにかけていて、よくできすぎていたり、まとまりすぎてる。

 現代ではタイトル二つでもう社会的に抹消でしょう、ホモでロリコンってだけで。破滅型の天才には生きずらい世の中です。それでも、まぁかなりの程度いかれてますなぁw 40くらいのおっさんが生徒の男の子と同棲しだすなんてのはちょっとね・・・ひどいですねw いやまぁおっさんでおっさんが好きなのもいかがなものかと思うけどさ・・・ アブサンってのがどんな味なのかIも飲んでみたいなぁ







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 mother goose  1650

 オーディオブックで読書することが最近多くなりまして、ほとんど英語なんですが、複雑で難しいのは途中でわけわからなくなるので特に詩とかを聞いていこうと思っておりまする。

 聖書、シェイクスピアについで引用が多いというマザーグース、成立年代は不明・・。アリスのほとんどの元ネタ・・・少しくらいは知ってる人もいるでせう。メリーさんの羊など・・・


 しかしその実は、昔の話にもありがちなのですが、やたらに残酷であったり、バタバタ人が死んだりとしてブラックユーモアにあふれていて、またナンセンス文学、エドワードリア、キャロルのジャバウォキ、ジョンレノンの作詞などにつながる文学の祖でもあります。

 意味がないってのはあるいみパルナソスとかトランセンデンタルに通ずるものがありますね、しかしこんなものは子供の遊びだという人もいる・・。なんやねん!って怒る人もおる。確かにエンタメがすべてナンセンスで占められたらなんやねん!ってなるかもしれないですが、ニッチとしてやっぱ必要なものなんでしょうね。
 でもこういうのって作る側からするとテンションの持ってき方がわからんですよね、一生懸命やったりまじめにやったりするのとは対極で、ある意味センスだけが求められるからしんどいっちゃしんどい。
 ストレートにセンスだけのものですから、才能がすぐにばれてしまいます、怖いすなぁ・・・ほとんどが匿名の作家によって占められてるから成立するんですよね・・・作品ってのが個人主義、個人の売名行為で売り物、となるとこういうものは成立しなくなる、アノニマスだからできる系のものです・・・