仕事と日 ヘシオドス -700
読もう読もうと思いつつ、誰もがあまり読まないギリシャ古典、其の中でもみんな一応イリアスとオデュッセイアーは読むけどヘシオドスは見逃しがちですね。しかしホメロスとヘシオドスは最古の詩聖二人というわけで、古来から評判が高いです。この評判が高いというのも曲者で、ごく一部のインテリが高く評価してるだけで決して多数派ではありません。
内容はものすごく現実的なことです。仕事についてというよりは、生きることについて、かなりのハウトゥーが書かれています。奴隷は40の男にしろ、とか結婚は30くらいがいい。嫁は処女のほうが躾がしやすい、云々・・・占いの部分を除けば、(フェミニストにキレられるけどみんなが思ってるような)現代でも通じる、普通のことを言ってます。初めて普通のことを書いた作品なのですね。
友人が悪いことをしてきたら、二倍で返せ。兄弟を信用するな、みたいなリアリズムは、キリスト教以後の、理想主義的倫理とは違って面白いですね。言っていることがひじょーにまともです。このある種のまともさ、がギリシャ人のルーツなんですよね。これら1000年もあとでも、地球のほとんどの場所では、気が狂ったみたいな物語ばかりですから。
まとめ
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・エリス (戦いの神 ニュクス (夜)のコドモ)
は二人いる。
・アルゴス 百の目を持つ巨人 ヘルメスに暗殺される。
・プロメーテウス は プロ 前に メテウス 見る で先見する者、予見者という名前、ティターン族。
・パンドーラー は 美しくて不実、災いをもたらす 美女 の原型。 すべての災いを瓷から解き放つ、エルピス(希望)を除いて・・
「Iはもう第五の種族とは生きていたくない
その前に生まれるかその滅んだあとに生まれたい
それは我々、鉄の種族である・・・」
黄金(神と同じ)→銀(争いを好む)→青銅(馬鹿力だけ)→半神(ヒーロー、青銅よりも気高く強い、ギリシャ詩人たちの先祖、選ばれし英雄たちはエリュシオンの野、マカローン・ネーソイ、至福の地に住むとされる、ex アキレウス、ラダマントュス・・)
・正義 =デイケーの女神 ゼウスの娘
「親しい人間にも賃金をきちんと払え
兄弟と約束するときでもにこやかに振るまい証人を立てろ
信頼と不信はいずれも身を滅ぼす」
「尻を目立たせてめかしこみ 納屋を伺いつつ 甘い言葉をささやくような 女に騙されるな
女を信用する男は 詐欺師をも信用する」
「噂は一旦ヒトの口に登れば、もうけっして完全に消え去るということはない
いわば神のようなものだ」