2013年9月24日火曜日

1928 Carl Theodor Dreyer The Passion of Joan of Arc

 1928年! 


 映画の初期黄金期の超名作なんですけど、恐ろしくよく出来ています。映画が誕生して30年ほどで、ここまで映画はいってしまったのかよ、って感じの出来ですね。
 カットの切り方が斬新で、超クローズアップ、フェイスアップとでもいったらよいのでしょうか、顔のカットの切り替えだけでつないでいって、まったく空間が存在しない。それがすごい観念的というか、ある意味で、マンガ、と同じフレームの切り方ですね、マンガは顔のCUだけで出来てる、顔マンガが多い。
 こんなに空間の無い、実写映画はこれだけです。

 無声映画は現代人にとって観るのはほとんど苦痛でしかないのですけど、本当に価値あるものはそこに潜んでいるんでしょう・・・。というか昔のニンゲンは真面目に生きてるよなぁとつくづく思いますね、特に戦前、戦間期のニンゲンは。すごいなぁ、と思う。残された時間にかける熱量っていうか圧が、現代のそれとは違うんです、やっぱり命は短い、というのをリアルに感じ取った世代ですからね。戦争は恐ろしかった、なんてガタガタ抜かしてる年寄りとは違って、本当にその時を生きてるニンゲンのコトバを、表現を見たい。もっと昔の映画を観るべきですね・・・
 これこそが最高の映画だ、という映画好きは多いようです。

ある意味卑怯なんですけどね、主題じゃん。どんな物語でも主人公が死刑にされる、死刑ものというジャンルは、キリスト伝説以来の・・・一番重たいテーマです。ましてやそれが純真無垢な少女が死刑にされる映画なんて、歴史物として許されるけど舞台を現代にしたら、えぐすぎる映画です・・・キチガイ扱いされかねない。




 CTDに関してですけど、グリフィス、CTD、そしてIは嫌いですけどチャップリン、戦前の映画は完成してますよね。ラーズフォントリアーとか、その後のキリスト教的な重っ苦しい映画は全部CTDの焼き直しって気がするな、加わったのは退屈さだけで。


 80年前の作品なんだけど映画の著作権ってよくわかんねぇままにわざと放置されてて、永遠に著作権ギレにならないですね。
 うやむやにして著作権を手放さない、ディズニーの陰謀ですけど。