2024年6月23日日曜日

1957 ナヴァロンの要塞 アリステア・マクリーン

  第二次大戦中、トルコの沖にある難攻不落のナヴァロン要塞。

 それをそれぞれに特殊能力を持った精鋭5人がチームとなり、潜入して破壊する極秘ミッションを与えられた・・・


 といういかにもおもろい小説です。


 死ぬほど聞いたことある感じですが、これがそのオリジナル、アリステア・マクリーン、はそういう、アクション映画、的な話を型を生み出した人なり。


 映画、と言いましたが、この小説は映画化されましたし、マクリーンはそのあと映画脚本家もやってます。というわけで、こういう話を作ってたのは全部こいつだったのだってことですね。


 マクリーンは当然、第二次大戦従軍経験があり、それが小説に生きている、というかそれそのもの。

 どうあがいても、戦争を経験してない人には、こういうのは描けませんね。実体験のほうが圧倒的に強いに決まってるのだから。


 第二次大戦のあとにも戦争はありましたが、戦争というよりは小競り合いです。それが弱いものいぢめ、もっと正確には資源を獲得するための茶番です。


 本当の(現代の人間が行った)戦争は、第二次大戦が最後だったとワタシは思ふ。今の文明が滅びてまた新しい文明と戦争があるでしょうけども。


 正直この作品は文句なしに名作です。素晴らしい出来です。マクリーンとワタシは趣味が合います。マクリーンの作品には、女性がほぼ出てこず、他のアクション小説にありがちなロマンスが皆無。マッチョでドライでハードな質感。

 お涙頂戴のくだらない話や、実は親子だったのだ、みたいなベタなオチとかもない。ひたすら、綱渡りのアクション。

 といってドイツ兵、ナチは全部クソだというイデオロギーもない。むしろナチス兵をこんな正当に評価してるのもめずらしいって感じですね。

 ユダヤ人とドイツ人は優秀なんです、これはもう誰が見ても明らか。だから嫌われるのですわ。


 もう小説は完全に終わったメディアになってしまいましたが、ワタシは、映像ってあんま好きじゃないのです、見るのが疲れる。やっぱマンガが最高、これマンガにしてほしいですね。ただマンガってやつはほんと時間がかかるし、技量がとてつもなく必要なのです・・

 

2024年6月21日金曜日

1998 マール王国の人形姫  日本一ソフトウェア

  日本一ソフトというと、ディスガイアシリーズでおなじみですが、その日本一、がマイナーゲーム会社から中堅へと出世する上でキーポイントとなったソフト。


 それまでバカゲーしか作ってなかったらしいですが、この作品で本格的なゲームに乗り出したらしいです。

 まぁはじめっから大作なんて作れるわけないのだから、これは偉いですね。


 かなり特殊なRPGです、すべて普通、の逆を行ってると言ってもいい。

まず主人公が女の子、さらわれた王子様を助けるために旅に出る。

 主人公は人形と話ができる、ラッパを吹いて仲間にする

モンスターも仲間にできる、死んだらロストする。

 ストーリーでいきなり歌が入る、ミュージカルテイスト。


 まず女が主人公ってのはすっげー珍しいですね。といって戦闘はシミュレーションゲーム風で結構シビアであって、女の子向けというわけでもない。


 ポポロが流行って、こういうファンシー向けっていう新たなジャンルが生まれたのだと思われます。

 ラッパってのも珍しい。普通に歌で仲間になる、でいいのに、ラッパを吹くのはたぶんラピュタの影響なんでしょう。まず女の子がラッパを吹くっていうのが他に前例が無い気がする。だいたいフルートとか、クラリネットですよね。

 ラッパっていうのは、ほっぺたに空気を溜めて音を持続させるっていうテクニックがあり、それがとっても可愛くないので、女性はまず手を出さないのであります。

 そしてオケで一番むずい楽器と言われている



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 問題点


・ダンジョンのマップが同じものの繰り返しなので非常に迷うのだがマップ機能とかが何も無い

・仲間がレベル1で加入するので育てるのがしんどい。特に敵が仲間になっても人形が強くてまったく使い道がない

・人形の強さのバランスがえぐすぎる。

*最強人形ナイトスポーンはps番だとニ周目で全部データコンプリートしないと入手できません。DS版だと中盤で手に入る模様。

・ヌルい。まぁこのグラで本格シュミレーションってわけにはいかないのでこんなものかと。全体魔法が強すぎる。稀に敵の必殺も、文字通り必殺で、バランスが極端。

 ラスボス、の一個手前、はさすがにちょっと強い。魔法でワンパンされる可能性大。まぁ一人ぐらい強いボスがいないとね。


・人形が仲間、なんですが、デザインがあんまり人形っぽくない。ワタシ的にはもっとカルコブリーナみたいな人形が良かった。あるいはぬいぐるみにすりゃよかったのでは?

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 寄り道しなければ15時間くらいで終わります、寄り道しまくっても20時間くらい。ボリューム少なめ。

 でも中小メーカーが初めてちゃんとしたゲームを作ったと考えれば、十分及第点。めっちゃよく出来たインディーゲームって感じ。

シナリオはギャグだけなのかと思いきや、実はちょっと深くていい話であります。


 イノチウム、っていうのがおカネの単位でして、イノチウムってなんやねん。って思ってたらこれは、イノチ(命)+ウム つまり生命エネルギーの結晶体で超重要であった。


 王子を救うためにそのイノチウムを集めるのですが、それが奪われると他の生命も滅ぶという、えっ?まじ?っていう重めの設定があります。


 タッチはライトなのですが、よく考えると、他の生命を殺さないと、誰かを救えないというなかなかシビアな物語なのです。


 ガッツリしたロープレやりたい人には物足りないですが、こういうものとして息抜きには良いでせう。

2024年6月17日月曜日

1998 ポポローグ

  ポポロクロイス物語、の外伝、1と2の間で発売されたので1.5といったところ。

マップとかスタイル、戦闘システム、は1の使いまわしなのですが、そのほかのシステム、特に育成とか仲間、の部分がかなり変わっております。


 ローグライク、風。とあるように、不思議のダンジョン系なのですが、マップは自動生成じゃなくて固定、死んでも全ロスとかはない。あくまでローグライク、、のRPGです。


 ただ仲間は傭兵、として雇う必要があり、魔法などはアイテムで習得とかをするようになっています。

 傭兵を雇うにはカネがいるのですが、実質ただみたいなものでそこはどうでもいい。


 仲間は二人しか雇えませんが、傭兵の数はかなり多くて、ここがこのゲームの肝であり、面倒がって、最初の傭兵二人でやるのは、実は損だと思われます。

 当然ながら後半に加入するやつのほうが強い、けど、後半に入るのに弱いやつもいて、見極めが大変。

 普通に考えると、クルト、ミルトの妖精パーティが優秀、ただこれだとピエトロ前衛になる、ピエトロたいして打たれ強くないのですぐ死ぬ。

 しかしこれといったタンクキャラがいないので、ダイソンを使うかくらいです。ダイソンはキャラデザが好みじゃないw  あとダイソンはよくマップにハマって動けなくなる。白騎士帰ってこい。


 あと個人的には、オートにしたときに、強いけど変な行動しかしないやつも使いにくい。直接指示を出せないので、強くても行動が馬鹿だと役に立たない。


 さらにサポートNPCも連れていけるのですが、道具を無限に売ってくれるというイムジーが無敵の継戦力なのでここは一択。


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問題点


 マップが非常~~~~に複雑でさらに、フラグによりダンジョン構造が変化するのでめちゃんこややこしいのですが、リレミト的な呪文しかなくて、ルーラできず、移動が激烈に面倒です。いろんなサブイベをとるためには戻ったりしないといけないのですが、イカれじゃないと無理。

 これはゲームのシステム上、ルーラ移動されるとフラグ管理が難しくなるので、マップのシステムの問題、全部のマップ繋げないで、ダンジョンを選択する形式にすりゃあよかったのに・・・

 よって普通の人はサブイベオールスルーで直進しかありませぬ。


実はショートカットルートなどがあるのですが、まずそれを見つけるのがむずい。ワールドマップみたいなものもない。コンパスみたいな方位もないので、マップ覚えるしかないですが見た目がほぼ同じなのでこれも無理でしょう。


 まぁ一度進めば二度と戻れないゲームと割り切ればOKです。


 あとこれは良し悪しですが、街のマップが異様にでかい。とんでもなく構造が複雑。ストーリー進めるだけでも一苦労。ちゃんとマップと世界観を作り込んでるともいえる・・・せめてマップを表示してくれたまえ。


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 ラスボスはそこまで強くない。ポポロ1にくらべてだいぶ簡単だし。30時間くらいで終わります。ややボリューム不足・・・やっぱ外伝ってとこでしょうか。携帯ゲームでよくありそうな感じですね。

 

 全体的に魔法が強すぎな印象・・・、とくにドラゴンフレイムを覚えてからは他になにも必要なし。


 とにかく移動が激めんどくさいのでそこなんとかすべきだったですね。


 

1994 ポリスノーツ 小島秀夫

  小島秀夫系列のアドベンチャーゲーム。

 なんとハードはPC98シリーズ。


そういうわけで一般にあんまり知名度がない、後にプレステでも発売されたのですけどね。


PC98というハードの制約により色々苦労して作られたゲーム。でもアニメとかグラフィックもかなり丁寧に作られていて、相当頑張っているゲーム。


 レビューなどでの評価も高い。


 内容は、宇宙開発時代、最初のコロニーが開発されて・・・っていうガンダムみたいな話。ガンダムみたいなメカも登場する。ガンダムよりは小さい。

 ガンダムと似てるなぁと思ったら、デザインはガンダムの人そのものでした。作画もそうだわ。この時期のサンライズはめちゃくそ作画レベル高いのですよね。


 ストーリー的には、大企業の汚職、麻薬と臓器密売を止めろ!という80年代のギャングスタものみたいな話でして、SFとは思えないほどベタな話。


 ワタシ的には、ふーむ、小島秀夫氏にしては、ちょっと、なんでしょう、ストーリーがあまりにも王道って感じで、先が見え見えな気がする。

 わかりやすさを重視したのかもしれませんが・・・、起承転結の転、が出来てない、起承結、になっています。


 やっぱりワタシはSFって無理があると思うのです。宇宙コロニー使うやつがこんな電話使うわけないやん、みたいなのが気になる。


 宇宙コロニーみたいなのが出来たとして、全然ワタシたちが想像も出来てないような技術環境だと思う。結局舞台を宇宙にしてるだけで話はそのへんの刑事モノと同じってのがよくある。


 それでも、なるほどねぇ、とか鋭い、グッドポイントなどはあって、そこらへんはさすがと言えます。趣味の問題かもしれません。

 世間の評価は高いので、ワタシがSFが好きじゃないそれだけなのかもしらんね。

2024年6月13日木曜日

-322  ニコマコス倫理学  アリストテレス

 倫理学とは、自分が善き人間になるための学問である 


立法者は法によって、国民が優れた行動をとるように法を作るものなのである。  


徳、とは美を目指す性質である


徳は中間性のことである


正義とは、法を守り、公平であることである


法はすべての人間に利益になる決まりである


人は神になることを望まない、神になるということは友を失うことだから


孤独な人間は幸福とはいえない、良い友人を持つということは善であるのだから、幸福な人間がすべてを満たされているとすれば、友人を持つという善が欠けているのはおかしいから


幸福、は活動であり、状態、ではない

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アリストテレスの本の中で、おそらく現代では一番読まれてる本。

 

(ニコマコス、とはおそらくアリスの子供だとされている。

関係ない話ですが、アリストテレス、アリスっていう名前は、学者として最高の名前だと思う。こんな学者っぽい名前が他にあるか、という感じ。ニコマコス、もネーミングセンスを感じる)


オルガノン(論理学)とかメタフィジックス(形而上学)は、一般的には誰も読まないし、更に現代ではほとんどが時代遅れです。

 アリスはほかにも、いわゆる芸術論もあるのですが、これも必読とワタシは思う。本当にアリスは万学の祖、一人総合大学なのです。


 だけども、倫理学、政治学、などの実践哲学、と言われるものは、現代と古代で何一つ変わらないので、まだまだこの本は現役、というかこの本が、倫理学そのもの。


 倫理学というと、道徳と混同されていて、ただ困ってる人を助けよう、とかそういう綺麗事を言う学問だと思われてる。ほいでアリスは倫理学とは言わないで、倫理も政治学、の一部という感じで書いている。


 けど実際は違っていて「幸福な国家」を作るにはどうするべきか?という、どちゃくそ普遍的な問題に取り組むもので、一番生活に密着してる学問と言えます。


 アリスの本はほぼすべて、アリスが自分で作った学校「リセ」においての講義録という形になっています。

 だから講義形式になっていて、プラトンの対話篇みたいな謎の構造ではなくて「教えるために」書かれている。

 よく、「わからせないために」書かれてる本がある、くだらない本のほとんどがそう。つまりは詐欺です。


 さてアリスの倫理学の結論はとてつもなくシンプル


 バランスを取ることこそが、徳(アルケ―)である


両極端に走らないでその中間を維持すること。

 東洋でいうところの中庸、です。


 そしてワタシもこの結論に大いに賛成です。間違いない。プラトンは明らかに極端でしたし、宗教はほぼすべて極端です、善と悪、天使と悪魔、敵と味方。二分法ばっかり。

 なぜ二分法ばっかりになるというに、バカだからです。愚か者にはバランスを取るってことが出来ない。やりすぎるか、全くやらないかしかない。

 だからバランスを取ること、こそが倫理、幸福、目的である、そしてそれが一番難しい。

 キリスト教のおかげで、アリスの倫理観は全然普及しなかった。


 そして徳(アルケー)の目的は「美」である、とあります。


  つまり、アリスの結論としては、生の最終目的は「美」である。というロマン派っぽい結論となっております。

 でもこれはさすがの結論だと言えます。美を目指す、に変えるものは無い。


 アリスの理論によると、自殺は辛いことから逃げること、は勇気ではなく、美しくもないから良くないとのこと。簡単に言うと、ダセェからやめろということだと思われます。


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正義とは、法を守り、公平であることである


法はすべての人間に利益になる決まりである


 これがアリスによる正義論なのですが、こんな単純明快な定義はないですね。至極なるほどであり、普通の人の考える「正義」とはまったく違うし、誰でも行いうる正義、だと言えます


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 この倫理学は、ほとんど幸福論、であるのですが。幸福論なんて論じてどうなんねんと思われますが、大事なことでして、目標、をきちんと決めるということです。

 こういうのを、目標、とする。っていう目標が定まってないと、社会のルールを作っていけない。


 アリスの幸福論は東洋のそれ、と全く違う。人はそもそも社会的人間である これがアリスの人間感であり、幸福は、悟り、にある、みたいな東洋のそれとまったく違う。

 孤高や個人の完成、を目指すのではなくて、優れた社会、を幸福とするっていう考え。だからアリスは友人、や愛、が大事だと考えるわけ。

 東洋の倫理とは真逆ですし、キリスト教的倫理観とも違う。


 さらに他の倫理と違うのは、アリストテレスは現実逃避してないってことです。キレイゴトってのはすべて現実逃避、言葉だけの理想で道徳や倫理もそれだと思われてますが、アリスはちゃんと、現実、をもとに考えている。

 


 とにかく、アリスの考えは、バランス、これにつきます。プラトンやその他宗教は、究極を目指す傾向がある、アリスはそうではなくて、両極端にならない、バランス、こそが到達点とする。バランス、ってのは瞬間ではなくて、持続、だから幸福は活動にありとするわけ。


 よくよく考えるととっても一貫性がある、さすがに、2300年も読まれている本ですね。アリスの倫理観に賛成かどうかはともかく、首尾一貫してる。これこそ、本、ってものですね。


 今本を書いて、2000年残るものを描くなんて、到底不可能だと思われます。偉業すぎる。

2024年6月9日日曜日

2010 TRIGUN Badlands Rumble  マッドハウス

  マイナーなガンアクションマンガのアニメ映画


 なんでアニメ映画化されたのか知りませんが、まぁアニメ映画で90分くらいでおさめるとするとだいたいこういう、ガンアクションモノ、長いんだけど、一話完結、みたいなものに落ち着くものです。


 原作はマンガ、ですが読んだことなし


 それもそのはず、月刊少年キャプテン、という謎雑誌に連載されていて、その雑誌が廃刊、以降雑誌を彷徨うっていう、まさにさすらいのマンガだからですね。

 少年画報社だものなぁ。チャンピオンですらない。


 なんとなく90年代っぽいデザインですね。

 ひたすらに作画が面倒なデザインをしている、このバッシュとかいうやつ。とにかく描くのが面倒なキャラのようです。


 アニメの作画はマッドハウスなので、安定のクオリティ。かなり気合が入っております、時間も90分くらいでアニメ映画としては理想的、ちゃんとしていまする。

 なーんにも考えないでみれるアニメですね。


 ガンマニアにはささるアニメなのかも、ワタシはこのメカとかロボ、銃ってのがあんまし好きじゃないのですよなぁ。

 まぁSFよりかはこういうスチームパンクのほうが好きですけど、やっぱ拳や刀で戦うのがえぇですわなぁ・・・

 ただ時代劇も時代劇で、だいたい、貧しい農民が・・・、っていうステレオタイプの話になっちゃうのが好きじゃないですね

 銃だとキャラが距離的に離れすぎてますからねぇ・・・

1998 レガイア伝説

  プレステで出たRPG


 開発はプロキオン・・・知らん。


 まだこの時代は中小メーカーでもゲームが作れる時代だったというわけ。いまならインディーゲームでしょうか。


 戦闘システムが独特で、これは完全に偶然の一致なのですが、ゼノギアスと似ています。コマンドを入力していって、その組み合わせで攻撃するという感じ。


 ただレガイアは気合ためとか、召喚システムとかがあってゼノギアスよりも戦略性は高いです。さらに上半身防御攻撃力、下半身防御攻撃力、アクセサリスロットも3つもあって、戦闘システムはこっちのほうがかなりおもろーです。

 召喚はまぁラーニングしすてむみたいなことですが、消費MPがえげつなくて、召喚レベルを上げるのはむずい。


 ただグラフィックはクソダサw PS1だといっても1998年にしてはかなりのダサさです。

 PS2が出たのが2000年の春なので、PS1後期の作品ということなのですが、グラは初期レベルですね。この次の年にPS2が出るとは思えぬ。

 パッケージもダサいw


 バランスなのですが、思ったよりも敵が強いです。アレ?って思うくらいボスが強い。思ったよりも2倍くらいダメージがでかい。えっ、普通に負けたんですけどってなる。

よってやはり召喚レベルが必要になってくるし、わりかし戦闘システムへの理解が必要。適当になぐっているとジリ貧になる。

 これはRPGとしては良いバランスと言えます。ゲキムズということはまったくない。最短距離でボスに直行したら普通に負けるってとこです。


 マイナーゲームなので攻略情報も少ないところも難度高い。たぶん、ボスによって下段が効くとかこの属性が効くとかがあるはず・・・ほいでキャラごとに召喚の相性みたいなのもあるっぽい。


 使い道がわからなかったアイテムとかも結構あるが、攻略情報がないのでわからぬ・・・

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 キャラクターも三人のみのシンプル。ただノア、というヒロイン?が野生児というめずらしーぱてぃーん。野生児は男の子と決まってるものですが。

 主人公のヴァンもなんか声質からして、やんちゃな感じというのか。

 シナリオはなんとも説明しがたいのですが、独特の語り口です。ただゼノギアスみたいにゴリゴリに歪んでいなくて、小学生にもわかるシンプルストーリーですのでご安心あれ。とにかくくそ悪い霧の悪魔?みたいなのを倒しにいこうって話です。


 ただ、終わり方は非常におしゃんな終わり方をしますし、エンディングもおしゃんです。


 だけどまぁ、ゲームに溢れたこの時代に、こんなマイナーレトロゲームに手を出すやつはいないだろうなぁ・・・

2024年6月1日土曜日

1998 ゼノギアス

 自分の目で見て、自分の耳で聞いて

世界とのつながりを作っていくの・・・ 

誰かの作った地図なんか見る必要なんてない


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 ゼノシリーズ、の初代で、裏FF7とも言われる作品で、とても曰く付きの作品・・・


スクウェアの狂気が解き放たれた作品といえます・・・


 制作モノリスソフト


 モノリスのゲームはとにかくボリュームとスケールがでかいのが特徴、でワタシはRPGはかくあるべしってものだと思うので好きな会社です。


 ワタシ確かにプレイしたはずです 「ソイレントシステム」と後半めちゃくちゃだったことだけは覚えているので・・・だが、いまやってみると記憶がまじでまったくない・・・これは一体?ドライブ・・?断片的な記憶しかない。


 ゼノシリーズってのはだいたい、めちゃ未来の話でロボットに乗って戦う、っていう世界観は共通のものですが、話のつながりはほとんどないし、シリーズなのかどうかもわからん。

 けどゼノギアス、ゼノサーガ、ゼノブレ・・と現在でも続いています・・、ゼノブレはなんでか知りませんが、Wiiとかスイッチの任天堂ハードを代表するロープレになってますね、スクウェアなのに・・?これはどういう経緯なのかは全く知らん。


 先に言ってしまいますが、このゲーム終盤めっちゃくちゃでして、なーーんじゃあこりゃってことになる。最後のほうは、駆け足で物語だけ文字で述べられるだけになります。

 SO3がマシに思えるほどのアンチクライマックス、あれはシナリオが超展開だったのですが、これは、完全に未完成。締め切りが迫ってこうなってしまったらしい、明らかに未完成作品、本来発売しちゃダメまである。

 端的に言えば、これは不良品です。


 こう書くと途中で終わる短いゲームかとおもわれそうですが、めっちゃ長いです、普通にディスク1だけで50時間以上かかる。クリアまでには70時間くらい。

 ちゃんと完成されていたとしたら、150時間くらいのゲームになっていたと思うと恐ろしい。

 シナリオを長くしすぎたのですわね、実際ゲームにしたらどのくらいのボリュームになるかわからなくて、これはあるあるです。映画のシナリオとかでも、ニ時間でまとめるとこんなちょっとしか入らないんだ!ってなる。


 だがミロのヴィーナス効果というべきか、ちゃんと最後までやってくれなかったおかげで考察などがはびこる形となり、表紙が完全にエロ本であり、手に取ることが非常に難易度が高かった攻略本はプレミアム化してます。あの表紙はまじでどういうつもりなのかわからなかった・・・

 ゼノギアスに限らず、レトロゲームの攻略本は高騰してるみたいですが、確かにコ攻略本って情報量が多くて面白いものね・・・。

 特にこのゼノブレの攻略本は値段以上の買いにくさという点で非常にレアですね。ハンターランクが必要。昔は通販なんて無かったのだ。

 攻略本を読んで初めて、こういうことね、とわかる物語となっています(嘘です、わかりません、でもちょっとは意味がわかる)スクウェアはこのあとも、攻略本とかデータベースを参照しないと物語がわからんってものを送り出して顰蹙を買います、最たる例がFF8。

 

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 マップは3Dにキャラはドット絵という非常に凝った作りですが、激烈に見づらい、正直これはまったく良くない。グラも全然綺麗ではない、このへんはFF7のカメラを固定するやり方のほうが圧倒的に良い。

 そういう意味では是非リメイクしてほしいゲームですね、今度はちゃんと最後まで作ってほしい。改善点がめちゃくちゃあって、伸びしろが多すぎる。

 でもこの未完成のままで置いておけっていうハードファンもいるかも・・・、あとシナリオがえぐすぎて時代と合わないかも・・・

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 戦闘システムはロボットにのって戦うのも含めて結構オーソドックスなRPGですが、バランスは非常に大味。基本殴ってれば勝てる、ギアは装備買えば勝てるってだけです。

 しょうじき面白みはない。育成もあんまないし。


 ちなみに実はエーテルが超火力で、エーテルダブル、E回路、エーテルパワー、などでゴリゴリエーテル強化するとエリィが無双します。


 ほとんどがシナリオを追うのに使われていて、シナリオゲームといえます、戦闘とかはオマケ、終盤がめちゃくちゃなのもあいまって、レベルあげたりする意味はまったくない。

 というかレベル上げるとギアが強くなるのかも不明


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 さて問題のシナリオなのですが、一言で説明するのは非常にむずい、というか無理。


 おはなしは、一言では説明しずらいのですが、とにかく古代兵器のロボットで戦うって話で、ロボットが出てくると必ずガンダムになってしまいます、ニュータイプ的な生まれながらのエリートがいて、ロボットなのに乗り手の適正能力で性能が上がって、もちろん主人公とヒロインはニュータイプであり・・・っていう感じですね。

 が、それだけでは終わらないのがゼノギアス。


 これもエヴァの影響というべきか、ひどく邪悪なものが背後にあって、エログロに染まっていきます。途中アニメシーンもあるのですが、エヴァそのもの。エヴァの影響がこの90年代後半はあらゆるものに入っている。 

 ほいでとんでもない鬱展開が待っている、というのがこの時期の最盛期を過ぎてマニエリスムに入ってきた・・・そっからスクウェア終焉?まで急転直下なのであった・・・


基本的には、ソラリスという謎の天上人たちが、地上の人間を実験体として、やりたいほうだいしてきた。悪名高きソイレントシステムも・・・。

 そのソラリスをみんなのでぶっ倒そうぜ!っていう話。

ここまでなら、まぁいつものスクウェアのお話なのですが、そこからがゼノギアスが始まります。

 

 正直この物語は完全に常軌を逸している。

 

 結局なーーーんのこっちゃさっぱしわがんね、でほとんどの人は終わってしまうのです。風呂敷をとにかくひろげるだけひろげまくって、ドロンです。

 キーワードだけがたくさん出てくる、鍵が必要だとか、神の依代だとか、神の再臨だとか、器、アニムスの器・・・、結局あれはなんやってん、みたいなのが無数にある。

 なんでかわからんが、人が本来の姿になると化け物になってしまうらしい・・なぁぜなぁぜ?・・・


 完全にここにもエヴァンゲリオンの悪い影響が色濃く反映されてるのですが、時期的に、エヴァを見てから作られた?ってことだけでもないと思われるので・・?途中からエヴァになっていったのかもしらんが・・、でもなぜか同じような物語になってしまった、シンクロニシティということなのかもしらん・・・?真相はわからぬ・・・


だが!このクソわけわからぬ、というところから真のゼノギアスが始まります


 高次元存在ゾハル、すべての遺伝子に存在する原初の母ミァン、精神分裂したフェイの乖離と統合、転生したラカン、波動存在との接触、第二次接触、原初の母が分離したミァンとエリィ・・・・・・・


 ここまでぶっ飛んだゲームは他には無い。もうやめてくれ!こっちがおかしくなりそうだ!ってくらいのイカれ具合です。覚醒剤をバキバキにキメまくったSF作家が書きそうな物語・・・・


 精神が不安定な人は決してプレイしちゃいけません、持っていかれます。


 なぜかというか、やはりというか、海外からの評価は非常に高い。JRPGは保守的でいっつも同じだ、といわれるのですが、確かにこのゲームは他のゲームとはまったく違う。RPGのシナリオとして最高傑作や!という人もちらほら。


 ワタシはやっぱりこれは行き過ぎだと思いますね、行き着いてしまったというべきなのか・・・、世紀末のさらに末期が生み出した鬼の子だと言えます。

 意味もなくグロが多いのが個人的には一番の難点。あと着地点も結局家族愛と愛なのだ、っていうのも、なんだかがっかり。物語のたたみ方が下手だというのか・・カレルレン実はいいやつだった、というのもむちゃくちゃすぎる、負けるといきなり人格変わるやつです。

 とにもかくにも改善点は無限にある気がします・・・


 だがそこにすごい情熱とエネルギー量、クリエイティビティがあるのは間違いなく事実。うまくまとまりすぎている昨今のゲームには無いものです、この粗削りのエネルギーは。

 だが、このゲームやってみろ、と気軽には口が裂けても言えない。やらないほうがいいとまで言いたいw

 グラフィック的にもいまやるのはきつすぎるの一言。

怖いものみたさというか、別な方向のホラーを求めている人はやってみるべきか・・・とにかく胸糞わるいものがほしいっていう、タフなメンタルを持ってる人だけに勧めましょう。


 ワタシは全然理解出来ないのですが、スプラッター系やこういう胸糞系が好きっていう熱心な輩がいるのですよねぇ。



2024年5月30日木曜日

-91 史記 世家

  「政治は簡素で容易でなければ民は親しまない」 周公旦


「ワタシは美女を愛するほどに、道徳を愛する人を見たことがない」 孔子


「大きすぎる恩は、逆に報われることはない」


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 「世家」というのはここでしか聞かない言葉ですが、いわば、春秋戦国時代の各国史、です。


 春秋時代というのは、基本的に、周、という統一国家があったのだけれど、それが弱体化して、諸侯が、公、として独立していく、という状態なのです。

 それでも一応、周、という国が正当であり、それを補佐する、のが、覇王、という体裁になっています。日本の戦国にまさにうりふたつ、だから日本の戦国を戦国という・・


 ですが周は結局衰えまくって滅びます(ー256)それでも周は少なくとも800年ほど続いた最長の王朝の一つです。

 そっから、戦国、となり、諸侯は、血みどろの国盗り合戦をすることになる。最終的にはご存知、始皇帝こと「政」が中国を統一する(-221)


 なぜ秦が勝ったかというに、これは地の利につきます、秦は山奥にあって、後ろは砂漠、入口は細い谷になっていて、つまり難攻不落。

 はじをとったものが勝つ、これが戦略ゲームのセオリー。だが、日本の戦国は真ん中の国が勝つという非常にレアケース。でも最終的には薩長、というやはり、はじっこ、に勝敗があがったというべきか・・?

 

 ほいでこの諸侯、というのは、周の王族の血筋が地方に赴いてその子孫なのです。


 古公亶父→文王→武王、その弟 周公旦。 この周を築いた、特に文王、武王、周公旦、が中国の古代文明の中心人物。

 さらに中でも周公旦、が、実在した人物、の中で一番の名君と呼ばれていて、中国の古典、とはつまり周公旦の決めたこと、と孔子が後にそれを注釈したようなもの、が中心となっています。中国文明のルーツは、ほとんど周公旦にある。


 ガキの頃に 殷 周 秦 漢・・・とおぼえたと思われますが、殷と周は実在は不明、って感じだったのですが、最近周はどうやら確実に存在していたということになっているようです。

 太公望については、まだ不明らしいですけど。


 紂王については、周が戦争で勝ったあとに、悪王としてでっち上げをした可能性が特大ですので謎です。


 ほいで周から秦、の間は1000年近くあるのです、めっちゃ乱暴に覚えさせられたものだ。中国の歴史で一番長いのは、春秋戦国時代なのです。それが飛ばされてるというわけ。

 ほいで史記、とはつまりこの千年続いた春秋戦国時代についてまとめた歴史書なのです。


 中国の本の中で一番大事な本であるのはもちろん、ヨーロッパのイリアス、インドのマハーバーラタ、と並んで、人類の三大古典だと思いますね。この3冊でほぼ人類の叡智は出尽くしてる。


 さて各国史である「世家」なのですが、なぜか孔子は列伝ではなくて、「世家」にその生涯がのっております。

 つまり孔子、を王家、と同じ扱いにしたということ。この司馬遷が孔子を特別扱いしたことが、歴史的に孔子のステータスを決定づけたと言えます。

 でも孔子の何がすごいのかワタシにはあんましわからぬ。礼がなっていないと下賤の者を殺したり、いわば、階級主義者であります。

 現世の権力も求めてみたりと、とても聖人、とは言えない。

  共産党に嫌われたのもわかる、孔子はようするには保守主義であり、階級を保存することが社会の安定であるってことだと思われます。

 ほいでも東洋の倫理観ってのはどっぷりこの儒教につかっていたのでした。いまでもそうです。

 孔子の本を読むと当たり前のことしか書かれてない、親を大事にしろとか、礼儀正しくしろとか、それはそれが当然と思えるくらい、根深く洗脳されてるってことなのですわね。



 史記は漢、代の歴史になると急激に言動が不明瞭になる。これは当然現在の王朝について悪く言えないからでして、これが史記、の最大の欠点と言えます。

2008 プラネットウォーカー ジョン・フランシス

  ある時から、しゃべることをやめて、車に乗るのをやめて、徒歩でアメリカ横断を始めた黒人の話です。


 でも横断といっても、ハードでストイックなものではなくて、普通にカフェに入ったりホテルに止まったりしております、途中大学に通ったりと、すごくゆるーい旅です。

 

 ハードなサバイバル物語を期待するべからず。


 なんでこの本を読んだかというに、ワタシは車が嫌いなんです。車は邪魔すぎる、車のおかげでどんだけ狭苦しくなっているか、車と道路のおかげでどんだけのスペースを無駄にしてるかって話なのです。環境うんぬんよりも、とにかくワタシは車は邪魔すぎると思う。渋滞するのも、一人に対して、スペースがでかすぎるのです。


 この本はストイックなサバイバル本ではなくて、環境について考えるみたいな本なのでたいして面白くはありません。

 でも他人と論争しないためにしゃべるのを辞める、ってのは新しいですよね、なるほど、そういう視点もあったか、って感じ。


 よく論破、とかいうけども、論破したって、相手は行動を変えたりはしません、ただ怒らせるだけです。話し合いとかいうけども、話し合ってわかりあえる相手は、話さなくてもわかるとワタシは思う。話が通じない相手には、どうやっても通じない。

 

 つまり話し合う意味はまったくないというわけ。



 ほいで、この本を読むと、アメリカ人というと自然破壊の第一人者で、人類を滅亡させることに躍起な、何にも考えてないアホ、だけではないのだなとわかります。

 やれ環境保護だ、核戦争に反対だとか、軍需工場に反対、キリスト今日の平和活動コミュニティ、インディアン保護グループ・・エトセトラ・・・

 などなど、様々な言っちゃあれですが、綺麗事言うだけでなんの力もないコミュニティが無数にあるのですね。

 まぁ99%は、そんなことどうでもいい、いまが良ければなんでもいい、とにかくカネ、っていう、イメージ通りのアメリカ人なのでしょうけども、1%でも300万人いることになり、それは結構な数です。


 ただ結果的には何も出来てませんし、カリフォルニアの山火事とかどえりゃーカタストロフになっていて、バッドエンドだったということです。

 この人たちは何も出来なかった、というバッドエンドの物語というのは、リアル、ですわね。

2024年5月16日木曜日

1996 ワイルドアームズ 

「世界を守るために戦うなんて言わないで

誰のためのものでもない優しさなんかじゃ

誰も救えるわけないわ」


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これもプレステ1を売るためにソニーが肝いりで作らせたRPG。

プレステ初の本格王道RPGであり、プレステ、というかソニーRPGの原点と言われております。

 制作はメディア・ビジョン。 知らん。


まさにスーファミで出ていたようなRPGをプレステで作った、というそのままのゲーム。UIやグラフィックも非常にシンプル、これスーファミ?って感じ。

 ですが、やはり王道こそ覇道。手堅い作りとボリュームで、スーファミゲーマーも納得、ワタシも大昔に触った記憶はあるのだけれど・・・何も覚えてませんでした。もしかしてあれはワイルドアームズ2だったのかもしらん。


 ワイルドアームズという名の通り、一応銃器があるのですが、銃を使うのは主人公3人の1人だけでそれほど重要性はない。たぶん2から銃の比重が上がりました。


 プレイが快適。という謎の売り文句がありますが、やってみると納得。普通のゲームって家の中に入るとマップが切り替わってロード時間がありますが、ワイルドアームズは家、がスケルトンになっていて、マップ切り替えのロードがありません。

 プレステはディスクでロードが遅い、っていうスーファミ勢からの文句に対する対応なのでせう、これは慣れると非常に素早くて良い。

 ただ戦闘シーンへのロードはあります。


 謎解きが結構多いのですけど、フィールドアクションはゼルダそのもの・・・これ怒られるんじゃない?ってくらいゼルダです。リンクの人形まで飾ってある、おおらかな時代だったのですなぁw 今こんな京都の法務部を煽るようなマネは許されません。


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 戦闘システムはスーパーシンプル

 リミットゲージで必殺が使えたりしますが、基本的に殴ってるだけで勝てる。レベル上げてなぐるだけで勝てるのでかなり単調であります。実は魔力をあげると魔法がめっちゃ強い。ただMP回復が乏しいので無双は難しい。

 難易度はかなりヌルい。普通になぐって回復するのみです。ただ狼連れてるあいつだけが異常に強い。なぜか物理防御を貫通してくる、これはバグか??

 育成も銃の強化とか出来ますが、特に必要はない。

戦闘が3Dなのも残念、ワタシは3Dのターン制の戦闘って意味ないと思う。テンポが悪いだけ。2Dのほうがイラスト的楽しみもある。3Dのクオリティが低いのはこの時代しょうがない。

 ウィザードリィみたいなサクサク戦闘が善き。


このゲームの欠点がここですね、戦闘や育成が単調すぎる、FF5のジョブシステム、ドラクエの転職システムみたいな、育成システムがあればなぁ・・・


 ただ普通にやってると気づかないですが、隠しボス、裏ボスが大量にいて、それを倒すとなるとなかなかむずい。


 ラスボスもたいして強くないのですが、ラスダンは長い。

ラスボスはアンチマジックを持っていると簡単に倒せる。持ってないとどうなるのかはわからん・・・?無限に回復するので倒せないのかしら? 

 よっぽど下手じゃない限り、魔法はだいたい揃ってると思うのですが・・・まぁラスボスにアンチマジックが効くのか、ってのが気づかないときついですね。

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 シナリオはワイルドアームズはわりとシナリオが売り、みたいなとこがあって、ただ綺麗事を言うだけではない、厳しい荒野のゲームです。西部劇風というかハードボイルドな感じであります。

 ちょっと普通のRPGよりも一段深いというか、あじわいがあります。すごいトリッキーでまさかの展開ということではなくて、じんわりと味わいがある。特にジェーンは名言製造機。サブキャラなんですが、こいつが主人公だろ。

 主人公の一人ロディが一言もしゃべらないのにも理由があるのです・・・、主人公がしゃべらないのをフリにした初めての例かも・・・

 なんやねんこのシナリオ!ってのが最近のFF、もしくはテイルズにはすごく多いのですが、これはしっかり、きちんと作ってあります、なるほどね、ふむふむって感じ。セリフも名台詞が多い。単純な勧善懲悪ではなくて、いろいろひねりが効いている。ワイルドアームズがシリーズ化した理由もこのシナリオの完成度に尽きると思う。


シナリオ攻略の自由度もかなり高い、基本一本道といえばそうなんですが、どこに行け!という指示はほとんどない、船をやろう!どこへでも行け!って感じで、世界を放浪することになります。これが放浪の旅らしいワイルドさといえます。もちろん隠しダンジョン、イベも充実。お約束の飛行機などもあって、ワールドマップ好き勢にはかなり気持ちいいです。


 このゲームのクリエイターはシンフォギアを後に作ってる人みたい。シンフォギア見たことないけど・・・・


 あと、パッケージがとってもいい

ワタシの基準があって、パッケージのキャラがでかければでかいほどつまんないです。これはゲームだけじゃなくてあらゆるものに言える、キャラがでかいのものはつまらん。ハリウッド映画風の、登場人物が全員出てるあのおなじみの構図ありますよね?あれもたいていつまんないです。あれはこういうスター俳優が出てますよっていう宣伝でしかないので、内容の自信の無さの現れ。

 このワイルドアームズのパケはプレステ1では一番良い、次点でスターオーシャン2ですね、あれはキャラが一切写ってない、でもさすがにそれだとなんのゲームかわからんw


 このパケは荒野で少女がなにか光るものを持っているっていうそれだけのシンプルなんですが、なんか大冒険が始まる予感がぷんぷんしてきてとっても良い。


 あと音楽もかなり良い、なんだか耳にこびりつくが、プレイを邪魔しない、いいBGMです。


 「1」としては非常によく出来ています、なにごとも0から1が一番むずかしいもの。現在リメイク版があるみたいなのでそっちをやるのがいいかも。でもリメイク版はゲーム的にはまったく違うものらしい、いつかやってみます

 

2024年5月11日土曜日

1965 マルコムX 自伝 the autobiography of Malcolm X

  「イスラム教は、人種差別を禁止する宗教である


 教科書では、キング牧師とガンジーは聖人扱い。

そして小さくマルコムXという分離主義者もいた。と黒人の過激派みたいなことが書いてあります。

 ですがことはそう簡単ではなくて、キングよりもマルコムXこそ、黒人の代弁者、としてリスペクトしている人々も大勢います。


 キングは黒人の中では裕福な層に生まれて、ガンジーもそうです。金持ちのエリートとして生まれている。

 マルコムの生い立ちは悲惨の一言、父親は暗殺されて、母親は貧困と栄養失調で発狂して精神病院送り、一家は離散。

 まさに底辺、から立ち上がった男です。マルコムよりもひどい境遇だった人はまじでそうそういないでせう。


 マルコムは黒人で、さらにイスラム教に改宗するという、白人が嫌いなタイトルをすべてもっているといえます。ジャンキーで、麻薬の売人で、盗人で強盗、ポン引き、犯罪者で前科者、いわゆるギャングヒーローのプロトタイプなのかもしれません。

 

 ほいでマルコムの人生はまさに20世紀の黒人の歴史で、まずセックス、レイプや売春で白人と黒人の最初の交流が始まり、次に音楽、が白人を黒人文化になじませる、そしてダンス、が人種の壁を壊すのにかなりの影響力があったとのこと。もちろん最後には麻薬です。

 20世紀のアメリカの文化とは、ほぼ黒人文化みたいなとこがあって、激しく対立と闘争をしながら、じわじわとミックスされていく感じなのですね。

 


 あと歴史の教えですと、日本がアメリカに戦争を仕掛けてるなんて愚行中の愚行、100倍の兵力、マシンガンに空手で勝負を挑むような愚かさ、というように教わりますが、実際は10倍程度でしかなかったといえます。

 100倍の兵力なら勝つのは全くの無理ですが、10倍ならば、可能性は0ではない。ピストルでマシンガンと戦う程度。決して不可能ではない。

 うまくアメリカの内部から内応させて叩くことができれば、勝算もありえた。でもとにかくアメリカのことを何一つわかってませんでした。けど精神論ばっかりの軍隊にそんな、あ巧妙な策などできるわけもなく敵の情報もないのに戦争をしかける、これが愚行ですわね。


 アメリカも実のところ結構食らっていて、ジャップやばない?ということになっていたのです。ロシアと同盟するくらいに切羽詰まっていた。もちろん黒人も徴兵され、軍隊に組み込まれていきました。


 これがいつも決定的なことで、軍隊に組み込まれた時点で、それは権利闘争の始まりなんです。ローマも外人部隊を軍隊にいれた時点で、もう権利闘争、なのです、第二次大戦で女性が軍隊に入れられたところから、権利の戦いがはじまるのです。


 いわばアメリカの底辺層、当時の黒人の目線から太平洋戦争を見るとそれがよくわかる。まだまだ世界恐慌から回復途中で、治安もめちゃくちゃであった。

 アメリカが圧倒的な覇権を握ったのは、やはりヨーロッパが没落した戦後、のことなのですね。


 ほいでイスラム教、これも常にシリアス・プロブレムなのですが、イスラム教が広がる理由は、最初に記した、コレにつきます。

 イスラム教は、人種差別を禁止するのです。ユダヤ教とイスラム教の最大の違いはここで、ユダヤ教はユダヤ人という人種、しか救われませんが、イスラム教は、どんな人間であれ、イスラム教に改宗すれば、アラブ人であり、救済がもたらされる。


 さて、犯罪のデパートだったマルコムXはついに捕まり、刑務所の中で、家族を通じて「ネーション・オブ・イスラム(NOI)」、というイスラムの中でも、かなりカルトなアメリカの黒人を中心とした教団に入信します。

 そこから本に目覚めて刑務所の中で本を読み漁り、刑務所から出てきたら、マルコムXになっていたということです。

 ちなみにこのX、ってのはNOIの導師はみんな名乗るもので、白人によって、元の姓名がわからない、という抗議の意味があります。


 NOIの教義では、白人はヤコビという人によって作られた悪魔であり、黒人こそ始まりの人間であるとのことです。


 NOIでメキメキと頭角を現していたマルコムでしたが、教団長の不倫スキャンダルやらなんやらで、教団を締め出されることに。本当の原因は本人も述べてるように、マルコムが有名になりすぎて、教団員からヘイトを集めたってことのようです。

 ちなみにあのモハメド・アリことカシアス・クレイもNOIの教団員で、イスラム教となって、モハメド・アリに改名したのでした。


 やがてマルコムはNOIから離れて追われる立場に、メッカに巡礼して一般的イスラム教になる、さらにそこで良い白人もいることを発見、白人排他主義から、人種差別撤廃運動へと動き出すところ・・・、で暗殺されてしまいます。


 暗殺者はNOIの者ということで逮捕されましたが、なんとつい最近になって、その逮捕された人々は無実と判明、結局全ては闇の中。フランスなど海外までマルコムを追跡していたということから政府機関が暗殺したという噂もあります。


 最近のアメリカはみなさんご存知の通り迷走しまくっています、絶賛裁判中のトランプが大統領選をリードしてるのはいいとして、なんでこんな老いぼれしかいないのかが心配、まじで人材不足、大企業はタックスヘイブンにカネを逃がして税金を払わない、またそっから資金をもらった政治家が国連を妨害する。

 一般大衆は急激なインフレで暴動寸前、それが世界へ波及している。


みんな円安だといって、少しでもドルがほしいとドルを買い漁っていますが、ワタシはまたぞろ、リーマンみたいな爆発がそろそろ起きると思う。といって安全な資産などない。

 なんにせよワタシはアメリカは落ち目だと思う。いつ爆散してもおかしくない。

 マルコムのような活きのいい人間がいれば・・・でもどうせすぐに殺されてしまうのでしょうけど・・・

2024年5月4日土曜日

1996 ポポロクロイス物語

  マンガが原作のRPG。


 だがこんなマンガ知らん、というのが大多数だと思われます。マンガ自体はなんと1981年に新聞で連載されていたようです。誰も知らんのも無理はない。あたしんち、みたいな感じですかね?

 単行本で見たことがない。


なんでそれがゲーム企画になったのか、制作のジ・アーティスツ、も知らん。知らんことずくめのゲームで、二次創作ゲームはクソゲーという匂いがぷんぷんしますが、実際は非常に丁寧に作られた名作RPGです。

 ようするにソニーがプレステ発売を勢いづけるために立ち上げた肝いり企画ということなのでしょう、アークザラッド、ワイルドアームズもその企画みたい。こういう新規タイトルが次々出てくるのはいいですよね、今はシリーズゲームばかりなので。

 PS5、ソフトがめっちゃ少ないと海外勢はキレてるみたいです。もうたいがいみんなパソコンでSteamで遊ぶから据え置き機の時代は終わるのでせう。ただパソコンもグラボも高すぎる。よってスイッチ一人勝ち状態はまだまだ続きそう。

 

 絵本っぽい世界、オズの魔法使いみたいな感じ、がベースになっていて、女子供向け、ゲームのパイオニアだと思います。もちろんその前にもトマト姫だとか、女子供をターゲットにしたものはありましたが、たいていクソゲーです。

 このゲームターゲットは女子供なんですけど、媚にいってるわけではなくて、戦闘バランスが結構シビアでオート戦闘にしてるとあっという間に死ぬ。火力インフレゲームで、ワンパンで死ぬことも多い。別に紙ディフェンスキャラとかじゃなくてもワンパンKOされる。なんでやねんってくらい敵の攻撃が強い。

 しかもエンカウント率も相当高いし、さらに逃げの成功率も低い、レベルもたいして上がらない。割とストイック。ちゃんとマニュアルで操作しないといけない。つってもファンタシースター2みたいなえぐさではない、ただ仲間の出入りが激しくて戦力ダウンとかがえげつない魔法まったく無効ばっかりなのに物理しかいなかったり、ヌルゲーではないです。ややムズの部類。マップもかなり広くて非常に迷いやすい。


 まだまだこの頃はレベル上げ前提のRPGだったというわけですね、DQ5とかをプレイするとわかる。レベル上げしないと絶対あかんやん、って感じ。


 やっぱり売りはモーションの枚数の多さです。すごい細かい。味方が攻撃魔法を撃ってるときに、他のキャラが、うわっ!すごい威力だ!みたいなモーションがある、こんな細かい作りはなかなかないです。

 基本ずっとクオータービューで、戦闘もシームレス。ワールドマップはない。

これがやや厄介ですが変なところで戦闘になったりすると、すげー戦いずらいし、ドロップも取れない。でも避けようがないです。



 ワタシが良いRPGを見極める一番のポイントだと思うのは、NPCのセリフの質ですね。中華屋のスープ、寿司屋のお茶。こういうところをちゃんと作るかどうかで、ゲームの出来がわかる。

 ポポロはストーリーにも攻略にもなんの関係もない、ただの雰囲気イベントが多い。これはグッドポイント、効率だけを求める効率厨にカツ! 雰囲気と世界観づくりこそRPGの肝なのだ。


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 シナリオは闇の世界に囚われた母親を助けに行く、という非常にヤな予感しかしないシナリオw この母親を探しにいくっていう物語でハッピーエンドを見たことがない。母親や恋人を冥界に探しにいくのは必ず良くないことが起こるのです。

 

 というわけで、シナリオは童話風というかシンプルなんですが、綺麗にまとまってると言えます。

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アニメーションはまったく知らないスタジオが作ってるのですが、デザインはとってもシンプルでありながら、異常な作画枚数で、すっごい気合入ってます。古き善き手書きアニメ、ディズニークラシックアニメが好きなんでしょうね。



 総じて、丁寧に作られた良策。3Dポリゴンは一気に古臭くなるけども、ドット絵は廃れないで残り続ける。

2024年4月25日木曜日

1998 サクラ大戦2

  おそらくサクラ大戦で一番売れたらしい2。よくは知りませんがサクラ大戦といえばたぶん2なのだと思う。でもストーリー的には1から直結してるので、1からちゃんとプレイしたほうが絶対良いです。2からやってもわけわからん。


だいたいゲームのシリーズで、一番売れるのは2ですね。1は初代だし荒削りなものになりがち、同じアセットを使ってやりたかったことを完成させることが出来るのが2で、2が代表作ってものが多い。

 3、が鬼門で、だいたい3で失敗して消滅するゲームがめっちゃ多い。2で完成したのに無理やり引き伸ばしたものになったり、方向性を変えたら大不評だったり。

 3、でも成功したゲームはその後もながーくシリーズが続くことが多いですね。


 ゲームシステム的には細かい変更があるだけでほぼ同じです、かばうの回数が減ったのと、隊長命令で移動力とかを調整出来るようになった、ちょっとだけ戦略が増えました。それでもシュミレーションゲームとしては単調で、ギャルゲーメインなのは変わらず。

 しかし今回ヒロインの好感度調整がむつかしく、普通にやったらまず間違いなくサクラがヒロインになる。ゲーム全体通してサクラメイン回といえます。サクラ大戦なのだから当たり前の話しですが。


 特にこだわりなければサクラは普通に強いので、素直にシナリオに従うのが吉日かも。


 織姫とレニ、という新ヒロインが二人追加。

織姫、という名前とはまっっっっったく印象の異なる色黒のイタリア人とレニは無口ボーイッシュという、めっちゃ尖ったヒロイン。ベタベタなヒロインは出さないっていう意思を感じますね。無口キャラはだんだんとベタになっていきましたけども。


 この織姫の機体、非常に性能がわかりにくい、自分を中心に複数攻撃、ってことなのだと思う。特攻型としてかなり使える。スミレと並んでエース候補、だがヒロインにしないと真価を発揮しない。

 レニのほうは弱い、前衛型なのに火力が少ないという一番ダメなパターン。カンナは今回も移動が遅くてほぼ活躍しない、が火力はあるのでボス戦で稀に活躍。



 ギャルゲーとしては極端にむずい。フラグの立ち方がわかりにくいし、連鎖イベントといってイベントがつながるようにするのがむずいし、参加が遅いキャラやイベントが少ないキャラの好感度を上げるのは至難。Lispやミニゲームなどただ単に選択肢選ぶだけでも対応できない。

 さらに戦闘がめっちゃ時間かかるので、すべてのルート埋めるのは拷問レベル。(途中でセーブして分岐させようにもかなり調整が難しい


 後半はロックマンか、というくらい戦闘、ボスラッシュです。最終的にはアイリスの回復頼み。


 ゲームの出来ですが、まぁほぼ1と同じと言っていいです。同じゲームの別シナリオって感じですかね。でも手抜きってわけではありません、クオリティもだいたい同じ。売れたので別シナリオが出たってことだと思います。

 特に目新しいものはないっちゃない。

1989 The Sandman サンドマン  Neil Gaiman

  アメコミの中でもかなり異質な作品。それでもアメコミの名作として常に名前が上がる作品でもあります。


 英語で読んでるのですが、ひじょーーーに読みづらくてわかりにくい。


 サンドマンやザントマン、っていうのは夢を操る妖怪?なのですが、このコミックでは夢の王であるオルフェウスの冒険みたいなのが主題になっている。ゴシックホラーファンタジーって感じでしょうか・・・

 夢と現実がごちゃまぜになる、って感じのアレなので、めっちゃわかりにくい。


ほいで、作画スタイルもどんどん変わります。これがアメコミってやつで、脚本は一人ですが、作画する人は話によってコロコロ変わる、スタイルも変わるのです。その中でもこのサンドマンはそういうブレがめっちゃ大きいと思うし、スタイルもすげー特殊です。一般的スーパーヒーローアメコミとはまったく違う。

 どう表現すればいいかわからないですが、まぁ日本人受けはしないですね。でもリアル系でもない。他では見ないスタイルですね。なにかに似てるっていうのが無い。

 コマ割りなどすっごい凝ってる、文学賞みたいなのも取ってるのですがその理由もわかる。コミックよりも文学寄りですね。


 でもちょっとエログロに頼り過ぎなのと、中盤からスーパーヒーローものの型にハマってしまうのが残念。

 鬼才とか天才、新しいもの、ともてはやされてるものはほぼただのエログロ。そんなの100年前からあるのです。エンタメでエログロに頼るのは正直ダサいですね。

 それじゃあ視聴率稼ぐためにアイドルにグルメ食べさせてるテレビとなんもかわらん。

 別にはエロ本はエロ本でいいです、グロに関してはワタシは全然良くないと思うけど、ただそれをエンタメに混ぜていくのはいかがなものか。寿司屋がカレー出すのは違う。

2024年4月22日月曜日

2022 古代オリエント全史 小林登志子

  タイトルだけ聞くと、すごい長大な立派な本みたいなかんじですが、実際には小さな新書です。


 こんな新書で、古代オリエント全史が収まるわけないだろ、と思われますが、なんと、ほんとに古代オリエントをまんべんなく扱っているのです。

 もちろんほぼ箇条書きです。


 調べればすぐわかると思いますが、古代オリエントを扱った本は少ない、最近で出てる本はほぼこの人が書いている、新書の本だけです。

 バブルでカネがあった1990年ごろが日本の学術出版のほぼ最後で、もう立派な本は出版されないと思われます、新書や文庫本が精一杯。 

 オリエント史、なんて職業にならんし、無駄と思われている、とあとがきにありますが、別にオリエント史に限らず、すぐにおカネになりそうもない文系学問はほとんどすべて消滅の危機にあると思われます。


 本がなくなって電子書籍になるってことじゃなくて、学術本、みたいなものがごっそりなくなるとワタシは思う。

 海外はどうなのでしょう?誰かそういう本を買う層がいて、本の出版が賑わってる国とかはあるんだろうか?アメリカとかはまったく本を読んでるようには思えない。

 トランプ大統領に投票するような人々から見るように、反知性主義、学問軽視、みたいな姿勢が見えます。

 中国やらアラビアは公平な学問ってのがありえない体制ですし、やっぱり唯一本が残りそうなのはドイツだけということになる。第四帝国じゃありませんが、ドイツがまた勢力を拡大するっていう未来が有り得ると思う。


 もちろんワタシの周りにも本を読む人なんて一人もいない。マンガで売上を保っていないような出版社がまだ存続してるのが不思議なくらい・・・と思ったらそんな出版社は無いですね、岩波と山川くらいですが、山川は教科書作る会社だし、岩波が潰れたらいよいよ、出版はジ・エンドですわ。



 内容なんですが、とにかくざーーーーーっと、古代オリエントをながしてますので、ざっくり全体像を見たいという人向け。サーサーン朝ペルシアの歴史なんて誰も知りませんからね。イラクとイランは何が違うのか、セム系、ってよく聞くけどなんやねんっていう人には良い。

 ユダヤ人とアラブ人が今戦争してますが、これは1500年近くずっとそうなのですから、この先数年でなにか解決するとは思えない。少なくとも、1000年はかかりそうです。


 しかもユダヤ人とアラブ人は全然違う、異質だから戦争してるとほとんどの人は思ってるでしょうけど、実はめちゃくちゃ似通ったグループなのです。同じだと言ってもいい。

 人種ではなくて、宗教、によるグループだし、自分の考えを絶対に捨てない、曲げない、妥協しない、他の宗教を認めない。宗教的には兄弟関係だし、ほとんど同じです。双子の兄弟喧嘩みたいなものです。


 だから正直、外部に出来ることは何も無いと言っていいとワタシは思うものなり。特にユダヤ人に関しては2500年以上、一切他者と妥協して話し合うということをしない人々なのです、世界で一番会話が成立しない人々と言ってもいい。それでも対話したいと思うなら2500年以上説得してみるしかないですね。

2024年4月20日土曜日

1997 獅子王アレクサンドロス 阿刀田高

  アレキサンダー大王の伝記小説


 アレキサンダーが唯一持たなかったものはホメロス。と文中にある通りです。


 アレキサンダーは古代、と現代、を分ける、キリストよりも大事な分水嶺だと思うのですけど、アレキサンダーについてその業績を描写する、作家、がいませんでした。

 だからホメロスが描いた、トロイア戦争の英雄たち、アキレウス、オデュッセイア、ヘクトールなどと比べて、伝説になりそこねてる節がある。

 シーザーは、自分自身でガリア戦記を書いたことにより、文筆家としても完璧に歴史に名を残している。

 

 人類の歴史の中で、最高の指揮官は?というと、やっぱりシーザーになると思われます、アレキサンダーとシーザー、実質どっちも無敗であり、絶頂期に戦争では無いところで死んだ。この落ち目を見せてないってのが印象値がプラスになりますね。

 でもアレキサンダーは、あらゆる点で常軌を逸してました、誰もついていけない、その野望、その武勇、その勇気、超人すぎたのです。最終的にはやっぱり誰もアレキサンダーについていけなくなってしまった。

 アレキサンダーは常に戦争でも、最前線で戦ったようです。カエサルはたぶんそこまではしない。

 でも不思議とアレキサンダーには攻撃が当たらない、戦争には、こういうのがいるんです、これはオカルトくさいですけど、でも実際にそういう例はたくさんある、部隊は全滅したのに一人だけ生き残る、この戦車だけはやられない、この戦艦だけは沈まない。


 でも最前線で戦う奴を、誰も心底からは軽蔑できないもの、自分より優れた者に、対して自然と称賛してしまうものです。知将や参謀は、絶対に全員が尊敬するってことはない、反乱分子は必ずいる。でも本当の勇者は、言葉を超えた存在ってわけです。


 しかしこの遠征は今の感覚で言えば、日本から、アフリカの南部とか、南米まで進撃してるような調子ですね。一体ここはどこで、一体何と戦っているんだ!?本当に世界の終わりまで進撃し続けるつもりなのか?そりゃ誰もついていけません。

 多分アレキサンダーは、本当に世界の終わりまで進撃していくつもりだったのでしょう。


 フビライ、チンギスに関しては、パルティアンアローというほぼチート技ですので、指揮官の実力はよくわからない。

 他にも名将と呼ばれる英雄はたくさんいますが、最後には負けているか、自分は実際には指揮してない場合が多い。特に現代に近づくにつれて、指揮官は名目だけの存在になりがちですので。


 この作家も、まぁ文章下手ってほどでもないけどうまくもない。普通の老人が図書館で頑張って調べて書いたってだけのことです。

 ワタシは現代の小説家ってほぼ読まないのですが、それには理由があって、現代に小説を書いてる時点で、ズレてる気がする。漫画なり映画なり、ゲームなり、もっと手に取りやすいものにするべきでしょう。ドストエフスキーが現代に生きてたら絶対に漫画家になっているとワタシは確信します。

 時代、に合ったメディアを選ぶに決まっている。今の時代に小説なんか書いたって誰が読むねんって話しですから。

  

 だから1960年以降の小説家は読みませぬ、もっといえば戦後の作家もかなりきつい。でもギリギリと言うべきか。

 この阿刀田高は1935年生まれの戦前派なので、まぁセーフです。

 でも古典ばっかり読んでると気づかないですが、古典的作家って呼ばれるような文豪はやっぱ文章が上手いのですわ。下手な人のを読むと改めて気付かされる。芥川はやっぱすごいのだ、無駄がない。太宰はやっぱすごいのだ、文章の長さに対して、内容の濃さが桁違い。


 アレクサンダーの戦法はとにかく、突っ込む、電撃戦です。シンプルで直線的ですが、TCGでもわかるように速攻は常に、上位Tierに食い込みます。とにかく相手に準備させるまえに突っ込む、これがすべてなのです。

 あとはとにかくアレクサンダーの豪運、天運、としかいいようがない。結局のとこ運がいい奴が勝つ。後からこの戦法は良くなかったとか、こういう理由で勝ったと、知ったようなこと言うやつがいますが、ワタシは全然違うと思う。ちゃんと準備して、いい戦略と才能があっても、運が悪ければ何もできずに負ける。

 戦術なんてのは全部後づけです、運さえ良ければ勝てるし、運良く勝てば、素晴らしい戦術ということになる、ただそれだけです。


 運が悪いやつは、晴れの日に雷に撃たれたって死ぬ、運がいいやつは、拾った宝くじでも当たります。

 戦争ってのはギャンブルです、だからこそ、面白い。自分の運命を確かめるってことなのです。とにかく知りたい、自分の運命を。



 アレクサンダーが死んだのは、なんと32才。

 なぜかはわからないけれど、長生きが良い、という固定観念を持っている人々が多い。一応仏教の国なのに。自殺を禁止してるキリスト教ならわかりますが。

 仏教というか、ヒンドゥー、バラモン教は、ワタシは一番進んだ宗教だと考えていますが、死を受け入れること、が解脱だとしている。なんでこの東洋人のくせに長生きを奨励してるのかわからぬ。

 アレクサンダーのように、火のように輝き、燃えるように生きる、これがかっこいい生き方だと思います。 

 サクラは散るから美しい、それを一番わかってそうなものですけど。

2024年4月15日月曜日

1997 ファイナルファンタジー7 インターナショナル

  完全に説明不要の作品。

 

 歴代ゲームランキングトップ10、みたいなのには絶対入ってくる殿堂入り作品。

ファミコンマリオ、マリオ64、ポケモン、DQ3、5。FF4,5、7。スマブラ、バイオ1、4、007、COD、モンハン、ペルソナ3、デモンズソウル、・・・


 歴史を変えたゲーム、歴史的名作、として必ず名前が上がるゲームの一つ。


マリオ64、ポケモン、FF7、はだいたい同じ時期、1996年前後に発売されている。つまり次世代機、ってやつと同時に、ゲームの歴史がガラっと変わったわけですね。2Dから3Dへ、と、据え置きから携帯機へという二代潮流なわけ。

 こんだけガラリとすべてが入れ替わることは、なかなかない。携帯機がスマホになったのも大した変化じゃない。PSO、FF11がオンラインゲーム。FGO、艦これがソシャゲ、ポケGOが外に出る、という新しいゲームの形をつくったという変化もありましたが。

 次に来る変化はまじで脳に直接電極をぶっ刺すみたいなマトリックス的進化しかないと思われます。でもそれってあと30年じゃ足りない、あと50年かかると思いますね。それまで文明が存続してるかも危うい。

 VRゲーム、ワタシは主流になるとは思えない。やっぱりバカみたいなんですもの・・・VRゴーグル。あと長時間プレイにまったく適さない。3Dテレビも消滅したし、3D映画も消滅した・・・新しければ流行るというわけでもないのです。


 今でも続編、スピンオフ、リメイクと、こすられたおしております。スクウェアといえばの看板ソフトですね。クラウドはスクウェアの顔です。


 しかしやったのはめちゃくちゃ昔、なのでもう一度やってみる必要がある。しかもワタシインターナショナル版はやってない。

 でも基本RPGは一周しかしない派なので、二周目やるのなんてポケモン以来じゃないでしょうか。ポケモンはそりゃ20周くらいはしましたけども。ポケモンは周回ありきなところがありますのでね。

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 今やってみるとなにもかも忘れていました。


こんなゲームだったっけ。


まず最初クラウドがクールを通り越して、ただのヤなやつなのがびっくりしますね。

「世界が滅ぼうが、おれには関係ない、興味ないね

 いやさすがに関係あるだろw 言ってることがめちゃくちゃだ。この街や国が滅ぼうと関係ないね、ならわかるけど、世界滅んだら困るだろ。

 ただだんだんと分かってくるのですが、クラウドは、中二病を結構オトナになってもこじらせてるだけなのです。未熟な青年なのです。

 おそらくクラウドは21才であり、RPGの主人公としては割とオトナです。だいたい主人公は12~18くらいが多い。


 スピンオフとかとキャラがめっちゃ違う。バレットにガキがいたのもようやく思い出したし、ティファのキャラもワタシの記憶の中のものとまったく違う。ティファとクラウドはおさなじみだったっていう設定完全に忘れてた。

 あとインターナショナル版はザックス関連のイベが追加されたと言われてますが、クラウドはザックスは知らないってことになってるのですな・・・?


 クラウドはどこに行っても死ぬほどモテまくるのですが、これはまぁ当然かもしれない。カッコいいのだもの。

 クラウドは主人公♂のキャラデザとしては最高傑作だと思います、金髪でイケメン、魔晄を浴びた青い目、無骨な大刀、シンプルでタイトな服。

 良いキャラデザの原則として、シルエットでも誰かわかるほど、特徴があり、そしてごちゃごちゃしすぎずにシンプルなことが大事です。クラウドはブレイバーというでかい刀があること、これが一番のポイントで、これがないとただのイケメンになってしまう。こいつにt大刀持たせてみよう、というアイデアが出た時点で勝ち確ですね。物語的にもこのブレイバーがけっこうキーになっている。


 あとエアリスは後述として、ヒロインの片方はティファなのですが。デザインを抜きにしても、ヒロインポジなのに、素手での格闘キャラ、というのは非常に良いですね。他にいないんじゃないですかね、マァムとかサクラもそうですが、あれはサブキャラです、メインヒロインで格闘キャラ♀はスーパーレア。ワタシはゲームのヒロインキャラでは一番好きかもしらん。

 ワタシはフェミニストですんで、弱々しくて、守ってください、回復キャラっていうタイプの王道ヒロインは嫌いなんです。自分の道は自分で切り開く、強いヒロイン、ジャンヌ・ダルクタイプが好きです。そういうわけで、ティファとナウシカはワタシの中でヒロインっていうののアーキタイプですね。ワタシが作るキャラはすべてその影響を受けてます。

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 オープニングも屈指の名演出として名高い。今みるとエアリスのポリゴンの荒さに愕然としますが、エアリスのアップからカメラがグーーーンと引いていって、都市全体が見える。この3Dならではカメラワーク、当時の人々は度肝抜かれましたね。こんな時代が来たのか・・・未来やん・・、ゲームが映画を超えた瞬間、ゲームがあらゆるメディアのトップに躍り出た瞬間って感じ。

 ほいでそのすごい3DCGが最初だけかと思いきや、マップがすべてこのCGなんです。嘘だろ・・ぶったまげるぜ。

 今ではこういう、シーン、みたいなのを動く、っていうのがあまりにもベタになりましたが、RPGとして、ワールドマップでもダンジョンでもない、イベントCGみたいなのの上を歩く、みたいなのが、画期的でありました。


 このレンダリングしたCGをたぶんローポリに貼る、っていうこの時代独特の手法、ワタシはリアルタイム3DCGよりも絵画的でかっこいいと思う。カメラ位置が固定されることで、構図、が面白い形になるのです。リアルタイム3Dは、構図、に凝ることは出来ませぬ。

 ただ弱点としてはどこが通れるのかわからん、操作しずらいってとこもあるけど・・・


 主人公たちは、アバランチという、テロ組織として、発電所を破壊するっていう物騒なストーリーなんですが、女装イベントだの、ご存知カジノだの、シリアス一辺倒にならず、非常に楽しい。


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 エアリスの謎

 先に言ってしまうと、全てが限りなく満点に近いクオリティのこのゲーム、ワタシには唯一の不可解、がエアリスというキャラですね。

 一応メインヒロインということになるのですが、すぐに死んでしまうので情報が殆ない。行動も謎ですし、性格も、なんだか不思議な性格。

 インターナショナルやのちのスピンオフが補足として、エアリスはザックスの恋人という立ち位置になるんですが、それでもなんだか掴み切れない謎キャラ。キャラデザも、イマイチと言わざるを得ない。


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 シナリオ


 非常に簡単に言うと、悪い科学者と企業である新羅カンパニーが、セトラ、古代種、と言われる星の力を操った生き物の力を悪用しようとし、バイオ的ななにかで人体実験をしてたのですが、その最高傑作であるセフィロスが暴走して、新羅に復讐し、さらにメテオという魔法で星ごと破壊しようとする。それを止めようって話。


 悪い科学者の実験体が暴走する。っていうめっちゃベタな話ではある。スチームパンクっていうよりも、ハードSFチックな話なのです。


 だがそれは大筋の話しでして、バックボーン的な話がかなりしっかりしてます。神羅という大企業が、魔晄という新しいエネルギーを媒体に、いろんな開発やらを行って世界を支配していく、新しいエネルギーで繁栄を喜ぶ人、汚染された世界を恨む人、神羅と戦って敗れた人、大企業の横暴と人々、という非常に身近で、切実な問題がクローズアップされておる。

 帝国の圧政と民衆、なら正義と悪がわかりやすいのですが、大企業と民衆、だと大企業に就職して繁栄を享受する人も、民衆なわけで、善悪がグレーになるのです。

 ほいでシリアス一辺倒だけじゃなくて、コメディやお楽しみ、ムフフな展開などサブストーリーもすばらしー。割と下ネタが多い・・スクウェアの人が欲求不満だったのか・・


 シナリオは7がやっぱ一番善き。10が好きな人もいますが、恋愛に偏りすぎてる。


あと移動などの自由度が非常に高いのも素晴らしい。新しい乗り物が手に入ると世界が広がり、シナリオを進めるだけじゃなくていろんなところに行ける。FFはどんどんこの後この自由度が無くなっていくことになる。

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 グラフィック

 今見るとキャラのポリゴンの低さはひどいもんですが、当時としてはこれが限界、仕方ない。それでもこのローポリでセクシーなティファの造形はすごいとしかいいようがない。というかローポリゆえにものすごい爆乳キャラみたいになっている。

 

 背景のグラは今でも圧巻の一言。とんでもなく素晴らしい。一枚の絵画として通用するようなグラが無数にある。

 まじでどうでもいい街の、どうでもいい武器屋が、舌を巻くくらいのクオリティで作られている。1997でこれはすごすぎ。というかワタシはこの時期の感じが最高傑作だと思う。カメラが固定されてるのでまるで絵本の中を動いてるみたいな感じでめっちゃいい。

 なぜかわかりませんが、昨今の美麗ムービーよりもこの当時のCGムービーのほうがぐっと来るのは一体なぜ?

 ゴールドソーサーはスクウェアのモデリング最高傑作の一つ。これもただのカジノシティで話の本線ではない場所なんですが、すさまじぃクオリティ、えぐすぎます。

 セフィロスがチケット持って入っていくの想像すると面白すぎますw なんで丁寧にチケット買ったんだw



 ただ!敵のグラはスクウェアのお家芸、ピクセルアートが見れなくなって非常に悲しい。ポリゴン数が少ないからしゃあないってことでもなくて、やっぱ3Dの敵って、クオリティいくら高くてもなんかワタシは不満です。

 敵のグラフィックのを見る、ってのがRPGの楽しみなので。3Dの敵でこれはすごいって思ったのは一つもない、ダクソでもモンハンでも。3Dってなんだか全部似通ってしまうのですよね、個性を出しづらい。ドラゴン作るとだいたいみんな同じです。そして戦うと結局足しか見えない。

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 戦闘 育成 システム  マテリア


 FF7の戦闘システムはご存知マテリアなのです。武器や防具につけると、魔法やコマンドが身につけられる。これでどのキャラも前衛も後衛も思いのままに育てられるし、マテリア、に経験値がたまるので、キャラが変わってもマテリアが強ければそのまま強い。

 というわけで、シンプルながら戦略性もあり自由度も高いのですが、ワタシはやっぱ5のジョブシステムが至高だと思いますね。

 マテリアさえ強ければキャラ、は育てないでもいいので、キャラに愛着があんまわかないというのか。

 それ以前に、このゲームバランスがヌルゲーなので、マテリアなんて何も使わなくてもほぼ殴ってるだけで勝てる。

 でもこれは売上本数を見よ、ってことですわね。このモンスターヒット、の作品がムズゲーであるわけない。誰でもクリアできるバランスにするしかない、歯ごたえのあるゲームバランスを望むのなんて全体の30%くらいなもの。いや10%かもしんない。


 ほいでこれがFF7の最大の欠点だともワタシは思う。作品がでかくなりすぎて、万人向け調整なので、非常にヌルい。戦略性が無い。通常攻撃最強ゲームは良くないとされておりますが、誰でもクリア出来るようにするにはそれしかない。

 FF5、くらいは割とむずくて、たぶんクリア出来ない人が結構多かったのだと思う。縛りのきついダンジョンとかもあるし、ラスボスのエクスデスもなかなか強いですし。

 6もケフカ弱いんですけど、アルテマなかったり、メインパ以外育ってないとわりかし苦戦もするし・・・、FF7初めてやった古参ゲーマーは、めっちゃヌルくなったなFF、って感じたでしょう。

 そのへんのおかげで、ワタシは7よりも5派なのですなぁ。


 ヌルゲーの時代、を作ったのもFF7の遺産だと思われますね。ダクソが流行る2010年くらいまで、特にRPGはヌルゲー化しました。


 あとマテリアシステムのおかげで、装備品が武器、防具、アクセサリ、と3つしかないのもちょとさみしい。装備が圧倒的に少ないのですわね。

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 ミニゲーム

 決しておもろいとは言えませんが、ミニゲームがめっちゃあるのも特徴、バイクにスノボー、潜水艦ゲーム、ボクシング、競馬・・・、このゲームだけで触り程度ではありますが、PS1で可能なゲームをすべて網羅してると言っても良い。もちろん、完成度が高いわけではない・・・


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ボリューム

 これは文句なしに100点。

演出に凝ったおかげで本編短いのではないか?という心配をよそに、遊びごたえ100満点、ワールドマップもあるし、海底もある、飛空艇に潜水艦にチョコボでしか行けない場所、隠された仕掛けやダンジョン、アイテム、イベント、もりもりモリコーネ。RPGはこうでなくてはならない。

 ただこんな超大作作れるのは一握りの最大手だけなので、RPGを作る担い手が完全に制限されたとも言えます。

2024年4月4日木曜日

2009 Tales of Vesperia ~The First Strike~

  テイルズオブヴェスペリアのアニメ映画。

 たぶんテレビアニメも存在するみたい。


 テイルズシリーズでも名作とされているヴェスペリア。


 テイルズというと、シナリオは正直褒められたもんじゃない、センチメンタルすぎたり、辻褄がまったくあってなかったり、鬱展開だったり、意味がわからんかったりと、いうことが多いのですが・・・

 

 ヴェスペリアはその中ではかなりマシな部類に入るのですが、ワタシなそこまでって感じですね、シナリオ以外の出来はすごい良いゲームです、やりがいがめっちゃある。槍使いを使いこなすと完全な別ゲームが始まる非常に自由度の高い戦闘が持ち味。


 この映画、めっちゃしぶいですね。全体的にすっごい静か。双子のキャラを登場させるというのが唯一の挑戦的なところって感じで、めっちゃしぶーい。

 伏線的なものも全然なくって、敵?みたいなのもあっさりしている。


 すごい薄味、京都料理かって感じですね。


出来が悪いわけではないが・・・。


 もうちょっと面白くしても良かったのでは?と思いましたね。あまりにも渋い。キャラ紹介だけで終わった、みたいな感じです。

1868 little women 若草物語

  英語で児童文学を読んでみるか、という軽い気持ちで手を出したのがまちがい、こんな長い話だとは思っていませんでした。

 まぁその前に聖書も読んだのでそれよりはマシとは言えますが、相当きつかったです・・・pdfで850ページくらいある・・・。



 内容は、マーチ家の4人の姉妹が、成長していくっていう話です。

正直言って全然おもしろくありません。進研ゼミのマンガみたいに、要するには恋愛、結婚、家族、子育てが、女の全てなり。良い男と結婚すると、あらゆること全てがうまくいく。

 恋愛ものも家族ものも大嫌いなワタシにはめちゃくちゃキツかったです


 けれども、女性、が興味を持つものは結局のとこそれしかないってわけです。戦争も金儲けも、遠い世界のことで、大事なのは恋愛、恋愛、恋愛、結婚、そして子供。

 これは男がいつまでたってもバトルや戦争の話しかしないのと同じで、絶対に変わらないということなんです。


 正直ここに絶対に埋まらない溝がありますね、女性は恋愛が人生の全て、だと思ってるが、男それはたくさんあることの一部です。そんなずっと恋愛のことばっかり考えてるバカはいません。


 それと、あとはプロテスタントの精神というわけです、清貧、労働、信心。清く正しく生きればすべてがうまくいく、という、文字通り、信仰、盲信ですわね。

 でも結局のとこ、その狂信、がアメリカを作ったのです、真面目に働くやつがいなけりゃ、どんな社会だってうまくいくわけない。でも次第に、それが崩れていく時代でもあります。バカ正直に働くやつを利用して、金儲けしようって悪く立ち回る人々が現れる、資本が巨大化して、めちゃくちゃするようになり、やがて世界恐慌で破滅が訪れる。

 その破滅の前の善き時代、の産物なのだと言えます。

2024年3月29日金曜日

2001 早すぎた天才 贋作詩人トマス・チャタトン伝

  最近には(それほど最近でもないけど)めずらしい、ちゃんとした本です。


 チャタトンなんて誰も知りませんでしょう、チェスタトンじゃありませんよ、チャタートンとも書きます。

 18世紀末の詩人ですが、17才で自殺しました


 若くして死ぬ芸術家は数多いですけど、チャタトンはレコードタイムじゃないですかね。

 17で!?いくらなんでも早すぎるだろうて。それも事故や病気ではなくて自殺です。早いて!


 いわゆる、ロマン派詩人、の先達者と言われていて、こっから、シェリー、キーツ、バイロン、といった、ロマン派の大詩人が現れて来ます。今挙げた3人も全員若くして死んでいる。


 ロマン派とはなにか?といろいろな定義があると思いますけど、ワタシ的にはロマン派、というのは人生が作品になっている、タイプの作家ですね。バイロンなんかがまさしくそれ。

 人生がドラマチックで劇的、それをそのまま書いたら作品になった。みたいなのがワタシの考えるロマン派。太宰治もロマン派といえます。

 そういうわけでロマン派は若くして死ななければならぬということになる。波乱万丈で長生きってほどダサいものは無い。


 それとロマン派の対極が合理主義です。合理主義ほどつまらないものはない。


 それでも17才で自殺はいくらなんでも早すぎる。

というか17才で自殺したのに、作品や名前が残っているというのがすごいことです。詩人、にしか出来ないですね。

 詩、ってのはやはり、芸術の最高峰だとワタシは思う。一番カネにならないから。詩で食べていく、なんてのは不可能です。自殺行為です。だからこそ一番純粋で尊い。

 そしてとにかく簡潔に、一番端的に、本質だけをつく。


 なんだかんだで詩、というものは骨身に入ってるもので、江戸時代の作家で唯一口に上るのは芭蕉だけでしょう。

 海外においても同じで、国民的な詩人、ってのが必ずいて、焼き付くようにその言葉が脳内に刻まれているものです。

 翻訳すると何も伝わりませぬ。


 さて贋作詩人とある通り、チャタトンは古い詩が好きで、中世風を装って詩を書き古文書として売ろうとしてたこともありました。擬古典ってのはよくあるけど、贋作までやるのはなかなかです。

 でも何度もいうようですが17才、愚かな行為をしてなんぼです。17才なんて一番アホなんですから。青年が向こう見ずで愚かなことをしなかったら、一体誰がやるんだって話です。

 

 自殺の原因なのですが、これもほぼ全て若さゆえ、ってことです。もともと母子家庭で貧しいのもあるし、無駄遣いしてしまってすってんてん、けれど、無一文です、めぐんでください、と他人に頭を下げるのも同情されるのも、夢破れたとして親のもとへ帰るのも、すべて嫌だ、死んだほうがマシだ・・・

 ってこと。上京した青年が、夢破れて死ぬ。最後はほとんど飢餓状態。


 馬鹿な奴だ、もっと上手く生きろ、と世間の阿呆どもは言うだろうけども、上手く生きれないからこそ、芸術家なのです。プライドを捨てないから表現者なのです。

 ワタシは金持ちの芸術家なんてものは認めない。飢えて野垂れ死にするのが、芸術家の生き様ってものです。昨今ホンモノの芸術家ってのがとんと現れないのは、みんな小市民の小金持ちだからですね。そんなやつらの作るものは何も響かない。


 そういうわけでチャタートンは、とても純粋な芸術家であります。

古い英詩ってのは素人にはほとんど意味がわからんのですが、なにか、ホンモノ、がそこにあるのは間違いないようです

2024年3月25日月曜日

the 1975 「The 1975」 Notes on a Conditional Form  対訳 和訳 解説

 「Notes on a Conditional Form」 の一曲目の語りの部分

まずとにかく和訳をしてみませう


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We are right now in the beginning of a climate and ecological crisis

 ワタシタチは、気候変動と環境変化の危機の始まりにいます

And  we need to call it what it is An  emergency

 まさにこれは、危機、と呼ばれるべきものです

We must acknowledge that we do not have the situation under control

ワタシタチはこの状況をコントロールできていないということをまず知らないといけません

And  that we don't have all the solutions yet

まだ解決策は見つかっていません

Unless those solutions mean that we simply stop doing certain things

ただ単にワタシタチは単純にある行為を辞める、というような方法以外には

We must admit that we are losing this battle

ワタシタチはこの戦いに敗北していると認めなれけばいけません

We have to acknowledge that the older generations have failed

古い世代は「失敗した」ということを知らなければいけません

All  political movements in their present form have failed

現代のすべての政治的行動は「失敗した」ことを認めなければいけません

But Homo sapiens have not yet failed

けれどホモ・サピエンスはまだ「失敗」したわけではありません

Yes, we are failing, but there is still time to turn everything around

ワタシタチは失敗しつつある、けれどまだ全てを変えうる時間は残されています

We can still fix this We still have everything in our own hands

まだこの状況は修復可能です、すべては我々の手の内にあります

But unless we recognise the overall failures of our current systems

We most probably don't stand a chance

しかしながら現状のシステムの完全な失敗を認識しない限り、全くチャンスはないと言えるでしょう

We are facing a disaster of unspoken sufferings for enormous amounts of people

ワタシタチは現在、数え切れない人々が、声に出されない破滅に陥っています

And now is not the time for speaking politely or focusing on what we can or cannot say

現状は礼儀正しく、何が可能で何が出来ないかを話している場合ではありません

Now is the time to speak clearly

はっきりとしゃべるべきなのです

Solving the climate crisis is the greatest and most complex challenge that Homo sapiens have ever faced

 気候変動危機を解決することは、ホモ・サピエンスが直面してきた中でこれまでで一番複雑で偉大な挑戦だと言えます

The main solution, however, is so simple that even a small child can understand it

主要な解決策は、小さな子どもですら理解出来るほどシンプルなものです

We have to stop our emissions of greenhouse gases

温室効果ガスの排出を止めることです

And either we do that, or we don't

それをするか、しないかのことなのです

You say that nothing in life is black or white

あなたは人生はそんな白か黒か、みたいな単純なことじゃないと言うでしょう

But that is a lie, a very dangerous lie

けどそれは嘘です、とても危険な嘘です

Either we prevent a 1.5 degree of warming, or we don't

1.5度の温暖化を止めるか、止めないかなのです

Either we avoid setting off that irreversible chain reaction beyond human control, or we don't

 人類がコントロール不可能な、不可逆的負の連鎖を避けることができるか、出来ないかのことなのです

Either we choose to go on as our civilization, or we don't

この文明が存続するか、しないかの選択なのです

That is as black or white as it gets

白か黒か、単純な問題なのです

Because there are no grey areas when it comes to survival

死ぬか生きるか、には、中間のグレーエリアは存在しません

Now, we all have a choice

今ワタシタチには選択肢があります

We can create transformational action that will safeguard the living conditions for future generations

 ワタシタチは変化を起こす運動を生み出し、将来の世代が生存可能な条件を守るか

Or we can continue with our business as usual and fail

今のままの産業を継続してそれに失敗するか

That is up to you and me

すべてあなたたちとワタシタチにかかっています

And yes, we need a system change rather than individual change

その通り、システムを変えなければいけません、個人が変わること以上に

But you cannot have one without the other

けれど個人が変わらなければシステムも変わらないのでs

If you look through history

All the big changes in society have been started by people at the grassroots level

People like you and me

歴史をの見渡せば、社会の大きな変革は民衆によって始められたのです、ワタシやあなたのような

So, I ask you to please wake up and make the changes required possible

ワタシはあなたに目覚めて変化を可能にするようにしてほしい

To do your best is no longer good enough

ベストを尽くすというだけではもう足りないのです

We must all do the seemingly impossible

我々は不可能だと思われることを成さなければいけないのだから

Today, we use about 100 million barrels of oil every single day

現在、人類は毎日1億バレルの石油を消費しています

There are no politics to change that

There are no rules to keep that oil in the ground

それを変えようとする政治家は一人もいないし、石油を地下に保存しておくようにするルールは何もありません

So, we can no longer save the world by playing by the rules

Because the rules have to be changed

ルールに従って世界を救うことは出来ないのです、ルールが変わらないといけないのだから

Everything needs to change, and it has to start today

全てが変わらないといけない、そして今日それを始めなければいけない

So, everyone out there, it is now time for civil disobedience

It is time to rebel

 全ての人よ 今こそ 市民が反乱を起こす時、今こそ 革命を起こせ


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 えっ!?と思った人も多いのでは?

ワタシもふむふむいつもの説教か・・もう聞き飽きたぜと思ってたら、最後にとんでもないことを言っていて飛び起きました。

 こんなの出版していいのかしら?ポリドール、よく許可しましたね。


「The 1975」 はイギリスのバンド、現在一番重要なバンドと言えるでしょう。Timesが現在一番偉大なフロントマンだと言ってますから。あの頃のRadioheadの位置にいると言えます。


 フロントマンのマット・ヒーリーはずぶずぶのヘロイン中毒、ヘテロかホモかわからない中性、という、あぁ、まだこのタイプのバンドマンがいたのか、っていうナチュラルボーンスーパースター。

 フレディとエイミーのいいとこ取りみたいな感じですね。


 日本だったらフロントマンがジャンキーという時点で活動停止になるのですが、それが許されるのが、UKと日本の最後まで埋まらない差ですね。この曲も絶対世に出せない。アジビラですもの。


そのバンドが「暴動を起こせ」、と言ってるのです。このテキスト自体はジョアン・ディディオンという活動家のテキストをそのまま使ってるみたいですが。


 ビートルズが革命を起こしたいのはわかるけど、暴動には参加しないよ、と歌っていたのと真逆です。


 批評家たちは軒並み低評価にしてますけど、特に古いメディアほど毛嫌いしてるようですが、まさに老いぼれどもには理解されないってのが、本当に新しいことをしてるってことの証左だと思います。


 全てはUKから始まる。やっぱり時代の最先端を切り開くのはUKなんですよねぇ、とにかくかっこいいですわ。

 この曲のタイトルをセルフタイトルにする、っていう潔さもすごい。逃げてない。



 



2024年3月19日火曜日

-200? アルゴナウティカ  アポロニオス

  アポロニオスはロードス島の人、ということくらいしかわかってません。このアルゴ船の話自体は、もっとずっと前の時代で、まだ神たちの孫、あるいはその子、くらいの時代の話です。

 アキレウスがまだ乳飲み子の時、ということなので、ホメロスのイリアスよりも古い話ってことになる。千年くらい前の話ということになり、そういうわけで信憑性は限りなく0。


 物語は途中から始まってよくわからないのですが、とにかく、イアソン、なる人物が、コルキスという黒海の一番東の国へ行き、黄金の羊を得ないといけないことになり、ギリシャ中から勇者を募って一緒に冒険に行こうぜと呼びかけたのです。


 その英雄の中には、偉大な詩人オルフェウス、みなさんご存知ヘラクレスなどもいるオールスターチームが揃ったのですが、ヘラクレスはゴタゴタがあって序盤のすぐに退場。

 

 ほいで、物語のほぼ7割は、イアソンと、それに恋をしてコルキス人を裏切った、魔女メデイアの話であり、集めた勇者たちはほぼ何もしません。というか全然勇者でもなんでもなくて、大した働きもしませぬ。すぐに意気消沈したり、恐ろしいものに出会うと簡単に恐怖して何もできなくなります、最初のあれなんやってん!って感じ。ヘラクレスだけはとにかく別格、という扱いですが、とにかく魔法こそ最強であり、魔女はなんでもありなのです。


 ほいでその物語には続編があって、「メデイア」という演劇では、後にイアソンがメデイアを裏切ったので、メデイアが復讐して、家族や娘も全員魔法で殺す、という話になっています。魔法強すぎだろ。

 

 詩も装飾が多すぎて、全然上手とは言えませんが、このアルゴー船の話、っていうのを伝えるのが他にないので残っている本ってことだと思います。200年頃というと、もうすでにギリシャは完全に落ち目になっている時代ですので、文章もキレが無いと言えます。

 昔華やかだったギリシャという国の更に昔話、っていうことなんですね。


 このアルゴー船の話、自体はとっても古い民話らしく、ホメロスも参照してるほど古い3000年ほど昔の話といえます。

 だから内容はかなり無茶苦茶なんですけど、(土から人間が生えてきたり、青銅で出来た人間がいたり)それほど古いなら仕方あるまいというところでしょう。

2024年3月15日金曜日

1996 電脳戦機バーチャロン

  セガが出していた、アーケードのロボット対戦アクションゲーム。2Dではなくて3D空間で戦います。


PS2とかにも移植されてるのですが、操作系が非常にトリッキーで、たぶんこれはアーケードでやらないと全然おもろくない。

 アーケードだと、2つのレバーを操作する、っていう感じの、ロボットっぽい操作性になっている模様。


 いわば、任天堂のカスタムロボ、をもうちょっとリアル系にしたみたいな格ゲーです。アーマード・コアよりはもっと動きがスムーズ。ちょうどその中間ってとこでしょうか。


 対CPUだとホーミングが全然当たらないけど、対人間だとホーミングが無敵、っていうアーケードでありがちなゲームバランス。


 武器のカスタマイズは出来なくて、キャラごとに武器種が固定でキャラごとに特性がある、まぁ格ゲーですね。

 さらにキャラごとに隠し必殺みたいなものもあり、操作はとっても複雑。アーケードでやらないとほとんど良さがわからんゲームですな。 

 でも極めていくと非常に戦略性が高いゲームみたい。格ゲーってこういうことがあります、ぱっと見では全然わからない領域で玄人は高度な戦略で戦ってるっていうこと。餓狼伝説リアルバウトとかがそうでしたね、なんか地味ゲーだけども、格闘ゲームとして深いっていう。

 格ゲーとシューゲーはどんどん初心者お断りになりつつあるにゃ。

2024年3月13日水曜日

1996 サクラ大戦

  誰しも名前は聞いたことがあるであろう「サクラ大戦」

 初代は1996年にセガ・サターンで発売で大ヒットとなりました。


 ある意味、FF7、ポケモン、と並んでゲームの歴史、方向性を変えた作品。今となってはこのゲームがその後のゲームの流れで一番影響を持っているのかもしらん。

 

 簡単に言えば、ギャルゲーとシュミレーションのゲームの組み合わせでして、ギャルゲーパートで恋愛度を上げて、バトルパートでその恋愛度に従って能力が上がるっていう仕組み。


 ガンパレード・マーチ、そしてペルソナ、などこのようなギャルゲーと他のゲームを組み合わせたゲームはその後、むしろ主流になって、スマホギャルゲーもこの延長線上にあります。 

 要するには、美少女ゲーム、と、メインストリームゲームが合体したのですね。


 それだけにとどまらず、アニメ演出を多様して、声優も豪華に、CGムービー、立ち絵の枚数、などなど、とにかく、ビジュアル、演出面を強化して、美男美少女でファンを獲得する。

 これがサクラ大戦が打ち出した方向性で、この線が、今では一番主流のゲームになっていると思われます。

 それまでの硬派なゲームファンにしてみると、ゲームを軟派で軟弱な方向にやってしまった元凶であり、あまりゲームに興味なかった、特に若い女性、がこの路線に非常に食いつくことになる。


 大衆化、とは結局アイドル路線です、どんあアホにだって理解できるものは

暴力、セックス、ダンス、音楽、グルメ

 です。より多数の層にアピールするにはこういう、頭のまったく必要ないものになる。言葉の必要無いものってやつですね。

 これをほぼ満足するものは、アイドルってことになる。

セックスと麻薬は同じもの。突き詰めればここに帰着することになる。


 ゲームだけにとどまらず、このゲームは、アニメになり、舞台になり、ドラマCD、主題曲も売れ、ライブもやり、パチンコにもなり、グッズも出し、っていう、まさにアイドルと同じような売り方、アイドルゲーム、としても、いろんなものを変えていってしまいました。サクラ大戦が開拓した販路、みたいなのが、ものすごいフォロワーを生み出して行った。

 功罪が非常に大きいです。


 こういう路線が好きじゃない人々には、ゲームをつまんなくさせた、戦犯といえます。

まぁでもサクラ大戦が無くても、いずれは、こっちの路線になっていたと思うけども・・・さぁどうでしょう。

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 このゲームはTVアニメ風になっていて、ゲームの中にアニメが入ってるっていうよりは、TVアニメにゲームが入ってるっていうバランスです。


 正直バトルパートは全然おもしろくない、シュミレーションなのに、ユニットの装備も変えられないし、オカネの概念もないし、レベルも上がらないし、精神コマンドみたいなものの、戦略的なものはほぼ何もない。ユニットの性能を上げる唯一の方法は、ギャルゲーパートで恋愛度を上げるだけです。

 シュミレーションゲームというよりはほぼパズルゲームです。手順を守れば誰でも勝てる。


 恋愛度が低いと、全ての能力が下がって、一番激痛なのは移動力も下がることです。恋愛度が低いと足が遅すぎて戦闘に参加できん。恋愛度での能力補正はちょっと上がる、のレベルじゃなくて劇的に上がります。恋愛度が高けりゃ楽勝で勝てる。


 ちなみに、攻略的には、必殺技がめちゃくちゃ強い、サクラ、すみれをヒロインにすると攻略が簡単。とくにサクラはまぁ一応センターヒロインということで、圧倒的に優遇されてます、信じられないような範囲攻撃持ち、ほぼ一人で殲滅可能。

 逆に、アイリスは回復技なのでめちゃ弱い。


 それでも、ゲームバランス自体はヌルヌルのヌルといえます。ギャルゲパート全失敗しても、簡単に勝てる。小学生レベル。

 バトルパートはほぼおまけです。


 だからやっぱり硬派なゲーマーにしてみると、戦闘は全然おもしろくない。ただユニットをカスタマイズしないでいいってのは、ライトゲーマーには非常に楽ちんです、総じて、この手のゲームは、ライトゲーマーがコアターゲット、で、ゲーム性 は低い。

 ゲームなのにゲーム性が高いと売れない、という逆転現象がこの後起こることになる。だから今でもレトロゲーマー、がいる理由でもあります。レトロゲーム、のほうがグラは弱くても、ゲーム性、は高いものがたくさんあって、ゲームの面白さ、というのは実はたいして進歩してない。


 いずれにせよ、こういうゲームとしての完成度は圧倒的に高い。ボリュームもちょうどいいし、すべてにおいてレベルが高い。1996年にしては破格の出来といえます。ワタシみたいなゲーマーはもっと戦闘パート充実させてくれ、せめて武器を変えさせてくれ、と思いますが、ギャルゲー目当ての人にはカスタマイズ面倒、戦闘パートもっと短く、作画枚数、攻略ヒロイン増やせ、って思う人もあるだろうし、結局万人を満足させることは不可能。

 FF8もこのようなジレンマに陥ってましたね。ムービー綺麗なのはわかったからもっとRPGの部分充実させろ、とか・・ストーリー意味わからんとか・・・恋愛要素いらねーとか・・ワタシもガキの頃は恋愛要素まじでいらねーと思ってました、今でもわりとそう思う、でもそっちのほうが売れるから仕方ないか・・とも思う


 シナリオはまぁだいたいこういうことだろうな、っていう王道の物語。だが終盤は超展開、けども90年代のアニメって最後だいたいこういうことになる、っていう型が決まっていて、その型通りだとも言える。セーラームーンも全くこんな感じだった。


 ギャルゲーに関しては、好みのヒロインがいるか、絵柄、声、ハマるキャラがいるかどうかにかかっている、あんまりキャラが気に入らないのに恋愛パートは全然おもしろくない。でもこのキャラがハマるかどうかも、めちゃくちゃ個人の趣味でしかないので、みんなが満足するなんてのは不可能です。スマホゲーみたいにキャラがめちゃ大量にいれば、どれかは刺さるだろうけども。

 ただこのゲームのアイリスはロリ枠ですが10才はちょっとやりすぎ、ゴリゴリのロリコンしか食いつかない、あとカンナも格闘キャラはいいとして、デザインがガチムチすぎる、これもゴリゴリの変態しか食いつかない、もちょっとパワー型だけどクール系とかにしたほうが一般受けするのでは?見た目がどう考えても少年マンガ主人公にしか見えない。

 マリアは髪型がダサくてちょっと可愛げがない。

主人公大神さんは、ギャルゲーのお手本。ギャルゲーの主人公は個性がなければ無いほどいい、ヴァニラであればあるほどいい。人気が高いのもわかる。ワタシも一番感情移入できたキャラは大神さんかもしれん。

 正直ワタシは絵面があんまり好みじゃない、だから今まで敬遠しておりました。


  あとメカデザインはすごいダサい。でもこれはあえてダサめにしています。手足の生えたドラム缶みたいなデザインですが、舞台が大正だし、スチームパンクだし、というわけでダサめにしてるのでせう。ワタシはそもそもメカ好きじゃないので、これは評価はどっちかわかりませぬ。確かにロボットに顔がある必要はまったくないのですわね。


 とにもかくにも、ゲームの歴史上、避けては通れない、マイルストーンです。ここからどっちに行くか?岐路に立たされましたね。

 美男美女でファンを獲得していくのか、ひたすら売れないけどゲーム性の高さを求める修羅の道か・・・

 

2024年3月11日月曜日

2022 THE FIRST SLAM DUNK

  今更見ました。


ワタシ映画館で映画見るのあんまり好きじゃないのですよね、マナーの悪い客いると腹立つし、周りに人がいると映画に集中出来ない。何より膀胱の活動限界が90分なので、いつトイレ行こうか・・って考えてしまってこれも映画に集中出来ない。


 一人用の映画館があって、トイレ休憩でもあれば理想なんですけどね。


 内容はもちろんみなさんご存知のスラムダンクの山王戦を映画化したもので知ってるのですけど、リョータが主人公になっていて、ちょこちょこと追加シーンがあります。が、基本的な流れはマンガの通りであります。


 追加されたのはリョーチンには死んだ兄がいて、いつもその影を追っていたのだったっていうことなんですが・・・ショージキお涙頂戴でベタな話でワタシはいらなかったかなぁ・・・って気がしました。


 作画が変わっていて、たぶん試合のシーンは全部3DCG、他のシーンは手書きがちょこちょこって感じだと思います。

 スラムダンクみたいなリアル調の場合は、3DCGにしやすいので親和性が高いですね、鼻があるキャラだと3D崩壊しにくい。でも塗りとか色々工夫が見られております、手塗りとの違和感が出ないように、これはかなり上手にやられてると思います。特に髪のテクスチャはかなり頑張っている。髪が一番違和感が出やすいのです。ただ、指、がやっぱ不自然かも。ここも3DCGの弱点で、手の関節のうごきはひじょーーーーにむずい。

 手書きでも一番書くのが難しいのは手だとされておる。手を描かせると一番そいつの力量がわかるのです。

 今後こういうアニメーションが増えるだろうなぁって感じ。でもやっぱこういうリアル系のほうがよくて、もっとスタイライズされてると難しいですね。


 まぁ内容は当然最高に面白いので、そりゃ面白いです。3DCGにしたことで作画枚数に縛られず、コート半分走るのに20分かかるなんてこともないわけで。でもなんかアニメ見てるっていうより、ゲームを見てるって感じもする・・・。でも総じて、よく出来てると思います。

 昔のTVアニメでは山王戦までやられてないので、ようやくスラムダンクのアニメが完結したって感じですね。


 みんな思ってるでしょうけど、スラムダンク2 NBA編が読みたいですわ。井上雄彦先生は最近仕事してるのかしら?? バガボンドもリアルも未完のまま終わりそう・・・

2024年3月9日土曜日

1955 平将門 海音寺潮五郎

  海音寺潮五郎、はワタシは全然知りませんでしたが、全集が出てるいくらいの作家なので、文章はなかなか上手だと思います。

 司馬遼太郎の師匠にあたる人だとか、ワタシは司馬遼太郎あんま好きじゃないので師匠のほうがやっぱ良いなと思いますね。

 

 ただ内容は、ふ~む、ちょっと色恋の描写が多すぎる、本の半分はセックスの話ですが、この人がそんな男女の話なんかかけるとは思えませんなぁ・・・全部想像っていうか、理屈づけてるというか、太宰治とかと比較すると、女のリアリティが全くないですね。型にハマった女性像って感じ。なのに女性の描写が多いのはどういうわけだ。

 文章は下手ではないですが、ワタシはあまり好きじゃない作家ですね。やっぱ歴史小説は吉川英治を超える作家はないとワタシは思う。




 平将門なんて、資料は殆ないし、信憑性なんて非常に怪しいに決まってるわけで、ほぼ妄想で人物像を組み立てるしかないわけです。


 この小説では将門は、一途で、頑固で、田舎者であるが誠実で、ナイーブ、神経質なキャラとなっている。たぶん普通のイメージでは、将門は豪放磊落、乱暴者で粗野、英雄豪傑ってイメージで善人っていうイメージはまったくないのでへぇ、となりますね。

 まぁ小説の主人公として、そんな無茶苦茶で暴力的な豪傑ってのがそぐわないということなのかも。人間が主人公でも良いと思うのですけどね。まぁ1950年代には早すぎるか。

 だがとにかく、将門が戦争の天才、武士、として武力で名をあげた最初の人物であるのは間違いないことです。武士、の時代のパイオニアであったわけ、武力が全て。


 天皇家も元々は、勇武な人々として始まったものでして、なんせはじめが神、ですから。それがだんだんと貴族化して、戦から遠ざかり、権力も削がれていくことになったわけです。


 この平将門と、武田信玄と上杉謙信を描いた小説「天と地と」は大河ドラマにもなってて、海音寺作品としては有名みたいですが、本人的には、西郷隆盛、がライフワークだったのですが、超詳しく書きすぎて未完となったようです。


 長いし、現代の人にはあまりおすすめは出来ませぬかと存じます・・・

2024年3月7日木曜日

2009 宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-

  アニメ映画という扱いになってますが、アニメ映画ではありません。


 宮本武蔵についてのドキュメンタリー番組で、テレビ番組にアニメーションが使われているというだけ、長さも実質60分です。


 元々テレビの企画だったのが流れてしまったので、アニメ映画ということにして映像化されたとのこと。


 確かにテレビ番組としては、非常に凝ったおもろいテレビ番組ですが、アニメ映画としたらなんじゃこりゃって感じ。


 つまりテレビ番組ってつまんねぇのだな、と再認識しますね。1時間に凝縮された情報量が全然ちゃう。


 といってあんまし映画って見る気にならんのは一体なぜなのか。時間とカネは必要だけども、時間とカネをかけてもつまんないものはつまんない、作品づくりってのは難しいですな。


 何時間かけてもなんにもならん、ってのが創作ではほんとによくある。でもだからこそ面白いのであって、今よく言う、タイムコスパとは真逆です。見返り、を求める人間には作品なんて作れない、とワタシは思う。


 このドキュメンタリー、武蔵なんてのは全部嘘っぱちだ、という結論なのかと思いきや、武蔵は剣豪ではなくて、軍師になりたかったのだ、という話です。

 宮本武蔵伝説、が作られていったのは日露戦争以後で武士道、侍、というイメージもその頃のものだというお話・・・でもそれはちゃう気がしますね。武士道っていう名前がなかったけれども、平安時代中頃にはもう、武士、というスタイル、みたいなのは出来上がっていますから。平和ボケした江戸時代の武士ですら、常に刀を持ってるこいつらは外国人にとってみたら何をしでかすかわからん狂気じみた武装集団と映ったみたいですし。


 まぁそのへんのことはどうでもいいか。

2024年3月5日火曜日

1995 真・女神転生デビルサマナー

  女神転生のスピンオフゲーム、デビルサマナー。デビルサマナーもシリーズとしていくつか作品が出ております。


 ワタシ勘違いしていて、デビルサマナー・ソウルハッカーズ、がデビサマシリーズ初代だと思ってたのですが、デビルサマナー無印、というゲームがあったのですね。


 なんで見逃していたかというとこのゲームがセガサターンで出たゲームだからです。サターン持ってない勢には、見逃しがちなメガテンシリーズというわけです。

 PSPに移植されてるのでやるならそっちですね、でもPSPもすでに過去の異物と化しているかもしれませんが・・・なんかデジタル販売してるかしら?


 いわゆる次世代機、初のメガテンシリーズってことで、シンメガ3が出るのかと思いきや、デビルサマナーという謎のシリーズが発売されたってことですね。


 シンメガはだいたい東京は消し飛んでから物語が始まるというポストアポカリプス的なお話なのですが、デビルサマナーは、探偵となって悪魔使いが事件を解決するっていう、探偵ヒーローみたいなお話になってます。

 シンメガが退廃的なムードなのにくらべてデビサマは、一昔前の日本みたいな感じが強い


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 ゲームシステムもちょっと異なります。

 デビサマは悪魔全書を使って悪魔を召喚できます、合体素材を求めてウロウロしなくても、MAGさえあればガンガン合体で作れる。

 その分会話で仲間にするのがすごい大変になってる気がします。友好度みたいなのがあるらしく、一回の会話では仲間にならない。何度も会話して、かなりみついで友好度をあげていかないといけない。普通にMAGで弱い悪魔から合体させていって作ったほうが早い。

 さらに悪魔に忠誠度というものがあって、これが低いということ効かないし、忠誠度の上げ方もわかりにくい。そういうわけで今回、仲魔は使いにくいシステムになっている。己だけが頼り。


 よってゲームバランス的には、主人公一人で戦います。ムド、ハマでの即死、バステで死亡はよくありますがそれに耐性をつければ、脳筋主人公が合体剣で無双するゲームで仲間はほぼいらない。たまにいる、物理反射、無効の対処には困るので、そいつらは仲間にして会話で戦わないのが良きです。

 むしろ合体剣を作るのがこのゲームの主な悪魔の使用法。


 パートナーであるレイは、成長タイプを3つから選べるのですが、この手のゲームでえらんでしまいがちなな回復が罠です。どのタイプにしても回復は覚える、回復タイプが一番弱い。

 雑魚掃討用には攻撃タイプ、ボス戦用には補助タイプを選ぶべし。


 個人的には、補助タイプが良い。メガテンはいつも補助魔法が強いし、仲間で補助タイプを作ろうとすると継承がめんどい。強い悪魔に限って補助魔法を覚えないからです。雑魚にメギドラ使うよりは適当にスルーするのが経済的。

 回復魔法を覚える悪魔はたくさんいるのでここでも回復タイプはいらないというわけ。

特にラクカジャで防御上げるのが強い、魔法防御も上がるので、固めればあとはボコるだけです。サポートタイプにした場合、反射などは先手取らないと無意味なのでヒロインはスピード重視。30あるとだいたい先手取れる。

 主人公は力だけ上げとけばいいと思いきや、それだと魔法で一撃で沈むので、知、耐、速、結構バランスよく上げる必要有り。むしろ火力は武器でどうとでもなるので、肉壁として耐久型にするのがいいかもしれません。後半は速が低いと当たらないのでやっぱり速重視。


 仲間には回復役としてやっぱり女神、そしてその壁として物理耐性持ちを置くのが基本、でも魔物出すのはボスの時だけで普段はふたり旅です。


 カード、や鏡、など謎のバステが多いのも特徴です。まぁ結局はどれも即死みたいなものです。行動不能は死。もちろん敵にはあまり効かずこっちにだけくらいます。

 特にカード、は演出のためだけに作られた特殊効果です。


 難易度は普通ですね。ラスボスは真空波、を使えるかどうかにかかっている。

 真空波はまぎらわしいですが、補助魔法で、攻撃命中、が同時に上がります。タルスクカジャですね。ラスボス回避と防御が高いので真空波で両方あげないとろくにダメージが入らない。真空波は仲間しか使えませんが、ラスダンに出てくるヤマタノオロチが使えるのでこいつをスカウトして貢物をして忠誠度マックス確保。

 さらにもう一人物理攻撃担当できる仲間。最強はヨシミツ、いなけりゃ、タケミカズチ、ソロネなどがいると短期決戦できる。長期戦になるとバステ入れられまくって鬱陶しい。

 

 ヨシミツはなぜかこのゲームでぶっ壊れキャラで、ひとりだけ8回攻撃です。なんでや!って思いますが、そうなんだから仕方がない。主人公の3倍くらいの火力が出る。ただ作るには造魔のレベルを上げる必要があってめんどい。

 タケミカズチは即死耐性がないですがこいつで我慢せよ。


 忠誠度上げるのが面倒でもあり、そこがゲームの肝でもあるのですが、わかりにくい、の一言ですね。でもゲーム全体としてはやっぱりアトラス、平均点以上は出てます。

 当たり前の話ですけど、続編のソウルハッカーズとかのほうがプレイしやくておもろいです。でもワタシみたいに時系列にちゃんとやってみたい人には、デビサマシリーズ面白いので1から全部やってみるのをおすすめいたします。

 特にワタシはアクションゲームだった、アバドン王とかが好きだったので続編出てほしいですな。

 最近ソウルハッカーズのリメイクが出たんですよね?

ちょっとアトラスリメイクばっかだしてて新作作ってなくね?ってのもあるのですが・・・確かにリメイクもいいのだけども・・・新作ありきです。


 まぁリメイクのほうが売れるのでしょう。据え置き機ゲームはおっさんがコアターゲット。子供が買うにはps5は高すぎますもの、そりゃ子供はスイッチやるよ。

 ps5はやっぱり失敗というか、もう据え置き機の時代じゃないのだと思います。というか据え置きならSteamでパソコンでやるって話ですし。

 ps5は据え置き最後のゲーム機になるかもですね。スイッチみたいな携帯機は後継が出るだろうけども・・・

 今据え置き系ゲーム会社はめっちゃリストラしています。ゲームを作る、会社は大丈夫だろうけど、ゲーム機、作るとこはキビシーのでしょうな。

 

2024年2月27日火曜日

音楽プレイヤー  MusicBee の使い方  音量の均一化 リプレイゲイン  ランダムじゃないランダム再生  

  デスクワーカーはだいたいみんなパソコンの音楽ライブラリをシャッフルさせて仕事してると思いますので、音楽は仕事のパートナー、とても大事です。


 プレイヤーをワタシはずっとFoobar2000 というのが軽くて音が良くて使ってたのですが、随分前に更新が終わってしまってさすがに古くなってきたので、MusicBeeというのに乗り換えました。Winampの後継ソフトらしく、最近一番人気のあるプレーヤー。


 正直Windows Media playerはダサくて音も悪い。

Itunesはとにかく重い。音もあんましです。


プレーヤー変えるだけで音変わるのか?と思いますが、正直全然違う音になります。元のファイルが同じでイコライザとかをオフにしても、全然音は変わる。なんでかは知りません。

 MusicBeeはそこそこって感じでしょうか。


 次に曲ごとの音量問題

 マスタリングや曲ごとで音圧、が全然違うので、同じボリュームにしていても、音が小さくなったり大きくなったりする。

 ビートルズとPost Maloneではまったく音量が違うし、さらに一番問題なのがクラシック音楽で、音の小さいところと大きいところのレンジが大きいので、クラシック音楽ってめっちゃ音が小せえのです。

 これを補正するのが ReplayGain、ってやつで MusicBeeにはその機能があります。


編集→設定→プレーヤーの「サウンド効果」→「リプレイゲインタグを使用してトラックの音量を正規化

 これを押すと、取り込まれた曲の音量分析が始まります、ライブラリが膨大だとかなり時間かかるので数時間放置。

 ほいで、MenuーControlーSmartGain をクリック

特に最近の曲を聞きながら、Replay Gain OFFとSmartGainを比べると、かなり音量が下がるのがわかります。昨今の曲の音量を下げてバランスが取られるわけ。


 もちろんこの操作で、オリジナルの音が損なわれるんですけど、そんなオーディオマニアでもない、ずっと流しっぱ人間には非常にありがたいです。クラシックの後にメタルが来て耳が破壊されるのから守られます。


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 もう一つ ランダム再生問題っていうのがあります、シャッフルしてランダムにしてるのに同じ曲ばっかり流れる、っていう現象。

 ワタシのライブラリも3000曲くらいあるのに、ブルーハーツの次にまたブルーハーツが流れたりします、ブルーハーツの曲なんて10曲くらいしか無いのに。一時間で同じ曲2回くることもあります、全然シャッフル出来てないやんっていう。

 でもこれは 誕生日問題、っていう錯覚らしくて、ランダムに再生しても起こりうるらしいのです。50人の中に自分と同じ誕生日の人がいる確率は15%ではなくて、50%であり、誕生日だと更に偏りがあるので75%くらいなのです。


 あと乱数問題もあり、コンピューターってのは、完全なランダム、ってのを作り出せない、疑似ランダムなのです。この2つの問題が重なって、シャッフル再生ってのはシャッフルされないのです。これはソフトウェアではなくて数学的に解決策は無いらしい。

 ファイルの階層で近い曲が流れやすいのは絶対にある。



2024年2月26日月曜日

1990 /1995 ウィザードリィVI 禁断の魔筆

  ウィズの6作目ですが、今作から制作陣が入れ替わっていまして、全く別のゲームになってしまいました。

 いわばウィズ後期三部作・・・


 この後期三部作の失敗でサーテック社は倒産してしまうのですが・・・


それもうなづける。


 きつすぎますこのゲーム、ワタシもちょっと無理でした。


 洋ゲーだわぁ!って感じのシステムとグラフィック。これは日本人のみならず、ウィズのファンが毛嫌いするものわかりますね。


 難易度もいかつくて、攻撃がまるで当たらんのですが、それはまぁいいとして、システムとグラが、ちょっと特殊すぎます。挙動ももさもさしていて、さすがにワタシも攻略出来ませんでした・・・・。


 とにかくこれはウィズじゃないです、こんなゲーム知らない。ウィズファンはやらなくていいです、確実に。ウィズのナンバリングとして出すゲームではない。


 実はゲームとしてはよく出来てるらしいのですが・・・極端な洋ゲーマニアの人にしか進められませんね。


1991 ウィザードリィ外伝I ~女王の受難~

  いわゆる和製WIZのきっかけとなった作品。

ウィズの権利を買い取って、日本でオリジナルの作品を作ったということですね。


 ですがなぜかゲームボーイをハードに選びました。いやゲームボーイの容量じゃウィズ無理だろ!という予想を裏切って、非常に手堅い作りで、いかにも丁寧な日本のJRPGって感じのウィズに仕上がりました。

 ウィズの理不尽さと、荒ぶる凶悪さはなりをひそめて、しっかり、どっしりとした作りのウィズとなってます。ウィズらしいハチャメチャさが無い、とも言えるし、これぞ日本のゲームって感じでもある。


 なんとほうせきのゆびわが最初から売ってます。(デュマピックするアイテム)。

ほかにもロクトしても装備などは失われずに呪文を忘れるだけ、とヌル加工されてます。

 ゲームシステムはウィズ5ベースです、武器にレンジがあって後衛からも攻撃可能、コルツなどの魔法対策魔法もある。


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グッドポイント

 WIZが携帯機と相性いいんじゃないかという目の付け所は非常に慧眼だと思いますね。こういうハクスラ、地味にぽちぽち系ゲームは、持ち運んでコツコツやるのに最適。だいたい昨今のウィズ系のゲームは携帯機ですしね。あと白黒だからグラフィック作りやすかったのだと思う。


・良くも悪くもとにかくバランスが良い。カティノなどの強すぎ魔法はナーフ、コルツがあることにより、ブレス、ティルトにも対策できる。敵の強さなども絶妙。逆を言うと、地道にやるしか攻略法が無い。凶悪な敵がいきなり出てくるドキドキも少ない。

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問題点

 ハードの都合上画面が小さくて情報が少ない。

ACとかアライメントが表示されないので、いちいちウィンドウを開けて確認しないといけないので面倒、とにかく一つウィンドウを開けないとみれない、というNESからすると一個動作が多いのでめんどい。あとゲームのテンポもちょっと遅くてサクサクしてない。これは完全にハードの限界です。


 ショートカットが少なくて、移動がめんどい。エレベータまでの距離が遠すぎる。

さらにネタバレですが、ほうじゅを手にしてからも裏面があるのですが、裏面の入り口までの距離が遠すぎる、これはかなり萎える。ウィズ1みたいな軽快なショートカットを再現すべきであります。

 

 裏面がかなりのボリュームがあるのですが上記の通り、とにかく遠い。あと普通にクリアするだけで12レベル、あるいは13まで行ってるので、裏面はラベルが上がらない。上級職とかやれば別ですが。ちょっときついです。まぁ裏面だから仕方ないといえるのかもですが・・・


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 とにかくゲームボーイとしてはすごく良く出来たゲーム。ただやはりゲームボーイ、プレイがしにくいですね。操作がかろやかじゃない。白黒画面もやっぱりさみしい。今やるかどうかはかなりきつい部類に入ります。

 フルカラーにして、操作性を良くして、ショートカットを作ってリメイクしてほしい。

2024年2月22日木曜日

1997 アーマードコア

  当時は、キリングフィールドで有名だったフロムソフトが発売した、TPSロボットアクションゲーム。

 ACというメカをカスタマイズして戦うっていうソフトです、知っとるわ、って話かもしれまませんが。


 パーツの種類はそれほど多くないのですが、パラメータが非常に複雑で、特にジェネレータのキャパシティだけじゃなくて、足のキャパシティと、コアのキャパシティがあるのが非常に難解にしております。


 エンジンでは容量足りてても、足の容量をオーバーしてると乗せられないというわけ。足の重量キャパは、足が早いほど、少ない。つまりスピードを重視すると、武器はほぼ片手武器とブレードのみ、肩装備は無しです。


 ほいで足にも種類があって、二足歩行はノーマル 逆関節はジャンプ 四足は旋回、タンクは耐久性って感じです。

 これも使ってみないとわからないし、タンクはダッシュ出来ないのですげー遅い。


 弾速的に、相手の攻撃を避けるのはほぼ無理なので、先手必勝一撃必殺の高火力戦法が対ACにはいいんですけど、このゲーム実はACと戦うというよりは、探索ゲームなのです。

 ロボットバトルを期待していると、全然ちゃう!ってなります。ロボットでダンジョンを探索していくって感じのゲームで、特に終盤は、道のりとクリアの仕方わかってるかどうかというゲームで、バトルアクションのテクとかはほぼ関係ない。道まちがえると持たないし、やり方しらなくても詰みです。

 

 たぶんほとんどの人が、思ったのでしょうけど、もっとロボットと戦わせてくれ!!ほとんど雑魚をガン無視して逃げるだけなので、カスタマイズしたかいが全然ありません。


 ゲームシステムもかなり謎で、ミッションをクリアしていくゲームなのですが、ミッションを失敗してもゲームはどんどん進みます。え?どういうこと?ってなります。ミッションを失敗すると金が無くなるだけ。でも金が無いと強化も出来ない。

 つまり失敗すると、次のミッションがさらにハードになっていくというバランス。

この下手くそなやつを更に追い込む、ってのがフロムのやり方。

 じつは救済もあって、序盤に死にまくると、主人公が強化人間としてパワーアップします。でもこの仕様も隠しなので、そこまでやらないでなんじゃこのゲーム!って投げてしまってる可能性大。

 もっとまずいのが後半まで適当に進んでいって、適当にパーツ買ったらバランス悪くなってるし、強化人間にもなれない場合。これは完全に詰み。中途半端に上手いプレイヤーがこうなる、でもパーツは買って使ってみなきゃ使い勝手はわからんし、パーツは高く、収入は少ない。よって大抵の人は詰むといってもいいと思います。

 ただ最終ミッションであっても、やり方さえわかってれば初期装備でも勝てる。だが初期装備まで売っぱらってしまってるともうどうしようもない・・・ 


 前述しましたが、探索ゲームであってバトルゲームじゃないです、敵はガン無視。たまに出てくるACは、接近してブレード滅多刺しでほぼ勝てます。


 探索ゲームなので爽快感に乏しく、とってもフラストレーションが溜まるゲームです。もっと派手に暴れさせてくれ!!って感じ。初代なので、かなり荒いといえます。ほいでだんだんとACはミッション探索ゲームから、バトルゲームへと変わっていくことになる、そりゃそうでしょうって感じですね。まぁ初代だから仕方ないです。

 ほいでたぶん今のゲーム感覚に慣れてるひとだと、ACの動きがもっさりしていて、おっそ!ってなると思う。これはロボットの量感をきちんと表してるとも言えますが、現代のゲーマーにはきつい操作性の悪さですね。バイオと同じく、あえて操作性を悪くしている、のです。特に振り向くのがむっちゃおそいし、バック出来ないのですごくはがゆい。バックはできるだろ!と思う。

 

 こういう感じのリアルなロボットアクションゲームってのは他に無かったのでパイオニア的ゲームです。ですが、ゲームとしてはあんま楽しくない。未完成です。とにもかくにもその挑戦を評価せよってとこでしょうかね。

 

-411 戦史  ペロポネソス戦争史 トゥキュディデス

「弱者の好意は、強者の好意よりも我々にとって害であり、非支配者は支配者への憎悪によってその支配者の力の大きさを知るのである。」 


まず作者の名前が厄介なのですが、トゥキュディデストゥーキュディデース、とかトゥキュディデュス、ツキュティデスツヅキデス  

 と無数にあって、検索するときなどに非常に不便。

 この本の名前も、歴史、とか戦史、ペロポネソス戦争史、など名前が決まってない。元々はタイトルは無いのでさらに厄介。


 舞台は、ちょうどヘロドトスの歴史のその後を都合よく引き継いでいます。ただヘロドトスみたいに、裏を取ってない話を採用せずに、情報には裏を取れ、というのがトゥキュの考え。以降もトゥキュの考えを支持するように、歴史は裏をとって資料とかを用いよということになった。トゥキも自身述べているように、それによって、おもしろ小話とか、各国の風習みたいなのは無くなってしまい、本としてはつまらなくなってしまいました。

 歴史の教科書が堅苦しく戦争のことしか書かなくなったのはこいつのせいです。風俗史とか民族学みたいなのを排除してしまった。経済と政治と戦争、それが歴史ということになってしまったのです。

 でもトゥキの狙いは、祖国アテナイが、この戦争で崩壊してしまったことを、後代の人々に戒めとして教える、という狙いがあったので、トゥキのせいではありません。


 ようはこの戦争はギリシャの内戦でして、ギリシャは結局ずっと内戦状態から抜け出ることは出来なかった、その原因はどう考えても、島国だからです。ペルシアみたいに大陸であれば、大帝国になるけども、島国ってやつは、海に逃げられたら、殲滅するのは不可能なんです。やばくなったら海に逃げる、これでは戦いようがない。とにかく海戦は水もの、天気や風で運次第になってしまいますし。

 モンゴル帝国が、日本を支配出来なかったのもそういうこと。


簡単に言うとペロポネソス戦争は

 アテナイは強力なのだからすべての都市はアテナイが当然支配するべきだ、という帝国主義のアテナイと、ラケダイモン(スパルタのこと)はラケダイモン人だけの利益を守る。というとにかく利己主義なスパルタの二陣営に、他の都市が同盟したり裏切ったりを繰り返すっていう戦争です。


 すぐにわかるのですが、正義がどこにも無い。クズとクズの戦いといえます。こりゃあ泥仕合になるのが目に見えている。だが戦争とはそういうものかもしれません。


 このペロポネソス戦争はダラダラとながーく続いて、むしろ恒例行事みたいに夏になると毎年戦争が始まり、冬になると終わるって感じです。

 こんな長くなってしまったのは城塞、を作られると包囲して餓死するまで待つ、っていう方法しかないのと、いろんな島に都市が分散していて、船で渡ってるあいだにもういろんな情勢が変化してしまうってことです。

 第一次大戦でもそうでしたが、守り、に入られると決着がつかないのです。一気に大合戦で決着をつける!!ってわけにはいかないのですな。ペルシアみたいにとにかく物量で10万とかの兵員で押しつぶすってのでもない限り。

 この時代の軍団はせいぜい3000とかです。そりゃ決着つきませんわ。騎馬民族でも倒せないのに、海の民族なんて倒しようがない。

 現代でも海賊、を掃討できてないのですから。海を支配するのは激ムズなのです。


 さてこの本のもう一つの特徴は、ある人物の行った演説、討論、弁論、釈明、などの弁論、が非常に多いってことです。

 さすがはデモクラティアの生まれ故郷アテナイの人というべきなのか、片方の主張だけではなく両方を主張をたっぷりと書き残しているのです。これはトゥキがそうだったのではなくて、アテナイが、そういう論述、をすべて記録にとっておいたから為せる技。現代の民主主義では、言葉はうやむやにするだけのものですが、この時代の討論はまさにこれぞ討論というもので、みんな非常に雄弁です。ソフィスト達、が活躍したのもうなづけますね。

 正しいかどうかはともかく、みんな非常にえんえんと自分の意見を述べ立てます。


 ペリクレスは、アテナイの人々に、理知ばかりに頼るあまり、行動しない人間にはなるなよ。と非常に念押しいたします。これは現代においてまさにしかり、口先だけでなんの行動もしないような人間になるなよ。


 戦争は最終的には、アテナイが戦線を拡大しすぎて、戦力が分散したところを一気に叩かれたということになりますが、痛み分けという感じでしょうか。常に言うところの、両面作戦になったらほぼ負け確定ってことです。オセロの原理で、両面作戦にならない、角地にいる国が最終的には勝つ。ドイツは常に両面作戦になるので負けるということ。



 ワタシなりにこの本から教訓を得ようとするなら、話し合いや同盟など全くの無駄であり、ひたすら、誰も信用せず、軍事力の強化を最優先せよ。結局最後は武力で決まる。信じられるのは武力と訓練された軍隊のみ、という結論しか出ませんね。こういう結論を引き出したいわけじゃなくって、この戦争の有様を見る限り他にどうしようもないといった感じです。

 結果的には、泥仕合をずっと続けていたギリシャ文明は疲弊して、アレクサンダー大王率いる大軍勢に一挙に制圧され、その後も現在にいたるまで、2400年かつての栄光を取り戻すことはなく、最近財政破綻したり、移民が殺到したりして落ち目です。2400年ずっと落ち目ってことです。このさきも気候変動の影響が直撃して、滅びることになりそうです。



 正直この本は名著とされてますが、まったくおすすめ出来ません。古代ギリシャの地図とか地名、民族、場所、政体、地域差、背景、歴史、人物、都市ごとの経済力、規模、武力、みたいなのが全部頭に入ってるのでも無い限りほとんど意味がまったくわからん。

 膨大な事実の羅列、っていう感じでもあって、小さな都市の小さな政治紛争やら、内輪争いなどを詳細にかかれても全然わからん。膨大な付属資料、みたいなものがない限り、全然頭に入ってこないです。

 本当に歴史を研究する人向けの本って感じですね。一般の読者には何も理解できぬ。しかしこんな客観的に、戦争を分析する、ってのを2400年前に作ったのですからとんでもない本です。日本はその1000年後でも、まだ古事記、みたいなほとんどが主観的な幻想みたいな史書を作ってるのですからね。

 中国の史記、ですらこの300年後で、その客観性はめちゃくちゃ怪しいし、一番よくないところは、史記は、権力者である武帝に都合悪いことは抹消されてるってことですね。

 トゥキは追放扱いだったため、一応、アテナイと、スパルタ、をどちらも公平み見るっていう視点で書かれております。



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 ちなみにワタシが読んだのは筑摩文庫のやつなんですが、これ訳文は50年近く前のものです、文章が古臭くて読みづらい。ふざけんな。って思いますけども、これが実情です。古典を新しく翻訳させる金が無いのです、誰も本なんて読まないから。昔の本を文庫にして稼ぐのが精一杯。芸能人の悪口を言うだけが出版社の仕事になりつつある。

 古典だけじゃなくて、ほとんどの本がもう翻訳されたりしないでしょう。これはもう現実に起こってること。海外の本を読むなら英語で読むしか手段は無くなります。実際もうワタシは英語で読むのに切り替えはじめております。今若い人は、なるはやで、切り替えたほうがいい。もう日本語バージョンなんて出ないぞ。まず本から始まったということなり。

 

2024年2月20日火曜日

2008 劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇

  映画版となってますが、TVアニメ版を再編集して、さらに作画を追加って感じなのだと思います。映画の構造的にだいぶ変ですので。

  

 ガンダムから受け継いで、エヴァもそうでしたが、ロボットアニメはなぜかこの再編集版みたいなのを映画としてやる、ってのが恒例になっております。

 たぶんもっと前に、ヤマト、がやってたのかな??


 内容は、いわば擬古典主義ロボットアニメってことですね。あえて古臭い手法、古臭いシナリオ、古臭い風に、それを新しい手法でやる。


 たいていこの擬古典主義ってのは、駄作と決まってるのですが、名作と呼ばれるものもある、ドン・キホーテとか、ジョイスのユリシーズとか。あえて、古典、を題材にしてやってるってことです。


 乗り手の気合、で性能がアップする系ロボットアニメ。とにかく精神力と気合を重視する、フランス陸軍、日本帝国陸軍的発想です。


 そういう世界であったならいいなとも思いますよね、ど根性だけで何かを変えれる世界であれば。現実はそうではない、だからアニメでそういうものがあったらいい、という願望なのかもしらん。


 出来としては・・・・、悪くは、ない、です。駄作とは言えない。


 ただエフェクトでごまかしすぎでは・・・?って気がしますなぁ。あとヨーコの声が気になる。別に演技が下手ってことじゃないですが、単純にビジュアルと声が全然合ってない感じがするんですけど?ワタシだけか・・?

 それともう一人のヒロインがめっちゃ急に登場してきて、いきなりメインに展開するってのも、ふーむ・・・。ほいでもうひとりのヒロインも声が、な~~んか違うなぁ・・・て感じがするなぁ。このキャスティングの人のセンスとワタシのセンスは全然合わないですねぇ。なんかちゃうなぁ・・・の連続です。


 ですが、決して、悪くは、ない。ワタシみたいに、なんか面白くなさそうってずっと寝かしていた人は、とりま見てみてもよいかも。でもこれもう15年近く前のアニメ・・嘘だろ?

2024年2月18日日曜日

現代語 古事記 竹田恒泰 学研

  古事記の現代語版。

古事記何度か読んだことあるのですけど、なかなかしっくりと頭に入ってこない話ですよね。名前の語感が悪すぎるってのが第一だと思います。本当にこういうふうに呼ばれてたのか?ってのがすっげー疑問です。本当は全然違う当て字なのじゃないかとワタシは思っている。


 が、この本問題有りです。作者が皇族につながる人ってことで、おや?と思います。中東で中東の審判がレフェリーやってるみたいなことです。

 まぁ古事記の研究やってるって時点で右派ってのは間違い無いのですけど、ゴリゴリの人ですね。

 学研ってそんな右寄りだったのか、とゾッとしますが、でも問題有り。の本を読むのも大事です。

 いろんな人の意見を聞くのが大事、双方の意見をまず聴かないと片手落ちです。

 むしろそういう問題有りの本にこそ、読むべきものが多かったりします、ヒトラーのマインカンプが最高のマーケティングの本であったりするわけで。

 ちなみにワタシは、日本の文化は素晴らしい!とか言ってるやつは大嫌いです。欧米は自分の国に誇りを持っている、とか抜かしてる知ったかぶりやろうも嫌い。欧米は、とかいうけど欧米の中でも全然違うし、アメリカの中でも意見はバラバラです。

 宇宙飛行士毛利衛いわく、宇宙からは国境線は見えません。


 というわけで素直にそのまま受け取ってはいけませんが、非常に読みやすいのは間違いないです。スっと頭に入ってくる、だからこそ罠だとも言えそうですけど。

 まともに読むと古事記は絶望的に読みづらいので、現代語訳をおすすめします。

 

 でも後半、特に雄略天皇以降は古事記はざっくりとしか扱っていません。


戦前は、神武天皇から昭和天皇まですべて暗記させられたらしいです。国粋主義の教育方針によって、覚えてないともちろん鉄拳制裁。

 だけど戦後は、古代日本については、まったく教えることは無くなった。歴史が始まるのは大化の改新と聖徳太子からで、それ以前は何もない。GHQが古事記、日本書紀は危険だとして抹殺したからですね。


 どっちか、しかないんかい。という話。極端すぎます。中庸を得よ。とにかくすべてはバランスなんです。極端がいいということはまずない。常にバランスをとれ。


 日本人必読の本!とはワタシはいいませんが、でも知ってると、地名とかが神社とかの意味がようやくわかります。朝廷の源流は九州から来てるってのはなんだか不思議ですよね。なんか九州の人もそれを押さなくないですか?日向から神武天皇は出た、みたいな。日向に行けば神武天皇ゆかりの、みたいなのがあるのかしら?

 日本人、の源流は九州なんですわね。

2024年2月14日水曜日

1982 Wizardry II: The Knight of Diamonds ウィザードリィIII ダイヤモンドの騎士

  ややこしいのですが、本家ウィズでは、このダイヤモンドの騎士、はⅡとして発売されましたが、Ⅱというよりは、1の今で言うDLCで1のデータを引き継いでそのまま遊べる、というものでした。

 何もかもウィズは時代を先取りしやがってますね。

ファミコンにはデータ転送なんてものはないので(実はあったのですが普及せず)、大幅にゲームバランスを改定して、単体として遊べるものに焼き直ししました、それが、ファミコン版のウィズⅢというわけ。

 特に序盤の難易度が変わってるみたいです。


 シナリオとしては、伝説の武具を集めてダイヤモンドの騎士になればクリアで、その伝説の武具自体が襲いかかってきます。でも防具を揃えてラスボス、というわけじゃなくて防具が揃ってある場所に行けばもうクリアになる。といわけで一応裏ボスもおります。が裏ボスが雑魚という謎バランス。


 バランスはDLCということもあってやっぱめちゃであり、4Fから敵が急激に強くなり、5、6、とすさまじい敵のパワーインフレです。普通に敵が36体とか出てくるのやめてくれw

 ゲキヤバエンカウントまつり。油断するとすぐ死にます。油断しなくても雑魚がクソ強い。あとクリーピングのブレスが多すぎてボタンが破壊されたりと、とにかくはちゃめちゃです。このはちゃめちゃがウィズだとも言えるのですが。


一応ボスにあたる伝説の武具なんですが、兜激烈強い。ガントレットも強いのですが兜が行動が早いのでやっかい。運が悪いとどんなパーティでも負けるし、運がいいと勝てる。これはもう運です、初手ティルト来たら負けです。

 あと魔法無効の敵が相当多いので、こっちの核で一掃も難しい。転職を繰り返してHP伸ばすしかないけど、転職するとHP1ずつしか上がらない気がする。


6Fまでしかなく、さらに5,6は実質ほぼ何も無いので、ボリュームとしては薄い、まぁそこもやっぱりDLCとして制作されたものなのでってことですね。

 1982年の作品なのですもの・・・、とにかくウィズは開拓者、何もかもが早いです。

2024年2月8日木曜日

1988 Wizardry #5 Heart of the Maelstrom ウィザードリィV 災渦の中心

  現代のメイルシュトロームは、大渦潮のことです。

ネモ船長が乗った、ノーティラス号が消えていったのもメイルシュトローム。

  今回、水にもぐる、っていうアクションが追加されたのも、メイルシュトロームだからです。


 さて本家ウィズの5作目で、いわば旧き良きウィズ、古典ウィズ最後の作品となっています。4作目がめちゃくちゃヘンテコリンのバチクソ尖ったゲームだったのですが、これは1~3に完全に戻りました、古典ウィズの総決算的ゲーム。

 ですが


激ムズ


 マップがとにかく巨大化、複雑化しました。20x20ではなくて巨大マップ。当然まだまだコンパスなどありませんが、デュマピックでマップが表示されるようになりました。お助けポイントはここだけです。

 その他の変更点は武器に射程が入り、後衛からの遠距離攻撃が可能に、水に潜るアクションの追加・・・


鍵を開けるというコマンドも追加。だが


 鍵が開かない


これでこのゲーム終わった人も多いのでは。とにかく鍵開けの難易度が高い。魔法で開けるしかないので、魔法使いいないと詰みです。アイテムを使うと開かないのと、ただたんに開かないのかもわからぬ。


 この鍵システムと隠しアイテム、隠しドアを探さないといけなくなったのが非常に難易度をあげてます。探してもレベルや確率で見つからないってことがある。これはきつすぎる。

 つまり追加された機能のほとんどはただただ鬱陶しいです。

 

 NPCが追加されて、NPCから情報を得て進んでいくというのは、これも鬼畜。

いわばNPCが村人で、その全員とあって話を聞いてヒントを得る、っていうドラクエみたいなことなんですが、このNPCがまずランダムエンカウントだし、情報にはだいたいカネがいるし、聞き出せるかどうか、も運とかいろいろな仕掛けがあります、騙してくるやつもいれば、アイテムを盗むやつもいる。ただ話せば教えてくれるほかのRPGととは大違い。


 難易度は、まぁいまの感覚でいけば理不尽です。ウィズ脳の人にしたってこれは激ムズ。不条理と激ムズ・・の境界線上をウロウロって感じでしょうか、いや理不尽にかなり突っ込んでるか・・・、トラップも死ぬほどえげつないし、NPCとの交渉がむずい、いやわからんて!!のオンパレード。ヒントもわからんし、ルーンも読めん、水にもぐったら溺れ死ぬ・・・まじで攻略情報、リセット無しでクリア出来たら本当の勇者、100時間じゃ効かないと思う・・・

 あとイベントアイテムが多いのにアイテムのスロットが少ないのも地味にめんどい。

 ワタシの感覚だと初代ウィズの3倍ムズい、面倒なことが増えました。単純にマップが3倍になってるだけでムズいし、マーフィー先生みたいな経験値稼ぎ要因もあまりいない。特に序盤にいない。


ウィズ5の厳しさに比べれば昨今の死にゲーとかいうのは完全なヌルです。死んでもロストしないし。

 ウィズというゲームは、いわばRPGと不思議なダンジョンの組み合わせ。大切に育てて来たものは、あっというまに失われる。非情。だがたしかに、命の大切さをこれだけ痛感するゲームも無い。ウィズのひりつき感は、普通のRPGには絶対無い。

 ただオートセーブではなくなったのでそこだけは優しくなったと言えますね。オートセーブがあったときもほとんどの人間はリセットで対応してたので変わらないという人も多いだろうけど。いわば公式のリセット技解禁ともとれる・・・じゃないとまじで無理だよこれ・・・。


 ある意味100時間遊べるゲームではあります、一生かかってもクリア出来ないかも。たった10階層ほどのダンジョンなのですが・・・。


 しかれども、戦闘のバランスなどは今までで一番バランスが取れてると思います。努力すれば勝てる、バランスがイカれてるものも少ない。マカニトみたいなチート魔法も無いし。   

 裏を返せば一気にレベルアップ!一気にパーティを爆発的に強化!みたいなことがやりずらくなってます、地道に育てるしかない。まぁそういうゲームなので。

 まぁあるっちゃあるのですけどね。やかん狩り・・でもコツと運が必要、普通に戦っても倒せない。まず物理、魔法がちっとも当たらないので、こっちは召喚で強いモンスターが出るのを祈るだけ、たまに一撃でやかんを殺してくれる。強い武器を拾ってれば当たることもある。だけど今回ドロップアイテムも渋くて、なかなか強いアイテムをドロップしません。


 普通にプレイする限りでは、戦闘バランスは良好といえます。

 7Fくらいまできて、核爆弾を使えるようになり、フェニックス狩りにいそしむことになるくらいになると、こっちのものだが、ここまでが長いのよ・・・広大なマップをマロールで移動するのも気持ちよすぎます。


 シナリオは短いテキストながら非常に深くて、重厚なストーリーであり、よく練られています、シナリオに関しては渾身の出来。だがこの爆ムズゲームを突破してそのシナリオをきちんと味わえた人がどれだけいるかな・・・?


 末弥純のグラフィックはまさに秀逸の一言。特にやかん、のドット絵は最高傑作だと思う。いやみったらしい糞坊主のグラフィックもこれ以上無い出来、こんなやらしい顔した聖職者の顔はこれを上回るのは不可能だと思います。


 超凶悪な難易度を度外視すれば、非常に名作です、ウィザードリィの最後を飾るのにふさわしい。ハマるとその中毒性はえぐい、脳汁ドバドバです。こういうことだったのか!!こうすればよかったのか!!みたいな発見が本当に嬉しい。

 やりこみ要素もものすごいあるし、地獄の三強、裏ボスの強さも常軌を逸している。ウィズの集大成としては確かにそうです、十分すぎるほどのやりごたえ。だがとにかく!難易度がえぐすぎるって!この面白さが伝わる前にみんな挫折してしまうでしょう。

 

 おすすめパーティはどう考えても前衛忍者x3魔法魔法僧侶です。魔法1では足らない。帰還用マロールと核爆弾をストックするにはダブルマジックが必須。魔法係はとにかく素早さ重視なのでホビット、前衛はドワーフ。つまりドワーフx3、ホビットx3のホビットの冒険スタイルのパーティですね。前衛も忍者にしやすくするためにボーナスは素早さに振るのがよき。忍者はレベルが上がるとACが下がり、最終的には裸忍者x3の変態集団になりますwそこまでやりこむ必要ないけどw


 あと今回ビショップのレベルが高くないと鑑定失敗するし、アイテム鑑定できないと金策が詰むのでサブとしてビショップが必ず必要。


 ラスボスも期待を裏切らない激強です。まず倒し方をわからないと、何も出来ずに即死。その倒し方も、わかると非常にスッキリ!ここであれが役に立つのか!!ただわかっても激烈に強い。正直完全装備でも勝てる確率は25% 運が悪いと普通に即死する。ボスが連れてる雑魚4匹だけでもこっちを1ターンでイゴらせる脅威。核が飛び交うまさに世界の終わりみたいな戦いですw 



 ウィズファンであれば、攻略情報を見つつ、ぜひプレイするべきゲーム。間違ってもノーヒントプレイはおすすめしない、ウィズプレイヤーは忍耐力と精神力を試されてきた歴戦の猛者ですが、それでもキレると思うw

2024年2月6日火曜日

2023年 ベスト・アルバム

  さぁ今年もこのグラミーの時期にワタシ的2023年のアルバムを振り返りましょう。

 ワタシは他のみなさんも同じでしょうが、気に入った曲をライブラリにしてそれをランダム再生してますので、一回ライブラリに入れば基本死ぬまで聞き続けることになる。よってそのハードルは高いです。悪くない、くらいのアルバムは採用出来ません。だいたい一年に一、二枚ですねそのハードルを超えてくるのは。


 まず2023年じゃないんですけど、今年はSuiseinoboaz、とBeckをよく聞きましたね。Suiseiは別の記事で描きました。Beckもやっぱり才能ありますなぁ。いわゆる90年代ロックスター、達は最盛期は過ぎたといえます。でもBeckはまだまだ良くなる気がする。こういうプロデューサー気質みたいな人は、長生きしますね。


 あとちょっと関係無い話ですが、海外のアーティストはほぼ漏れなく、公式がYoutubeでアルバムを公開しております、これだけサブスクが発展すれば当然の話、でも頑なにネットに音源をあげるのを拒むアーティストが邦楽にはおる。もちろんいろんな言い分があるんでしょうけど、普通に考えて音楽を作ったら聴いて欲しくないですか?とりあえず聴いてもらわないと話にならん。

 カネを出すやつはそれでも出すし、出さないやつは出さない。入り口狭くしてどうすんのだ、鎖国したっていいこと無いですよ。

 メジャーで売れてるアーティストにそれが多い、アルバム売れるからってことなのでしょうけど、それが逆にお寒いですね。なにかポリシーがある(Youtubeは音質悪い!)とかじゃなくてカネの話?って感じで。そういうアーティストは聞くのやめようかなと思う。レーベルがそうやってるってのも言い訳で、レーベルに縛られて言いなりなのもダサいですね。


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ライブラリ入り


Mr.Children『miss you』

 最近のミスチル説教臭くていやだなー、どの曲もだいたい同じだなー、もう「君と会えて良かったありがとう」って曲は聞き飽きたなー、とみなさん感じていたでしょうけど、スランプを脱しつつあるという兆候が見えたアルバム。傑作、というわけじゃないけど、まだいけるぞ、底を打ったぞっていう感じがして良かったです。何度でも、生まれ変わっていける、かしら?

 「ケモノミチ」が今年のベストソング。無意識にくちずさんでた、そういう曲がもちろん一番ですよね。無意識で覚えてるってのが。


・スピッツ『ひみつスタジオ』

 ワタシはスピッツの熱心なファンじゃないんですけども、アルバムに一曲は、必ず名曲を入れてきますね、そのへんはさすがです、売れてるには理由があります。全部いい曲ってわけじゃないですが、一曲でも当たりがあればそれは当たりです。その曲とは一生付き合ってくことになるのだから。たぶん誰でも一曲はビビっとくる曲があるアルバムだと思います。

 ただアルバムカバーはとんでもなくダサい、これがスピッツじゃなかったら絶対聴かないだろうな・・・


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総評

 以上。今年も非常に不作でした。

 グラミーはテイラー・スウィフト、ってわけで、明らかに欧米はタレント不足。テイラーにしろ、ビリー・アイリッシュにしろ、顔が可愛くなかったら、100万分の1も評価されてないと思う。音楽をルックスで評価してちゃおしまいです。ライヴの演出がすごいとか、そういうのは知りませんが、楽曲のクオリティは別によくある曲としか思えません。逆にルックス悪いのに売れてたらホンモノだということ。

 次点も含めておっさんとかジジィのアルバムばっかになってしまいましたが、でも音楽というものが、芸術であるとするなら、そりゃ経験があるベテランがいいもの作るに決まってる、ベートーヴェンだって後期のほうがいいでしょう?40~50代に一番いいもの作るはずでしょう、芸術ってそういうものとされている。

 欧米の音楽が衰退して、韓国とか、ラテンとかの音楽が人気が出る理由もわかる。明らかに欧米は落ち目です。昔は邦楽ダセーでしたが、今洋楽聴いてるやつダサいですね。邦楽のほうがよっぽどちゃんと作っとる。アニソンとかでもいい曲いっぱいある、そしてやっぱりゲームのサントラですね。スクウェアの音楽チームは素晴らしいです。今才能があるミュージシャンはみんなゲーム音楽に行ってると思う。

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次点 ライブラリ入りはしないけど惜しかったアルバム。


・ The Rolling Stones『Hackney Diamonds』

 ローリング・ストーンズの18年ぶりのアルバム、いや絶対良くないやろ・・っていう予想を裏切って、ここにランクイン。

 ミック・ジャガー80才。正直2023年、誰より今元気でパワーがある声だった。ミックは歌が下手だ、とかいう人がいるけど、まぢで何もわかってない。上手い下手なんてどうでもいい、歌上手いやつなんて1000万人いる。この一秒聴いただけで誰でもミック・ジャガーってわかる歌、これがシンガーってものでしょ?

 あとキースのギターを最新の機材で録音するとこういう音なんだ、ってのもありました。めちゃくちゃかっこいいんかい、音が斬新すぎる。

 昨今サッドポップっていうのか、なんか暗い、アンビエント調の曲が多いですけど(たぶん Bon iver がこういう感じのトレンドにしてしまった)

 世間が暗いときにはそれと真逆のご機嫌なナンバーを作るのがアーティストの仕事。はっきり言って今の若い世代は情けないです。いつまで被害者ぶってるの?


Peter Gabriel   「I/O」

 ピーター・ガブリエル、21年ぶりの新作。正直ピーター・ガブリエルまだ生きてたのか、と思いましたね。そしてプロデューサーはBrian Eno いったいいつまでこの人は最高のプロデューサーで居続けるのか。75才ですってよ。50年、イーノは最高のエンジニア、プロデューサーだと思いますね。ピーターの曲が聞きたいというよりもイーノの音作りに興味があります。

 昨今完全に音楽はパソコンで作るもので、曲作りの90%はわたしはプロデューサーの仕事だと思ってる、音作りから何から何まで、編集でいかようにも変えられる、故にキリが無かったりします、イコライザーで一音一音調整しだしたら。そういうわけでイーノのクリアな音が、一応正解ってことにして区切りをつけたいって感じですね。ワタシは聞いてませんが、ドルビーアトモスっていう立体音響版がブルーレイで発売されてるらしい。一体いつまで挑戦し続けるんだよイーノってやつは。脱帽です。どうやって立体音響をマスタリングするんだ。


 年齢ってものをやっぱ考え直す必要がありますね。寿命も伸びたし、60年代は中堅、70代は現役です、老後は80から。認識を改めよってことだなぁ。

 ただ曲のクオリティがどうかは別、音のクオリティは高い。曲は正直あんまし良くないし聞きづらい。



2024年2月5日月曜日

2009 装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ

  ボトムズのOVAと、それを再編集した劇場版です。


元はOVAなので作画はしょぼめです。あと3DCGもしょぼい、2009年だったらもうちょっといい感じに出来るのでは?

 いかにもCG、って感じのCGになってしまってます。プラモでいう、エイジングが出来ていない状態、まっさらのプラモを置いてもシーンとしては違和感があるのです。風景から浮き上がってしまう。


 ストーリーはボトムズの前日譚、レッドショルダーが生まれたわけなど・・・内容はこれはボトムズですw 

 突然のブルースやフォークソング、地味なロボット、地味な敵、地味なキャラ。ほぼ登場しない女性キャラw 暗いシナリオ、寂しい結末。これはボトムズとしかいいようがない。

 地獄を見ればココロが乾くとしかいいようがないです。


 キリコは異能生存体、死なない人間なんですが、そう書いてしまうと、主人公が不死身って話はかなりよくあるし、だいたい面白くない、ボトムズの魅力はそういうとこではないのですよね。渋い話なんです。ロボットアニメなのに、夢も希望もない、しぶいねぇ。

2024年2月4日日曜日

1982 競馬放浪記 寺山修司

  寺山修司の最後の競馬の本。死ぬ一年前の本ということになる。


 第1回ジャパンカップのことが描かれていて非情に面白い。日本の競馬が海外にどれだけ通用するのかを見たジャパンカップ。

 結果は1~4着、すべて海外馬。日本の競馬は、海外にまったく通用しなかったのです。しかもジャパンカップに来た馬も、別に世界の強豪というほどでもない。重賞で馬券内くらいの馬。

 それにまったく歯が立たず。スピードシンボリなどが海外でまったく勝負にならなかったのはアウェーだったからだ、という言い訳があったのですが、ホームでレースしてこの結果。相当がっくり来たでしょう。

 でもこの惨敗から、日本の競馬は新たなスタートを切ることになるのです。世界に勝つにはどうすればいいのか・・・


このおよそ40年後、日本の競走馬イクイノックスは、ワールドNo1ホースになり、ジャパンカップはワールドNo1レースの称号を得ました、あの惨敗から40年。

 やっぱり井の中の蛙ではなくて、世界を知ることから始めよということです。鎖国なんて破滅しかない。


 ほかは自分の死を予感してたかのごとく、不幸なウマの末路に関するお話です。

2024年2月2日金曜日

-390? プロタゴラス プラトン

  これはおそらく、プラトンの初期のほうの作品であり、舞台も、若きソクラテスを描いたもので、時代設定もかなり前の話ということになり、まだまだソクラテスの言動をそのまま描いているものと思われます。


 プロタゴラス、という有名なソフィストがやってきて、若き30代のソクラテスが、ソフィストとは一体なにを教えるのか?と尋ねるというお話。


 そして人間の「徳」とは何か?という話。


ですが、議論はまっすぐには進まず、プロタゴラスは、ソクラテスの対話形式で、はい、いいえで、答えさせるという議論の仕方は気に食わない。と討論を拒否します。

 プロタゴラスが言い訳を言ってるように見えますが、実際、この対話形式、はプロタゴラスの見抜いた通り、答える側がやり込められるように出来ているので、これを見抜いたプロタゴラスはやはり当代一のソフィストとして非情に鋭いといえます。


 ソフィスト、というのは、弁論術の講師みたいなものと言われていて、いわば、弁護士、あるいは政治家、ですね。

 ソクラテスみたいに、真実、を追い求めるのではなくて、誰かを説得したり、自分に都合の良い結果を得るために、しゃべる、ことを目的とする。真実を言ったところで、ソクラテスが最後死刑になったように、人に嫌われるだけなのです。いわば、コミュニケーションとはソフィストといえます。

 ソフィストが国家や社会のためになるというのは、詭弁ではなくその通りで、嘘やご機嫌伺い、おべんちゃら、大言壮語でもそれで良好な同盟を得たりすることができれば、国家のためになり、真実を吐いて、相手を怒らせていけば、破滅に陥るだけです。


 プラトンは、そののち、この徳。

 どうすれば善い人間、を作れるのか?という問題をライフワークにすることになります。アカデメイアという学校をつくりますしね。でも結果としては、善い人間を作る、方法は未だに誰も見つけていない、不可能なのかもしれません。


2024年1月31日水曜日

-1000~600  アヴェスター 

  ゾロアスター教の聖典とされるアヴェスター。


ゾロアスター教というものは3000年前くらいから存在していたようですが、それが文書になったのは、1400年前くらいなので、このアヴェスターが本当に、最初のゾロアスター、ザラシュストラ、の言ってたことなのか非常に怪しいですし、さらにそのほとんどがイスラムによる迫害で失われてしまっております。


 内容は正直まったく意味がわからない、一つも意味がわからん。こんな意味がわからん本は久々ですね、ほとんどが呪文というか呼びかけというか、文章ではありません。祈りの文句なのかもしらん。


 ゾロアスター教は一神教で善悪二元論、っていうふうに歴史の教科書とかには書いてありますけど、ほんとにそうなのか誰にもわからぬ。そう思ってるだけなのでは?実際は全然違ったってことが非常にありそう。


 アヴェスターの信頼性は置いておいて、ゾロアスター教という宗教があったのは確実なことで、中国まで伝来しておりますし、現在も少数ながら存在してます。


 世界最古の宗教とされていますが、正直、ほとんどがよくわからない、宗教です。

ただその曖昧さ、ファジーさが、いろんなものを「許せる」タイプの宗教であるということも言えそうです。ほとんどの宗教は排他的ですが、ゾロアスター教は移動する、動き続ける、という、まさに「火」をイメージした宗教なので、明示的な戒律やルールではなく、火のようにあるってことなのかもですね。深いね。

-370 パイドロス 饗宴  プラトン 恋について

   ギリシャの現代は シンポジオン  つまりシンポジウムです。

おぢさん達が集まって、エロースについて、恋について話すというあらすじだけ見ると非常に気持ちの悪いお話。


 しかもアテナイ人のいう恋、とは、「パイデラスティア」 少年愛のことです。ここでいう少年とは、ヒゲの生えない頃、つまりまぁ思春期手前、ロリータってことですね。

 そのくらいの少年を愛することが本当の愛、恋である。肉欲ではなく、魂を愛することだから。

 というYoutube噴飯ものの内容ですw 女性を相手にする恋は下品ともしていて、現代ならいろんな方面から袋叩きですね。

でもこういう衆道、男色のほうが高尚なものとされるのはアテナイだけでなく、歴史上ぽつぽつと現れては消えていくもので、日本の戦国もそうで、信長の恋人も美少年だったのは有名なお話。


ですが!そういう少年愛を賛美するだけの本が2400年も残るわけがない。真実の、愛することとは何かについて語ろうではないか・・・


 エロースは、神ではなくダイモンで、常に貧しく、常に美しさを求める物なり。とデオティマという伝説の巫女が教えてくれます。



 これもプラトンがピュタゴラス派の影響をどっぷり受けた中期の作品。「国家」と並んでプラトンといえば、だいたいこの中期の作品のことを指す場合が多い。初期の作品はプラトンの哲学というより、ソクラテスの哲学をそのまま書いたものだと思われている。

 後期はプラトンは政治的になり、哲学、からは離れていって形而下の話題に落ちていくことになる・・・

2024年1月29日月曜日

1980 山河ありき  寺山修司

  競馬エッセイもほぼ晩年の作品。


晩年というか寺山修司な1983年に47才で死んでおるので・・47才!若すぎだろ!

 死ぬ三年前の出版ということになります。


 寺山修司が死期をさとっていたのか知らないけれど、非常に暗いというか終わり、の話ばっかりです。名馬みたいなのはまったくとりあげられず、ほとんどが怪我で死んだ馬や、ちっとも勝てずに馬肉にされてしまった馬の末路。

 この時代といえば、爆発的な最強馬、マルゼンスキーの時代ですが、ほとんど触れられていない、こういうバカ強い怪物は趣味に合わないということです。 


 文章も正直精彩を欠いてきている。詩人、寺山修司は死んでしまったようです。


詩人、っていう職業は、ほとんど長生きを拒否しているみたいなもんです。詩なんかで食っていけるわけないのだから。長生きする詩人なんてのはダサいものです。詩人はだいたい20代で死んでる、松尾芭蕉も爺というイメージですが50で死んでますから、そこまで爺というわけではない。

 ほいで時代も変わってしまった、60年代が闘争の時代でしたが、70年代は転向と事なかれ主義の時代、保守主義の時代です。

 70年代は断絶の時代だともワタシは思う。60年代の闘争、は世界規模のもので、世界の若者たちは、他の国の戦争とか闘争を自分のことのように感じていた。けど70年代にそういった理想が次々と崩れて、みんな自分のことだけ考えるようになった(という理想を持ってた連中は学生運動とかで散ってしまい、バカだけが残ったといえます)

 そして80年代はバブルです。拝金主義の下品な時代。確かに寺山修司にバブルは似合わない。バブルに詩人、なんて人種の居場所は無いというわけです。

 競馬もギャンブルおじさんたちの最後の砦から、どんどんエンターテイメント、ファミリー向けをアピールしていくことになります、シービー、ルドルフ、とスーパースターが現れ、オグリで競馬ブームが爆発し、競馬が裏街道おぢさんのものから、みんなのギャンブルへと変わっていく。オールドスタイル競馬の終わりなのです。


 あと漫画、に関する言及が多い。そこはやっぱり寺山修司でして、はやくも漫画、が次のメディアの寵児になると見抜いてたみたいですね。「ガロ」、が漫画を子供だましから、最先端の文化を提供する媒体へと変えていったわけです。一番新しいものは、まず漫画から始まることになった。

1987 ダンジョンマスター

  これも洋ゲーRPGなのですが、とにかく斬新の一言。

 普通のRPGとはシステムが全然異なります。


3Dダンジョンなんですが リアルタイムバトル  シームレスなバトルが展開されます。リアルタイムバトルの3DRPGって初めて見た。

 いやそれは3Dアクション何じゃないか?って声もありますがかなり異なります。言葉ではとても説明出来ないですねこのゲーム。

 いろんなシステムが既存のシステムとは全く異なっているのです。別の世界線では、このゲームが主流となっていた可能性もある・・・、どうしてもっと流行らなかったのか謎です(実は今も熱心なファンがクローンソフトを作ってるらしい・・・)それくらい何もかも違う、別の世界からやってきたゲームって感じ。このゲームみたいなゲームを見たことがない。


食べ物だけでなく、水、も補給しないといけないし、魔法はルーンの組み合わせで唱えるし、カーソルドラッグで物をつかめるアドベンチャーっぽくもあり、物を投げられるし、パーティの左右の概念もあるし、装備できる場所も多いし、アイテムにも全て重量が設定されている・・・ 

 などなどなど、見たこと無いシステムのオンパレード。


 だがやはり、スーファミにはどう考えてもオーバースペックのゲーム、挙動がもさもさしすぎていて、楽しめません。次世代機で出してほしかった、いや実際出てるのですが、出来が芳しくなかった模様・・・、非常に惜しい作品ですね。

2024年1月26日金曜日

1987 Wizardry #4 Return of Werdna ウィザードリィIV ワードナの逆襲

  ウィズ本家の四作目でこっからウィズはおかしくなってしまいましたw

逆にこの4で本家ウィズがおかしくなってしまったことにより、ウィズ外伝、として日本で独自のウィズが生まれることにもなった、いろんな意味でマイルストーンな作品。


なんと1のラスボスだったワードナを操作して、魔物を操って冒険者を倒そう。というスーパートリッキーゲーム。4でこれ??1987年にこの裏というかメタな展開?? 

 どう考えても、すべてにおいて早すぎる、20年は早いゲームシステムです。


 ほいでノーヒントアットオール、殺人的ノーヒント。謎解き要素が多いけどどうすればいいかまったくわからないという、時代に逆行する鬼畜レトロゲームへと逆戻り。

 さらにレベルも上がらない、キャラメイクも無い、とそれまでのウィズとは全然別のゲームに。

 もともとウィズは本家版ではパロディとかギャグの要素が多くて、このⅣではそれが大炸裂したと言えます。バランスももちろんぶっこわれ。

 はっきりいってしまえばクソゲーです。でもクソゲーというにはあまりにも斬新なアイデアがもりもり詰め込まれている。

 もしこのゲームがウィズの4作目じゃなく別ゲーとして発売されていたら、驚くほどの天才が作った早すぎたゲームとされていたかも。

 説明書もすごくて、この意味不明の4を攻略するためのデータが山盛り記載されてます。日本での販売元は説明書で補完するしかないと判断したのでしょう。


 意味がわからんすぎる。ということで長らく歴史から抹殺されていたソフトでしたが、プレステの時代(10年後)になって、「ニューエイジ オブ リルガミン」として一応遊べるレベル??になって発売されましたが、やっぱ評判はいまいちだったのか、もう時代が変わってしまっていたのか(もうFF7とかの時代)、あまり話題になりませんでした。が、それによってプレミアゲーム化。実質Ⅳを遊べる唯一のソフトなので今手に入れようとするとかなり高い貴重ゲームとなっています。


 Ⅳのアレンジバージョンというプレイ出来るところまでリメイクした作品と、極悪であったオリジナル版を収録しているし、さらにⅤも遊べるという、ソフトとしての出来は親切で嬉しいゲームです。明らかにウィズのファンが作っています。


 それにしてもこのゲーム、日本ゲーでは考えられない悪ふざけというか、すごいノリのオンパレード、やっぱ洋ゲーなのだなぁ、海外のギャグセンス理解できぬって感じがありますね。

2024年1月25日木曜日

1988 スナッチャー 小島秀夫

  メタルギアシリーズの小島秀夫氏の作ったアドベンチャーゲーム。

古いですねー。こんな昔から仕事してるのですなぁ。


 小島監督、というくらい他のゲーム作ってる人とは別の仕事をしてます、ゲームのプロデューサーなんて基本的に名前なんて出ません、一人で出来ることなんてたかが知れてるし、かなりの規模のチームでやってるんだろうから、監督っていうよりはまとめ係って感じです、小島氏はほぼゲームというよりはシナリオライターですよね。

 確かにそんじょそこらの作家なんかよりもよっぽどきちんとした作品を作っています。ゲームじゃなくて普通に脚本家としてもやっていけると思う。

 ただ脚本家ってのが、どういうふうに出世していくか、という道筋、みたいなものが無くて、だいたいはただのコネみたいなので決まるわけですが、だから映画の脚本ってのはつまんなくて、原作ありき、そしてもっと堕落していって、マンガの映画化、二次創作しか作れないということになってしまいました。(あと古い映画のリメイクやリブート)

 良い脚本家を発掘、育成するっていうことを一切してこなかったのですわ。いくら才能あっても脚本家になれないというわけ。


 さてこのゲームは未来の神戸?でスナッチャーという人の皮をかぶって人間になりすますアンドロイド?みたいなやつを倒すという感じの話。ブレードランナーに影響を受けたとありますが、ほぼそのままといえます。レプリカントですね。


 シナリオは結構めちゃなところもあるんですが、それはゲームとして成立するためだったり、物語の整合性よりも映画的盛り上がりを優先してそうなってるってことでして、全体としてこの手のゲームでも相当しっかりしている、と言えます。良作判定ポン!


 ただメタルギア、っていうロボットも出てきますし、小島テイストはものこのころには確立されていたようです。SFチックな世界観で、固有名詞がやたら多くて、本物っぽい、専門用語を多用し、それでもシリアスばっかりにならないようにコミカルな部分も多めに入れていくって感じですね。ドラゴンボール風って感じですか。あと声優に名が売れた大御所ばっかり使うってことですかね、新人やアイドル声優を使わない。


 ただグロ描写が異様にきついので、苦手な人はかなり嫌な気分になりますね、よくこんなのが審査通ったなってぐらいグロい。またドット絵のグロってのは、奇妙なリアリティがあって、目に焼き付いてしまいます。任天堂だったらまず許可されないです。


 しかしグラフィックは、1988年とは思えないくらいバラエティに富んでるし枚数もギミックも多いし、相当作り込まれています、誰が描いたのかしらないけど、めっちゃ仕事しています。オリジナルはPC88、ファミコンではまず不可能なデータ量を使っております。なんとフロッピーディスク5枚。それが何メガなのか知りませんが5枚も使うとは。


 あと音楽も凝っていてよきです。すごいですね。やっぱバブルなのか金があるのですな。



 総じてこれは良作ですね。グロだけ注意ってとこです。

-380? パイドン (魂について) プラトン

 話の舞台がソクラテスが毒杯を飲んで死ぬその日の物語なので、弁明、のすぐ後に書かれたように見えますが、実際には、プラトンがシチリアに行って、ピュタゴラス派にどっぷり影響を受けた中期以降の作品です。


 プラトンの本は、すべてソクラテスがしゃべる、対話型の構造を持っているのですが、これは本当にイカれた所業と言わざるを得ません。どれだけ尊敬していた師匠であろうと、自分のすべての作品の主人公をその人にするってのは完全におかしい、です。

 むしろ、自分の考えを勝手に自分の師匠が言っていたように書くってのは、やってはいけないこと、だと思って控えるのが道理ってものです。むしろソクラテスが一番糾弾しそうなやり口といえます。

 このプラトンの狂気じみた振る舞いの裏には、絶対になにかがある、と見るのが普通です。だから、ソクラテスなんてほんとはいなかったのではないか?プラトン、という人物も本当はいないのではないか?みたいな憶測が生まれるわけです。


 まぁそのプラトンの異常さはさておいて、この本の主題は「なぜ自殺してはいけないか?」という、カミュが言うには、哲学においてたった一つの問題を取り上げたものです。哲学の問題はつまりこれに尽きるというわけ。なぜ自殺せずに生きているのか?それだけが本当の問題だろうと言うわけです。


 基本的には、自殺してはいけない理由は、神が人間を作ったのだから勝手に死んではいけないというシンプルな答えなのですが、そこにプラトンは イデア論 という彼がピュタゴラス派から学んだ概念を登場させるのです・・・


 他にもなんで魂は不滅だと考えられるのか、想起論(アナムネシス)、哲学者の魂は死後の世界で幸福になれるが、肉欲に縛られたものの魂は不幸になる、みたいな哲学宗教みたいなことになっていく、最後には天国と地獄の描写があります。明らかにこのへんはプラトンが、オリエントから影響を受けてる部分ですね。


 ソクラテスは聖人で、知のために死んだけれど、プラトンはそうではありませんでした。その他多くの学者と同じく言行不一致、死を避けるべきではないと言いつつ、迫害を恐れて逃亡したり、政治に関与してみたり。ようするに口先だけの人間でした。結局師匠を超えられなかった勇気の無い男、がプラトン。いろんな屈折、があるのですね。

 

 けどもプラトンが根性なしだったおかげでこうして本は残ったわけです。

 


 

2024年1月24日水曜日

2007 Appleseed: Ex Machina アップルシード エクス・マキナ

  フル3Dのアニメーション映画。


監督はジョン・ウー、音楽は細野晴臣と、金はかかっているようですし、ちゃんと作ってはあります。


 が、ほとんどの3Dアニメーション映画と同じく面白くはないです。


 なんで面白くないのかちょっと考えて見る必要がありそうですね。


 モデリングに関しては、特に悪いところは無いと思われます。メカのデザインもなかなか。出渕テイストですね。

 ただ髪の毛のモデリングがワタシ的には気に食わない、変ですこの毛束を増やす感じ、特に主人公が可愛くないのは致命的。あとシェーディングが、モデリングはアニメ調だけどシェーディングは普通のシェーダー+線画って感じで、ふ~む・・・、いまいちって感じですね。


 あとワタシも3Dモデリングするようになってわかったのですが、やっぱ3Dモデルは表情に乏しい、演技出来てない。ロングならいいけど、アップになるとやっぱ全然駄目です。これはモデリングをちゃんとやれば上手くいくという問題じゃない気がする。アニメっぽい表情は物理的に壊れてますので再現不能、でもそこが一番大事なとこなのですわね。2Dと3Dをうまくミックスさせるしかないと思われる。


 これが一番の欠点ですがストーリーが薄すぎる。未来のサイボーグ社会でメインコンピュータが乗っ取られるって話ですが、もうこすられすぎです、どんだけメインコンピュータハッキングされとんねんって感じ。スカイネットでもうこれは打ち止めでしょう。 

 アクションがメインなのでストーリーは薄いといって、薄すぎる。あまりにもベタ。


 あと雰囲気、ってものが無い。ちゃんとモデリングしてありますってだけで、絵に詩的な要素がなんにもない。建物のCADのモデルじゃないんだから、絵としてちゃんと成立させるようにしないとダメです。これじゃただの模型です。プラモデル屋さんのほうがよっぽど、雰囲気、を作るのが上手。


 あと主人公その2の名前がブリアレオス、って言うのですけど、語感が悪すぎる。マンガとして読み文字だったらいいけど音にすると耳障りが悪すぎ。6文字は長すぎる。ギリシャ語源で意味があるんだろうけど、これは変えなきゃ駄目です。アリオス、とかでいいのでは?


 量感、が無い。アニメーター力量が一番出るところだと思います、アクションにいかに、重さ、をつけられるか。これは単純にアニメーターの実力不足ですね。キャプチャーモーションなのかもしれませんが、動きが軽すぎる、ロボットなんだし、もっと、重み、が必要ですわね。

2023年ベスト・アルバム 番外編  SuiseiNoboAz  を知ってますか?

  だいたいこの時期に2023年のベスト・アルバムを発表してます。でも今回はその番外編。今年はまだまだ全然2023年のアルバムをディグれていません。


 でも最近発見したバンドがあるのです


SuiseiNoboAz 


読み方はまったくわからん、スイセイノボアズ?? このバンドの知名度が低いのはこの意味わからんバンド名のせいな気がする、もったいないような。Suisei だけでいいのでは?


 ある人が、一人だけ、今年のアルバムはこれ、と紹介してたのです。


まずこのバンドの3020 って曲を聞いてみてください。


こんなぶっ飛ばされるような曲を聞いたのは、相対性理論初めて聞いた時以来って感じです。


しゃべってるやん


まったく歌ってません、しゃべってるだけ。ロックが衰退して、ラップがそれに代わりほとんどの曲がヒップホップとラップになって、いい加減もう飽きた。ラップを超えて、ただしゃべってるだけになりました。もう韻を踏んでダジャレ言ってるやつらはダセーのだ。

 ポエトリーリーディング、と言われてますが、そういうわけでもない。とにかく新しい感じがしました。そしてなんかようやく2020年代、っていう世界の方向性を与えてくれるような気がしますた。

 なんやねんこの曲!って言う人と、すげーバンド現れたやんけ、ってはっきり二分する感じだと思われます。でもどちらにせよ、新しい、のは間違いない。必聴です。


 やっぱ埋もれているだけで、こういうすごいバンドってのはいるものなんですよね、ほんと日本人って音楽が嫌いで、真面目に音楽作っても何も浮かばれませんけども、肥溜めの中にこそ、輝くダイヤモンドが隠れているものです。このなんにも音楽が評価されない社会で音楽作ってるのだもの。

2024年1月23日火曜日

-399 ソクラテスの弁明  ソクラテス プラトン

 絶対に過去に読んだのですが、このブログの記録に無かったので書きます。


-399年、ギリシャである老人が裁判にかけられた、70才の老人の名はソクラテス。

ソクラテス学校というところで無料で教育をしていた男・・・


 すべての学問の始まり、とも言う本です。こっからすべてが始まりました。

 その裁判でのソクラテスの弁明を、弟子のプラトンが記録した、ということらしい。プラトンが改作してソクラテスという聖人を創造した、という人もいますし、初期のプラトンの著作は、ソクラテス自身のコトバだと言う人もおります。他の同時代人がソクラテスについて述べたものもたくさん残ってますので、ソクラテスという人物が存在し、学校のようなもので論理、を教えていたのはほぼ事実としていいでしょう。


 短い本であり、論理は非常に明快。


 言いたいことは一つだけです。もう一つそこから導かれることだけ。


「自分が、何も知らない、ということを、知れ」


「無知の知」です。


はじめの学問の答えが、逆説であるというわけですね。


 自分が知らないってことを、まず認めることによって、学問が始まる。自分が全てを知った、と慢心した時点で、学問は終わりです。

 ソクラテスは、あなたは何かを知ってるというけど、全て間違っていますよ、あなたは何も知らない。ということを丁寧にも教えてあげたことによって、人々は怒り狂ってソクラテスを処刑した。


 これは本当にまったく現代でも同じことでして、誰かに、間違っているよ、と指摘することがいかに危険なことか、そしてそれをごまかさないではっきりと言うこと、これこそ学問の姿であり、志の高さ。なのです。ソクラテスは学問のために殉死したということになる。まさに聖人です。


 現代には一人もいませんね、間違ってる人間のところへ、わざわざ出向いて行って、おまえは間違っているぞ、と言うような人間は一人もいない。それで死ぬことになっても、自分の信念を曲げない人間は一人もいない。世界には80億だかの人がいるみたいですが、一人もいないのです。影で悪口を言う人間はイナゴのようにいるけども、真正面から言うような聖人は一人もいない。


 正直者はいっつも損をする、と文句を言ってる人は、正直であれ、という意味を正しく理解してません。正直に真実を吐けば、絶対に損をするとわかっているからこそ、その茨の道を歩むものに誉あれ、ということなのです。真実を吐くだけで殺されるかもしれない、それでもなお、真実を述べる勇気、それが学問なのでした。


 そしてもうひとつ。


死、もそれについて何も知らないのだから、死を恐れてはならない。


 もしソクラテスが今生きていれば


・・・尊い命が犠牲になりました

 命を救うために・・・


みたいな国営放送の、命が云々って言ってる連中の前に現れたでしょう。

 あなたは死、について何か知っていて、死は避けるべきだ、ということをさかんに述べているが、ぜひ教えてほしい、あなたは死について何を知ってるのか?

 もし何も知らないのであれば、死を避けるよりも、真実を述べることを大切にするべきではないのか?


 もし、一冊だけ本を選べと言われたら、この本を、選ぶべき、なのでしょうね。もっと楽しい本を持っていきたいとは思うけれど。とにかく、これが、すべての始まりの本なのです。

1982 Wizardry #3 Legacy of Llylgamyn  ウィザードリィII リルガミンの遺産 LOL

 この2が本家の3でありまして、これも、追加シナリオで、本家は3ではキャラを作ることも出来ません。1,2、から引き継ぐのみ。


 リメイク版というかローカライズ版ってことですが、それでも本家から6年ぐらい後になってるので、かなり時間かかっておりますね。当時はそれぐらいアメリカと日本が差があったということなのかも。


 ゲームシステムとかはほぼ同じです、アペンドなのだから当たり前の話。ダンジョンなどが違うのみ。

 ただし2は善パ、悪パじゃないと侵入出来ない部分が存在するので、なかなか厄介です。

N戦士x3 N盗賊 N魔 善悪僧侶 または 善悪ビショップ って感じになると思う、しかしこれでは上級職が作れない。かといって中立にしないと使いまわしできない。中立戦士を二枚にして、善悪戦士を作り

G戦士→侍

E戦士→忍者

僧侶→ロード、侍? にするか・・・?でも能力足らねー!

 みたいに、パーティ編成が難しいです。パソコン版は善悪混成でもダンジョン攻略できるチートがあったみたいですが、スーファミでは封じられてますし、それをやってしまうと、ほぼゲーム性がなくなるのでおすすめしません。

 そういうわけで、今回アラインメントが変わってしまうと計画が崩壊するので、善パでは見逃す、悪パでは戦う、っていうふうに切り替えていく必要もある。


 あと今回ボーナスがかなり厳しくて、二桁ボーナスが出ない気がします、少なくともワタシは全然出なかった。だから転職もむずい。特に序盤の厳しさは過去最悪w 雑草にも勝てないw 勝てる確率50%みたいな序盤です。ダスターという文字通りゴミみたいな敵にバチボコにされます。


 ほいでなかなか経験値がおいしい敵がいなくて、レベル上げに苦戦するってのも2の特徴。でもこれは、普通のロープレになった、といえます。今までがバランスがインフレしすぎていた。

 そういうわけで、レベル13まで行かないと思います。レベル11くらいでなんとかクリアするというのがLOLの楽しみ方だと思う。


 ダンジョンは6Fで、善悪で半分ずつなので非常に短い。だけど上述の理由で2パーティ育てないといけないし、なかなかレベル上げしにくいので、結構時間かかります。

 例によって中立の魔法使いがマロールと核を覚えると、別の世界が開けます。これがウィズの醍醐味でもある、マロールが使えるようになったあとの開放感。そしてそれを失った時の絶望。


難易度は経験値も敵の強さもナーフされている、とレビューにありますが、むしろバランス調整されて、いい難易度になったと言えます。チート的レベル上げの手段が無くなっただけ。相変わらず相手のブレス先制でイゴるのは日常茶飯事ですけどw

  

 6Fの難易度がかなりいかついです。正しいアイテムを手に入れないと脱出不可能・・・デュマピック禁止、しかもそのアイテムの手に入れ方も非常に難解、キビシーとしかいいようがない。っていうか普通に死にます。まずエルケブレスを通過するのが難解すぎるものな・・・ノーヒントだと95%詰む、わからんだろこれ・・


 ダンジョンの出来はいいとLOLは言われますが確かにそう、3Fの押し寄せる壁、これ考えたのはまじで天才。悪パの的は天使、っていうのは、女神転生にダイレクトに影響を与えております、っていうかこれそのまんまやん。

 西洋は宗教にうるさいから神々と戦うメガテンは海外ではタブー、と言われますが。LOLで普通に天使と戦うのですけど?天使が敵に出てくる、を始めたのはウィズが先です。

 善と悪を超えて、中立のココロを得よ、っていうメッセージは非常に深い。っていうかウィズの物語は実は非常に深い。ストーリーなど無いに等しいのですけど、ズドンといいところをついている。やっぱすげぇわ。

 作者であるロバート・ウッドヘッドは大の日本好きで、日本人と結婚しておるようです、ウィズに忍者や侍、ティエンルンが出てくるのはそういうわけ。ロバートは学生時代にウィズを作ってそれが大当たりして、そのあとはあんまゲームに関わってないで、普通のプログラマーとしていろんなソフトを開発してるみたい。稀にゲームのアドバイザーみたいなこともしてるようです。

 善と悪を超えて、中庸を得よ。というのも、東洋好きのロバートならではのアイデアといえます。ニーチェよりも、陰陽道だと思われる。

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 1.2.3とやってきましたが、1がやっぱり最高傑作だとワタシは思う。1はやはり初代というサプライズがでかすぎたというわけです。よくRPGの始祖はウィズとウルティマといいますが、ウルティマは正直、今ではゲームとしてプレイはほぼ無理です。そんなの当然の話、ウィズは未だに1がプレイ出来るし、おもろい、これは奇跡です。

 ウルティマはドラクエみたいなトップダウンワールド、これが確かにその後のRPGの主流となりました、わかりやすい。

 ただウルティマはグラが弱くて、敵とかもちっちゃくてイラストみたいなものは無い。ウィズは敵がイラストであって、やっぱそこが最大の魅力だと思います、敵を見るのがおもろい。ウィズにはいつまで経っても色褪せない魅力がある。ウィズ直系の作品は40年後の今でも作られ続けてますものね。

 RPGの「面白さ」のエッセンスみたいなのはウィズにすべて含まれてる気がする。プレイのしやすさとか、グラの進化などが変わっただけで、面白さ、の根源自体は何も変わってない。ウィズをハクスラ、とカテゴリする人もいますが、それは違うと思う。ハクスラで死んだら全ロストなんてきつすぎるゲームは無い。あとハクスラにしては敵が強すぎる。

 RPGの不思議のダンジョン、がウィズだと思います。常に死と隣り合わせ。何十時間もかけたものが一瞬で消える、それがウィズの魅力。

 たぶんギャンブルにハマる人はウィズにハマる気がする。圧倒的な喪失感。


 ウルティマのトップダウンと、ウィズのイラスト的戦闘、これをいいとこどりしたのがドラクエ、さらに天才イラストレーター、鳥山明を確保できた、これは売れるに決まってるわけです。でもやっぱり、ウィズとウルティマがなければドラクエは存在しなかった。この二大始祖には感謝をいくらしても足りません。

 でもウィズファンからするとやっぱドラクエにはスリルが足らない、地道にレベ上げすりゃ誰でも攻略出来る。 

 ウィズインスパイア系のゲームは今も出続けてしますが、キャラロストする、ハードウィズなゲームは少ない。昨今のヌルゲーマーにはキャラロスは耐えられないのですな。

 ほいでゲームのボリュームを増やすと、キャラロスのダメージは精神崩壊レベルになってしまうw 50時間育てたキャラロストとかだと、95%の人はココロがおられてしまうでしょうしね。このダンジョンが10F、だいたい最高レベルは13みたいなボリュームだから成立している。

 でもハードウィズのスリルってのは、完成されたものだから、ずっと色褪せることはないのだと思います。このゲームは完成してる、麻雀とかトランプみたいに、もう完全体です。今でもシナリオだけ変更してずっと出続けるのは理由があります。



 ある人が行ってましたが、ウィズの目的はクリアするのではなくて楽しむこと。それはTRPGからの伝統です。TRPGも、最短効率でクリアを目指すのではなく。物語を自分たちで楽しむのが目的です。そこのボーナスガチャで厳選してる君w 

 ボーナス5で生まれたそのキャラクターの物語、を楽しみなさい、ボーナス5の人間の物語を自分で生み出すのがウィズなのだ。

2024年1月21日日曜日

1976 競馬への望郷 寺山修司

 私の祖母は、若くして発狂し、桜の咲く日に、一人で死んだ。


 たったこれだけの文章で、やっぱ寺山修司って文章が上手だなぁと思いましたね。桜の咲く日に というのが一個入るだけで、ただの悲しいお話が、色鮮やかなポエジーになる。

 祖母が若くして、発狂して死んだ。ものすごいドラマチックな話ですなぁ。祖母が若くして死ぬだけでドラマティックなのに


 ハイセイコーの寄せる詩も載ってますが、さすがとしかいいようがない。

今回は、お気に入りの馬と騎手を取り上げて述べるっていう感じです。過去の本との重複も多数。カブトシロー、ワカクモ、クモワカ、キーストン・・・まぁ伝説の馬達ですな。それとは逆に未勝利からまったく勝てない馬たちの物語・・・またそれに賭ける人々もすげー人々ばっかりです。祖国を追われた韓国人、隻眼のヤクザ屋さんや、結核持ちの風俗嬢。ドラマすぎる。


 4白、という話もおもろいですね。馬の足が白くなってる馬がいますが、その数で運命が決まり、全部白はだめ、3,2はまぁまぁ、一本だけ白の馬は絶対に手放すなという話。

 エクリップスがまさにその一本白であり、イクイノックスも一本白です。だからまさにその通り。一本だけソックスを履いた馬がいたら、大勝負してみるべきですね。


 個人的に印象に残ったのは、やっぱり福永洋一、ですね。つまり福永祐一の親父。


福永洋一と岡部幸雄、二人の騎手は同期なのです、花の15期と呼ばれています。岡部も新人ながらものすごい活躍していましたが、福永はまさしく「天才」で、すぐにリーディングを独占するようになった。岡部でも全然敵わなかったってことですね。

 洋一は、はやくして両親を失って兄弟だけで育つという、まさに少年漫画の主人公。この本の中ではそんな貧しい生まれから、天才としてリーディングまで駆け上がっていく、完璧なヒーローというところで物語は終わってますが、まさにその挫折を知らないヒーローは、突然の悲劇に見舞われ、落馬で予後不良、生死を彷徨い、もちろん騎手引退ということになる・・・

 物語はそこで終わらないで、息子、みなさんご存知の福永祐一が騎手になって、父の無念を晴らすべく騎手になる、天才洋一の息子、確かに美談だけれども、天才の子が天才なんてのはこれはほとんど無い話・・・・、が、実際息子も天才だったのですわ。岡部、武、福永さえ買っときゃいい時代がかなりありました。オールド競馬ファン的には、福永、という名前を見ただけでドキリ、とするのです。

 騎手を引退して、調教師になり、さて福永厩舎はいかに・・・続く。


ってわけ、馬、だけでなく、騎手もドラマにあふれているのです。


競馬ってのは、超長編ドラマだとワタシは思う。登場人物が死ぬほど出てきて、代替わりしてく、過去の因縁や、悲劇、あるいは栄光、それが絡みあんでいるドラマなのです。わかりやすくいうと100年近く続いているワンピースみたいなものなのです。


 ちなみに武豊の親父の武邦彦はひょろながくて、クールで、魔術師みたいな人間とあります、顔は息子とほぼ同じですw これも天才の子が天才だった珍しいケース。だいたい天才の子は甘やかされて放蕩息子になり、孫に才能は隔世遺伝するものなのですけどね。

1997 フロントミッション セカンド

  フロントミッションシリーズのナンバリングの二作目。


とにかくロードが長い


 ことでクソゲー扱いされていますが、今ではゲームアーカイブ、さらにはリメイクまで発売されて、ようやくプレイ可能になったという感じです。プレステ1にはオーバースペックだったということですわ。

 そんなの開発中に気づけってことなんでしょうけど、開発にはもっと高性能のワークステーションで開発は行ってて、実機でプレイしてみたら、激遅だったということなんでしょう。


 それとPS1は、実は本来発揮できるはずのスペックを出せていなかったらしいです。おいこらソニー!話がちげぇじゃねぇか!!ってことなのかも。

 クラッシュ・バンディクーはPS1のシステムをハッキングして本来の描写力を出したという、ハッキングゲームとして有名。こんなの今では考えられないことですわ。


 ただロードが長いのみならず、このゲーム、ムズゲーであります。非常に複雑。なんで複雑になったかというのも理由があります。1でマシンガンが強すぎて他はいらね、だったのを改善するために、格闘には格闘が有利な性能、遠距離は遠距離が得意な性能、足のパーツの差別化、とにかく強い武器ゴリゴリに乗せるだけではなくて、軽いパーツをのせることのボーナス・・、などなど、いらないパーツ、ってのが出ないようにそれぞれに特徴と長所短所をつけていった結果、パラメータが膨大になったというわけです。一番大事なのはもちろんAP、アクションポイントで行動に縛りが出来たこと。

 武器属性、武器種別、射程、重さ、AP消費、エンジン出力、シールド、装甲属性、地形効果、高低差、オナースキル、CPU・・・考えることが膨大にある。ちゃんと考えてセットアップしとかないと普通に負ける。戦ってる時間よりもセットアップしてる時間のほうが長いくらい。装備やアイテム間違えてるだけで致命的なことになる。


 さらに前作みたいに闘技場でレベル上げもできなくなり、育ってないキャラはベンチ行き、実質死亡。というシビアなゲームバランス。難易度自体は闘技場でカネを稼いでとにかく最強装備にすればまぁまぁ勝てる、が、ややムズといえます。逆にいうと装備が整っていないとまず死ぬ。


 育成が非常に厄介です、序盤はロングの武器が弱くて当たらないし、後半になるとレベルが低くて当たらない。ショートや格闘も同じく、育ってないと後半当たらないのでレベルを上げることが出来ません。さらに経験値は与えたダメージなのでとことん弱い能力は育てる方法がない。特にロングは序盤からかなり重点的に経験値を稼いでいないと後半からは挽回不可能。

 だが後半ロング持ちがいないと非常に苦戦することになる・・・


 CPUをクロックアップさせると性能が上がるのですが、これを見逃しがち。かなり説明不足だと思われる。カネのちからでグイグイこれを改造して命中率を上げないと駄目。


APシステムにより単騎特攻は絶対に自殺行為、それは敵も同じで囲んでしまえばフルボッコできる。


オナースキルも非常に厄介。撃墜数を増やすと特殊能力を得るってことなんですが、正直普通にプレイしていては撃墜数増えないし、降伏させてアイテムゲットなどもほぼ絶対無理だと思う。これは単純にムズすぎる。


 武器種別が多すぎるってのはまったくその通りでして、対空ミサイルと、ミサイルの種別が違うのが意味わからん。ロケットも同じく。予備弾倉持ってないとすぐ弾切れしますが、アイテムにも丁寧に重さを設定しやがっているのでなかなかそうもいかない。普通のミサイルが対空に使えないのは、まだやむなく納得出来るとして、対空ミサイルが地上に使えないのは意味わからん。当たるだろ。


 さらにシナリオもいくつかのパーティに分かれて、それが入れ替わっていくので、とくに前半、誰をどう強くしたか、どうセットアップしたかとか覚えてないし、なかなか強くなっていかない。


ネットワークによる情報集めも、やり方をわかってないとチンプンカンプン。このメインストーリーでは抑えきれなかった情報を、ネットワークなどの機能で補完するってのはFFⅧでスクウェアが不親切だとバッシングされたシステム。でもよれは良し悪しでゲームのテンポを維持するのと物語のレイヤーを深めるのには必要。でも情報を入手するのにパスワードがいるのは不親切でしかないです。


後半になると、得意なスキルはけっこうすぐにカンストしてしまいますが、例によって他の武器種をレベルあげようにももはや一切当たらないのであげようがない。しかしまぁカンストしてれば強いので別にあげる必要もないし、後半に行くに連れてスキルが揃ってくるのでどんどん簡単になっていきます。

 ただ、バグなのかなんなのかわかりませんが、Veteran、という敵に隣接すると、必ず先制攻撃され、ボディに一撃で即死で殺されます。こっちのレベルなども完全無視。

 これはまったくの謎。遠距離でボコすしかない。相手から攻撃してくる場合にはこれは発生しない。遠距離を育てて来なかった場合、ここでほぼ詰む可能性ある。またEscape持ちの敵はこっちの攻撃がカットされて無しにされるという理不尽スキルもあります。戦闘バランスは後半に行くに連れてかなりめちゃになる。まぁゲーム全体を通して良好なゲームバランスを保つってのは特にシュミレーションゲームだと大変みたいですね。スパロボも後半オーラが無双するし、タクティクスでは雷神、FMでは伝説武器持ち、が無双してしまいます。信長の野望とかだと、籠城作戦で絶対に負けなくなったり、D&Dも魔法が超火力だったり、連続攻撃持ちで瞬殺だったり・・・バランス調整がむずい・・・またそういうバランスブレイカーがいないとかなりのゲーマーじゃないとクリアできなくなるので、上手い人は縛りプレイするなり自分で難易度調整してってことなのかもね。

 ロード時間だけでなくやっぱ問題有り、のゲームです。


 そのシナリオなのですが、100年後のバングラデシュが舞台(!)、ヴァンツァーというロボット兵器がメインになった戦場で、自国の独立だとか、革命だとか、愛国者だとかが入り乱れて戦う、という第三世界の複雑な情勢を舞台にしてます。そんなの大丈夫なのか?と思われますが、当然バングラデシュから抗議されたみたい、これはそりゃそうだろって感じです。別にバングラデシュを悪く言ってるわけじゃないのですけどね。ガッツリ実名すぎる。

 世界観はどっしりとしていて、シビアです。メタルギアっぽい感じですかね。オープニングムービーを見れば、渋い世界観がすぐにわかります、人間が一人も登場しねぇのだもの。バングラデシュという国の雰囲気もあって、独特の世界観。好みがわかれますが、シナリオは◯です。

 

 一応主人公はアッシュで、空気主人公と言われてますが、アッシュは主人公じゃありません(!)実質、主人公は敵のヴェンです。主人公の戦う目的は、友人であるグリフというおぢさんを助けるため、というなかなか感情移入しずらい動機、確かにいいヤツなのだが・・おぢさん助けるために命張れねぇって。惚れた女のために戦うというジョイスのほうがよっぽど主人公してます。

 一応もう一人の主人公的なのがリザ。こっちはスクウェアの女主人公ってだいたいこれっていうタイプ。金髪のショートのクール系美女、スクウェアはほんとこれが好きですね。

 ただしリザは普通にパイロットとして弱いのが困りどころ・・・。


ラスボスはめっちゃ弱い、というかラスボスはエピローグみたいなもので、本当のラスボスは最後の一個手前。こいつはかなーーり強い。

 ボスを倒してからもわんさか敵がおしよせて耐久戦になる。うまいこと敵を引き寄せて通路を塞いでしまうのが吉。ただ戦い方がわからないとかなり追い込まれることになる。このラスボスが特にロングで削らないとやばい。というか近接だと、先制攻撃されて腕破壊されてダメージがまったく入れられないこともある。ロングでボコせば楽に倒せる。


 そういうわけでやっぱし、後半に育成が不可能になるのがバランス的にかなりきついゲームですので、ロード時間を差し引いても良作とはいえませんが、シリーズとして楽しみたい人はクリアせねばなるめぇゲーム。シナリオは、とにかくしぶい、の一言。めでたしめでたしでもない・・・



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ネタバレ注意報


1は衝撃的鬱展開が待っていましたが、2も一個爆弾を抱えています。

 ロッキーという、こいつが主人公だろ、っていうイケメンがいますが、実は主人公のことが好きだ、というホモセクシャルカミングアウトをします。わぉ。

 ゲームに初めて登場したホモセクシャルなキャラとしてゲーム史に残っております。君も目覚めてしまうかもしれないね。