2018年12月31日月曜日

1901 パーシー街の怪死  隅の老人

本文中に説明されるように

「犯行推定時刻の偽装」

トリックがリージェントパークに続いて使用されています。

 なんらかの方法で、嘘の犯行時刻を偽装して、アリバイを作るというもの。現代のように科学捜査、解剖とかで死亡時刻がわかってしまうと使えないのですが、霧のロンドンの時代には使えたのです。

 やっぱり科学、がミステリーをつまらなくしたってのはありますね。なんでも携帯電話、が解決してしまうものな・・・。科学、は探偵もお払い箱にしてしまったのですな。

 この短編はまさかの終わり方をして、隅の老人は最終回だったのですが、人気があったのかすぐに復活することになったようです。


 ワタシが読んでいる作品社の本ではこのバロネス・オルツィについての当時の紹介記事が挿入されてるんですが、バロネ・オルツィ、実はゴリゴリの貴族なんですね。
 バロネス、ってハンガリーの性なのかなって思ってましたが BARONESS つまり、男爵夫人、のこと、バロンネス、のことか!
 普通に世襲貴族なのではないか。この時代に教育水準とかがすごく高いのも納得、また外国語である英語で執筆出来る言語能力もさもありなん、ですね。貴族の教養ってわけ。

1901 リージェント公園殺人事件 隅の老人

 「あたまが悪いってことは、どんな犯罪よりもタチが悪い」

 名言。

 霧と公園、といういかにも、ロンドンらしい舞台装置の短編小説。

 さらっと読むだけだと、ふむ・・・。え?という読者にはトリックが全然わからないタイプの短編です。

2018年12月29日土曜日

1901 イギリス共済銀行 強盗事件 隅の老人

共済銀行 provident bank

 共済とは、営利目的ではない保険みたいなもの、です。保険ももともと営利目的ではないんじゃないの??と思いますけども、特に最近は保険はそうではないらしい。
 確かに営利目的じゃないのに勧誘をするのはおかしいですものね。
でも営利目的の保険会社って無茶苦茶信用できないですけど・・・。

 保険、銀行、ほどきな臭いものはないですね、クリーンなイメージをつけようとしてるところが逆に更に胡散臭いのですわね。プラスのイメージをつけようとしてるってのが鼻につく。

 作品とはまったく関係ありません。冒頭に警察は動機、を犯人のプロファイリングで重視しているが、犯罪は、動機、よりも情熱。の問題がであることが多い。事件の裏には必ず女の影がある。女の影が現れるまでは動くな。

 ということが書いてあります。女性作家らしい、感覚。

 確かにそうだと思う。犯罪者は、情熱、を持ってる場合が多い。犯罪者というよりは、オカネが好きなやつは女が好きなやつだということが多い、だと思いますね。女が欲しいからカネが欲しくて、犯罪に手を出すという。女に興味ないのに、カネは死ぬほど好きっていうやつをあまり見ない。
 カネよりも、仕事、が大好き、でオンナにも興味ないというのはいるけども。

1901 地下鉄怪死事件  隅の老人

汽車、とミステリーってのは常に相性がよくてトモダチみたいなものです。

 というか地下鉄ってそんなに昔からあったの?という感じです。

 WIKIによるとロンドンに地下鉄が出来たのは1863年。

 まぢかよ、江戸時代にはもう地下鉄が走ってたの??イギリス帝国恐るべし。地下鉄といってももちろん電気じゃなくて、蒸気なわけで、蒸気の地下鉄ってまったく想像がつきませんね。駅が煙まみれなのでは・・?

2018年12月27日木曜日

1901 フィルモア・テラスの盗難  隅の老人

 シリーズ二作目。

 はっきり言って完全に最初からオチは見えています。だけれど、早いものがちですわね。1901年だものな。

ポートワイン、というのはポルトガルのワインなんですってね。良く聞く名前だけれど、ポルトガル、のポルト、だったのか。

1901 フェンチャーチ街の謎  隅の老人   バロネス・オルツィ

 隅の老人シリーズはホームズの初期のライヴァル、フォロワーの1人として有名で、座ってただ推理するだけ、というホームズみたいなアクション派の探偵とは違う、安楽椅子探偵、の嚆矢、オリジナルだと言われています。

 このフェンチャーチ街、はその一作目。まだまだ構成が甘い、と言わざるを得ませんがまだ推理小説っていうものがそれほど固まってない時代ですからね。でも短編で読みやすく、独特の雰囲気。霧のロンドン、のそれ、が詰まっていて、それが好きな人にはたまらない。

 バロネス・オルツィはハンガリー人、で、ハンガリー人の作家の本を読んだのは始めてかもしれません。というわけでこれから隅の老人シリーズが続くことになります・・・

2018年12月26日水曜日

2010 ラジアントヒストリア

 アトラス先生によるDSのロープレ、あんまし有名では・・ない?でもリメイクも作られているのである程度は売れたはず。

 時間を巻き戻して歴史を変えていく、というFF13-2と同じ感じのゲームです。ロープレ、というのは時間が逆に動かせる。という発想から生まれたらしい。ゲームのシステムはオーソドックスなロープレにちょっとアクションと謎解きがあるという、昔のスクウェアチックなゲームと言ったらいいのでしょうか?

 戦闘システムはマス目があってそれによってタクティクスが変化するという、ロックマンエグゼみたいなシステムです。

 とにかく時間を戻す。というのがキーポイントで、普通なら裏技扱いの過去に戻って・・というやり方が、このゲームでは常道です。常に時間を巻き戻して進む。


 「これは重要な決断だぞ・・・よく考えろ」

 という戻れないよフラグ、を出して来ますが、まったく気にする必要はありません、いつでも、どこでも過去に戻ってやり直せます。
 分岐でどっちかにしか進めない、みたいな言い方をしますが基本的に

「すべての分岐を踏む」

ことでフラグが立って進めるようになります、結局全部やるんかい!っていう感じ(BAD ENDにつながる選択肢は見なくてもいいんですけど)

 詳しく言うと、ハイスルート、とロッシュルートがありますが、必ず全部のフラグを回収することになる。時間を戻してフラグを立てていくのは結構むずいです。
 思ったよりも、敵が強い。というのがさすがアトラス先生ですね。中盤あたりの攻撃力のインフレがすさまじく、一発で全体のHP2/3もってかれて二発くらったら終わり、みたいなのがザラ。
 さらに鬱陶しい雑魚がめっちゃ多いです。バステやら仲間呼び、バフがやたら強いなど・・。あとまったくダメージが通らないカニがいるし・・・主人公のストックの攻撃力が弱くてほぼダメージソースにならないってこともかなりある。


 プレイアビリティ、がちゃんと考えられてるゲームで、セーブポイントが豊富で、いつでも時間を戻せるし、さらにイベントスキップだけでなく、テキストスキップ機能もついています。(同じ場面、に何度も戻るから)戦闘にはオート戦闘もあって、レベル上げも楽ちん。


 ストーリーは硬派っていうのか、シリアスっていうのか。あまり遊びなく、正統派な感じでずいずい進みます。セカイが砂漠に飲まれる・・・けど大国は戦争をしてる、戦争を止めてセカイの砂漠化をとめなくっちゃ!というなかなかのわかりやすしなやつです。お決まりの超兵器、

 キャラデザは独特、奇抜ってこともないけれど、今風でもありません。ただやっぱドット絵調なのはワタシ的には高得点、やっぱロープレはドット絵じゃなくっちゃ!

2018年12月24日月曜日

Apple ID ハッキング

 今朝未明に、Appleからメール、DQオンラインをインストールしましたか?


 インストールしたどころか、Apple IDなんて知らん、大昔にItunesにアカウントを作ったことは覚えているが。
 
 ハッキングされた!!

 しかも課金アプリゲーム!!!ヤバス!!めちゃくちゃ課金されてしまう!!

Appleにログイン・・しようとしたが、ログイン名もパスワードも忘れた!

 パスワード再設定!

本人確認質問に答えて下さい

ジーザス!!本人確認質問の答えも忘れた!質問の答えを再設定。

与えられた情報では再設定出来ません。

 なんだと!!!お手上げかよ!!このまま課金されほうだいにやられてしまうのか!ヘルプセンターへの電話?・・・FUCK! 思い出せ!

 何度も質問の答えを再入力!

通った!ふぃーー!まだまだ脳細胞は死んでなかったぜ。早速支払い情報、クレカの登録を削除・・・。


 削除出来ません。


なんでだこらぁ!!APPLEふざけやがって!クレーム入れてやる!


クレーム入れる前に購入履歴を確認してください。

仕方ねぇ、購入履歴確認!


 Connecting to Itunes Store...


ロードされない。

F5連打。

つながらない。まじで腹が立った!くそリンゴめ!だから嫌いなんだ。

しばらく放心状態。クレカの登録削除をもう一度ためす・・・今度は出来た!なんでさっき出来なかったんだよ!!

購入履歴には相変わらずつながらない。クレームもいれられない。

Itunesのアプリをダウンロードしてそっちから接続すれば??Chromeが開かないだけ??アプリをダウンロード(めんどい!!)

アプリからはすんなりつながる!糞が!購入履歴・・!?わけのわからんゲームに課金してる模様。しかし「保留」状態。ギリギリクレカの停止が間に合った!?まだ決済はされてない模様。

 即効でアカウント削除しようとすると

JPY 50 残っています、使い切らないとアカウント削除出来ません。

いやクソかよ!50円じゃ何も買えねぇし!残額残ってないとアカウント削除出来ない!?おのれぇ!!

 しょうがなくアカウント停止、アカウント停止はギリギリ出来た・・はぁ・・・。

手続きに一週間かかります

かかりすぎだろこのポンコツが・・・

クレカのホームページで使用履歴を確認、どうやら使われてない・・はぁ・・・・ギリギリだった・・・・。

 というわけで早朝からサイバー戦争でした。アップルはほんと腹が立つ。エラーばっかり!ソフトも重いし使いにくい!今後一生縁を切ります。


 しかしメールとパスワードが流出したのはいいとして(こんなのもはや日常茶飯事になってるものね、アカウント乗っ取りとか)、ハッカーはどうやって質問、の答えを出せたんだろう?ワタシ本人でさえ忘れていたのに???

 Apple IDのセキュリティロックがザルなんじゃねーの??みなさんもApple IDを使ってるかた、クレジットカードは危険だから登録はやめたほうがよいと思います。といってもIphone ユーザには無理なのかも。ほんと信用ならねー会社だ。


 Huawei がアメリカからBANされようとしてますね、国防安全情報を流出させているとかいって。
 いやいやいや、きな臭すぎるだろそのやり方。完全にロビイングと政治的圧力でHuaweiを市場から締め出そうとしてるとしか思えない。それに国家安全情報だから情報内容は公開出来ません、ってことに出来るし、ひどいやり口。アメリカはほんと落ち目なのかも、なにか財政的な大爆発を起こして一気に沈む可能性がありますね。株価もまたバブルはじけるのでは?

 なんにせよ最近はBAN、BAN、BAN!! BAN ばっかり、ほんとうに疲れた。死にたくなります・・・

 ふぇ~とにかく朝から疲れた・・・。たまたまワタシは早朝に起きてたから良かったものの、あのまま放置していたらと思うとゾッとします。ある意味でワタシはすごい最近運がいいのかも、紙一重で最悪の事態の避けるっていうことが続いています。

2018年12月23日日曜日

1972 ブッダ 手塚治虫

あるきっかけでこのマンガを読むことになりました。まぁ隠す必要もないのですが、杏花氏のラジオがきっかけです。
 ワタシは手塚治虫が嫌いなので手をつけていなかったのですが縁、が出来たから読むことにしました。ワタシはこういうめぐり合わせみたいなのを大切にしておって、それまで興味があってもなんかきっかけがあるまで寝かせておくことにしてます。ブッダに関しては一切読むつもりはなかったけれど・・・。

 1972年って思ったよりも最近のマンガなのだなぁと思いました、もっともっと古いマンガだと思ってた。っていうか手塚治虫って結構最近の人なのだなぁと知りました、ワタシのイメージでは1960年代には死んでるイメージ。
 

ブッダの生涯?をおってるようで、めちゃくちゃオリジナルなシナリオで、一体どういうこっちゃ?脈絡が無いのでは?っていうくらいはちゃめちゃな展開をします。
 といっても、ワタシはブッダの本当?一般に流布している生涯っていうのを知らないので元ネタを知らないから、どこがオリジナルなのかわかりませんでした。仏教ってのはキリスト教と違って、これがバイブルってものがなく、いろんな本が雑多に存在するので何がオリジナルなのかもわからないのですけどね。
 それにしても、話の展開がミライに言ったり過去に戻ったりと、バラバラなので、どういう展開??ってのが多いですね。

 しかし、これは名作であることは認めざるをえません。どういうこっちゃ、ということもあるし、やっぱりこういう描写が嫌いだ!手塚治虫ってやっぱりワタシのクズセンサーが反応する、ってとこもたくさんあるんですけども、すごく挑戦的でチャレンジ精神に溢れてることを評価せずにはおれませんね。特にメインキャラがどんどんあっさり死ぬところが良いですね。死ぬんかい!!っていうくらい死にます。あんだけいろいろフリをしておいて、死ぬという。フリをちゃんと回収する、ってのが掟みたいになってしまってる現代マンガと違って斬新な感じがします。

 でも一体全体どういう出版社がこんなマンガを連載させていたのだろう??どう考えても子供がこのブッダなんてマンガに興味を持って応援するなんてことはありえない、しかもかなりの長期連載です、どういう媒体??って思って調べたらはっとしました。なんと潮出版社なる、創価学会系の出版社だとのこと。
 
 はっ・・・、すべての点と線がつながった・・・。
 
 よってこれ以上何も言うまい。すべて理解。そういうことか・・・。

 最近なんとアニメ映画にもなっております。いやいやどこがカネ出してんねん!ってこれも思ったのですが、すべて理解。なるほどなぁ。そういうバックがあったのな・・・。


 宮崎駿はやっぱ手塚治虫のフォロワーなんだなぁとも思いました、かなりカットの作り方、がかぶっています。手塚が死んだときに駿氏だけがあいつのせいでアニメは制作費が少なくなったんだ!と1人酷評していたのは有名な話ですが、やっぱり仮想的というか、超えるべきライバルとして特別な存在だったのでしょうね。
 あとベルセルクの作者も手塚ファンなんだろうな、と。ある世代より上のマンガ家にはやっぱ手塚治虫は絶対的存在なんだなーって感じですね。ワタシはやっぱり手塚治虫は好きじゃないです。水木しげるのほうがよっぽど好き。
 けれどクズでも才能はあるってことはあります。むしろ才能がある人間は人格者だというほうが珍しいし、間違いなんだと思います。どっかぶっ壊れてる人間のほうが断然面白い。
 ブッダは火の鳥、がCOMの廃刊で連載先を探してたときに、潮出版からの依頼で火の鳥の子供向け版、として書かれたものだと書いてありました。そういうわけなんで火の鳥もやっぱり一応目を通しておこうかな・・・。

2018年12月19日水曜日

1947 新宝島 手塚治虫

 散々ワタシはどうも手塚治虫とそりが合わないので一冊も読んでないと書いてきましたが、やっぱり元ネタを知ろうというわけで読んでみました。

 この新宝島はデビュー作ではありませんが、最初のヒット作みたいなことで、手塚治虫が世に出るきっかけとなった作品であり、しかも相当なヒットとなって、戦後のマンガブームの口火を切ったということらしいです。

 まぁ戦後のマンガブームってのをどっかで決めようとしたらそりゃ戦後すぐに出たマンガが有利なのに決まっていて、とにかくなんでも新規まき直し、という社会の機運と合致しています。
 戦前、にもマンガはありました、のらくろ、みたいな。でもだいたいは、軍国主義的なノリだったのでなかったことにして、手塚治虫がマンガのゴッドファーザーということになっているのです、された、というべきかもしれません。
 
 タイトルからわかるように、スティーブンソンの宝島、がモチーフになっているし、絵面もディズニー、物語の底に流れる概念、みたいなのも白人礼賛主義みたいな調子です。

 ターザン、は「れっきとした白人の、文明人じゃよ」

というセリフもあるし、野蛮人、として黒人が描かれている。今なら完全にアウトな人種差別てんこもりの作品。

 しかし1947年、っていうのはそういう時代だったというわけです。別に手塚治虫の落ち度ではない。社会がそう言え、っていうことになってたのだし占領下なのだからあたりまえ。
 それでも手塚治虫のアメリカ憧れ、みたいなのが出ていますね。


 マンガの表現としては、マンガというよりも、絵コンテ、という形でコマ割りも絵コンテ、アニメーションの絵コンテをマンガにしたっていう感じそのもの、手塚治虫はアニメーションが最初っからやりたかったのだなぁという感じです。

2004 クトゥルフ神話TRPG

  いま話題の? クトゥルフTRPGのルールブック。タイトルだけだとわかりませんが、この本がクトゥルフTRPGの聖書みたいな本です。公式ルールブックみたいなもの。通称ルルブ(ルールブック)。この2004年出版のが最新版で、第六版?です。

 ワタシもTRPGは全然無知だったのですが、なにか誘われるようにこの本を手にしてしまいました。こういう呼ばれる本、というものがあって(まさにクトゥルフの呼び声)、だいたいそういう本はすごく貴重な本。まさにその通り、この本は良い本です。別にTRPGをしたいというヒトではなくても、読み物として、なるほどー!そういうことか!ってのがわかるし、単純に面白いです。


TRPGがいわゆるビデオゲームRPGの先祖ということになっていますが、本質的に、TRPGとVRPGは別物です。VRPGはシナリオは決まっていて、プレイヤーがシナリオをいぢるってことは基本出来ない。エンディング分岐があるとはいえ、シナリオはすべて、決まって、います。
 TRPGは大枠としてフレームワークがありますけれど、展開、はキーパーとPLのアドリブ力というか、想像力、演技力、などで無限に広がっていきます。ゲームというよりは、むしろ即興劇を発展させたものという感じ。PLの資質、がゲームの良し悪しにかかわってくるのが最大の違い。

 なんで今になってTRPG?っていうことではないんですね、本質的にVRPGとはまったく異なる遊びなのです。むしろ、他のどれよりも、すごい高度、な遊びです。ゲーム、文化が広がっていくにつれて、もっと高度なもの、として最後に行き着くものなのかもしれません。ダイスを振って戦う、バトル版すごろくみたいなものだと思ってるヒトが多いと思いますが、じつは本当はそこはあまり重要ではない。別に勝つことが目的ではないのです。


 そういうわけでTRPGは、キーパー、もPL、にも、高い想像力というか総合的スキルが求められます。なんてレベルの高い遊びなんだ!w 理想的には参加者全員がこの6000円もする本を理解し、世界観を頭に叩き込み、準備万端で挑まないといけません(全然無知なPLというのがいても、予測不能な行動をする要素として面白いかも)。
 プレイ人口が少ないというのは当然という感じです。全く万人向けではない、とにかく要求レベルが高い。選ばれしもののゲームですね。


 何よりも、この本を、というかクトゥルフTRPGを作ってる奴ら、プレイしてる奴ら、には情熱が有り余ってるということが伝わります。こんなにしっかり描かれてる本ってのはあまり無い。いろんなことがとにかくしっかり練られている。普通一冊の本を作るのにここまで情熱と時間が注ぎ込まれてることってのはあまりない。(医学とか自然科学の専門書とかを除いて)特に最近の本では本当に少ない。
 もわっ!としてる。うわっ!濃いのが来た!っていう感じ。


 本の構成としてまず「クトゥルフの呼び声」というラブクラフトの小説自体があって。そこから、少しづつ世界観をまじえつつ、TRPGってのは何?クトゥルフってのは何?例えばこういうこと。コンセプトを紹介、実例、データを紹介、実例、ルール、レファレンス知識。ラブクラフトの伝記的紹介、地球創生からクトゥルフ生物たちの関わり(!)、言語、人類学的なクトゥルフ神話の読み解き(!)、精神病に関しての情報、精神治療の歴史・・と続きます


 世界観がしっかりしてる、とよく言いますけれど、こういうのを世界観がしっかりしてると言うのでしょうね、とにかく分厚い。


 総じてなのですが、やっぱりアメリカなのか、欧米なのかわかりませんが、向こうは「リアル志向」が強いですね。
 は!?こんなクソゴリゴリのオカルトの最北端みたいなゲームなのに!?って言われるかもしれせんが、設定、はゴリゴリのオカルトでも、ルールはリアルに徹するというのでしょうか。
 特にクトゥルフモンスターには勝てない、ってのが日本的なゲームとは違いますよね。日本のゲームだったらそうはいっても、何かしら、勝つ手段、を用意する。実はこの魔法だけは効く、みたいに。
 けどクトゥルフモンスターは異世界、異宇宙の存在であるので、人間などの努力など無、であり、逃げるか封印するしか手段はない。っていうふうに、そこはリアルなんだ、設定はむちゃくちゃなのに、そこはリアルなのか・・・。っていうところに一番の欧米と東洋の違いを感じますね。

2018年12月14日金曜日

1920 スタイルズ荘の怪事件  Mysterious Affair at Styles

 ワタシは結構本を読んでるようなツラをしてますが、アガサ・クリスティはほとんど読んでませんでした。オリエント急行だけはあるきっかけで読むことになりましたが。

 なんでそんなことになったかというと、ワタシは物事を時系列にたどりたい性質なので、推理小説の歴史から紐解いて順番に読みたかったというわけでです。ポー、月光石、ホームズ、ブラウン神父、そしていまアガサ・クリスティにたどりついたというわけ。

 このスタイルズ荘、はアガサのデビュー作なのですが、デビュー作と言っても、作者30の時の遅咲きの作品ですので、遅れてきたルーキーってとこですかね。

 デビュー作にしては完成度が高すぎる、というべきなのか、アガサにしては未完成って言うべきなのかっていうような作品ですね。

 ミステリーの難しいとこで何を言ってもネタバレになってしまうので描くのが難しい。ただアガサはやっぱ♀なので、恋愛、に執着するよなぁってとこですね。そこがやっぱワタシとしては苦手で、ホームズ派になってしまうとこですかね。ホームズは色恋ネタはほとんど出てこない、そこがホームズのかっこいいところ。

 
 アガサはちゃんとしたデータがあるのかどうか知りませんが、世界最高の売上を持つ作家らしい。JKローリングにもはや抜かれたかもしれませんがアガサは作品数が多いですからね。あとマンガ、は本としてカウントされてないと思う。だとしたら鳥山明のほうが売上が高いでしょうし。
 というわけでこれから長期にわたってアガサ・クリスティシリーズが続くことになるでせう・・・。

2018年12月12日水曜日

1927 チャールズ・デクスター・ウォード事件 the case of Chales Dexter Ward H・P ラヴクラフト

  ラブクラフトの数少ない長編小説で、人によってはこれが最高傑作だ!というヒトもいるとかいないとか。

 作者もお気に入りの作品だったらしく、出版社に手渡すことはしないで、手元に保存されていたものが死後出版されました。ラブクラフト的にはバカな編集者に批評されるのが我慢ならなかったのでしょう。大衆受けを狙うのも面倒だった。すごいその気持ちわかります。どうせアホどもにはわからん。っていう諦念が後期HPLの特色なのかも。

 そしてちょっと半自伝的な作品でもあります、明らかにウォード青年はラヴクラフト、が本当はたどりたかった道筋、みたいなものをたどっている。

 プロットを話すとネタバレになってしまう通り、この小説は、ホラー探偵小説、みたいな作りになっていて、ミステリーとホラーが合体してる感じになっております。これが今までにないジャンルで、まさにHPLがパイオニアになって生み出したジャンルだと思われます。

 〇〇に似ている、という説明が出来ないので非常にレビューを書くのが難しい。とにかく、探偵小説、のトリックに当たる部分に、黒魔術っていうのか、ホラーチックなトリックが使われていて、いやそんなのなんでもアリだろ??っていう感じを、緻密な設定描写によって真実味をもたせているという感じ。

 すごく、設定にこだわる性質の人間です、HPLは。本当に古いものが好きなのだなという感じ。よくここまで・・・、っていう。オカルト好きにはたまらないものをひたすら取り込んでおる。これは好きなヒトは本当に垂涎モノの小説でせう。

2018年12月9日日曜日

2013 賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編

  カイジの第五部にあたるのでしょうか、ワンポーカー編。

 一枚のカードのみのポーカーという激烈シンプルなギャンブルで、面白くないとか酷評の嵐でしたが、じつは最長の16巻になっています。

 カイジは黙示録、破戒録、堕天録、と最初のほうはすべて13巻構成で、狙ってやってるんだったらすごいなぁと思ってましたが、和也編からそれはくずれて、10、16となっております。最初の三部のほうが面白かったというヒトが多いことでしょう。

 が、そうは言っても読ませてしまうのがカイジの地力の強さというのか。賭けぐるい、なる、いやこれカイジを美少女にしただけじゃん、みたいなフォロワーもいますけど、やっぱカイジのほうが良いですね、ワタシは。

 カイジ、も普通のマンガとは全然違うことを言います。

「命じゃねぇ、大事なのは。人生だろ、リスクを取らずに長生きしたところで、人生が空っぽならなんの意味もねぇ」


 こんなことは普通のマンガは絶対言いませんね。しかしワタシは断然カイジに共感します。本当にそう、時間、の長さは本当は意味がない。

 
 このシリーズはずっと和也との対決なのですが、和也というキャラクターは、超大金持ちのボンボンであるが、それゆえにみんなカネ目当てでよってくるだけで、友情とか愛とかを信じられないねじまがった人間という設定なのです。こういうキャラ設定はよくあるのですが、そういうキャラの中では群を抜いてリアリティがあるキャラだと思います。

 作者もそうで、カイジもアニメにも映画にもなり、金銭的にも豊かになりむしろ、作者はカイジよりも、和也の気持ちを理解出来ると思うのです、実はこのマンガの主人公はカイジではなくて、和也なんだと思う。

 そいで和也、っていうキャラクターは日本に生きてる私達、にすごい重なる。そうは言っても豊かに生活していて、世界中の人間から嫌われている。爆買いをする中国人を見てるとそれが反面教師でよくわかる。金儲けのために、接客してるけれど、ココロの底では軽蔑と憎しみしかない。それは他の国に観光に行ってる日本人を見る目と同じってことです。

 そんなことないってのは大嘘、っていうのは、いま外国人労働者の扱いがひどすぎる、みたいな暴露でも明らかです、ココロの底、は憎しみでいっぱい。本当は嫌われ者だと理解してる、でなきゃあんなこと出来やしない。

 やけに最近ヒーロー、というコトバを耳にするのもたぶんその裏返し、アメコミのヒーロー、など、アメリカ人は自分たちがヒーローじゃなくて倒されるヴィランだって誰よりも理解してる、日本だって同じことだとワタシは思います。

2018年12月7日金曜日

2014 刃牙道

 範馬勇次郎との親子対決が終わって、それでも続編が続いているということは知っていたのですが、一体何を描いてるの??って思っていましたら
 
 なんとクローン技術で再生した「宮本武蔵」と対決していました。

 いやいや・・・、無茶苦茶や・・・。マンガとしても無茶苦茶のリミッターを外しすぎているという気がします。これは・・・終わりどころを間違えてるのでは・・・。いつまでも終わらない、これが最近の週刊漫画の悪いところですけど、刃牙もその愚を犯しているのでは。

 特にチャンピオンって漫画雑誌はそういうとこがあるんですよね。ドカベンもだいたいのひとは大甲子園までしか読んでません、ワタシもそう。でもあれで完全にマンガとしては終わってますよ。

 スポーツから始まり、やがてルールが少ないヴァーリ・トゥードになり、さらに審判のいないストリートファイト、喧嘩になり、さらに真剣、勝負。殺し合いになる。
 殺し合いの先はありません、命よりも価値のあるベットってのが存在しないから。人間が唯一いくらカネを積まれても手放さないもの、それは自分の命だけです。それ以上は無い。

 だいたいロボットアニメとかでも同じ様なことです、街を破壊、都市を破壊、国家を破壊、星を破壊、人類を全滅。それ以上、はない。人類を絶滅させたら終わりです。続けようがない。やりすぎました。

 
 それでもまだまだ刃牙は続けるみたいで、今度はなんと相撲編、みたいです。ここに来て!?


 ドカベンも終わったらしいし、刃牙も終わらせるべきですよね、まぁチャンピオンとしたらその看板なくなったら一体どうすりゃいいのか、路頭に迷うってことなんでしょうけど。
 

2018年12月5日水曜日

2018 プロフェッショナル 宇多田ヒカル

 再放送でしたが宇多田ヒカルのドキュメンタリーを見ました。

 宇多田ヒカルってこんな顔だったっけ??っていうのがファーストインプレッションw なんかもっと下膨れの顔だったような・・・、なんかシャープなフェイスラインになりましたね。あとメガネっ子だったってこともしりませんでした。
 で35才ってのにもばびった。若っ!!15才でデビューしてまだ35なんですねー・・恐ろしい子!w でもキャリアでいうと20週年・・・ベテランアーティスト・・

 で、ヒッキーの制作現場ってのもあるんですが

「普通!」

 ってのが一番印象的でしたね。そのへんのアマチュア宅録ミュージシャンとほとんど何も変わらない。MIDIキーボードにマイク、モニター、ラップトップ、それだけで曲を作ってる。

 もちろんそっからスタジオにスタジオ・ミュージシャンを呼んだり、オケを呼んで録音したりっていうのはプロとアマの違いではありますけど、基本的にやってることは、アマチュアでもセカイトップクラスの金持ちアーティストでも同じなんですね。
 ただ違うのは、才能、だけです。


 宇多田ヒカルって、ワタシの中で、才能人だってのはそんなの誰にだって明らかですけど、ワタシの予想、を裏切るタイプのヒトで、すごい珍しいグループの箱に入っています。
 だいたいこのヒトはこうだろうな・・、っていうのがあって、その枠から外れるってことはほんとにめったに無いんですけど、ヒッキーはその中で例外中の例外。読めないヒトというイメージです。
 正直このヒトは絶対ダメになる、というカテゴリに入れていたのですけど、どうやらそうでは無かったらしい。かなり確信を持って、あっこのヒトはダメになるタイプのヒトだ、って思ってたので、ものすごい意外。
 ワタシはこの人間整理ボックスを外すってことはめったにないのです。こいつクズだな、って判断する目利きとしてかなり優秀だっていう自負がある、特に悪くなる、ヒト、を見極めるのは経験上外したことがなかったのですが、ヒッキーに関してだけは全然当たらなかった。良くなってる、とは言わないですけど、ワタシが思ったように悪くはならなかった、全然別の方向に進んだ。
 もっとサバサバして合理的なヒトだとも思ってたけれど、実際はエモいヒトだってのもすごく以外。ミュージシャンとしてはめっちゃ困るプロデューサーですねw感情論ばっかりじゃねーかよ!わからねーって!っていう。


 あと突然取り出した本が、ナボコフの「Pale Fire」って・・かっこつけすぎでしょw 超読みにくいで有名な本です。 ワタシも大学時代にかっこつけてこの本読んでたってことを思い出した。マヤコフスキーじゃなかっただけましか・・。

2018 The Nature of Imitation Dorian Concept

 2018年のベスト・アルバムを発表します

 ドン!

Dorian Concept   The Nature of Imitation

わぁっ!


 ぶっちぎりだと言っていいと思います。たぶんいろんなメディアでこれから、今年のベストアルバムは~~・・、みたいなのをやっていると思いますが、トップ1じゃなくてもトップ10にこのアルバムが入って無かったら、そのメディアはゴミクズです。
 そのくらい、圧倒的にこのアルバムが図抜けています。ここ数年、でもトップに入るかもしんない。


 ただ、普通のリスナーのたぶん98%はドリアン・コンセプトなんて聞いたこともないかもしれません。世間、のいわゆる音楽賞って歌もの縛り、があります。それがある理由が意味がまったくわかりませんが、シンガーがいて、歌を歌う、というものが、いわゆる音楽だと思ってる輩がたくさんおる。ダフト・パンクみたいな、歌もある、っていうダンスミュージックが賞をとることもあるけれど、エレクトロ系のミュージシャンが普通の音楽番組とかメディアに登場することは非常に稀。なぜか敷居が高い。

 日本には、まずエレクトロ系の音楽を扱う、っていうメディアがほとんど存在しない。まずそんなテレビがないし、ラジオ番組もたまに流すことはあっても、全編エレクトロっていうのはワタシの知る限りでは存在しません。

 ぶっちゃけ歌もの音楽、はここ30年、何一つ進歩が見られない。まったく同じことを30年続けてます。さすがに飽きた。何か進歩じゃなくても変化、が見られるのはHIP HOPとエレクトロ、この2ジャンルだけです。後は全部前に見た、ってものばっかり。
 歌っている人間、が変わったり、歌詞が携帯からスマホに変わっただけで音楽的にはまっったく同じ。


 もっと言うと、歌うこと、ないだろってワタシは思う。だって戦争が無いんですもの。闘争がないんですもの。何も言うことなんかない。全部空っぽの嘘っぱちです、実体験がなにもない。決まり文句を言ってるだけ。何も言いたいことなんかないのに、曲を作って売らないといけないからひねり出してるだけ。何か言いたいことがあって歌があるのではなくて、曲が出来たから、歌をつけないといけないっていう順序なのです。
 この何も言うことがない、っていう時代の空気を一番反映してるのがエレクトロミュージックだと思います。だからこそ、これが時代の音。

2018年12月4日火曜日

1998 BLAME!

 ポストエヴァー世代というのでしょうか。エヴァーが映画も終わって完結したあとで、最近なんか面白いものある?と聞くと、マンガに詳しいヒトは決まって、ツトム・ニヘイ。と答えたものでした。
 どういうわけか弐瓶勉、ではなくてツトム・ニヘイ、と言われていたわけは、弐瓶勉が評価されたのは海外のほうが早かったからだと思います。逆輸入みたいに、海外で人気の漫画家、ツトム・ニヘイっていう感じでした。ワタシは最初は日系アメリカ人だと思っていました。


 読むとわかるのですが、なんていうのですかねこういうジャンル、ハードSFっていうのか、海外のヒトが好きそーな感じのやつです。
 この手のタイプの絵ってたぶん源流はやっぱりギーガーなんでしょうね、頭部が陰茎だったりするのはペルソナにもベルセルクにも出てきますけれども、オリジナルはたぶんギーガーなのでは・・?バイオメカニズムという、肉肉しい機械みたいなうやつ。BLAMEのケイ素生命体、の脊髄っぽいデザインもギーガー風。このギーガー風のダークな感じってのは海外ではメタルと同じように、一定数以上の根強いファンがいるのです。増えもしないし減りもしないっていう、独立したコロニーを持っている。

 ギーガーはエイリアン、のデザイナーとしても有名で、クトゥルー関連の本のイラストもかなり描いております。ギーガー自身が何をモチーフにして絵を描いてるのかは謎。やっぱりギーガーがスイス、スイスというかドイツ語圏に属するってのが大きいんじゃないでしょうか。デューラーとかボッシュ、ブリューゲルっていうようにあのヨーロッパの内側のほうってなんというか、ダークっていうかしめっぽい、スペインとかフランス、イタリア、とか日の当たるところのカラっとした感じと違って、じめじめした感じがするのです。
 枢軸国家、AXIS、にドイツ、日本が集まったのはやっぱり因縁があって、すべて陰湿なド変態を生み出す気候です。日本のエロ、もかなり気が狂ってますけど、やっぱりそれに対抗出来るのは、ドイツしかありません。SM、スカトロ、人体改造、日本とは違う方向の気が狂った変態がたくさんいます。それとAXISの国家はすべて自動車産業が盛んという共通点もある。

 さてマンガに話を戻すと、このマンガ、作者は恐ろしく絵が上手くて人物の顔が歪んでしまっているのか、それともただ単に絵が下手なのか判別が付きません。背景の世界観はすごいのに、人物、特に顔が、どっどういうこと・・??ってくらい歪んでいます、わざとそうしてるのかわかりません、もしかしたら作者には本当にこういうふうに見えてるのか??と思うとすごい恐ろしい。あと全員同じに見える、という弊害もあります。セーフガード、統治局、ケイ素生命体、など、敵味方いろいろいるのですが全員見た目が同じで判別不能。これもわざとそうなのか、1つのパターンしか持ってないのか、カオスがそうさせているのかわかりません。

 プロットもなんのこっちゃわからんっていうヒトもいるかもしれませんが、深く理解しようとしちゃ駄目です、考えるな、感じろ形式のものなので。理解しようとすると意味がわからなすぎて吐きそう、ってなると思います。特に10巻なんてひどい。終わり方も、やりおった!っていう感じのぶん投げ感。まぁキレイにすべての謎が解決されるなんて誰一人期待してなかったと思いやすけど。

 ただこういう背景、だけで物語を語ることが出来る作家ってのはマンガ力が高い証拠です。弐瓶勉は現役の作家の中でも指折りのマンガ力だと思う、当時と比べて今ではもうかなりメジャーな作家になりましたね、それも当然。もっと早く映画とかになると思ってましたが。なかなかメジャーになるまで時間がかかったです。庵野秀明の次は弐瓶勉しかいない。っていうふうにすぐなると思ってましたが。

 逆に絵がうまいけどマンガ力が低い作家の特徴は「顔マンガ」です。よく「顔マンガになっちゃだめ」、っていうふうに言います。コマの殆どがキャラの顔だけで、世界観とか場所とか、が全然伝わらない。アニメーションとかでもそうです、キャラの顔のアップばっかしで、動きが全然ない、背景が置いてけぼり、ハリボテになっている。これが悪い漫画、悪いアニメの典型。しかし、実際にはほぼすべてのマンガやアニメは顔マンガで、顔マンガのほうが人気があったりする。
 萌アニメなど美少女中心のものは大概この顔マンガ、顔アニメです。いくら悪かろうが、そっちのほうにカネを出すヒトがいるんだからそっちが正しいってことになる。
 
 というわけで10年以上も前から知ってて、よしこれは後で読もー、とずっととっておいてたら、こんなに時間が経ってました。こういう、今はその時期じゃない、ってずっと塩漬けにされてるものってあるよなぁ・・なんででしょう。
 特にワタシはこれは良い作品だ、ちゃんと読まないと・・・っていうものを後回しにする癖があります。貧乏性なのか? 貧乏だったら奪われないためにすぐ食べるはずだから、ブルジョア趣味なのか?

2006 範馬刃牙

 刃牙第三部で事実上の完結編みたいな感じ・・と思いきや、刃牙道という形で第四部が始まって、あれ・・??終わりじゃないの??っていうことになりましたが、とにかく刃牙と勇次郎の対決なのです。

 が、このマンガ展開がむちゃくちゃで、ずるずる~~っと対決を後伸ばしにして、まずピクル編が始まり、それが終わって、対決かな??と思いきや、なんかいろいろなサブストーリーが入り、さらには烈海王のボクシング編が始まり、なんと途中でぶった切られるように終わり、親子対決に突入するまでものすごい時間がかかります。

 まぁそんな紆余曲折を経ながらも、最終的には、勇次郎に味噌汁を作らせて終わりますw 

 刃牙はもう通算この時点で100巻超えてるのですよね、ただの格闘漫画で100巻て・・・。まぁ最近は100超えるのが珍しくないですが、とにかくこの作者は休まないってことですよね。とにかくページは埋める。休まない、週間連載の作家としてはプロフェッショナルですね。


 実は刃牙ってスニーカーマンガでもあるとワタシは思っています。やたらスニーカーの描写が細かい上に、ちゃんといつも違う靴を履いている。普通面倒だからコンバースならコンバース、ブーツならブーツにしちゃいますけど、刃牙は常にスニーカーにはこだわっている。ジャックハンマーでさえかっこいいスニーカー履いてますからね。


 しかしマンガとしてはなんか無茶苦茶な気がしまする。しかしそれも含めて刃牙なのかもしれません。それが刃牙道なのか??

2018年11月30日金曜日

2002 スーパーマリオ サンシャイン


 ウルトラメガヒットゲームマリオ64の続編としてゲームキューブで出たソフト。今回はリゾート地が舞台で、ポンプを使った、水、の描写に重点が置かれたソフトです。GCで水のレンダリングが出来るようになったよという意思表示でもある。

 マリオ64はワタシはすべてのスターたぶんゲットした・・かな?100枚コインで抜けがあったかも・・まぁそれくらいやりこんだのですが、これは一切やってませんでした。ゲームキューブを持っていなかったので。
 そんだけハマったのだから続編にも手を出しそうなものですが。ゲームキューブがマイナーハードだったので影が薄いですね。

 このゲームも出来自体はまったく悪くない、どう考えてもよく作られている,
文句無しの良ゲーなのですが、マリオ64という前作があまりにも出来が良すぎたためにどうもなんか評価が低くなりがちです。マリオ64がなくっていきなりこのゲームが出ていたら、ものすごい名作ってことになるのに。
 そういうものってありますよね、それ単体では明らかに名作なのに、ほかに超大作とかが同時期にあって見逃されてしまうという。

 マリオ64は出来がすごい良かったというだけでなくて、ほとんどのヒトにとって3Dのキャラクターを自由に動かせる初めての体験だったと思います、FF7もあったけど別にあれはアクションは出来ないので。初めて、の感動を超えるのは難しいですわね。マリオ64を見た時は文字通りバビりましたからね、3Dでキャラ動いてんじゃん!なんじゃあこりゃあ!って。



 ただ64とくらべて・・・

  ポンプを使うのがメインのため、幅跳びなどのアクションがなくなりました。なんとなくマリオの操作性が悪くなった気がします。あとパンチとキックがなくなったので、なんか敵を倒してる感じがしません。

 あとこれは3Dマリオ全部の問題だと思うのですが、何をすればいいのか?ってのがわかりにくいです。2Dマリオなら、もうやることは自明、とにかく進んで突破すればいいのですが、3Dマリオは非常に道に迷いやすい。64マリオはスタートを押すとマップ全景が見れたのですが、サンシャインはそれが出来ず、いまどこ!??ってのがすごいわかりにくい。また64は城を進むのですが、サンシャインは一つの街を移動するので、これも、えっ。どっち??ってのがわかりにくいことこの上ない。どうすればクリアなの?っていうのもすごいわかりにくいです。
 あとカメラを動かしつつ、ポンプも動かさないといけないので、非常にうまくいかない。
 FPS、TPSが好きでないヒトはたいていそうだと思います、カメラを動かすのと照準を動かすのと移動するので、どう考えても手が三本いることになる。


 されどやっぱりある程度の完成度まで高めるマリオチームはさすがというほかありません。出来る人間だなぁ・・・。

2018年11月28日水曜日

VR体験記 

 ちまたで流行りのVRってものを体験してみむというわけで、スマホ用の簡易ゴーグルを買って体験してみました。

 最初は、なるほどー。っていう感じで一週間くらいはいろいろためしてみて、なるほどー、っていう感じになりました。映画一本くらいのオカネで買えるエンタメとしてはこれは決して損ではないと思います。

 ただ一週間たつともうゴーグルをつけるのが面倒になっている自分を発見します。セッティングがいちいちめんどいのです。リモコンのBLUETOOTHを発動させたり、ピントを調節したり。

 ワタシは左右の視力が違うガチャ目なのではっきりとピントが会いません。さらにコンテンツごとにピントの位置も違うので毎回微調整が必要です。
 さらに最初の位置、を決めるリセットを何回も繰り返さないといけないし、見てる体勢もしんどかったり、あとゴーグル自体もやっぱり重いです。レンズがすぐ曇るので拭かないといけないし。スマホのジャイロやコンパスも誤作動が多くてなかなか思い通りに見れるようになるまでセッティングが大変。
 正直ずっとつけていられる時間は20分が限界だと思います。


 それとやっぱりコンテンツが全然ありません、VR対応のなにかってまだまだコンテンツが全然無い。そしてファイルのサイズがHDとかよりもウルトラ重いのでスマホに転送するのとかもめっちゃ時間がかかります、SDカードへの転送って遅いから。映画とかだと一本で16GBくらい食ってしまう。

 それでも数千円で、なるほどーこういうものかー、と楽しむには決して損は無いと思いますので、一度は体験してみるのはいいと思います。ただディスプレイ埋め込みの数万円もするやつを買うほどのことは無いって感じですね。
 ゲーマーとかでも結局は普通の液晶とキーボードに結局回帰するのと同じ現象ですね。はっきり言ってゴーグルつけながらゲームはめっちゃくちゃやりずらいと思う。


 目で見る、ってのはでもこれが限界なんだと思います、やっぱし目、にディスプレイで見せるってのが限界がある、私達が思ってるような完全な仮想空間に没入ってのはやっぱし神経接続じゃないと無理なんだと思います。ただみんな視神経接続は超こえーのでそれが発展するまではまだあと数十年かかるでしょうね。盲目のヒトの治療、みたいなことで少しづつ発展はしてるんだろうけど。

2018 hunter hunter 36巻

  新大陸?編が始まって、めちゃくちゃな数の登場人物を増やしたのを見て、あっ、これは壮大な前フリをして手を広げた結果、いきなり、富樫先生ありがとうございました!(打ち切り)のパターンだ!!と思ったヒトはワタシだけじゃなかったと思うのですが、どうやら描く気があったみたいで、ホッと一息してると同時に、まじでこの手の広げ方でやる気かよ・・・とゾッとしましたね。
 
 コマ割りが小さくなり、文字数が跳ね上がり

「もはや絵を置き去りにした」

 という新たなスタイルになっています。
 
 ワタシも小説は「絵のないマンガ」だと思ってる口なので、なるほどこういうことになったかっていう気がしています。映像、ってのは万能のようで、実は情報量がシャバシャバであり、詰め込める内容はすごく少ない。複雑な物語、を映像で作るのは無理です。マジック7、7人以上メインキャラを作ると理解不能になる。マンガのマジックナンバーはいくつなのかわかりません。小説も名前、を覚えられなくなる危険が大。
 いわゆる新大陸編は多数の人間が同時に動く「群像劇」スタイルなのですが、「群像劇」といいつつ、本当の「群像劇」って言えるものはこれ、という作品がなく、群像劇風、ってだけのものしかありません。この群像劇スタイルがちゃんと機能したら、新たな境地、が開けそうですね。
 ただ、やっぱり途中で破産ってことになるような気がして仕方がない・・・、それほど群像劇ってのを機能させるのは難しいのですよな・・。結局のところ、1人のスーパーパワーがすべてを解決する、というメシア物語、になりがち。そのほうが結局スッキリするからです。

 いやぁしかし37巻が出るまでまた少なくとも一年以上でしょうねー。でもこのマンガは一冊で普通のマンガ3冊くらいの内容があります、マンガでこんな疲れるのも珍しい・・・。

2018年11月25日日曜日

1999 バキ

 グラップラー刃牙の第二部的なものがこの、バキ、なのですが、このマンガって振り返ってみれば一体なんのマンガなのかよくわからんマンガなのです。

 まずは死刑囚。最強の死刑囚たちが脱走してバキたい、地下トーナメントで活躍したファイターたちと戦う・・という物語・・・がだんだんとスライドするように、にして中国最強の武術大会編に突入して、中国最強の老人と勇次郎の戦いとなり、それもだんだんと、モハメド・アリをモデルにしたボクサーの子供、アリJrのストーリーとなり、最後にアリJrとバキが戦う・・という物語なのか・・・と思いきやあっさりその試合は終わって、バキと勇次郎の試合がついにはじまるのか・・・というところで完結、となります。

 なっ・・・えっ・・・何??っていう物語の構成です。なんかそのときに興味があるものをとにかく描いて戦わせてみてる、っていう感じ。はじめから全部構想が練れていてこういうことにしようっていうふうに出来てるとは到底思えない。


 が、とにかく独特の語りの手口、これがバキイズム。マンガってのの時間の流れ方っていうのを誰か論文でも描いて下さい。小説とも映画とも違う、マンガの時制ってのがあります。

 たぶんみんな経験あると思いますが、マンガを読んでて一冊飛ばしてしまい、おや・・なんだか斬新な語り口だなこのマンガ・・・いきなり場面が飛んであとから説明されるのか・・・ん?説明されない・・。あっ!!一巻飛ばしてたー!ってことが。
 それでもマンガって成立すると思うのです、小説とか映画だと、明らかに、ん?なんかおかしいってわかるのに、マンガってワープしても成立する。
 全然知らない小説や映画を途中から見ても意味わかりませんが、マンガって、いきなり途中から読んでもなんでかわかる。このマンガ特有の事象を誰か解明してみては?

2008~ キングダム

 今!?ってことなんですが、最近読み始めました。ワタシマンガは完結してから読む派なんですが。どうもこれが終わるまでワタシが生きてるかどうかわからんってのは読んでます。HxHとかね。終わるの待ってたら寿命尽きる可能性大。

 めちゃくそオーソドックスなマンガやなぁって感じです、でもこれが売れるのもわかる。最近ワタシ、と世間、ってのの乖離がすごくて、なんでこれが流行ってるのかまったくわからん・・・ってものがたくさんあって、自分でも恐ろしくなります、じぇ・・じぇんじぇん世間についていけん。って。進撃の巨人、ちらと読んでみましたけれど何が面白いのかまったくわからん・・・、ってなりました。


 一時期リアル鬼ごっこという本が売れたり、Deep loveだっけか?携帯小説とかが売れ線だった時代に、小説好きの人々は、いやもう・・・何が売れるのかわかんない・・なんかもう何もわからん。本を読むのがいやになりました・・っていう無力感に包まれていましたけれどw それと同じ感じです。


 最近のコミケ、などではFATEが勢力が爆発的で、まさに王朝を築いていて猫も杓子もFATE、FATEって感じです。ちょい前は艦これ艦これ!っていう調子でしたけども。
 でもこれもワタシは、むぅ?っていう感じです。FATEの絵面ってそれこそエロゲーとか美少女ゲームとかでもそれこそ無数に、星の数ほど描かれてきたスタイルで、全然個性、ってのが無い気がワタシはする。いやこういうの他にもめちゃくちゃあったでっしゃろ?なんでFATEだけがそんなに人気あるの??って。
 シナリオも素晴らしい、深い、とみんな言っておられるのですが、・・・まぁ別に悪いとはいいませんけれど、この手のストーリー、めちゃくそこすられて来た何の新しみも無いヤツな気がするのですが・・・?ちっともついていけぬわい・・。っていう感じ。
 艦これに関してはどういうものがやってみたいと思ってはいるのですが、ずっとサーバーがいっぱい!で新規は手が出せない状態なんですよね。あの追っかけがライブのチケット全部抑えてるバンドみたいな状態。


 めちゃ脱線しましたけれど、このキングダムってマンガ、絵がちょっと劣化したバガボンド以外の何者でもない、と思ってたらこの作家のヒトってバガボンのアシスタントあがりみたいですね、なるほどね、描き方がまったく同じわけだわ。この描き方、Gペン主体でトーンを切り貼りっていう、30年以上前の描き方ですよね。シティハンターの時代からずっとこれだ、保守的です。だから保守的な層に受けてるんだと思いますね。
 

 しかしバガボンは実質連載中止、HxHはいつもの通り、NARUTO、ワンピは集英社のいつもの悪いところで金になる限りは続けるというスタイルでズルズルと間延びしておる。そんなとこにスコーンとクラシックなスタイルのマンガが出てきたという感じなのですね。

 絵が劣化したバガボンと書きましたが、別にそれはディスではありません、むしろいいと思います、バガボンドもベルセルクもそうですけど、描き込みすぎたあげく、集中力が続かなくて途中で投げ出してしまうってのが一番良くないと思います、人間一人に出来ることは限られてる。描き込めばいいってわけじゃないとワタシは思っております。4Kで映像がすごくキレイ!!っていいますけれど、別に絵のキレイさなんてそんな求めてない、映画でもなんども映像は昔比べればすごくキレイになったけれども、全くと言っていいほど映画を見てません。
 ただ、デザイン、はいかがなものかと・・・。それがワタシはすぐに読み始めなかった理由でもあります、な~んかキャラデザがいまいち・・、みんな面白いと言うのだけども・・・、やっぱ井上雄彦のほうが上手だなぁって思ってしまいますね

 中盤になってくると、絵はうまくなった?とはわかりませんが、とにかくモブシーンにつぐモブシーンでこれはアシスタントどちゃくそ大変・・・っていうカット割りにばっかりなっています、売れているから人数が増えてるのかわかりませんが、こりゃてぇへんだなぁ・・・・休載繰り返すパターンに陥らなければいいけど・・・





 プロットとしてはいわゆる歴史戦争物なんで、それだとしかいいようがありませんね。つまるとこほんっっっっっとに、スタンダード中のスタンダードです。全く何も描くことが無いときに歴史物が流行り出すものです。戦時下の日本でも歴史小説が流行りました、描くことが何もないからですね。描けることがなにもない、というのが正しいかもしれませんが。
 あと歴史、だから許されるってことが何故かいっぱいある。フィクションだと、はいダメー、って検閲入るところを、歴史、だと、歴史から目を反らすな!!っていう反論が出来る。これが非常にお得。歴史だと好き放題ヒトを殺せる、ヒトをどんどん殺すようなエンタメは卑怯だ、みたいな意識高い系のアーティストも、歴史物だと文句が言えない(しかしキレイゴトアーティスト達に言いたいんですけどそんなにみんなの力になりたいんでしたらタダで音楽配信すれば?なんで売るの?)
 人間を食べちゃってたり、四肢切断して肥溜めにポイ捨てみたいなのは、歴史、だから描ける、フィクションなら絶対BANです。

 それに歴史物ってのは、超詳細な設定資料集を用意してもらってるようなものなので、非常に楽です。キャラの名前を考える必要もないし。これ実は相当でかいです、名前を考えるのって非常に面倒で難しい作業。悩みだすと終わりがない。

 というか本来、物語、っていうのは歴史を語ることで、近未来だったり仮想のセカイのことを語っている物語、が邪道なんですけどね。これが本道であり、マンガのタイトルそのままに、王道、マンガです。ここまでストレートに王道、なマンガ、他にはありませんね。

 

1991 グラップラー刃牙

 格闘漫画は数あれど、ネタにされる回数でダントツの地位を築いてるのはバキだと思います。ドラゴンボールは格闘漫画じゃないとおもふ・・・。あまり喧嘩商売、のネタをしゃべってるヒトを見たことがない。

 バトル漫画、と格闘漫画があって、バキは格闘漫画の系列だと思います。つまるとこ柔道一直線、空手バカ一代、の梶原一騎の後継者です。格闘漫画ってのはバカ一代からずっと、大山倍達(極真空手)がだいたい中心になって始まります。ほぼすべての格闘漫画は大山倍達から始まると言ってもよいと思います。

 姿三四郎、というのが戦前の格闘小説のヒーローでして、宮本武蔵と姿三四郎が、戦前、戦中の武士道、的なモデルでした。
 大山倍達はバカ、で取り上げられてるように、宮本武蔵の熱心な読者だったらしいです。
 というわけで、いつの時代も格闘、を誰もが欲している、これは間違いありません。エロと同じくらい、格闘、は本質的なものですね。


 バキがネタにされるのは、やっぱりその独特のハイテンションです。なんでバキのイラストは全部赤っぽいのか、これはまじでわかりません。なんかカバーだけ見るとちょっとマンガ素人には手が出しにくい感じ。ワタシも最初はなんか・・なんじゃこれ??っていう感じで読み始めました。クセがすごいぃ!!
 しかし地下トーナメントでバキ人気がスパーキング、してメジャーマンガに躍り出ましたね。バキの地下トーナメントが面白い、という噂、がマンガ業界を駆け抜けた時代がありました。

 ワタシはバキをいっつも学校の授業の内職で読んでいたので、あんましじっくり読んでなかったので今になって読み返してみました。こんなマンガだったかぁ・・・って感じですね。
 グラバキ、正直幼年編は面白くありません、これは残念。読み飛ばしてもいいかも、しかし地下トーナメントは熱いです。あっ!こういうのが見たかった!っていうのに形を与えてくれましたね。おりしも世間も格闘ブームで時代にも見事にハマりました。

 現在、ガチ格闘はやや下火、むしろプロレスみたいなエンタメがまた盛り返しつつあるようです。
 タレントはUFCに全部とられてしまっている上に、UFCは著作権にうるさいみたいで、ペイチャンでしか見れないので、なかなか素人が見る機会がありません。それにワンデイトーナメント、みたいなわかりやすいイベント形式じゃないので、どう見ていいのかもよくわからん。
 ランキング形式でたぶん定期的にやってるUFCXXX、というナンバリング大会で勝っていくとランキングが上がりってことなのでしょうが、ボクシングもそうですがランキング形式ってのは常にうさんくささとの戦いで、なぜか勝ってるのにランキングが上がらなかったり、試合を組んでくれなかったり。上位16人を集めてくじ引きでトーナメントだ!!みたいなわかりやすいことにはなってくれませぬ。
 それは興行として可能な限り何度も試合をさせたりして、金儲けしたいからで、トーナメントにすると試合数が決まってしまうし、ガチ中のガチにすると怪我とかですぐにタレントがぶっ壊れてしまうという懸念ですね。

 他の格闘技もイベント的な見世物マッチで、誰が一番強いのか!みたいにはっきりくっきりしたものはお見かけしなくなりました。

2018年11月24日土曜日

2018  ベルセルク 40巻

 いつの間にか出ていたベルセルク40巻。ついに大台?

 だいたい最近は二年半に一冊というペースになっております・・・・。

そりゃ忘れるわ!!

 いきなり最新刊を読んだら、一体なんの話だったのかさっぱりわかりませんでした。よってちょっとさかのぼって読むと、あぁこんな様子だった・・っていう話だったのですが・・・あれ?こんな話だったっけ??っていう感じもしました。

 こんな恋愛ファンタジーみたいなノリだったっけ?妙に魔女っ子がやたらと登場して、ツンデレ魔女っ子が主役のマンガになりつつある・・・昔はなんかもっと殺伐としたグロホラーだったような気がします。まぁ相変わらずペニスの形をしたモンスターを描かせたら並ぶものなしですがw

 ただ、40巻、作画の様子がなんか変化しましたね。なんかガスっぽいというか、ペン画じゃない別の手法で描かれています、ついにデジタル作画を始めたのでせうか?なんか今まで、と雰囲気が変わりました。ますますイラストっぽくなった。
 
 あとコマ割りも細かく、トリッキーになりました。ベルセルクというととにかく見開き2ページに一コマ。ゴリゴリに書き込むスケールの大きな作画って感じでしたが、今回は非常に細かい。こんな技巧派の作者だったか?っていうくらい。コマ割りがすごいこだわっています。まさか、なのですが、別の紙に大きく描いてそれを縮小コピーして小さなコマに押し込む、という恐ろしく時間がかかり、ページ数が少なくなるという普通に考えれば漫画家としては自殺行為をしてるのかも・・・。

 コマが細かくなったことによってストーリーの速度は上がりました。うむ、こりゃ一巻仕上げるのに2年半かかるよね。って感じ。

 普通の週間連載で16ページの労力を、週1ページに凝縮させているというわけ。(週1ページだと、二年半でだいたい170ページ、単行本一冊ということなり)コンパクトに凝縮させる、というのは、非常にいいことなのかもしれません。

  一応現代はコンテンツが豊富にあって、情報過多なので、時間が無いヒトには、みっちり凝縮させた仙豆みたいなマンガのほうがいいのかも。連ドラなどは、内容は少ないのに尺を埋めるために時間だけ伸ばしてしゃばしゃばのアメリカンコーヒーみたいになっていて、時間の無駄ですから。

 ただ実際には現代もたくさんコンテンツがあるように見えて、その実、自己相似形。つまり何かのコピー、がちょっと形を変えて別のものとして扱われてるだけなので、相似形をまとめてしまうと、本当に見るべきものは全然無かったりします。たまに驚きます、なんで世界には70億人もいるのに、面白いものがこんなに少ないのだ??って。もっと毎日楽しいことがありそうなものだって不思議に思います。1人の漫画家が二年半に一冊しか出さなくても・・・。

 次は2020年か・・オリンピック後だな・・っていうのはあまりにも気が遠い話ですね・・・ぜってぇ完結しねぇだろこのマンガ・・・。ワタシ生きてるかなぁ・・・。
 
 

2018年11月23日金曜日

2005 ポケモン不思議のダンジョン 青・赤

 みなさん知ってるかどうか知りませんがワタシポケモン大好きなんですw シラネーヨ!っていうツッコミが入ったところで、これはポケモンと不思議なダンジョンのコラボです。不思議なダンジョンってのはすごいタイアップをしますね、トルネコ、チョコボ、そしてポケモン。エニックス、スクエア、任天堂。三大タイトル獲得ですね。メガテン、ペルソナとのコラボでグランドスラムもあるかもね。

///////
概要

 今回最初のポケモン、的なのは、アンケートみたいなので決まり、さらにパートナーは自分で選択できます。ワタシこの手のではぜっったいにゼニガメ派なのですが、アンケートみたいなのに素直に答えた結果コダックとなり(全部で10種以上、さらに♂、♀で違うので狙ったポケにするのはかなり難しいです、素直に受け入れるべきかと、クリア後にすべてのポケは手に入ります)。
 みずタイプで重なるからなのかパートナーにもゼニガメを選べず、ピカチュウにしました。いやコダックもピカチュウも好きなんですけどね。絶対にゼニガメのワタシとしてはやや不満・・・。と、思ってたのですが、だんだんパートナーのピカチュウのことがどんどん好きになりました。すごいげぃむだ。たぶんやればわかりますが、このゲーム、パートナーポケモン、めちゃくちゃかっこいいしいいヤツです。

主人公ポケも「あなたはのんきもの、他人に従わないマイペース、他の人とは違う遠い目で何かを見つめるタイプ」、という性格診断はピタリ。あぁワタシはポケだったらコダックなのか、と妙に納得。確かにワタシ自身のパーソナリティはゼニガメではない。

「おまえコダックなのにやけに強いな」
 っていうセリフがどストライクでハマります。

 コダックは二段進化だからゼニガメとかいわゆる御三家と比べて弱いんじゃねーのか?というワタシと同じ疑問を持った方、心配無用です。本編クリアまでポケは進化しません!!可愛くなくなっちゃうからしんかさせないのー♪というイエローも安心です。かわいいポケのままでいけるぜ。

このゲーム通常エンディングまでがプロローグみたいなものでそっからすべてが始まります。操作するポケモンの入れ替えが出来るようになり、ほとんど仲間に出来なかったポケがなんでも仲間にして育てることが出来るようになる。難易度的には、ボスにもかなしばりやマヒ、眠りもたぶん通用するので、行動不能にしてボコればクリアは非常に容易。(それは本家でもそうですね)。 
 ただ不思議なダンジョンらしく、いきなりモンスターハウスだ!!でかこまれてボコられるとなんにも出来ずに即死ってことが結構ある。特に眠らされるとまったく何もしないで天国ってことになるので要注意。あと異常に破壊力の強い技を突然出してくる雑魚もいます。
/////////
 プロット
 ポケモンチーム、実はその脚本力も相当優れているとワタシは感じております。ポケモン始めると、だいたい自宅の横にデブの不審者がいて
「かがくのしんぽってすげー、・・・」
って新しい機能を紹介してくれますが
「かがくのしんぽってすげー!」

 って素直に喜ぶこの素直さっていうか人生を楽しもうとする姿勢、何者にも代えがたい、プライスレス。ポケモンに充満してるこの陽のエネルギーは一体なんなんだ!ってワタシはいっつも思います。

「なんでたにんごとなのにそこまでがんばるの?」
「じぶんのことじゃないからがんばれるんだよ、だってともだちじゃないか!」

何度も聞いたようなコトバなんですがワタシの相棒のピカがいうと・・・泣かすきかよw

 他にも、うわっ!そういうことか、と相当、シナリオが練れて、います。誰が書いてるのかしりませんが、シンプルな内容の中に、かなり精緻な推敲のあとが見えます。
「手伝ってくれたゴーストポケモン」って・・・まさか!あいつのことか!

 ワタシがシナリオに関して手放しで褒めるようなことは滅多にないのですが、このゲームのシナリオは、この手のゲームとしては完璧、に近いかもしれません。ワタシ文部科学省推薦を出します。
 あとドット絵のアクションの多さがじつはものすごい芸が細かい。何百種類もいるのにいちいち全部にアクションつけるなんて・・ごくり・・。恐ろしい子!

2004 空の軌跡FC

地下水脈で宝探し。

フォルコムのロープレ。
 ファルコムっていう会社はごりごりのオーソドックスなゲームを作ることで有名であります。この英雄伝説シリーズは嘘みたいに歴史が長くて、昔はドラゴンスレイヤー、ドラスレ、というタイトルで、相当な作品数がパソコンゲームとしてでていて(6?)さらにそれが進化して英雄伝説シリーズとなり、そこまらまたさらに、この英雄伝説、軌跡シリーズになっています。

 ゲームのシステムは、場所、の概念があるターン制ロープレです。場所があるので、移動しないと攻撃で出来ず、距離感が結構大事。

 またファルコムのキャラデザってのも、バチバチのオーソドックスな感じで、古ない!?っていう感じがするヒトもいれば、このバキバキのアニメ塗り、が80年台っぽくて馴染む、馴染むぜぇ!!っていうヒトもいて、微妙にコアなファンがいます。今丁度世間はちょいダサブーム、まさにファルコムのキャラデザもちょいダサです。

 ストーリーも、クエストをこなしつつメインミッションもこなすことでシナリオが進むというガリガリに王道。迷いようがない。
 更にキャラデザも明るくてややおばかなお人好し、と秘密の過去を持つミステリアスな仲間、というベタベタなやーつ。ただ、明るくてバカなほうがヒロインで、秘密の運命を背負ったほうがヒーロー、っていう男女がスワップされております。これが21世紀。

 プロットも、悪い帝国と王国内のゴタゴタ、後継者問題、クーデタ、古代の超兵器、っていうどちゃくそベタなやつなのですが、いかんせん会話パートがちょっと長すぎる気がします。
 皆さんご存知、のやつなので、そんなきっちり何度も何度も説明されなくてもわかるって!っていう感じです。忠臣蔵のストーリーを説明されてるみたいな感じ。いやいや、知ってるから!どうせ吉良上野介は実は悪いやつではなかった、というオチにする気なんでしょう、わかってるって!みなまで言うな!っていう感じなのです。
 最近のスクエアなど、説明不足、意味がわからぬ。実はマニュアルなどを調べてデータベースなどを読み込むとわかる・・というふうにかなり省略されてるのが良くないみたいなことをいいますけども、こういう、死ぬほどわかりやすい話を、クソ丁寧に説明されるのもしんどいものです。
 
 このカップルはほぼ固定なのですが、ゲストユニットは入れ替わりが激しいです。が、ゲストキャラはなぜかレベルが異様に高いのでお荷物になることはありません。
ゲームの難易度はややぬる、というところ。しかしそんな複雑なところは何も無いゲームなので、頑張れば勝てます。
 このあっさり終わる感じもファルコムテイストなのです。この作品三部作なので全体としてのヴォリュームは、いわゆる大作ロープレの1.5倍ってとこでしょうか。普通の大作ロープレよりはヴォリュームが大きいですが、単体ではあっさり。
 やりこみ要素、みたいなのがごちゃごちゃ多すぎて、メインストーリーがスカスカっていうゲームもよくありますけども、このゲームは裏面みたいなのは一切無い。潔いですね。シンプル、で王道。それに徹しているゲームです、あとは個人の好き嫌い。

2018年11月21日水曜日

1922 エーリッヒ・ツァンの音楽 HPL

HPLによる短編。いわゆるゴシック小説的なノリで、不思議なヴィオラ奏者、エーリッヒ・ツァンと、あったはずの存在しない街、オーヴェイユ街を舞台とした、ちょい怖だけれど、魅惑的な街のお話・・・。

1996 餓狼伝 板垣恵介版

もとは夢枕獏の小説を刃牙で有名な板垣恵介がマンガ化したものですが、不定期連載で、しかも雑誌そのものが消えたりして、現在のところ完全に打ち切り状態、という最近のマンガではちょっとめずらしい、突然打ち切りタイプのマンガです。しかも原作ものなのに。
 
 軍鶏、っていうマンガも同じようなことで、途中からなんか内部で揉めたらしくいきなり休載やら、内容が様変わりしたりというめちゃな展開になってしまいました。

 同じようなものではポケスペがありますね。ポケットモンスタースペシャル、というマンガなのですが、第7巻からなんと作者が交代、まったく別の漫画になりました。その7巻までがなんかめちゃ面白かったのでこれはショッキングでした。

 昔はでもそういうことってよくあって、柔道一直線も確かそうで、途中で作画が交代、うぇえ??なにこれ!?っていう突然の変化に泡食ったものです。

 ジャンプは人気がなくなって後ろのほうに下がってくると突然打ち切り、ってのがよくあるあるですが、青年誌はもっとややこしい終わり方をしますね。商業は大変だってことです。
 でもジャンプで後ろのほうのマンガなのに人気になったものもあります、ワタシがジャンプ読んでたころはジョジョは後ろのほうなのになんで終わらねーんだろう?と思ってました。まぁでも小学生にジョジョが人気出るわけねーんですよね。あれは雑誌を間違ってたと思います。

 
 話しを戻すと、もとは小説なんですが、格闘技を小説でどう描くねん??って思いますね。別にワタシは決めたわけでもないのですが、戦後の小説ってあんまし読む気がしないんです、なんか気持ち悪い感じがする・・。大江健三郎とか三島とかちょこちょこ戦後のやつも読んだけど、なんか戦後の小説って・・・なんでしょうね?理由はわかりません。ただハリポタとか指輪物語とかアースシーとか、ファンタジーとか推理小説、SFはちょこちょこ読んでいるかも、ただいわゆる文学、って、戦後なのに、文学?は?って感じがしてどうも駄目なのですな。

 このマンガもかなり脚色されてるとはいえ、一応原作に沿っているようなので、一体どうやって小説を書いてるのかちょっと不思議です。


 内容はいうなれば、もっとリアル寄りの刃牙ですね。刃牙はもう完全に荒唐無稽、超能力の領域になってますので、餓狼伝のほうが、それでも一応は物理的にちゃんと可能、な世界の格闘技という話しなのでこっちのほうが良いっていうヒトもいるかもしれません。逆にあの、刃牙、独特の意味不明さが良いっていうヒトもいるでしょう。
 ワタシはなんか毒手だの意味不明なことになって刃牙から離れた口なので、餓狼伝のほうが好きかも。

 突然打ち切り、という形にはなっているとはいえ、トーナメント編が終わって一応一息ついたところで終わってるので、確かにいろんな伏線が投げっぱなしになってるけれどまぁいい漫画なのじゃないかと思います。トーナメント編の途中で終わったらまじでこのクソマンガが!ってキレるところですけどもw

 なんだかんだいってワタシは格闘漫画が好きですね。フェルディナン・セリーヌが言ってましたが

「コロシアムを再建せよ、大衆はそれだけで満足する」

 これは本当にそうだと思います。コロシアムで本当の殺し合いがやってたら、いやーまじで殺したら駄目でしょー!グロいよーとかいいつつ絶対に見に行く。結局あらゆるスポーツはコロシアムの劣化コピーでしかないと思うのです、ガチの真剣勝負やってたらそれに勝てるエンタメなんてない。エロ、ですらそれに勝てないと思う。

2018年11月20日火曜日

1928 クトゥルフの呼び声  HPL

 クトゥルフTTRPGのタイトルにもなっているようにクトゥルフ神話小説では代表的な小説。
 代表的というよりも、かなり整理されてわかりやすく書かれています。今まではなんだかもやもやしていたコトバがちゃんと説明されております。

 クトゥルフ、とは古の神々の使える、祭司、の名前で、海の底に眠る、ルリエーなる石の都に今でも潜んでいるとのこと。

 頭は蛸かヤリイカみたいなとにかく軟体動物で、カラダはドラゴンと人間の混ざったようなものらしい。(このイメージはFFのマインドブラスト、にもあるように、D&Dの時代からイカのモンスターとして何度も借用されていておなじみですね。パイカリの蛸の頭もやつも、やっぱりこのクトゥルーから来ています)

 などなど。設定が細かく作られております。


  今となってはHPLとクトゥルーといえばダークファンタジーの始祖的な存在で、知ってるヒトは必ず知っていますけれど、なんにも知らないヒトがこの小説を読んだら、まぢでHPLは気が狂ってんじゃないか・・・って思うに違いありません。
 生前はあまり評価されなかったHPLですがそりゃそうだっていう感じです。1928年の世間がこんなものを読まされたら、は!??ってなるに決まっております。それぐらい、世界観、が先行しすぎていて、何も知らないヒトにはショッキングすぎる。それまで、の文学、に浸かってきたひとたちにはどう評価していいかわからないものだったでしょうね。


/////
 口内炎から端を発したモチベーションの低下により、しばらく仕事は休んで、インプット作業といろんな整理期間に突入しました。秋ってのはやっぱりインプット作業の時期なのかもしれません。すぐにクリスマスという一年で最大の繁忙期になるのでちょっと英気を養わないと・・・

2018年11月16日金曜日

2012  宝石の国

 9巻まで。

 未完の作品を取り上げるのは珍しいのですが、なんとなく、このマンガにはオーラを感じてました。稀にこういうオーラが出てる作品ってありますね、あっ面白いに決まってるじゃんっていう。読む前に面白いってわかる。

 予想違わず、これは良作です、近年稀に見る、良いマンガ。マンガ読みならば、この作品には気がついているのでワタシが紹介するまでもないというところ。

 内容もグッドなのですが、作画もグッドです。♀マンガ家って内容はいいけれど、な~んか、作画がいまいちだな~・・、っていうのが多いのですが(ワタシ的には羽海野チカがそう、内容はいいらしいけれど、なんか絵、がしっくりこなくて手が伸びない)
 市川春子、聞いたこと無い作家ですが若いのかしら?作画のセンスも良い。ビーズリーとメビウスのいいとこどりみたいな、♂マンガ家には絶対にかけないタイプの作画、まず服装とか髪がおしゃんてぃー。♂マンガ家の書く♀のステレオタイプなことよ・・・、おっぱいでかくて、目が大きくて可愛くて黒髪ストレート、あるいは金髪ツインテール・・・、浅ーーーいです。性欲だけで描いてる。カワイイかもしれないがおしゃれさのかけらもない。
  小物や衣装もおしゃんてぃーです、服のバックプリントまで考えている、♂のマンガ家には絶対出来ない芸当。美は細部にやどる、おしゃれは根性と我慢、意味なんてない。

 あとコマ割りもなかなかセンスを感じます、縦長のコマ割り、ミュシャっぽい。たぶん世紀末芸術が好きなのですね市川春子氏。おしゃんてぃーな女子はだいたいミュシャのファンなのです。

 書いてて気づいたのですが市川春子って歌舞伎役者みたいな名前だ・・。

 ただこの作品、割と重いというか、グサーーーっとくるヒトには来てしまうので、あまりに精神衛生が整ってないコンディションで読むと、この作品のキャラのようにバキバキに割れてしまうことになると思います。カジュアルなノリのようで割と鬱マンガ。

 ////

物語の大筋は新しい生き物である、鉱石生命体、が月の住民と戦う、っていうのが大筋です。ヒトが滅びた後の世界、ポスト・ヒューマン。

 人間、を主人公にするのが難しくなってきた。これはたぶん作り手はみんな感じてることだと思うのです。だいたい人間っていうやつの、底、が見えてしまったというか、こういうことはできてこういうことはできない、ここが限界ってのが見えてしまったという気がするのです。ニュースなどを見ても、まだこれか・・・とかまたこれかよ・・・、みたいなことばっかし。
 もう人間、の物語は終わって、ポスト・ヒューマンの時代なんだとワタシは思います。人類が滅ぶかもしれない、それを救わなきゃ、世界を救え!・・・っていうのはエヴァーで終わったと思ふ。
 
人間を救う、ってのはもう諦めました、諦めたというか救いたいっていうモチベーションがなくなってしまった。作家自身がそういう気持ちが持てなくなった。昨今の排外主義の隆盛を見てもそう感じざるを得ません。みんなもう人間、に希望を持つのは諦めた。
 そう考えるとやっぱナウシカってものすげー時代を先取っていたのだなと思うのです、ナウシカもヒト、が滅びた後の世界、ヒトが残した負の遺産をどう処理するかという世界。


 まだ未完ですので、長くならずにキレイにまとめて欲しいと願うばかり。

//////

 口内炎とワタシとの死闘はもう勝利宣言まであと一息まで来ました。

2018年11月14日水曜日

2004 よくわかる高校物理の基本と仕組み

 ワタシ高校時代に物理をやってこなかったのでこんなものを読んでみました。化学、は一応やったし、生物はかなりやりました。この物理っていうものだけ一切通ってきませんでした。
 なんでワタシが文系になったかというと、数学が嫌いだったので、理系=数学って感じで印象がよろしくなかったというわけですね。
 でも今となっておもえば、別に科学=数学、ではなかったと思います、数学、というよりは数式、ですわね。別に複雑な計算があるわけではない。
 ワタシは数学、ではなくて、計算、が嫌いだったのだと今わかります。面倒臭いから計算が嫌いだったというわけ。電卓使わせろ!っていっつも思ってました。ワタシみたいな短期でせっかち人間には単純計算が我慢ならなかったというわけです。


 でも絶対理系に進むべきだと思います、いないと思うけど今進路に迷っている高校生がいたら、なんでもいいから理系に進むべき、文系なんて学問でもなんでもないですから、ようするにおっさんが無駄ばなししてるだけです。
 社会に役に立たないのはすべての学問で一緒。役に立つのがよかったら、資格取得だけを目指すべきで学問からは足を洗いましょう。とにかく資格試験で必要な情報だけ覚えればそれでよし。

 
 社会に役に立つっていう言い方が気に食わないですよね、つまりはカネにならないということをごまかして言ってるだけです。カネになることが良いのだったら、とにかく働いて、投資を勉強すべしです。そして可能な限りすぐに日本から出るべきですね。
 絶対に需要が無くならない産業ってのがあります、軍事産業、セックス産業、麻薬産業です。どれもリスキーですけど、カネが欲しいだけなら絶対この3つが良いとワタシは思います、リスクを取らなきゃカネにならないのはどの産業でも同じこと。


 さて全然話逸れましたがこの本は高校で習う物理について書いてある本です、著者はまさに教科書、を執筆してるヒトなので、まさに教科書どおりってことですね。それを社会人向けに書いてあるというだけ。

 物理ってどんどん覚えることが増えていきますよね、科学が進歩すれば、もっと素粒子物理学とかが進歩したら、高校生でも素粒子についてびっちり学ばないといけなくなるんでしょうか?どんどん現代、に追いつくことが難しくなって行くんじゃないの?って思いますね。それともすべて素粒子で説明出来るから学ぶことがスッキリ整理されて簡単になるのでしょうか?
 現在、でも素粒子理論はなんだかしっちゃかめっちゃかになっていて、なんかもっと整理してから学ぼうっていう感じです。それが数百年後って感じでワタシたちには関係なさそうな気配がしますけども。

 一昔前にヒッグス粒子発見!ビッグニュース!ってなってましたが一般人には・・ふ~んっていう感じでした、その後あまりすごいもの見っけた!みたいなニュースは聞かないですね。沈滞してるのでしょうか・・・、いやはやまだまだ物理の探求は終わりませんなぁw


/////////
 まったく関係ありませんが、今ワタシの生涯で最大の口内炎に苦しめられています。生まれて始めてのでかさの口内炎、口内炎なのかどうかもわからん。口内炎ってあまりよく出来るタイプの人間じゃないのですが、とにかくストレス。何を食べてもおいしくないし、なんのやる気も出ない。よくラジオで口内炎が出来てて・・・ていう話を聞きますがついにワタシも来たかっていう感じですね。
 口内炎の出来る理由は「わからない」、だそうです。いやいや・・・、素粒子の発見よりも早めに口内炎の治し方研究してくんねーものかな・・・。

2018年10月31日水曜日

体操世界選手権  パソコンがあたらしくなたよ。

体操の世界選手権がやってますね。カタール?かなんかでやってるみたい。お客さんはガラガラ。いや、興味ないなら開催すんなよ、カネだけはあるからって、なにかっちゃあカタールで開催、初の中東での開催になります、みたいなことを言ってますけれども、客が全然いないんですね。もったいないことこの上ない。
 施設はむちゃくそキレイでカネが有り余ってるのだけは感じられるんですけど。わざわざカタールまで遠征しようなんてやつもいるわけないし、そもそもカタールってどこやねん!

 さて文句を言ったところでw やっぱりまたしても内村航平がかっこいいですねー。怪我をして個人総合には出ないんですけど団体には怪我をおしての出場。

「これ落ちたら死ぬって気持ちでやりました」

 と鞍馬のインタヴューって言ってましたけれど、コトバ、だけでいくと全然響かないことばですよね、命がけでやる、全力でやる、死ぬ気でやる。口先ではどんなクズだって言えます。けど本当に死ぬ気でやるやつなんているわけない。コトバが軽い。
 けど内村航平はやるって言ったら、やる男なんです。コトバが重い。ズシっとくる。普通言えないですよ、死ぬ気でやりました。なんて。かっこ悪すぎて、でもこの人がいうとかっこいい。


/////
 超個人的な話なのですがパソコンがついに新しくなりました、それまで使ってたパソコンはそのさらに前のパソコンが爆死して、急に買わないといけなくなったため中古で一万円のパソコンで、お世辞にもすばらしーパソコンではありませんでした。それにしてはなんとか頑張ってくれましたけどね。
 ついに時代に追いついたパソコンになった、という感じ。これでレンダリング時間が短縮できるであろう・・・。まだまだ引越し作業が続きますけれど。

2018年10月26日金曜日

1935 ドグラ・マグラ

 いわゆるアングラ文学っていうのか、メインストリームじゃない方の小説ではめちゃくちゃ有名、伝説的な小説。

 1930年代、はエログロナンセンスの時代で、片一方で満州事変や2,26みたいな物騒極まりない事件が起きつつ、世間はオサダ事件という猟奇事件のほうに関心を向けていて、芸術界では、めちゃくちゃとがりきった作品がたくさん生まれていて、むしろ戦後よりも全然先進的じゃん、という作品がたくさんあります。
 たぶん、当時の人々も、どうしようもない破滅が、避けられずに目前に差し迫っている、ということを理解していて、どこを向いても絶望しかない!という閉ざされた感覚を感じていたんでしょうね。その行き着く先がエログロナンセンス、簡単に言えば現実逃避ですが、現実、が本当に絶望しか無い場合、それは本気、のナンセンスであって、意味の無いナンセンスではなくなる。それが宗教、になるわけですが・・・。
 閉塞感、決まり文句みたいに言われてますけども、この小説にも、その閉塞感、が圧迫するように詰め込まれております。この小説を読んでるとずーーーーっと壁に囲まれていて押さえつけられるような不快感を感じさせてくれます。閉所恐怖症のヒトは読まないほうが良い。



 このドグマグはものすごい超大作です、とにかく長い。内容はつまるところ精神病、をテーマにしたサスペンスっていう感じです。三大怪小説って言われてますけど、いわゆる事件が起きて名探偵が解決ってのとは全然違います。なんていうんでしょう、雰囲気モノ、狂気のセカイがぐるぐると回り続けてるっていう感じです。トリックとかそういうのもなんかもうむちゃくちゃです。あぁ~そういうことね!スッキリ!みたいなものとは全然違う。まさに、エロ、グロ、ナンセンス。そのままです。
 文章が下手なのではなくて、わざと冗長で冗漫で、長ったらしく同じことを何度も繰り返し、同じ意味のコトバを何度も並列で使ったりしているので、すごーーーーーく読みづらい。もやもやします。
 また文体も、擬古典文だったり、漢文調だったり、方言色が強かったり、仏教物語のようであったり・・次々にいろいろなスタイルで書かれていて、ジョイスみたいな調子でこれもひどく読みづらい。

 ほんとにこれ戦前の日本!?っていう尖りきった描写です。アメリカは拝金主義ですべては金持ちのための社会である・・。みたいなことも書いております、どっかラブレーみたいな狂気じみた文体。

 狂人とか精神病院ってのをテーマにするのが戦後に流行った時期があってフーコーだのなんだの、がいろいろ書いております。それを1935年に日本で取り上げてるっていうのはものすごい先見の明。


 そういうわけで、ものすごく読みづらいし、ものすごい長いのですけども、とにかくすごい量の情熱、というかエネルギーはビシビシ伝わって来ます。何がこの作者をここまでやらせたのだ?っていうのが一番の謎っていうくらい、この作品にえげつない労力と時間、情熱が注ぎ込まれてます。完成までに10年かかったと言われてますが、10年かかるのも納得っていう感じ。
 探偵小説っていうふうに読むと、もうむっちゃくちゃですし、謎解きとかもはちゃめちゃ、なんじゃあそりゃあのオンパレードで誰にでもおすすめ出来る名作ではないのですが、とにかく、すごい、作品であるのは確かです。非常にヒトを選ぶ。 

 




///////
   補足 アメリカ観

 
「アメリカは自由の国、カネを持ってるヒトにとっては」
 とよく言われます。USJでも取り入れられているようにアメリカは、カネを払ったヒトが優先されるのは当然、という発想があります。行列に並ぶのが面倒なら、行列の先頭に行く、という権利を買えばいい、という考え方。日本的な発想では金持ちだろうがルールは守れ、っていう発想ですが、アメリカは、ルールを守らなくていい権利、も買えるんです。

 だからアメリカはすべて金持ちのための社会、っていうふうに見られますけど、それはやっぱしごく一部の都市のアメリカ、ヤンキーのアメリカでしかなくて、アメリカってのはわずかな都市と莫大な広さの田舎があるんです。その膨大な田舎のアメリカが厄介極まりなくて、まじかよ、っていうカルト宗教みたいなやつらがいたり、移民ばっかりのところがあったり、ふるーいキリスト教コミュニティだったり、死ぬほど保守的だったり、白人至上主義だったり・・というわけ。
 アメリカが時々奇々怪々な行動をするのはこっちの田舎のアメリカ、の力によるものなんですよね。当時の日本にはそれが見えて無かったと思います。現代でもよくわからない。でもワタシはこっちがアメリカ、のパワーの本質なんだと最近は思っております。
 狂気じみてるんです、アメリカのダークサイドも。

 

2009 女神異聞録 デビルサバイバー

  *注意点 ワタシこれ最後のほうで気づいてまじかーーー!!って思ったのですが、人間キャラのスキルはいつでもメニュー画面で変更可能です、一つのスキルは一人まで、ってだけで。だからバトルによって烈攻でいこう、とかメディアは悪魔がやるからつけかえ・・っていうことが出来ます!!知らなかった!新しく入ってきた人間スキルなしかよ!!って思いましたが、違うんです、付け替えられるんです!
 一つのスキルは一人なので全門耐性を全員につけるってことも出来ないわけです。パラメータが基準値になってない場合も無理です。まぁ代用スキルがだいたいあるのでだいじょぶなんですけど。


概要

 メガテンのスピンオフ作品。
 メガテンシリーズ久々のシミュレーションゲームとありますが、ユニットをマスで動かすふつうのシュミレーションで、攻撃を開始すると、いつものターン制バトルに移行するという感じで、場所、の概念があるメガテンっていう感じです。
 しかし恒例プレスターンバトル形式で、速度が早かったり、相手の弱点をつくことでこっちにターンが追加で回ってきたりと、かなり奥深しです。有利なほうがさらに有利になる!という資本主義形式ですね。不利になると速攻で死ぬ。とにかく相手の弱点をつかないとだめです。

 もちろん悪魔合体での強化なども出来ていつものメガテンです、仲魔の手に入れ方は説得方式ではなくて、すべてカネで買うという形式。めんどくさくなくていいのもあるけれど悪魔としゃべる機会が少ししかないのでちょっと残念でもある。あと売ってない場合もあるのでいくらでも手に入るわけではない。何が売ってるかは運です。たぶんイベントバトルをこなすごとに入れ替わるのでちゃんとイベント終わるごとに悪魔を強化しとかないと詰まる可能性があります。(特に最初のベルとラスボス)
 メガテンシリーズいっつも積みステ系が強いのですが(ランダマイザ無双)、今回ターン制じゃないのでそれがありません。あとスキルの継承が手動で自分で選べるというのがすごいやりやすいです。いっつも何度も合体画面をキャンセルして良いスキル構成になるように・・って何度も繰り返すのですが、開発者もやっとあれはただの時間の無駄だ、ってことに気づいてくれたようです。スキルのスロット数は少ないのですけど、すごい快適。これまでの悪魔合体史上一番素晴らしい合体システムだと思います。
 上記したように人間のスキルは手動でいつでも変更出来るのもメガテン的には大盤振る舞い。

 ただシュミレーションというゲームそのものの特徴とも言えるのですが、何も考えずに突っ込むと囲まれてボコられて死にます。かなり強化しててもあっというまに天国。さらにイベントミッションのほぼ9割がシミュレーションゲームで一番困る救出ミッションなので、15分くらいシコシコ戦ってたのに、一発で救出対象が吹っ飛んでそれまでの苦労水の泡。絶望的時間の無駄、ってことになり、モチベーションがかなり削られます、戦闘中のセーブもないし、スパロボみたいにゲームオーバーになっても経験値引き継ぎってこともないので、ほんと圧倒的な時間の無駄になってしまう。さらに初見殺しみたいな性能の敵多し(ベルは全部だいたいそう)
 だからロープレみたいに気軽にプレイってことが出来ません、難易度そこまで高くないんですけど、今の時代の普通のゲーム、に比べるとまぁまぁ難しいです。難しいっていうか、事故っていきなりゲームオーバーが多い。それがメガテンって言えばそれまでなんですが・・w。だからあまり集中力が無い時にはやる気が出てこない、気軽にプレイ、出来ないゲームです、いっつも仕事で疲れてて寝る前の気晴らしにゲーム、みたいな社会人ゲーマーにはきつい仕様。最初のベル、主人公のヤドリギ、という攻撃以外には無敵、といういや、ラスボスより強いじゃんw っていうのがしんどい。さらにラスボスもほぼ攻撃はメギドラオン一択って調子で防ぎようがなく勝ち方を知らないと勝てない。
 
(攻略サイト見ればわかりますけど、一応勝ち方。
ラスボスは弱点属性がターンごとに変わるのですが、3ターン目に物理弱点になります、そのときに一気に倒さないと勝てないと思います。
 物理激化、貫通、デスバウンド、をそろえた物理担当悪魔と鬼神悪魔(こちらにも同じスキルセット)を揃えて人間キャラは回復って感じです。鬼神は連続攻撃出来るのでデスバウンドを合計8回当てれば確実にオチます、6回で落ちると思います。ラスボス攻撃はすさまじいけどHPはそこまで高くない。)


//////
 シナリオは山手線の中に閉じ込められてしまって、悪魔を使ってサバイバルゲームっていうやつなのですが、スクエニの「素晴らしきこの世界」にめっちゃ酷似しています、都内に閉じ込められるところはもちろん、数理的なネタが多いところや、群像劇形式、運命の日、の時間制限が決まっているっていうのもかぶりまくり。
 わざと寄せてるのでは?ってくらいかぶりまくってます。キャラデザもどことなく似てる。

 後半からはオカルトテイストが濃くなり、天使や神、がすげーうさんくさかったり、またLAW、CHAOS、いろんなルートも選べるよ、っていういつものメガテンになってきますが、このゲームは殆どLAWよりというのか、一般常識的に正しい、ことを強制的に選ばされます。力がすべてだネミッチー!!っていうふうに悪の道に突っ走ることは最後のほうまで殆ど出来ません。最終日にいきなりルートが別れます。ちなみにワタシはアツロウルートにしようと思ってたのにフラグ立て忘れていたらしく、ナオヤルートになってしまいました。まぁ結果的には同じだと思うのですけど。

 それぞれのキャラが、完全にこいつが正しい、と決まってないというのもメガテンらしさです。みんな別々の考え方をしてバラバラに動く。ただアツロウ、とユズっていうのが最初からほぼずっと仲間なんですが、ユズのほうが、いっつもネガティブ発言して最後まで逃げることしか考えてないのがだんだん腹が立って来ます。ワタシは死にたくない、生きていたいってことあるごとに言うのですが、なんでそんなに生きてたいのか?っていう説明もないし。普通の女の子だから仕方ないってことにされてますけど、それってどうなん・・?(ユズルートを選ぶとちゃんとその理由が補完されてるのかも?)
 そういうルートを代表するキャラ、なので仕方ないんですけど、主人公の選択、でユズ、の性格が変化する、ということが一切ないってことです。ユズは逃げる、というルートのためのキャラだから、主人公が何をしたってユズはユズ。アツロウはアツロウ。オレはオレ、ってわけで、なんかそれに気づいたときに妙な無力感に襲われます。こいつらこっちの言うこと一切聞く気が無いなっていう。もっと仲間になるキャラの自由度を高くして、プレイヤーの好みに一緒に行動するキャラを選べたら良かったのに。
 ただ全体としてはシナリオの出来はそこまで悪くないです。あぁ惜しいなぁ・・っていうところも多いですけど、人間の嫌なところが出ていて、警官、自衛隊、国家権力が一般人を殺しまくってたりと、いいね!押したくなるところもかなりあります。


 どちゃくそネタバレですが、エンディングは主人公は魔王となって悪魔を統べるものとなり、神、との神魔戦争に挑むことになる・・・。という普通の感覚からすると無茶苦茶なエンディングを迎えましたw でも謎の男・・みたいなのも残っていて、続編あるよオーラが出まくっております・・。で実際続編があるんですけど、まさかほんとに神魔戦争から始まるのか??
/////////

 レビューなどにあるようにキャラデザがいつものメガテンらしくない感じで、これがなんかしっくりこないっていう意見が多いみたいです、ワタシも同感。アニメ調であっさりしすぎている。メガテンといえば、時代の流れを無視したライトユーザに媚びないデザインでしたのに。ストレンジ・ジャーニーみたいな・・・w(あれはあまりにも媚び売ってなさすぎてもはや笑ってしまいましたけども)
 ちょっと若者に媚を売った感じになって、おっさんが若者コトバで気を引こうとするみたいないやらしさが出てしまってますね。もっと耽美な感じでさらに媚びないスタイルにしたりとアトラス先生らしく攻めに出てほしかったですね。いまはだいたい萌え美少女、かリアル等身の美男美女、っていうデザインばっかりになってしまってるから。


 でも総評としては、やりごたえも十分で、携帯機でやるにはもってこいのシミュゲーで(携帯機でアクションやるのはなんかやりにくいとワタシは思う)ちゃんと作られている良ゲーです。あとはシミュゲーや合体育成ゲームが好きかどうか、好き嫌いの問題だと思われます。

2018年10月21日日曜日

2013 意識はいつ生まれるのか  マルチェロ・マッシミーニ  ジュリオ・トノーニ

この本は珍しく邦題が冴えている本で
「意識とはなにか?」
 というタイトルではなくて
「意識はいつ生まれるのか?」
 というタイトルなのです。

 意識とはなにか?というタイトルだと、結局は抽象的観念論で、物理的説明は一切ない、ものになりがちですが、意識はいつ生まれるか?となると、これは医学的、な問題で、物理的な解説、測定が可能になるのです。

 実際のタイトルはやたら長くて、こんなに巨大なものはない・・・意識の秘密とその測定・・みたいなタイトルです。確かにこれは直訳しても誰も買わない。

 とにかく「意識」とはなにか?っていうコトバの定義的な、いつまでたっても堂々巡りみたいな議論をスルーして、意識がある状態と、意識が無い状態をどうすれば、物理的な計測が出来るのだろうか?っていうことにフォーカスしています。だから哲学的議論は無しですんでいるのです。

逆を言えば「なんで、物質、に意識、が宿るのか?」っていう究極命題については殆ど触れていません。それが知りたいヒトにはがっかりな本でもあります。問題のすり替えをしてるのです。
 原子の積み木をしていたら、突然、ある日その積み木に意識が宿るのか?ってことです。
 本の最後の方に還元主義についての話があります、物事はその最小の単位を理解すれば説明がつく、ってわけです。それで確かに物理学などは大きく発展してきて、つまるところは電子の働きだ!ってことで、だいたいの運動がそれで理解出来るってわけです、さらに原子の中の素粒子まで捉えようっていういきおい。
 最小単位、の働きさえ理解できれば、それ以降、その積み木のブロックが組み合わさってるだけだからすべて理解出来るだろうっていう。

 意識、の問題はその還元主義が万能じゃないってことを証明してます。還元主義ってのはつまり、数学、のことで、数学じゃ捉えきれない問題もあるんだよってことだとワタシは思います。数学ってのは相互に作用する全体、みたいなのを記述出来ません。この本で言うところの統合されている全体、ってのを表す方法が無いのですね。だから未だに喘息も治せないし、花粉症も治せないし、病院に行っても原因不明ってことばっかしなのですわね。細胞一個一個の働きはわかってるけど、全部が相互作用してるとよくわからんというわけ。


 セカイは数学、で書かれているみたいなこと言いますけども、数学だけ、で書かれてるわけではないんでせう。現在の数学では、記述出来ないだけなのかもしれませんし、数学よりも優れた新しい言語、があるのかもしれません、またはもっと量子的な事象で実はスッキリ説明出来るということもあるのかもしれません。


 別にワタシは、ココロ、は数学で記述出来ない、だからかけがえのない素晴らしいものだってことがいいたいわけじゃありません、ケド世間にはそういう連中がたくさんいますね。すぐに神秘論に飛びつく人々。数学で記述出来ないってことと、ココロが素晴らしいかどうかってことは全然関係が無い。ただ、数学、をディスってるだけです。A君とB君がいて、A君がキチガイだとわかったところで、B君が良いやつかどうかなんてわかりっこない。


 科学は幻想、を打ち破ってきた、ということも書いてあります、コペルニクス的転回は地球が宇宙の中心じゃないこと、つまり神がいないってことを明らかにし、進化論は人間は特別なイキモノじゃないこと、さらに聖書は嘘っぱちだってことを証明してきました。意識、に関する科学は、数学、が不完全な言語であって、すべてを記述出来ないってことを教えてくれるじゃないですかね?


 とにかくはっきり一言で片付けると、結局意識についてはわからん、ということがわかりました。ただ物理的にこの人は今意識があって、このヒトは無い、というのが測定出来そうだ、ということだけがわかりました。

それでもこの本は、すぐに、あっ、これは頭いい奴によって書かれてるなっていうのがわかる、いい本だと思います。たいていの一般向けの科学の本ってのは、なんでそれがわかったのか?という肝心なとこが書かれていません。太陽の温度はXX度です。っていうデータを突きつけるだけで、どうやって太陽の温度がわかるの??どうやって裏をとったのだ?っていうのが書かれてません。むしろ太陽の温度よりも、そのどうやって測ったか、というのが肝心の情報なのに。
 この本はその、どうやって?の部分についての説明が半分で、なるほどそうやって測るのかってのが詳細に記述されております、誠意あるやり方ですね。



 話は変わるのですが、この本イタリア語で書かれていて、作者もアメリカの大学などで働いてるみたいですがイタリア人のようです。イタリア人にも賢いヒトっているんだな・・まぁそうかガリレオとかダ・ヴィンチだってイタリア人だものな・・と思うのですが、現在、イタリアはポピュリズム政権が財政破綻が避けられない予算をぶっこもうとしていて、国債がデフォルト危機ランプが点灯し、金利も高くなっていて、どうもイタリア人が知恵があるように思えない状態です。しょうもないファシスト政党に投票したりと、どうも現代のイタリア人からは知性が消えてるように見受けられます。
 意識、の問題はともかく、脳にはたらきかけて賢くするっていう方法を見つけることは出来ないのかなって思いました。どうやったらもっと脳を効率的に賢く出来るのか?っていう研究をしたほうがいいのでは?
 その脳が素晴らしいとか偉大だとか終わること無い話に頭を突っ込まないで・・・。

 病気の人間を普通に戻す、ということを研究するよりも、普通の人間をさらに良くする方法を見つけるほうが、社会生産的にどれだけプラスかって話です。普通の人間のほうが圧倒的に多いんですし。結果的にそれが多くの人間を助けることになるし・・・、けどそういうとこに政府は予算出さないのですよね。

2018年10月20日土曜日

1885 ハックルベリー・フィンの冒険

 「アメリカの文学はこの一冊から始まった」
とヘミングウェイが言ったとか言わないとか。
 なんにせよ、日本で言うとこの、夏目漱石の「こころ」みたいに、アメリカ文学の記念碑的作品なのは間違いないようです。

 内容はトム・ソーヤーに登場したハックルベリー・フィンの後日談ですが、トム・ソーヤーとはテイストや世界観も異なっており、より深刻で、深い物語となっております。

 だいたいの大筋でいくと、ハックが逃亡奴隷であるジムと一緒に筏で川を下っていく大冒険という物語です。これにより、全面的に人種差別、を扱った物語となり、物議でしかありません。
 ほぼ全編にわたってハックの独白体であり、ハックは南部訛りで話すので、物語全編にわたって方言で書かれてるといったような特殊な文章で書かれています。


 アメリカの歴史って、世界史で殆ど扱われないですよね、たぶん、独立、奴隷解放、までなんと1ページ、ゴールドラッシュののちに、鉄道開通、いつのまにか世界の強国になっていて、あとは棍棒外交・・、世界大戦で没落するヨーロッパを尻目に世界の覇権をにぎるっていう感じ。
 ようするにアメリカ発見から南北戦争、までの間のアメリカの発展の歴史ってのは一切歴史の教科書には載ってません。インディアンを駆逐し、黒人奴隷を大量に導入して農業生産をあげていく、っていうアメリカの基礎、が作られている過程、ここは謎に満ちています。だから日本人としては、アメリカが人種問題でもめてたりしても、なんかよくわかんない、伝わってこないのです。アメリカの根深い問題ってのはこの時代に作られたものだから。

 この小説は1840年台、つまり南北戦争直前の時代の南部、を舞台にしているんですが、アメリカの1840年台ってこんなん!?ってくらいめちゃくちゃです、私闘や決闘、盗みが常態化していてカオスなセカイ。しかし牧歌的で生き生きとしたセカイでもあり、伝道やら日曜学校だの、キリスト教の支配が強い時代。

 アメリカの豊かさ、を作ったのは黒人奴隷であることが疑いようもなく、国家が発展する段階ではどういう方法にしろ、奴隷労働的なものが必要であるというのも事実。しかしわざわざアフリカから奴隷として人間を積み込んで来て、それを働かせて農場を経営するなんて、ものすげーことをやりやがるものだと言う感じ。想像力を超えてます。それも船、で。何ヶ月も決死行を繰り返してそんなことをやるんです。頭がどうかしてるぜ。死ぬのが全然怖くないんか・・っていう感じ。
 ヒトラーとユダヤ人、ヒトラーは最悪のクズ、っていうイメージをさんざん植え付けられていますけども、奴隷貿易、をしてたアメリカと欧米諸国っていうのは、どう考えてもそれ以上にひどいし歴史も長いし、根が深いです。
 けどアメリカを誰も戦争で叩きのめせないが故に誰もそれを追求出来ないという闇のふかーーーい問題です。結局のとこ、何が悪か?というと戦争で、負けること、ただそれだけが悪であって、勝てばすべて許されるんだな・・っていうのが私達の教訓ですかね。

 アメリカの歴史っていうのはそういうことだとワタシは思います、とにかく、勝て、それがすべてである。ってわけです。

雑談 2018 秋 その2

 さてさて、秋も深まってまいりましたがw

 MLBPO、レッドソックスかアストロズ、これが事実上WSでしょ、って言ってましたが、予想外にもつれないでレッドソックスがすっと勝ってしまいました、むしろアストロズ有利だと思ってたので予想外。やっぱ連覇を目指すってのはモチベーション的に難しいんでしょうね、アルトゥーベもコレアも本調子じゃなかったってのも大きかったですね。

 逆にLAとMIWはもちゃもちゃともつれあっています、まぁどっちにしてもWSはレッドソックが相当楽勝なんじゃないかっていう感じ。ベッツ、ボガーツ、ブラッドリー、などパンチ力もありつつ、若くて、さらに足も早い、っていう生きのいい打線が揃っております。強打者=ややデブであるが、長打力がある、っていう図式は崩れて、こういう運動能力高い系のバッターを揃えるほうが強いっていうことですよね。ただピッチャーはそれほどでもない、セールは怪我明けで不安定だし、プライスもどっかプレッシャーに弱い感じがまだあります。まぁ打ち勝ってくスタイルなので、RS優勝確率は80%ってとこですね。

 
 ほいでNBA開幕しましたね、GSWが戦力ダウンするどころか、さらにカズンズまで加えてさらに補強するという、いやもう95%GSWの三連勝は決まりっていう感じ。去年ファイナルをストレートで圧勝したのにさらに補強するなんて、面白くもなんともない。ここに来てGSWは完全にヒールになったっていう感じですね、もういいよってみんな思ってる。カリーかデュラントが大怪我するのを願うばかりw じゃなきゃ面白くないもの。
 
 しかしGSW以外、は完全な混戦でこれは面白いですね。やっぱしレブロンが移籍したレイカーズですよな。PGにはロンド。ロンドとレブロンが一緒にプレイしてるのってすげー妙な感じ、果たして機能するのか・・?さらなる補強は出来るのか?見ものですね。レナードも移籍しましたがワンマンチームでこれはちょっと勝つのはむずですよな。そいでセルティックスはすげーいい感じのチームになりました。これはかなり勝ち進むのは間違いないって感じ、実はセルティックスファンのワタシには嬉しい限り。アーヴィングどうか怪我しないでくれ!!
 あとはロケッツですね、メロが加わってメロとポールの親友コンビが誕生、メロ、ポール、ハーデンの3人、爆発すれば面白いって感じ。対GSWの最有力。
 ともかくGSW以外はおもしろそうなシーズンになりました。

2018年10月8日月曜日

雑談 2018 秋

 最近めっきり更新してないので雑談など。

 すっかり秋ですねw 

 ミスチルの新アルバム発売・・・、いや、ひどい出来だぜこれは。こんなくだらない曲作るバンドだったっけ・・やっぱ耄碌したのか・・・、なんでバンドってのは年をとるとダメになってしまうんでしょうね。作曲家とかだったら、年取っても頑張るって場合もあるのに、バンドで年をとって良くなったってのは一つも思い浮かばない。星1つ。


MLBポストシーズンが始まりました、ワタシ的には、秋というとオクトーバーベースボールですね。だいたいポストシーズンが佳境になると、NBAが始まるっていう感じでもあり、あとNFLのシーズンでもあります。つまりスポーツの秋ってことか。


 レギュラーシーズンでは圧倒的だったレッドソックスですが、PS初戦がヤンキースで、なかなか苦戦しそうな感じ。一方もうひとつの優勝候補アストロズは圧巻。これは間違いなくワールドシリーズはアストロズですな。ピッチャーの布陣が硬すぎる。まず優勝は70%くらいアストロズって感じ・・・。



 改変時期で、ニッポン放送のラジオで秋番組が始まりました、ココリコ、中川家、よゐこ、とばっつりベテラン芸人の番組。めっちゃひさびさに地上波のラジオを聞いております。なんか番組構成がめちゃで変な箱番組やら道路、天気情報が多すぎますけども、なかなか面白い・・かもしれません。
 最近はワタシはエロゲー声優のラジオばっかり聞いてますねー。なんで地上波を聞かなくなったかというにテレビの話ばっかりする番組ばかりになってしまったからですね。テレビを全然見ないワタシには元ネタがまったくわかんない。やれ〇〇っていう女優がカワイイとか言われても知らないしワイドショー的なネタもニュース見ないのでちっともわからん・・・。
 
エロゲー声優ってのがどういう人々がなるのか?ってのがワタシは知らなかったのですけど、普通の声優になりたかったけども、仕事が無くて仕方なくエロゲー声優、ってのもまぁまぁいますけども、だいたいは、ごりごりのヲタクとかBL好きとか、百合女子とか、あとなんか・・普通じゃない感性の持ち主wがエロゲー声優になるのですね。つまりは、ワタシと同類という感じです。
 あっ!このヒトたちの言ってることすっげぇわかる!!って共感します。こういうところにワタシの同類はいたのかっていう感じ。

2018年10月7日日曜日

1978 おれは鉄平

 ちばてつやによる剣道マンガ??なんですが、主人公のデザインジョーそのもので、ボクシングの次は剣道か・・・でもジョーより良いもの出来るはずないよって思わせますが、内容は実はまっったく違います。

 主人公の鉄平は、むちゃくちゃな親父に育てられてほぼ浮浪児みたいなヤツで学校にも行ってないっていう設定で、これもジョーそのものじゃんって感じなのですが、すぐに金持ちの家の息子だと判明します。

 自然児として育って鉄平は一般社会と全然折り合わないでいたずらや乱暴ばかり・・・、もういいよ!ってくらいこの鉄平は自然児でルールに縛られた文明とはうまくやっていけないという描写が続きます。警察署をダイナマイトでぶっ飛ばしてみたり、電柱にのぼったり、気持ちの悪い動物を育ててみたり、先輩と喧嘩したり、居眠りしたり、酒、煙草、博打・・・
 なんなんだこりゃあ?ページ稼ぎか?さっさと剣道やれよ!っていう感じで、すったもんだするばっかりでなかなか剣道は始まりません。あまりにも自由奔放な鉄平に腹が立ってきますw

 ですが!途中から、鉄平にだんだん好意を抱くようになります、剣道部のキャプテンに死ぬほどしごかれてぶっ倒れたあとに
「キャプテンや先輩はおれたちをしごいてるばっかで自分たちは練習してない、これは俺たちはあいつらを超えるチャンスだぜ」

 とか言ってのけます。どんだけめちゃくちゃにいぢめられたりしても、人を信じて、未来を信じて、頑張らなくっちゃ~、と鉄平はほんとにくじけることが無いんです。
 あの前半のながーーーい前フリは全部この鉄平の本当に折れないココロ、にリアリティをもたせるためのフリだったのか??って驚きます。だとしたらちばてつやという男・・・ごくり・・恐ろしい子!!

 でもほんとに全部計算してたのでは無いという気がします、なんかいつのまにかそういうことになった、物語が動き出したっていうほうが正解だと思う、でもそういうふうになぜか偶然の一致でキャラクターが生気を放ち始める、というのも、ちばてつや・・・恐ろしい子!!っていう才能だと思いますね。そういう、作家運、みたいなのを持ってる。狙ってはいなかったのに、すべてすぽん!ってうまくハマるっていう。

 2ページに一回は、キチガイだ、というコトバを連発していて、今の基準だとハイダメー!っていう描写のオンパレード。鉄平は未成年で酒を飲みまくってるし、もうだみだこりゃという感じ。無茶なシゴキなども、今では全部アウト。でもそれなのに、このマンガは陽のエネルギーを持ってます、非常に前向き。それがすごい新鮮です。現代のマンガは、規制がめちゃ厳しくなってるのに、なんだか根暗っていうのか、社会はこんなにひどいというのを強調するようなものが多いですね。

 最後の終わり方もめっちゃくちゃ、ハチャメチャです。まったく剣道とは関係ありません。剣道マンガ、では無いのかもしれません、途中剣道やってて、とにかく、鉄平というのはむちゃくちゃなガキだ、こういう無茶苦茶な人間がいなくなってしまったよな、っていうお話だと思います。
 
 確かに現代のマンガは型にハマりすぎてる嫌いがあります、月九ドラマみたいに始まった瞬間に最後まで物語がわかる、おそらく言うであろうキレイゴトも、全部もうわかりきってる。このマンガはほんとどういう展開するのか予想外です。これは・・破綻してるとも言えるのですけど・・・。
 しかし32巻も出てる長期連載でして・・いやはや。昨今のマンガに慣れたヒトには勧めませんね、昔のまんがってこんなに無茶苦茶だったんだなぁというのが読みたいヒトはどうぞって感じ。

2018年9月25日火曜日

決定版 日本の剣術 学研

 いろいろある剣術の流派の技を写真によって解説したムック本。

 写真はあるものの動きはまったくわからぬ!w

 あとやっぱり、そんなわけあるかいな、っていう秘伝技やら、形式化したわざが多いとも思う、気合で相手の打ち下ろしをふっとばし、こっちが面打ちを決める。みたいなの、ほんとにそんなこと出来るの??

 あとどうしても気になるのが、刀を刀で受けると刀が折れるんじゃないの??っていう疑問がずっとワタシにはあります、刀ってそんなに強度があるのか?


 剣道ってスポーツがありますけど、あれっていっつもなんじゃあれは?って思います、ちゃんと入ってないから一本ではない、みたいなの。いやいや、ちゃんと入ってなくても斬られたら終わりでしょうが。あと技名を叫ぶあれです、技名叫んで斬りかかってるバカがどこにいるのだ?

 もっと実戦形式の決闘みたいなスポーツがあれば絶対流行ると思うのですけどね。

2018年9月23日日曜日

1876 トム・ソーヤーの冒険  

 アメリカってのは歴史の浅い国です。歴史がほとんどないといってもいい。アメリカってのは文化、が無い国でもあります、だいたいはヨーロッパからの借り物。
 ただアメリカに独特のものがあって、それは黒人奴隷です。

 すべてのアメリカ文化ってのはこの奴隷問題ってのが根っこにあるような気がワタシはします、そして今もそうであり続けてる。それがアメリカ、という国のスタイルなんだとも言えます。

 アメリカの歴史、というと一つしかありません、南北戦争です。商業主義の進んだ北と奴隷農園による南の戦争、まるで世界の縮図みたいなこの戦争が、アメリカの唯一の歴史だって気がワタシはします。全部ワタシが勝手にそう思ってるだけですが。
 WW1にしろWW2にしろ、その後の戦争にしろ、南北戦争に比べればアメリカとしては単なる局地戦にすぎず、本当に深刻な岐路に立ったというのは南北戦争だけしかないと思います。

 アメリカっていう国はセカイ、のミニチュアなんですよね、アメリカだけで一つのセカイとして完結していて、それをちょっと拡大すると地球、のセカイになる。

どういうわけかワタシはアメリカ文学ってのをほとんど読んでこなかったですね、どうもshallow、浅いんです、あと全然なんでしょう・・、色が違いすぎるというのか、共感出来ない、全然別のセカイの話みたいな感じがする。

 トム・ソーヤーの冒険って名前は聴くけれども内容を全く知らない。マーク・トウェインは明らかにアメリカの国民作家で、イギリスのディケンズ、フランスのバルザック、ロシアのトルストイ、日本の夏目漱石的なポジションです、知らないヤツなんているわけないっていう。


 で内容は、アメリカらしいなぁ、っていうそのものです。田舎、キリスト教、奴隷、子供、ギャング憧れ。小さい子供が活躍して、殺人事件なり大きな事件を解決したり、冒険をする。アメリカ人のグランドストーリー、物語、っていうのは全部これですよね。映画でもグーニーズだとか、あの・・・タイトルど忘れしましたが、線路の上をたどっていって、蛭に食われて・・・とかのやつも、ぜーーーんぶこのヤツなんです。
 日本のグランドストーリーも決まってて、やりたいざかりの男子高校生が主人公で、カワイイ同級生の女の子に惚れていて、お調子モノなのだけれど、シリアスな事件に巻き込まれて、主人公が成長し、恋もうまくいくっていうやつです。ぜーーーーーーんぶこれ。死ぬほど同じ型にハマった物語。

 
 アメリカはあんまし性欲垂れ流しの男子高校生ってのを好かないようです。やっぱこれもキリスト教的価値観なんでしょうね。


 ちょっとこれからぽつぽつアメリカを知ろうコーナーが続くかもしれません・・。

2018年9月21日金曜日

2010 End Of Eternity

注意点

*エスケープヘキサはメニューから使うのじゃなくて戦闘中にファーストエイドなどを使うようにして使うとダンジョンから脱出出来ます、最初ワタシも使い方がわからなかった。いちいち戻って戦う必要は無い。

概要
 

 SEGA、となっていますがTri-ACE制作でして、もろにTriACEのゲームです。

まず最初戦闘システムの意味がまったくわからずにGameOver、意味がわからなすぎて笑ってしまいましたw さすがトライエースやなぁってとこですね。最近のゲームでここまで全く操作がわからんことってある??

 というか全くワタシの予想と異なるゲームでした、なんかガンアクション臭い感じなので、あぁたぶん、空を飛べる感じのデビルメイクライみたいなゲームなのかな??って思ってたら、全く違って、ジャンプ攻撃が出来るヴァルキリープロファイル2を更になんかワープとかをプラスした、まさに斬新極まる戦闘システムです。斬新、と超展開、が合言葉の?トライエース、さすがです。
 戦闘システムは言葉ではまず説明不可なのでやってみるよりほかないですね。今までのどんなゲームとも違うルールって感じ。
 戦闘システムのみならずマップ移動も独特なのです。ハニカム構造のパズルにピースを当てはめて道を作るっていう感じ。さらに同じ色のピースをつなげるとフィールドにボーナスがかかる、みたいな調子。
 戦闘システムが独特極まりないのだから、マップはシンプルにすればいいのでは・・・?ってちょっと思います、少し詰め込みすぎなのでは・・。

 そしてモデリングがところどころ、ん?アレ?荒ない!?っていうのがあったり、やたらおっぱいネタと妙に着せ替え要素が充実してるのが、セガクオリティってやつなのかもしれません。ヒロインが可愛くない。主人公はうるさい。もうひとりの主人公はボケ担当。

 超展開のトライエースですが、今回はキャラクター、が全員サイコヤロウというかなんというか?w 妙なノリです。終始妙ちきりんなハイテンションのノリ、と神と死っていうシリアスモードが、ワンツーワンツー!って感じで交互に出て来て、ほんとに奇妙なノリとしか言いようがありません。

 でもシナリオ全体としてはそれほど超展開はしてません、最後は、ん・・・??どういうこと??って感じですが、そこはまぁなんとなく雰囲気モノです。
 あと終始、角と翼の生えた吸血鬼みたいな少女が登場するのですが、それに関してはぶん投げたままで最後まで回収されないで終わります。普通であれば、あれはどういうことやってん!?ってなりますけど、そこはトライエース、めちゃくちゃぶん投げて回収しないなんてのはいつものこと。
 いちいちすべてを説明しないで、キラキラ、チラ、と断片的に印象、を与えるっていう語り口はトライエースのスタイル、なんでしょうね。いやちゃんと説明してよ!っていうヒトと、あっさりしてて良いっていうヒトに別れると思いますが、ワタシはどっちかというと後者ですかね、ムービーがやたら長いということもなくサクサク進むのでゲームやりやすいです。


銃のカスタマイズなんですが、これは非常にわかりにくいです、なんか強くなってるのかよくわからん、基本後半に入手できるようになるのは強い、当たり前なんですけど、パラメータなどが独特で、カスタマイズの方法も独特で、ほとんど銃の形態をなしていないものになっていき・・って感じ。もう少しわかりやすくてよかったんじゃないのかなぁ・・・、銃マニア向けというわけでもまったくありません。本当の銃はあんな風には改造できん。チャージ加速度、という指標が現実にはありませんしな。
 


 とにかく攻略で必要なのは、マシンガンのチャージ速度とチャージ加速度だけです、集弾性とかが機能してるのかどうかまったくわからぬ。とにかくすごく簡単にいうとマシンガンにロングスコープエリートとロングレンズ、あとはサブバレルをつなげまくるだけです。
 ハンドガンに関しては、スクラッチダメージを確定させるだけなのでほとんどカスタマイズなんかいらない気がします。

 マガジンケースで特殊弾が撃てるのですが、ワタシは一発も使いませんでした。アーマーピアース弾が強いらしいのですが、闘技場で稼ぐくらいなら、普通にレベル上げしたほうが早い。
 マシンガン、ハンドガンともに両手持ちにしてしまうのでマガジンを持つ機会がほぼ一度も無かったです。
 

 難易度に関して

 ダンジョンに入ったら装備が変更できなくなる、これがイタイです。途中でアイテムボックス装備してなかった!エスケープ出来ない!って気づくと非常に面倒。あとバステの威力が非常に高い、毒、氷、電気、炎、全部強い。どれもくらうと最悪積む。このゲームの肝なのですが、常に位置取り、が大事なので回復、することが非常に難しいこともあり、一度バステになるともうどうしようもないってことが多々あります。
 逆にこっちが相手にバステもつけても強いです。ぶっちゃけバステを入れてしまえばほぼ勝ち、あとはハメ殺すだけ。
 ラスボスも普通に戦うと相当硬いのですが、燃やしてしまえば楽勝になります。

 あと攻撃力のインフレ率が半端ないです。基本防御力を増やすことがアクセサリーしか無いので、一発でHPの90%ふっとばされるなんてザラ。
 ただレベルアップするとHPが回復するという仕様があって、これをうまく使うことでボスを倒せます。

 あと中盤の終わりくらいに、ラガーフェルドというボスとの一騎打ちがあるのですが、こいつだけは別のゲームからやってきたのかってくらい激烈強い。強いというのか、ほんとまったく別のゲームやらされてる感じ。
 正面側面からの攻撃はすべて無効化してカウンター、しかもそのカウンターが一発当たれば即死級の威力。なんじゃあこりゃあ!っていう感じの強さ。
 勝ち方は、タイミングの勝負で相手の攻撃のモーションを見て、刃を飛ばすみたいなモーションになったら正面に突っ込みながらあいてが振り向く瞬間に撃ち、キャンセルして逃げるようにしてHGを撃つっていう感じ。今までのゲーム感とちがいこいつだけアクションゲームみたいな戦い方が要求されます。ゲームを通してカウンター、を使ってくるのはほぼこいつだけで、正直ラスボスよりも圧倒的に強い。ゼファーのレベルが低いとすぐに詰みます。

 すべてのサブミッションを攻略してメインストーリーもやるとだいたい40時間、裏面のチョイポリス攻略すると50時間というところでボリュームも、このゲームの戦闘システムにちょっと飽きてきたかなってところで終わるのでかなり良いです。この飽きてきたな・・・ってところで、終わるってのはボリュームとしてはベストですね。最近のゲームはやっと慣れてきた、ってとこでもう終わってしまうってのが多いのでこれは高評価です。
 つい最近HD版が発売されたみたいで、良作なことは間違いないのでやってみたいひとはやってみるべし。

2018年9月17日月曜日

2009 ドラクエ9

 ナンバリングタイトルでありながら、DSでの発売という携帯機で、通信などのネットワークを重視した路線へと急激に進化したドラクエです。

 って!いつの話をしてんのじゃ!w って話ですけど、ワタシもようやく手を出しました。よくアキバのヨドバシの前で変な集団が無言でDSを持って集まってたのを見ましたね~10年前くらいに。
 奴らは無言で熱心にゲームをやってる割にアウトドアでなぜか密集隊形のファンクスを組んでて異様な集団でした。


 しかし。もっと昔20年前のドラクエ5とかをやってた人々に、ドラクエ9っていうのは一体どういうゲームになってると思う?と質問して、ドラクエ9がこういうゲームになってると予想出来たヒトが何人いたでしょうか?って感じですね、たぶん数%だと思います。
 おそらく世紀末のあの頃の思考でいうと、もっと科学の進歩は急速だと思っていたと思います。あの頃、はなんかとても技術革新のスピードが早く感じられました、スーファミからプレステ、64はなんか別次元のものが来た、今までの概念とは違うものが来た、というショックを与えたと思います。2Dから3Dっていう誰の目にも一目瞭然の進化でしたもの。ワタシは初めてマリオ64を見た時にまじで愕然としました。なんじゃあこりゃあ!松田優作のマネもしたくなりますw

 実はゲームだけじゃなくて、インターネット、が登場したのもこの時期なんです。これもなんじゃあこりゃあ!新時代来る!っていう感じでした。つまりはWindows95が、爆発的にインターネット、というか、パソコン、というものを普及させたんです、それまでに存在しなかったものが、来た・・・。っていうあの感じ、今ではわからないでせう。このスピードでいくと、確かに世紀末に世界終わるな、って本気で思ってましたからねw


 だから当時の感覚でいうとドラクエ9は、いまでいうARゲーム、のさらに進化してる感じで、ホログラムに直接デジタルのソードで切り込んでいく、みたいな自分の体を使って歩いて、進む、みたいなものになってんじゃねぇの?っていう感覚でした。そういうゲームって未だに出てきてませんね、せいぜいゴーグルとか、キネティックコントローラ。そういうカラダの一部、で遊ぶもの。でもちょっとだけブームになったものの、勢いを失ってる気がします、結局普通のコントローラが一番使いやすいということに気づいてしまったのですな。

 あの頃のワタシは完全に自分のカラダを使ってゲームの中に入り込む、みたいなのが、もうプレステの次、くらいに来るのではないか?っていう感覚でした。
こういうARサバゲー、みたいなのって一体いつになったら出来るのでしょう?まだまだずっと先なのかなぁ?ゲーマーというとずっと家に引きこもっているイメージですけど、わたしはゲーマーっていう人種は別に運動が嫌いなわけじゃないと思います、ただ面白いものが好きな人々なんじゃないですかね。
 カラダを使って戦わないといけないというゲームになったら、ストイックにカラダを鍛え始めると思いますね。今ではネトゲ廃人というと色白のうらなりびょうたんというイメージでしょうけど、それが色黒のマッチョ集団に変わる日が来るとワタシは思う・・そうするとなんかいろんな概念が崩れますね。



 さて雑談が鬼のように長くなりましたけれど、このゲーム、良ゲーなのは間違いないです、賛否両論あるみたいですけど、これは良ゲーの匂いがぷんぷんします。何より遊びやすい、楽しみやすい、わかりやすい。
 ワタシ的には今までのドラクエの中で最高のバランスとシステムだと思いますね。だいたいドラクエってレベル上げみたいな作業プレイになりがちで、メタスラ狩りとかをやるのが面倒だし、時間の無駄みたいに感じられるのですけど、このゲームでは、サクサク進められる、絶妙・・・よりもぬるめ。くらいの一番誰にでも親しみやすいところに、もぉばっつり!はめ込んであります。これぞ職人技、ですね。完全なるスィートスポット、そこだ!っていうバランス調整がされてます。
 何度も書いてますけれど、ワタシはゲームの心臓はバランス、だと思います、バランスがとれてるゲームが良ゲー。どんなにグラがキレイだったり、システムが斬新だったとしても、バランスがぶっ壊れてると、それだけでクソゲーに落ちてしまう。ほんと繊細なバランスでして、たったひとつのバランスブレイカーが、ただそれだけを繰り返すだけのゲームになってしまう。

 ただ一つだけ、究極的に致命的な欠陥があって、ヴォリュームが不足してるってことですね。裏面などが充実してるとはいえ、すとーりーだけだと20時間?くらいで終わってしまいます。携帯機だから仕方ないのかもしれませんけど、ロープレは50時間は遊べるべきっていうワタシの考えからすると、ほんと致命的な欠陥です。そしてやっぱ通信ありきなので、ぼっちゲーマーや、ワタシみたいな時代錯誤ゲーマーには、ゲーム単体としての完成度は下がってしまいますね。ほかがすごいうまくバランスとれてるだけに、これが非常に残念。職業もたくさん用意されてるわりに、結局僧侶、魔法使い、バトルマスター二人、だけで攻略出来てしまって、他の職業の存在理由0です。ストーリー攻略だけだと、転職は1回だけでクリア可能。こりゃちょっとねぇ?
 裏面も歴代ラスボスと戦えるのですが、だからなんだ?と言われればそれまで。でかなり残念。
 ストーリーはあと二倍は欲しかったなぁという感じ。

 

2018年9月7日金曜日

猛暑 台風 地震 ・・・  非常時の準備をしよう。

 というわけで、最近、これでもかっていうくらいいろんな災害に襲われてますね。自然災害ぱねぇっ!って感じです。

 北海道ででかい地震があったとか、つい最近テレビで南海トラフ地震がそろそろやばいっていうのをやっていて、そのときに、北海道でももうじき地震が起こると言ってて、その直後にこれです。

 当たってんじゃん、ヤバない?

 しかも地震は北海道の東側だという予測、今回のはその前兆でしかないのかもしれません。


 というわけでみなさん、準備をしませう。ワタシも今日スポドリ、電池、非常食を買い出しに行ってまいります。

 
 だいたいこういう大災害ってのは歴史的に集中するのですよね、昔なら、日照り、そして飢饉、内乱・・・・ってことになるわけですが。


 現代で一番困るのは停電、です。ほんとに電気が無いと終わってしまう。でもクソ猛暑のときに停電じゃなくてよかったですよね、少しはマシになってきたから。クソ猛暑の中で停電はまじで地獄、ばったばたとヒトが死ぬということになっていますでしょう。
 

 避難所的なところはもし停電したときに猛暑だったら??っていう想定をしてるんでしょうか?
 してるわけありませんけど。常に後手、これがお役所仕事ですからな。といって電気なしで猛暑に立ち向かう方法はが思いつきもしません、無い、のですなぁ。発電機を買うくらいしかないけど、個人には無理な話だ・・・・。


 しかし南海トラフ大地震っていう名称辞めたほうがいいですよね、トラフってなんやねん!って思うし、南海ってのがどこをさしてるのかもわからん、本州太平洋側大地震、とかにしたほうがいいです。


とにかく後手後手の買い占めはやめて今からどんどん備蓄を増やしてこうぜ!ワタシ3・11の時にコンビニでバイトしてて、めっちゃ買い占めをしていくやつらがいてものすごい腹が立ちました。食い物棚はほぼガラガラになってしまいましたし。さらに、パニックを抑えるためかしらないけど惣菜はめっちゃ入ってきて、そんなに捌けるわけないだろって量で結局廃棄になってしまいました。

2018年9月4日火曜日

2013 日本の国家破産に備える 資産防衛マニュアル 橘玲

前回は悪本を紹介しましたけれどこれは良本です。一家に一冊あってもいいくらいです。

本屋にいくと「中国の不動産バブルが破産する!!!驚愕の事実!!!」

 みたいな大言壮語、誇大広告が蔓延してますが、この本は、そういう、世界が終わる!!方式の煽り、に対してどう反応すべきか、という、アジテーターに対しての対策、がかなり丁寧に書かれています。これは珍しいです。

 だって出版社、がそのアジテーター、だから。メディア業界、というのが、その、人々の不安を煽り立てて、バカから金をだまし取ろうという犯人そのものだからです。特にこのダイアモンド社、みたいな投資系の出版社なんてまさにそれ。「FXで手軽にお小遣いを稼ごう!」みたいなことをやってるとこです。

 うん、FXで手軽にお小遣いを稼ごう!、って思ってるやつは、限りなくただのバカです。まさにカモがネギ背負って来てるとしか思えないやつ。だからそういうところからこんなちゃんとした本が出るというのは驚き。


 けどまぁこれも詐欺の常套手段なのですけどね。

「まず真実、を与えて信用、を勝ち取り、背中から刺す」

 いくつか本当に有用な情報も混ぜること、これが詐欺のテクニックというわけ。

でも何にせよその有用な情報は有用なのは間違いないことなので、これは拝聴しないといけませぬ。そして煽りの裏にも情報が秘められているとはよくいうこと。

最初に書いた中国のバブルが!!

 っていうのだって、つまりはこの作者たち、が中国のバブルが炸裂することをのぞんでいるということ、未だにアジア蔑視が根強いこと、さらに中国経済が破綻して日本の製造業が盛り返すという夢を未だに描いてる旧世界の住人であること。日本の商品は質が良くて中国は良くない、という神話、をまだ信じてること、そしてこれが世間、の大半だってこと、いろんなことがわかります。

 

この本さらに内容はいい本なのに、外装デザインは黒塗りで白の抜き文字という、おどろおどろしい感じ、煽り感にあふれておる。


 内容はちゃんと合理的に誠意があるように書かれています。ちゃんと理屈を説明しております。しかも、キレイゴト、を吐いているだけってこともありません。リスクの少ないものにだけ分散投資しておくのが一番、というただの常識アドバイスをするだけでもありません。じつはこの保守的で当たり前のことしか言わないヤツ、あるいはひどめにハザードマップを出すヤツ、これもアジテーターと同程度にクズだとワタシは思ってます。精確な数値があるとして、それを多めに言うのも、少なめに言い過ぎるのも同じだけ間違っています。けど社会的には、保守的なほうは責められることが少ない。
 それって悲観的なことしか言わない参謀みたいなものです。

「よくわかりませんがたぶんワタシ達の艦隊は最悪全滅しました」

って言ってるみたいなもの。

「カミカゼが吹いて我が艦隊は無敵なり!敵を殲滅するでしょう!」

って言ってるこいつと同程度にバカです。

ちゃんと数値を出せ!でもこのちゃんと数値を出す、ことを誰もが嫌がります、面倒臭いし、誰かを騙そうとしてると一目瞭然でわかってします。きちんと計算して数値、を出す、これが詐欺に合わないための唯一の手段だとワタシは思うものなり。


 この本にはもしも最終手段として全然金がなかったら有り金プットオプションに張りまくってギャンブルを打て。ということも書いてあります。どうせ死ぬなら最後に博打を打て、という合理的ではあるけれども世間的にはタブーとされていることについてもちゃんとフォローしております。これはすごい偉い。


 けど本当は矛盾してますね、どうせ自殺するなら、最後にめちゃくちゃやれ、っていう合理的、な判断をみんなするとしたら、リスク分散、なんて無駄です。社会がめちゃくちゃになったら、ルール無用になってしまう。


 ともかくこの本の結論は一つだと思います、デフォルトで財産がなくなるのもそうだけれど、その時に悪へ堕ちる人間たち、が一番恐ろしいということ。別に貯金が0になったところで、たいして関係ない、どうせはじめから0みたいなもんだし。っていうヒト(じつは一番数が多い)にもリスクは降り注ぐ、失業者が自殺するとありますけど、自殺するならいいとして、それがカルトやテロリスト、ギャング、になる可能性も多いにある。北斗の拳状態、になったら、リスクヘッジ云々ではなくていきなりモヒカンがバイクに乗ってやってきて・・・ってことになる。


ただこの本にもやや問題があります

 さんざん苦労してアセットアロケーションしたのに、そのへんの通り魔に刺されて死ぬ、このリスクを計算しきれていません。だから宵越しの金は持たない、という合理的判断もありうる。将来のことなんて考えず今を生きる、これだって、将来が本当に無いとしたら合理的な判断です。


 それと財政破綻で消滅した国は無い、と書いてありますがそれは間違いだと思います、本当に滅亡したから記録になってないというだけ、ローマ帝国が滅んだのだって突き詰めれば軍事費の拡大による破滅です。むしろ戦争で消滅したという国はあんまり無い、が正しいと思います。その国民を一人残らず殲滅する、殲滅戦っていうのはほとんど無い。だいたいは吸収されるかバラバラになってるだけで実質的にはその国は存在しつづけるものです。ローマ帝国が滅んだとて、ローマ人が一人残らず殲滅されたわけでは無い。混ざって薄くなっていったというだけです。インカ、アステカだってそう。



 あと日本人は危機に対処できない、経験が無いといいますけど、日本が破産、ハイパーインフレ、預金封鎖してたのは1945~50年。いわゆる先進国では、西ドイツ、ソ連についで一番直近に、経験、をしてるんですけどね。つい70年前の出来事。むしろデフォルト経験が無くて金融平和ボケしてるはずなのはヨーロッパとアメリカのほうです。

2018年9月2日日曜日

Vsinger live 2017

 最近ワタシはBilibili動画ばっかり見てますが(B動、ニコニコ動画の中国版みたいなの)、結構カルチャーショックみたいなことがたくさんあります。

 なかでもびっくりしたのはこれです

https://www.bilibili.com/video/av12802603?from=search&seid=2190925248097668808


ライブの動画ではトップクラスの人気。

つまるところ、中国の初音ミクみたいな、ボーカロイドのライブなんですが(ボーカロイドっていうよりはアイドロイドって感じですね)、わぁ・・・こんな時代になってるんだ、ってぞわっとしますた。

 中国のデジタル技術はすごいですなー。もはやデジタル技術といえば中国という感じがワタシにはしてまする。
 モーションとか、音声合成技術も日本より優れてる気がする、まぁ中国語がわからないっていうのもありますけどね。
 ただ、音、としての中国語ってすごい、娘コトバっていうか、若い女の子がきゃぴきゃぴ言ってるような、音、ですよね。


 それとやっぱ中国の美的感覚、は微妙に日本と似てるようでちょっと違うってことですね。ほんとうにこういう髪の結び方が好きなんだな・・・、冗談みたいな中華キャラしかしないようなの、こういうのが本当に好きなのか。
 ロシア人は本当にあぁいう帽子かぶってるんだ!っていうのと同じ驚き。

 あと、足、にこだわりがあるんだなっていうのを感じますね。

とにかく、こんな時代か・・・と思いました。

2018年8月28日火曜日

2011 国家は破綻する this time is different カーメン・ラインハート

国家破産シリーズ

 結構な大著ですけれど半分くらいはデータ集とデータ索引なので実質な文字としてはそこまででもないです。

 とにかくデフォルトや銀行破産などのデータを集めまくって分析してみましたという本。これまでこの手の本で無視されてきた国内債務、などが取り扱われている点などが特徴で、金融が発展してきた中世のヨーロッパからデータを集めております。

 言ってることはそりゃそうだろ、ってことだと思います。無茶な借り入れをすると破産するということ、国家の財政はあらゆる国で最初はめちゃくちゃであり、あらゆる国がその歴史上、財政的破滅を味わっているということ。

 最後にはお決まりの国際的な監査機関が必要だ、という結論になります。

 まぁそりゃそうなんだろうけど、作者自信無理だろって思ってる解決法を書いて終わりにするのはまぁ学者の悪いクセですよね。環境問題は悪化している、国際的な協力が必要である。
 そりゃそうだろうけど!それが出来たらなんの苦労もしません。あらゆる人間はブッダかキリストのような高い倫理性をそなえた人間になれば何の問題もありません。と同じことです。悪い人間がこの世からいなくなれば、きっと良くなります。っていうのと同じです。
 
 いやそりゃそうだけど!!そうなるはずないじゃん、まずそうは出来ないからこうなっているのだ、っていう前提条件が間違ってますもの。


 とにかくバブルと金融の破綻を防ぐ方法は無い、ってのが結論だと思います。現在、もイラン、トルコ、がトランプ政権の圧力などで経済が崩壊しかかっていますし、現在ナウ崩壊中、いや経済とかいう問題ではないっていう国もいくらでもあります。

2018年8月27日月曜日

2007 世界樹の迷宮


 大事な攻略情報

このゲームの攻略の要は職業選択とスキルの割り振りにかかっています。ゲームの難易度が大いに変わってきまする。失敗しても新たに作り直せばいいのですが相当面倒くさい。よっておすすめ紹介。

 職業の強さのバランスは相当練れていると思います、どれも弱いということはありません。好きに組んだらよろしい・・・といいたいところですが、強い構成はあります。
 メディックだけはとにかく必須。あと属性攻撃が出来るアルケ、バードのどっちかも必須です。じゃないと物理が効かないカメ?カブトムシ?に相当苦しむ。
 どのサイトもおすすめは、パラ、ソード、レン、メディ、バードとなっております、確かに一番それがバランス良いかも。
 個人的にはソード(剣)ソード(斧)ソード(どっちでも)、メディ、バードがよろしいかと。パラはあんまし役に立ってなかったような・・。縛ったりするよりも脳筋でゴリ押ししたほうが早い気がする。小細工を弄せず脳天叩き割ったほうが早いw ただつまらない編成ではあります。

 スキルの割り振り!!これが一番といってもいいほど大事。中には伸ばしてもまったく効果ないもの(パラの挑発)、伸ばしても使いみちの無いもの(サポート系)、めちゃくそ強いもの(医術防御)などあるので攻略サイトなどを見るべしですね。

/////////

 概論

アトラス先生によるロープレですが、コンセプトが非常にハッキリしていて、アンチスクウェア!w まさにそれです。
 ムービーやグラフィックなど、映像表現を切り詰めるだけきりつめて、テキスト主体、ゲーム本位のストイックな3Dダンジョン探査型ゲーム。
 マップを自分で描き込んでいかないといけない、など、うわっ!いつの時代のゲーム感覚!?っていうくらいとにかく古き良きゲームに戻ろうがテーマになっています。

 テキストもTTRPGみたいに。
「そこにキラキラしたものがある、君はそれを拾ってもいいし、無視して進んでもよい・・・」

「恐るべき強敵の気配がする!逃げることは恥ではないぞ、冒険者よ、戦うか戦わないかは君の手に委ねられはいる」

みたいなゲームマスターとの対話形式の独特のテキストスタイルとなっています。ワタシこのTTRPGにすごい興味があって、やってみたいな~・・・とずっと思っています、特にクトゥルー神話のシリーズ。しかしよほど暇なゲーム好きが5人ほど集まらないといけないし腕のいいゲームマスターまで用意しないといけない、ハードル高杉晋作かよ、って話です。TTRPGカフェみたいなのがあるみたいですけど都内で遠いだろうしな・・・。出不精でさらにミザンスロープのワタシには無理ゲー。じゃあそもそもやろうと思うなって話しですけどw

 ネットで同時通話でそれが出来るサービスとかあったらいいのに、まぁクソニッチな産業なのは代わりないですけどにゃ。けどゲームっていうものの本当の源流はこのTTRPGにあるのですよね。
 対話形式の会話による集団創作みたいなとこがあります、その場その場で物語をみんなで生み出していく、「役割を演じる」、RPG。

 そんなわけでBTTB back to the basic 基本に帰れっていうことです

///////
ストーリー

そんなものは殆どないのだ!冒険者よ!ダンジョンとベースキャンプしかないのだ!

/////////
システム

無茶苦茶オーソドックスなロープレですが、前後列の区別があるのがDQなどとの違い。パーティ5人、っていうのがミソで、回復のメディックは必須、物理攻撃が効かない敵がいるのでアルケミスト、あるいはバードも必須、しかしそれで後列は埋まってしまう!素早い攻撃のレンジャーは一体どこに入れればいいのだ!?防御特化のパラディンは本当に役に立っているのか?基本に忠実なソードマンをあえて外してみるのは自殺行為なのか!?なんで武闘家がいないのか!ブシドーは本当に強いのか?ペイントレード強すぎないか!?その真意は冒険者である君が確かめてもいいし、確かめないでもよい。


//////
 攻略情報

レビューなどにあるように序盤の難易度かなり高めです、全滅ポイントてんこ盛り。アトラス先生になれてるヒトには、まぁいつものことですけど初心者には辛い。とにかくカネがないしFOEが強い、さらに宿屋の値段が高いのが激痛。後半もいつもの通り敵の火力が高い。敵の先制、眠らされる!フルボッコ!全滅!ってのも結構ある。
 序盤の突破口はあります。レンジャーによる大量自然破壊大作戦ですw とにかく木を切りまくって木材を売りまくる、文明のちからを見よ!w 細かいやり方は攻略サイトなどを見てください。マップもまさにそれをやれっていわんばかりの製作者側の気遣いが見えます、確かに大森林のダンジョンを攻略するには、木を切り倒すのが基本、そりゃそうだ。人間ってのは木を切り倒すイキモノなのだ。

 だいたいのロープレに出てきますが中盤の壁、クイーンアントがそーとー強い。まぁアトラス先生慣れしてる人には、来たなこういう中盤の壁・・・っていう感じ、ポケモンとかで育ったガキには難しい。パーティの相性でかなりキツイ、さらに育て方間違ってても相当シーキビ。

 ただメガテンみたいに開幕ムドオン、即死!っていうのは少ない気がする、メガテンみたいに主人公が死んだ時点でイゴルことがないからですね。


 あと面倒くさい地図書きイベントですが、ゲームを通じて2つしかないのでここは我慢してやるしかありません。・・・でもやっぱ面倒くさいので地図描くシステムはなくてもいいのでは・・・


//////
 グラフィック路線とFF7

 このゲームが特別にってわけではありませんが、グラ重視の弊害について。
 グラフィック主体、の先駆けとなったのはやっぱりFF7だと思います、FF7がゲームを変えたし、FF7がゲームをダメにしたとも言えます。今のスマホゲーみたいな美少女キャラ集めみたいなのも、グラ重視の派生系で、もとはFF7にあると思うのです、美男美女が主人公でゲーム性よりもキャラクターが好きっていう。今でもセフィロス、クラウド~ふぉー~!っていう腐女子も、ティファ、ユフィたそ~!っていうキモオタもいるわけで、本当に時代を変えてしまいました。ゲーム自体得意ではないけどキャラが好きなのでやるっていう新規参入もめちゃ増えた。特に♀ゲーマーがこの路線になって激増しました。今ではもはやゲームに金を突っ込んでるのはもはや大半♀なのではと思うほど。
 ワタシ自身もFF7はめちゃくちゃ大好きなのです、ここが難しいところ。でもFF7路線には不満もある、アンビバレントなものを抱えています。

 sex is a weapon its like a drug!  っていうようにセックスアピールってのは麻薬ですから、麻薬と同じで一度使ったら辞められなくなる。一度美男美女でファンを獲得したら、次にゴリゴリの、まさにこの世界樹の迷宮みたいなゲームを出したら、大批判を浴びるに決まっております。
 アトラス先生も、ペルソナ、はギャルゲーロープレ、だと言われておる、確かにそういえばその通り。でもワタシはペルソナも大好きなんだよなぁw ほんとにここは難しいところです。
 麻薬が気持ちよくない人間なんていないのです、気持ち良くないなら誰が麻薬なんてやるものか。そこが問題なのです。麻薬が危険なのはそれが中毒性があるからではなくて、それが快楽だからなんです。


 でもワタシはやっぱし、グラ重視がゲームをダメにしたと思いますね。これがワタシの意見。3Dのゲームをやっていると、あれ・・・、これって実は全部同じゲームなのでは?って思いませんか?キングダムハーツにしろ、無双シリーズにしろ、FPSだろうがTPSだろうが、PSO、バイオハザード、モンハン・・・ただちょっとだけキャラのデザインと武器の射程とかが違うだけの、全部おなじゲームなんじゃないか?ってワタシは思えて急になんか、脳の奥の方からトカトントンが聞こえてきそうになります。これはワタシだけの感覚なのですかね?

 DQタイプのロープレだってそうだろ、ドラクエだろうがメガテンだろうがFFだろうがだいたいターン制の同じゲームなのになんで3Dだけが同じように思えるのか?っていうのはもちろんあります。
 そりゃ一体なんなんだろうな?って思うと、やっぱ絵、と3Dモデルの違いなんだと思いますね。イラスト、だと誰が描いたかってのがわかります、あっこれは鳥山明の絵、天野喜孝のイラスト、っていうふうに。3Dモデルってやっぱ立体として存在しないといけないわけで、ちゃんと構造をもたせないといけない、そうすると作家性が失われて、無個性になってしまう。イラストレーター、には特徴があるけど、モデラーには個性が無い、上手いと下手があるけど個性が出にくいと思う。このモデラー好き、みたいな特定のモデラーがピックアップされることもないし。

2018年8月21日火曜日

甲子園終わりぬ

 予想をまったく外して、大阪桐蔭が優勝しましたね。終わってみればそりゃそうだろ、ってことなんですが、あれですね、結局単勝1.2倍の一番人気が勝ったあとで、そりゃそうだろ、なんでこいつ外して当たるとワタシは思ってたんだ??って冷静になってしまっている気分w
 決勝はワンサイドゲーム、ちっとも面白くありませんでしたね。

 ワタシは高校野球全然詳しくなかったのですが、聞いたところによると、今は越境入学ってのが盛んでして、大阪桐蔭には県外からも優秀な選手を集めていて、殆ど西日本オールスターみたいなチームなんですってね。

 金足農業はそれと比べると、そこまでではなくて、やっぱし天才が一人現れた田舎のワンマンチームです。っていうか昨日投げて、今日も投げる、そりゃ持ちませんって、無理だぜそんなの。殺す気か。まぁ大阪桐蔭のピッチャーも連投だったのですけどね、けどリリーフがいくらでもいるのと、自分ひとりしかいないではそりゃ全然ちゃいますがな。


 やっぱり努力よりも才能と資金力である。ってのを見せつける結果となりました。高校野球というとクリーンで、マネーゲームではないっていうのはもう大昔の話のようです。

 ワタシは思うのですけど、努力すればうんぬんかんぬん・・って言いますけども、努力、が出来る、環境、があるかどうか、という運、というか資金力。がまず必要だからね、って思う。
 努力、をしたくても出来んっていうことが往々にしてある。環境が整っていて、努力がしやすい環境にある、それが何よりも大事な前提条件です。


 フランク・シナトラが言ったということには「成功するのに必要なのは才能、それから先はテクニック」らしいです。
 ワタシとして「成功するのに必要なのは運、そこから先は才能」だと思うなぁ・・。


 

2018年8月18日土曜日

2012 国家破産で起きる36の出来事  浅井隆

ハッキリ言ってこれは悪本です、このブログで悪本が登場するのは稀ですね、だいたい古典かゲーム、マンガしか扱わないので、現代の一般書が出てくることはまずない。

 別にこの本に限らず現代のいわゆる新書だの一般書ってのはほぼすべて悪本です、一部の科学の専門向けの本以外は、愚にもつかないことと、虚言、誇大広告が書いてあるだけです。


 と、ディスりつつも、事実としてはまともなことも書いてあります、悪本な理由は・・・については次作で書くことにする・・・に対する解決法はもう一つの本を買ってくれ・・・
 みたいな殆どが自分のCMと売り込みばかり書いてあるのです、ひどい本だ。
だいたいのダイエット本やら健康本、もまぁ同じようなものですけどね。金を払って買ったのにさらに広告ばかりという詐欺です。電車に乗ってても思うのですよね、なんで金払って乗ってんのに広告ベタベタ貼ってあるんだ?って。広告見せるならタダにしろよって。

 ともかく国家破産はまぁどういう形であれ起こるでしょうってことです、これもワタシも絶対そう思う。しかしこの本は2012年で、あと5年で危機的状況になる・・・・と断言してますので、めちゃくちゃ嘘だったということになりましたね。


 アベノミクス・・・、は微妙に延命効果を発揮しています。経常収支は黒字ですし、インフレも今のところじわじわと進めていけている、このままじわじわインフレ、を続けていくことができれば、年5%であっても、10年後には162%になるわけで、借金は実質半分になるという次第・・・そんなにうまくいくわけないけど、いきなりの破滅、大混乱を避けられる、の、かも、ね。年金も半分だけどにゃ。でも絶対インフレが起きることは間違いない。

 まぁインフレってのは実質増税と同じなのですが、ポピュリズムでは増税は出来ず、インフレとなるわけですな。

あと庶民はどうあがいても海外移住なども出来ないし、リスク分散などもたかがしれている、諦めろということです。金持ち、まぁ5000万くらい持ってる人だけが、リスク分散、海外移住を準備したほうがよろしいのでしょうね。


ちょっと気になるのはアマゾンなどで探すとここ数年この国家破産について、みたいな本が全然出版されてないのです・・・裏で言論統制が敷かれているか、さらに悪いことですけど、国家破産のリスクが無くなったという油断が生まれているのかも。


 

結局戦争ってのは経済戦争で、人種だの宗教だのもやっぱり経済闘争だってのがワタシの今のところの考え。

2018年8月15日水曜日

甲子園 高校野球 

 第100回記念というわけで、わたしは生まれて始めて今年は甲子園を見まくっておりまする。
 やっぱトーナメントってのはいいものですよね、一回勝負。めちゃくそ強いところにも、もしかしたらの不調などが重なって勝利出来る場合もあるし、思わぬスターが飛び出す場合もある。

 ここまで見たところ、どう考えても金足農業のピッチャー吉田だけ図抜けております。ただ、ずっと一人で投げてる、こういうワンマンピッチャーチームってのは、いくらなんでも一人で投げ抜くのは無理ってもので、どっかで力尽きるものであります。常識で考えりゃそうだろって話ですよね、プロなんて一週間に1日しか投げないのです、それもだいたい6イニングで交代、それを9回完投を短い期間で投げる、殺す気か、って話。マンガじゃと現実を重ねるべからずってやつ。だからどっかでエースを温存したいとこですけど、エース温存で敗退したらファンもメディアもなにしてんだクソ野郎が!ってなります。



 で報徳学園の1番バッター小園、っていう無茶クソ足の早い異次元のプレイヤーがおります。これも明らかにスーパースター予備軍。で、もちろん春優勝の大阪桐蔭は選手層厚すぎだろ、さらに殆ど地元ってのも大きい。

 よって優勝予想はだいたい報徳、か桐蔭だってことになってるでしょうね、一般的に。ただ桐蔭はなかなか危なっかしい勝ち方で、無敵艦隊って感じではない。どっかでこけそうな感じもあります。勝って当たり前チームなんでプレッシャーが大きいのですね。

 なのでワタシの予想は報徳です。桐蔭はたぶん決勝までこないんじゃないかな?と。


 ちょこちょこ見てて思ったのですが、もうこの県はこの学校が甲子園行く、ってお決まりになってるようなチーム、そこの県の野球少年で甲子園出たかったらもうそこに決まりっていう学校。そういう学校の予選大会ってもう試合になってないみたいな戦力差があって、打率とかが5割超えたり無茶苦茶になってるのですね。だからそういうところって案外弱かったり大敗したりするのですね。
 

あといっつも気になるのが監督の指導方針ですね。
「のびのびと自由に、笑顔で」
 っていうような言い方をするタイプがめっちゃ増えとるのですな、ワタシの知ってる野球部なんてスパルタンX以外は考えられなかったけれど、そういうのはもう流行らないみたいです。だから泣くやつも少なくなったのでは?あの血反吐リアルに吐いてた練習・・・っていうのが無いんでしょう。もっと科学的で合理的な練習になってると思うし。
 じゃあ野球部=坊主っての辞めれば・・・?とも思うのですけどね。野球=坊主ってのはまじで何の意味もないし・・、ベースボールの本場のアメリカでは坊主なんかしてないし。
 あの高校野球児は坊主がいいなぁ!って言ってる世代ってまだ生き残ってるんですかね、もう現役世代じゃないと思うのですけど・・・。

2018年8月11日土曜日

2008 戦場のヴァルキュリア

 概略

 タイトルだけ聞くと、ヴァルキリープロファイルみたいなファンタジーロープレかな?と思いますが、けっこうリアルよりな戦車シュミレーションアクションゲームです。何故か戦闘機が登場しない第一次世界大戦後のセカイ、みたいな感じ。

 シュミレーションアクションゲームってなんやねん、と思うかもしれませんが、それがまさにこのゲームのツボというか全てだと言ってもいいと思われます。
 シュミレーションの戦闘、の部分がアクションゲームっぽくなっているという感じですね。普通シュミゲーならコマンド選択して戦闘は自動ですけど、その戦闘、の部分がシューティングっているという感じ。
 といってもそこまでアクション性はなくて、焦点を合わせてる時は時間が止まるなど、反射神経はそこまで要求されてません、ただ移動などはちんたらしてるとすぐ死にます・


 このゲーム感覚は独特で他のどのゲームにも似てません、以前ペルソナ3について書いたときに、たぶん新しいジャンル、というのはもうゲームには無くてこれからは、2つ以上のジャンルの融合、ケミストリーになってくる、と書きましたが、このゲームがまさにそれ、シュミレーション、とアクション、のケミストリーとなっております。

 結構チュートリアルがざっくりしていて、最初は、は!?っていう感じですが、慣れてくるとなるほどなぁ~~って感じになってきます。最初は戦車のラジエーターに攻撃をくらって即死して、WHAT!?ってなりますけども、実際やってみて、あぁこういうことな、っていうのを学習する以外ありませぬ。

 あと最初に勘違いしてしまうと思いますが、このゲームは敵を全員ぶっ倒してすこしずつ前進して倒すというゲームではありません、そういうスパロボ的なシュミレーションではない。とにかく相手の陣地、を急襲して奪うというゲームです。ザコは無視してとにかく玉砕覚悟で敵陣地へと猛攻撃をかけて、電撃戦で勝たないといけません、ちんたらやってると相手は無限湧きするのでジリ貧になってしまいます。

難易度は、レベル上げが可能なので、無いといってもよいです、どんなに下手っぴでも根気があればクリア可能。
 が、初見でレベル上げも何もなし、情報無しで攻略するのは、相当ハード、いや、むちゃくちゃ難しいです。まずだいたいにおいて、敵のほうが、兵力、物量、地の利、兵器の威力で圧倒的に有利、こっちはいっつも窮地からのスタート、こんな戦争勝てるか!!と捕虜をXXXしてXXXをかけてXしたくなるくらいの状態ですw
 どうすれば勝てるのか?という意味がよくわからないマップも結構あります、どうすれば勝ちなの?っていう。
 まず一回、あぁこういうマップな、ってのを確認して、なるほど、じゃあ一回ロードして。っていうのをやらないと、全然知らないマップで勝てるわけないって感じです。
 いきなり奇襲、敵戦車出現!ボカーン!負けー!ってのもよくあるw

 ゲームをプレイしてる感覚はなんとなくファイアーエンブレムに近いです、とにかくまめにセーブしてうまくいかないとリセット、ロードの繰り返し最近では久々のリセットゲームです。相手に避けられたらまぁリセット確定、エンブレはスーファミらしくロードが早いので良かったですけどこのゲームはロードがやたら長いので、そこが問題。まぁ本を片手に読みながらやるっていう感じですか、今どきの人ならスマホゲーム片手にダブルゲームですね。


/////
プロット

 ストーリーや世界観はどうみても宮崎駿の影響が90%、戦車のデザインもそうだし、タイトルカット、コンテの切り方、喋り方まで宮崎駿大好き少年たちが作っています。これはほんと良し悪しなんですけど、他にまともな作品に触れてこないで大人になってるやつが9割なんですよね。自分がいざ作る側になったときに、ん・・・?引出しが全然ないやんけ!ってのが現状。根が非常に深い問題なのですが今のクリエイターって全員、人生の経験、ってのがカラッポなんですよね、だから他のヒトの世界観を拝借していくしかない。義勇軍として中東戦争に参加して帰ってきた・・みたいな経歴のクリエイターいるわけないし。

 よってある意味すごいダサい、70年台っぽいっつーのか、野暮ったい、ぬるい、ベッタベタ。逆に言えば、一般受けする、わかりやすい、善悪がめちゃハッキリしていて、ノスタルジック。時代劇的にわかりやすく窮地に陥り、わかりやすく危機一髪で助かる。
 レンダリングがトゥーンレンダリングと水彩っぽいエフェクトを駆使していて、これも言い方ですけど、懐かしい感じ、親しみやすい、逆に言えば、ちゃちぃ、専門学生レベル。

 でもワタシはこのCG感は結構好きです、よくあるのですけどグラフィックに凝りすぎていて、道、がわからん、ってのがあります、視認性悪し、それってゲームとして一番ダメだと思う。将棋の駒が達筆すぎて何の駒かわかんなかったら困りますよね?レンダリングを綺麗にするのはいいけどゲーム性が損なわれてるのは本末転倒。
 このゲームはすごいシンプルなので、はい土嚢、はい瓦礫、など視認性が高いです。
 けどもムービーとなるとやっぱCGがちゃちいです。物語パートがけっこう多くてかったるい、スキップも出来ないものが多い・・・
 ですが声優陣は非常に豪華。(声優ってめちゃくちゃビッグネームでもそこまでギャラが高くないんでしょうね、それって声優業界としてはすごいプラスだと思います、ベテランも天狗にならずに仕事しますものね)
 めちゃくちゃどうでもいいサブキャラもいちいちしゃべります。ノトマミストのワタシはもちろん歌姫を多用することになります。

 が根本的な話なんですけど、ゲームにムービーって必要??そんなに綺麗なムービーが見たいならアニメ映画なりハリウッド映画なりを見るんじゃないでしょうか?
 なんかテキストだけで説明されてたときのほうが、胸にささったような気がする・・・、一般的にどうなんですかね?あとワタシは3DCGムービーがやっぱ好きになれないってのも原因かも・・・

 ほんと今一度考えてみるべきですよね、ムービーっている??ってことは。

///////
 ネタバレ感想

  たぶんこのゲームをプレイしていてみんなが思ったことだと思うのですけど、セルベリア・ブレスという、このゲームの準主役、いや、もうこいつが主役だろうっていう敵がいます、こいつがまさにヴァルキュリアなのですから。
 捨て子であったのを帝国に拾われて、人体実験の末兵器になったいう、もうベタ中のベタ、死ぬほど聞いたぜその話!!っていう呪われた運命を持ったキ美少女ャラでこいつを中心に物語が展開してるって言ってもよい。悲劇のヒロイン・・・

 なのですが!このキャラがものすごい爆乳で、コスチュームもおっぱいにしか目が行かないような服を着ているのです。体守る気ある?(まぁヴァルキュリアは基本無敵なので防御不要なんですけど)
 ともかくそんな重要なキャラをおっぱい担当にしたら話がブレブレなのでは・・?もう典型的今夜のおかずにどうぞみたいなデザイン、それをそんな重要キャラに使いますか?なんか話が入ってこない!
 このセルベリア以外にはほぼ一人もおっぱいキャラは登場してないし、割と素朴なデザインばかりなので、極めて異色なのです。吉良上野介がむちむちでぼいんぼいんみたいな感じ。いや・・話全体がむちゃくちゃになってしまうよそれ・・・


 さらにさらに、セルベリアは無茶苦茶強く、このゲームで最強ユニットです。なんなのこの超特別待遇は・・?ヴァルキリーモードでは完全無敵、普通の人間モードでも、スナイパーライフルを遠距離から連射できる特殊兵器を持ち、しかも外さないし前方からの攻撃はすべて回避するという、なんだこの超兵器は・・っていう暴れっぷり。
 ラスボスも戦い方がわからないとまぁまぁ強いのですが、回避はしません。セルベリアは無茶苦茶回避能力が高くてそれこそ何度もリセットしないといけません。

 どういうつもりなのだ・・・これがSEGAクオリティということなのか・・?最終的に主人公とヒロインを完全に忘却の彼方に置き去り、セルベリアがエロくて強かったということしか思い出せないということになります、わざとそうやってるとしか思えない・・・
 

2018年8月9日木曜日

太宰治 総括  全集を読破して

 というわけでここ1年くらいでしょうか?太宰の作品をすべて読むという自分企画を進めてまいりまして、このたび最後までたどり着きました。

 もちろんすべてが名作ってわけでもないのですが、その打率、でいうとトップクラス、こんなにハイレベルな作品を連発する作家は滅多にいるものではない。ドストエフスキーですら、なんじゃこりゃっていう作品を結構書いてますから。それはベートーヴェンもそう、シェイクスピアだってそうです。天才にも駄作や失敗作はいくらでもある。太宰はそれが極めて少ないタイプの作家です。デビューの時から冴えていたってのが大きいですね、最初っから完成されてた。最初が一番良かったとも言えるくらい。

 
創造的人間の持ち時間は10年。恐ろしい事実ですが、奇しくも太宰にもそれが当てはまります、27くらいでデビューして40前に自殺。途中病気をしたり戦争で中断したりもしてますので実質活動期間はやっぱし10年ってことになると思います。

 
 全集を全部読破しよう、って思うような作家って数えるくらいしかいません。ワタシがたぶん全部の作品制覇してるって言えるのは、ドストエフスキー、夏目漱石、そして3人目に太宰ってとこですかね。まぁトルストイもだいたいは読んだはずですが。たぶんそし最後なのでは?これから先全集をすべて読まないといけないような作家が出てはこないし、年下であればたぶんそのヒトの全集が出ないうちにワタシは死んでるでしょうし。これからの時代に大小説家ってのが生まれるとも到底思えませんので。
 そう考えると偉大な小説家ってのは少ないなぁって思いますね、確かに代表作いくつかは良いっていう作家もいますけども、全部読みたいって思うような作家は、人類の歴史でワタシにはたったの3人しかいなかったのだなぁ・・・。
 一時期映画を見まくってた時にも思いましたね、面白い映画って実はまだほんの少ししかない、これは名作だって思えるのは、150くらいしかないです。



もちろん現代の漫画家とかは作品数が少ないから全部読んでるってのはいくらでもいますけどね、宮崎駿もそうっちゃそう。
 漫画家ってのは生涯作品数がすげー少ないのだなって思いますね。ようするに一生でだいたい200巻くらいでしょうね、一つの作品だけじゃなくても、全部で200。マンガってのは絶望的に時間食い虫。
 小説はたくさんかけるけれど、それが逆に命を縮める要因でもあると思います。すぐに描けてしまうから、さて次は?さてその次は?っていう常に次回作の構想に追われることになる。人間そんなにたくさん言うことがあるわけない。すぐに書けなくなります。

 さて無駄話はこれくらいにして総括をします。

「最高の芸術というのは、人に生きてく力を与えるものだ」

というコトバがあって、さらに

「ユダ、がいることによってイエスの輝きが増す・・・」

というコトバもあります。

 太宰は露悪、あるいは偽悪、として、ユダの役割を演じることで、人々に生きてく力を与えた、そしてこれが成功したと思います。
世間、一般では、太宰は本当にダメ人間で人間失格、あんなひどいやつは見たことない、自分がダメダメでも太宰よりはマシだと思って元気が出た。
こんなダメ人間がいるんだ、ワタシはまだまだだ、頑張ろう。っていうライトユーザーというか浅い読者がたくさんいます。殆どの太宰が好きって言ってる人はそれでしょう。
 
 けれどガチの読者、全集を全部読んじゃうような人間は、そんなの全部ポーズ、ユダ、という役割、を演じてるだけで、太宰ほど真面目に仕事するやつもいないし優しい人も滅多にいないとわかっているはずです。
 そんなの仕事量を見れば一目瞭然、この期間でこれだけ、ってことは・・、ほんとに一日12時間くらい創作活動してないと出来るわけない、ずっと呑んだくれたり中毒したりして仕事をしてないなんてのは全部嘘だってわかります。四六時中小説のことしか頭にないっていうのは眉唾じゃなくてまったくの真実。そのくらいのめちゃなハードワーカーだからこそ酒で息抜きしなければいけなかったわけですね。


 結論ですけど「優しい」、のです太宰っていう人間は、それが全作品を読んだワタシの感想。「優しい」人間にしか、偽悪、の役というのはやれない。
そして全部、ポーズで演技なのだけれど、自殺、すると、その嘘、ポーズ、ロールプレイング、が全部真実、になるんです。これがミソですね。
 イエスがもしユダの裏切りで処刑されることがなかったら、イエスの言ってたことは全て嘘になってしまうのと同じ。やっぱり太宰が自殺してなければこうしてワタシも読んでないだろうし、イエスが長生きしてたら、キリスト教は布教しなかったと思います「何を言ってるか」なんてほんとはどうでもいいのかとワタシは思っています「誰が言うか」こっちが大事で、誰が言ってるか、でコトバに意味が生まれたり、カラッポの響きを持ったりするのですな。

 そして人間失格の最後にあるように、葉ちゃん、は他のヒトがなんて言おうと、神様のようにいいやつだったっていうのを信じたいと思います・・・

2018年8月8日水曜日

1948 人間失格

 知らない人のほうが少ないのじゃないかというくらいの作品ですね。まぁ読んだ、という人は5%くらいしかいないのだろうけれど。

 実はワタシ人間失格は3回読んでると思いますね、ワタシは同じ本を何度も読まない主義なんです、それは何度も読むと、それにハマりすぎてしまうというか、自分がなにか書こうとするときとかにそれに影響されすぎてしまうってことがあるからなんですね、特にいい作品とかだと、もうそれしか読めなくなって他のものに興味が無くなってしまうってことも怖い、あと多少つまらないと思っても自分の知らないものを読んだほうが新たな発見があったりすると思うからです。


 この本はその自分ルールの例外なんですが、理由があります。まず最初に読んだのは中学の読書感想文でいくつかの作品が指定されていて、仕方なく読みました。なんで人間失格にしたかというと一番薄い本だったからですね(他はたしか金閣寺と暗夜行路だったかな?)ほんっっとにワタシは晩成っていうのか、ちゃんと自我が目覚めるのがめっちゃ遅くて、自分で主体的に本を読んだのはたぶん高2くらいまで無かったですね。初めて自分で金を出して買った本は吉川英治の三国志、たぶん三國無双をやってて元ネタが知りたくなったのですね。自分で本を読むという発想が無かった。
 もっというとワタシは大学受験まで勉強、っていうことを殆どしたことが無かった、高校受験の時も、塾に行かされてたけれど、塾以外で勉強なんてほぼ一度もしたことがありませんでした。割と体育会系だったのですね、たいして上手くもないのに体育会系という典型的だめパターン。

 
 とまぁそういうわけで読むのが面倒だったので、ペラペラペラとめくって、最後の解説、みたいなのを殆どコピーして読書感想文にしました。本当の感想は、なんだこのしみったれた暗い物語は?というくらいしかありませんでした。それと性の知識が無かったので内容が本当に意味がわからなかった。(これもほんとの話でワタシはセックスってものが高3くらいまでどんなものかわかってなかった)
 とにかくもっと面白いマンガ読ませろ、くらいの感想。ひとつだけ「ワザ、ワザ」、というセリフだけが頭にひっかかった。
 まぁワタシはひどい例かもしれないけれど、中学生にこの人間失格の内容が理解出来るわけねーじゃんと今でも思います、なんでこんなのを読書感想文に指定するのだ?もっとわかりやすくて読書に興味持たせるような作品を選ぶべきですよ、アースシーとか、せめてユーゴーとか、エンタメ要素もあるものを選ぶべき。


 で、大学に入ってからですかね、そういえば人間失格ってペラペラめくっただけで何も読まなかったな、と思って再読しました。大学時代はそれまでと打って変わって、とにかく古典作品を読みまくるという、図書館生活をしていました。受験勉強時代に、芥川の小説が、国語の問題に出ていて、初めて、アレ・・・、芥川先生・・、文章うまくね?っていうことに気づいて、くそったれ受験終わったらめちゃくちゃ本読んでやるって思ったのですね。


 でもこの時の印象もあまり残ってない、当時ドストエフスキーにゴリゴリにハマっていた時期だったので「罪、の対義語が罰なんじゃないか?」 というセリフだけは鮮明に覚えています。他はあまり・・・、たぶん当時のワタシは硬派の時代だったので、色恋ものってだけでケックソが、って投げていたのだと思います。「悪霊」「罪と罰」みたいな犯罪と革命、特に革命に憧れていた時代だったのですね、女?クソが。軟弱者め!!っていうこんな調子。



 そして現在、革命熱も無くなってようやく、あぁ~なるほどね、こんな小説だったのかって読めるようになりました。

 今読むと、太宰はもうすぐ自殺しようっていう時期なのにものすごういバイタリティで仕事をしてるなってのが一番印象に残ります。普通もうすぐ自殺しようなんていう人間は、無気力というか、やる気を失っているものですけど、めちゃくちゃエネルギーを使うような作品を書いてる、すごい元気じゃん。って思う。他にいないんじゃないですかね?もうすぐ自殺ってときにそんなに精力的に活動するっていう人間は?カート・コバーンだって晩年はやっぱり落ち目でしたもの。ジム・モリソンだってそう。

 内容は何度も書こう書こうとされてきた、太宰が脳病院に入れられて、完全にキチガイ、という烙印を押されてしまったという時代の経験をベースに作られたもの、さらにそこに、形而上的というか、ちょっと哲学っぽい色合いが追加されております。
 
 淫売婦通い、心中未遂、アル中、ドラッグ、自殺未遂、精神病院・・・

 と何冠王とるのだ、というくらい、世間でいわゆる、クズ人間、と言われるタイトルを総なめにしていくのですが、この主人公が漫画家、なんですね一応。それが戦後っぽいところですよね。戦後になって漫画家っていう職業が、確かにソレ以前にもあったのですが一般に出てきた、貸本漫画とかそういう時代。たぶんろくでもない物書き、最底辺の芸術家として、エロ漫画家になっているわけですが、それが妙にグサっとワタシには刺さりますw
 春画をトレースしてエロマンガを書いて食いつないだ・・という描写がありますが、ものすごいリアリティがありますね、たぶん本当にそういうヒトがいたんでしょう。
 現代でも、ほかの作品トレスして同人エロ漫画を作って食いつないでるヤツがいますものw まぁそれでもマシなほうで、他の人の作品を無断アップロードしてネットの広告で稼いでる輩もいますが・・。まぁこの後者のほうは食いつなぐためにやってるというより組織的な犯罪の匂いがしますけども。
 モルヒネ中毒になっているときはペンがどんどんはかどるぜ!みたいなシーンもあります。確かにワタシも太宰の若い頃のジャンキー時代の尖りきった作品のほうが、結構好きかもしれませぬ。


 ジャンキーものってのはでも減りましたよね、90年台とかものすごいジャンキーものの作品って多かったのに。ジャンキーの数自体は減ってないはずなんですが。規制が厳しくなってジャンキーものはアウトにされたのかも。
 自殺をする気力さえも失われてしまって、本当の無気力になってしまった、というこの小説の主人公と同じようなことなのかもしれません。死ぬ気力もない。

2018年8月7日火曜日

1948 年 の太宰治   桜桃   饗応婦人  酒の追憶  女類  家庭の幸福  グッド・バイ

 1948年が太宰の自殺した年です。


 桜桃

  要するには、自分の息子がもしかしたら白痴かもしれない・・・という恐怖という物語なのですが、この作品は結構有名です。太宰の自殺の理由の告白ともとれるからでしょうか。

 自分の子供がもし障害者だったら、こんな恐怖はありませんね、何より恐ろしいことだとも言えます。ワタシが結婚も子供もほしくない、一番の理由かもしれません。障害者の子供を抱えて、支えていくなんて絶対に無理ですものワタシには。金銭的にもそうだし、精神もズタズタになるのがわかりきってる。
 障害者の子供というとどうもワタシには、大江健三郎が思い浮かびますね。太宰も同じだったというわけですが


饗応婦人
 どうでもいいことなのですが、漢字ってやっぱ難しすぎる


酒の追憶
 酔いどれ日記

 女類

 酒と不倫、という後期太宰の典型的短編なのですが、これはその中でも秀作。スバラシー。太宰自身は自分のことをのんべえみたいに描いてますけども、太宰の戦後の仕事のスピードはものすごい。普通の作家が20年かかるようなことを3年くらいでやってるペース。こんな真面目な作家はいません。

家庭の幸福
 家庭のエゴイズムは、個人、のエゴイズムよりもタチが悪いという話

 渡り鳥
 風刺的に、軽薄な風潮のマスコミ業界を野次った作品。戦後にはよく、俗物、というコトバが登場しまする。

 眉山

眉山というあだ名の女店員についての話

 美男子と煙草

 太宰が上野の浮浪者の集まりを見学に行った時の話。浮浪者の群れ、というのはアメリカ的資本主義の象徴でもあります。娯楽、と浮浪者。これがアメリカだとワタシは思っています。ラジオについての話もあります、戦前はひどいものだったが、戦後にはアメリカ式の娯楽が導入され、音楽などの構成も飽きずに楽しませるように工夫されるようになった。なにかこのラジオ、そしてテレビ、が普及すると一挙に大衆主義、俗悪さがとめどなく溢れ出るような気がしますね。そして文学というものは存在しなくなる。
 月岡芳年という人が最後の浮世絵師と言われたものですが、太宰ってのはそういうわけで最後の小説家なのかもしれません。そのあとの文学ってのはもはや斜陽の文化。物好きが読むだけのもので、文化としての主役としての役割は失われました。三島にしろ大江にしろ、一体どれだけの人が読んでるのかって話で、特に大江なんて読んでる人はワタシの周りには一人もいませんでした、日本文学の先生くらい。
 

グッド・バイ

 未完の作品。絶筆になった作品としてはおや?と思うほど軽くて、明るめの感じの作品。いままで何またもかけてきた恋人たちをフルという主旨ですが、コミカルなタッチです。
 しかし

「戦後数年たって、何かが変わってしまった・・色即是空、酒も女も魅力を失ってしまっ
た・・」

 っていうのは、もしかしたら太宰の本音なのかもしれません。軽めのテイストの中に一番えぐい本音を放り投げたのかもしれませぬ。


色即是空。


 色即是空ってよく聞くけどなんなのじゃ?とおもうてちと調べてみると、般若心経に出てくるコトバなんですね。

 般若心経ってじゃあなんだっけって調べてみると、これは大乗仏教の経典の一つであるとのよし。

 大乗仏教ってじゃあ何?っていうと、マーハヤーナって呼ばれているそれは、仏教の分派の一つです。しかしその起源などは謎。玄奘が7世紀にインドに行って持ち帰ってきた経典の一つに般若心経も含まれていたらしいです。
 仏教もキリスト教のように時代が下るにつれて派閥に分かれて行きました、なぜ?って言われてもわかりませぬ。

 色即是空、っていうのはめちゃばっさり言うと、すべてのモノは、カラッポである。という意味みたいです。

 ワタシ個人の見解ですけど、この虚無思想っていうのか、空の思想。っていうのほど危険な思想はないし、一番の過激な思想だと思います、簡単に色即是空だわ・・・みたいな感じに使っていいコトバじゃない。なぜにこれが一番危険かというと、これが一番真実だからです。すべてはカラッポ、何をしても意味が無い。まさしくそのとおりだからです。反論の余地がなんにも無い。会話にもならん。すべての終わりみたいな考えです。

 この空の思想ってやつは大乗仏教が生み出したもので、ブッダが考えたものでは全然ありません、それよりもずっと後の思想。

 ワタシは思うのですが、これって、言ってはいけない約束じゃん、それ言う?っていうヤツだと思うのですよね。
「なんで変身中に攻撃しないの?」
「いやどうせフィクションじゃん」
 みたいなコトと同じで、それ言ったら確かにそうだけど、粋じゃないです。かっこわるい、可愛くない、みんなをつまらなくさせるためだけのコトバ、悪意の塊です。 

 虚無に飲まれることほど恐ろしいことはないぜ・・・。
 

2018年8月3日金曜日

1947 斜陽  太宰治

斜陽

 この作品はオフィシャルな太宰の年譜みたいなもので、太宰の代表作とされているもの。太宰は自分が薬物中毒で脳病院に入っていたころ、つまり「人間失格」の烙印を押されてしまった頃、のことが生涯頭から離れなかったようで、この作品もその時代の経験が明確に現れております。

 ワタシ、の個人的な好みなんですけど、ワタシはジャンキーの文体と自殺者の文体、が好きなんだなって思います、ワタシの好きな作品ってのはほぼそれです。あっこれだ、これを読みたいんだよなって思う。夏目漱石にもそれがあるんですよね。

 この小説も終盤は遺書、という形式となっています。ワタシは小説っていうのはやっぱりそういうものだと思います、誰かが死んで終わる、それから平和に幸せに暮らしました、なんてそんなわけねーだろって話。

 「人間は恋と革命のために生きているのだ」

 っていう有名なセリフがあります、有名すぎてこの斜陽がその出処だっていうのをワタシは初めて知りました。このコトバだけ聞くとなんか青臭い、時代遅れの響きがありますけれども、文脈をきちんと読んでいくとその恋、と革命、の意味がわかります。ワタシは恋愛小説は嫌いですけど、この小説はそんなワタシにも、恋っていいものですよねって言わせてしまうほどの力がある。

 確かにこれは代表作として善いと思いますね、どういうわけか、非常に陽のエネルギーに溢れている、太宰はもうすぐ自殺するというそのあとの歴史、を知っているワタシたちにはなおさら不思議なんですけど、とにかく若くて美しいエネルギーを持ってる本です。

2018年8月1日水曜日

1947年 の 太宰治 その2  母  父 朝 女神  おさん 犯人

母  
 津軽疎開時代の思い出。ちなみにワタシは疎開というコトバは戦中の時のみ使うコトバだと思ってました。が、戦後でも都市の家が焼失した人々は田舎に疎開を続けていたというわけですな。
 内容はちょっとした・・なんというのか・・・、哀れみ。

父 
 義、について。すでにアル中の色魔という、典型的ダメ人間、しかも偉大なダメ人間ではなく、どこにでもいる小市民的ダメ人間に成り下がった、しかも年をくってダメなおっさんになってしまったという、露悪短編。
 たしかに若い放蕩息子は悲劇的だけれども、おっさんのそれは、ほんとにただのダメなヤツなのです。

 今カジノ解禁になると賭博中毒が増えるからダメだ!と言ってる人がいますけども、いやギャンブルがダメというなら、どう考えてもまずアルコールのほうがダメだろ、とワタシは思います。ワタシは酒ってものが普通に流通してることの意味がわからん。別に高潔を気取りたいわけじゃなくて、なんで酒がOKなのに他のところを規制するのか?規準が無茶苦茶だ!と思うのです。一般向けマンガでは今チクビすら描いてはいけないんですぜ。酒は18才未満はダメと言ってますがハッキリ言ってザル、っていうか、薬物ですやん。



 これでもかというくらいあけすけな小説

女神

 自分の嫁が女神だと信じている狂信者とその妻を描いた作品。
 これってものすごい読み方によって怖い話しで、実際、このセカイには、まともな人間よりも狂信者のほうが多数派です、完全にイってしまってる狂信者、イエスが復活しただの、弥勒が降臨するだのっていうやつから、占い、風水、ジンクス、ゲンカツギ、呪い、幽霊、妖怪、天国、地獄ってものまで、狂信者たち、のほうが、数が多い。
 じゃあそれってもはや狂信者ではなくて、原子論的世界観を持ってる一部のマテリアリストたちが特殊ってことになりそうですけどね。本当の意味でのマテリアリストってのはものすごい少ない、科学者とかでもお墓を作って葬式に参加する。そんなのまったく無意味だぜ、っていうやつは少ない。


 まともな人間、ってのは少数派なんです。それはじゃあまとも、ではないじゃんって思うのですけど。


 ヴィヨンの妻

一見するとやすっぽい、夫が破天荒だと妻が苦労します、っていうはいはいそうですね、女は偉い、はいはい。っていうくだらないメロドラマのように思えますが、そこが三流作家と一流の作家の違いなんですね。よく読むと、何周も周回してるというか、何周目か、を通過してるんだと気づきます。凡俗な作家は一周目ですけど、この作品は何周もして、レイヤーがあるというか、多面的です。見方を変えるとガラっとすべてが違って見えるように作られていて、あれ?・・・もしかしてこいつら全員嘘をついてないか?って思って読むと全く違うように読めますし、こいつだけ嘘つきなら?こいつが本当のことを言ってるとしたら?って一人ずつ役割を変えるだけでも全然違う物語になる。
 話法としては女性による一人称なんですけど、内容は多人数独白体、演劇みたいな作りになっていて、話法自体が普通のメロドラマのそれとは異なっているのですね。


おさん

 不倫者。だけど君、革命のためだぜ?



犯人

 探偵小説というのか、犯罪小説というのか、ともかくちょっとそういう色を持った短編。終わり方などは見事に太宰風です。 



web連載マンガ META  キヲク セカイ  EP1 1.00  オフィシャル版

WEB連載としてやっているMETAをブログにもアップしまする。

1.00というナンバリングがあるように、どんどん加筆訂正を加えていっております。完全版はいつか売り物になる予定。でもこのWEB版でも内容はちゃんとわかるようにするつもりです。

 たぶんこのブログ版がマンガ投稿サイトによる修正を受けない、オリジナルに近いものになる予定。